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第一章 始まって仲直り
十九話 ギクテッドの過去
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ある日、俺には一人の弟が生まれた。
弟は黒髪だった。けど、その弟には目がなかった。ただ、そこにあるのはずっと続く暗黒の闇。
父に聞くと、父は弟の事を「化け物」と、言っていた。
調べてみると、僕らの祖先は魔族の血を持っていて、稀に魔族と人間の血が混じっている子が生まれるんだという。
別にそれを変だとは思ってなかった。
けど、聞いてしまった。
『どうするんだ……っ!あいつは、あの化け物は!人間の姿じゃないと、不死不老なんだぞ!?』
父が泣け叫ぶ姿。母は弟を抱っこしながら泣いていた。
父にその事を追求すると、父は諦めて教えてくれた。
『魔族と人間の血が混じった者は、生まれたとき、足とか体の一部がなくなってるんだ。個性なら、そのままでも特にない。けど、魔族と人間の血が混じった者は、なくなった部分をそのままにしていると、不死不老になる』
『不死不老……?なら、今までの弟と同じ者達は……』
『一つ、精神も何もかもがそのままになってもまだ生きている。二つ、誰かがその体の一部をあげる。また、もらったものをとったらまた不死不老になる。簡単にいえば、かけちゃいけないんだ』
『待ってください!父上…!!俺は!俺の弟を助けたいんです…!!それに、なんだって体の一部が消えてるだけで、魔族の血が混じってるだけで……!!』
『うるさい!!』
バチーンッ大きな音と共に、頬に鋭い痛みが走った。
怒り狂う父の姿。けれど、その怒りを必死になって抑えようとしてくれるのがわかる。
『わからない…!それは、それが、神が決めたことだ!!俺らは……どうすれば…』
もう何も言えなかった。
だって、そんな父の姿は何よりも辛そうだったから。
そして、弟が生まれ一週間がたった頃。
母は目を失った。
弟に目をあげてしまったのだ。あの綺麗な赤い、鮮やかな瞳はもうない。
弟は目元が血まみれになりながらも、あの母の瞳があった。
初めて見えた景色にきゃはきゃはと笑っている。
『こんな、哀れな自分を許しておくれ』
そう言い残して、母は死んだ。
遺書には、弟の名前『テクディア』と。
それと、テクディアに向けて『ごめんね』と、書いてあった。
父は泣き崩れ、テクディアを殺そうとした。メイド達は必死に止める。
けど、止めたところで叫び、壊れるだけ。
父もまた、後を追うように亡くなっていった。
『あいつは、化け物だ。お前の幸せも奪った化け物なんだ!!』
最後は狂いながらも俺に言っていた。
『お前は何でもできる』『あいつを利用しろ』
『お前は神なんだ』
言われた言葉の数々、それが最後まで刻まれていった。
『あいつが……生きてたせいだ』
俺もまた父のようにテクディアを憎んだ。だって、こいつのせいで両親は死んだんだ。
こいつのせいだ。
こいつが生きてるせいで!!
ずっと、ずっと、一人になればいい!!
お前なんて……!!
お前は化け物だ!!
(すみません。障害者を個性と書いたのは、私が障害者と呼びたくなかったからです。
同じ人間、体の一部がなかったり発達が遅く、など世間一般的に普通に生まれなかった人は、何故障害者と言われなければいけないのか。
それは障害者の人には普通であり、自分達には普通ではないだけ。
だから、障害者という名前をつけた。
のが、嫌だったんです。
と、いう身勝手な理由で個性とさせていただきました。
もし、障害者の人が見ていたのなら申し訳ないです。)
弟は黒髪だった。けど、その弟には目がなかった。ただ、そこにあるのはずっと続く暗黒の闇。
父に聞くと、父は弟の事を「化け物」と、言っていた。
調べてみると、僕らの祖先は魔族の血を持っていて、稀に魔族と人間の血が混じっている子が生まれるんだという。
別にそれを変だとは思ってなかった。
けど、聞いてしまった。
『どうするんだ……っ!あいつは、あの化け物は!人間の姿じゃないと、不死不老なんだぞ!?』
父が泣け叫ぶ姿。母は弟を抱っこしながら泣いていた。
父にその事を追求すると、父は諦めて教えてくれた。
『魔族と人間の血が混じった者は、生まれたとき、足とか体の一部がなくなってるんだ。個性なら、そのままでも特にない。けど、魔族と人間の血が混じった者は、なくなった部分をそのままにしていると、不死不老になる』
『不死不老……?なら、今までの弟と同じ者達は……』
『一つ、精神も何もかもがそのままになってもまだ生きている。二つ、誰かがその体の一部をあげる。また、もらったものをとったらまた不死不老になる。簡単にいえば、かけちゃいけないんだ』
『待ってください!父上…!!俺は!俺の弟を助けたいんです…!!それに、なんだって体の一部が消えてるだけで、魔族の血が混じってるだけで……!!』
『うるさい!!』
バチーンッ大きな音と共に、頬に鋭い痛みが走った。
怒り狂う父の姿。けれど、その怒りを必死になって抑えようとしてくれるのがわかる。
『わからない…!それは、それが、神が決めたことだ!!俺らは……どうすれば…』
もう何も言えなかった。
だって、そんな父の姿は何よりも辛そうだったから。
そして、弟が生まれ一週間がたった頃。
母は目を失った。
弟に目をあげてしまったのだ。あの綺麗な赤い、鮮やかな瞳はもうない。
弟は目元が血まみれになりながらも、あの母の瞳があった。
初めて見えた景色にきゃはきゃはと笑っている。
『こんな、哀れな自分を許しておくれ』
そう言い残して、母は死んだ。
遺書には、弟の名前『テクディア』と。
それと、テクディアに向けて『ごめんね』と、書いてあった。
父は泣き崩れ、テクディアを殺そうとした。メイド達は必死に止める。
けど、止めたところで叫び、壊れるだけ。
父もまた、後を追うように亡くなっていった。
『あいつは、化け物だ。お前の幸せも奪った化け物なんだ!!』
最後は狂いながらも俺に言っていた。
『お前は何でもできる』『あいつを利用しろ』
『お前は神なんだ』
言われた言葉の数々、それが最後まで刻まれていった。
『あいつが……生きてたせいだ』
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こいつのせいだ。
こいつが生きてるせいで!!
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お前なんて……!!
お前は化け物だ!!
(すみません。障害者を個性と書いたのは、私が障害者と呼びたくなかったからです。
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それは障害者の人には普通であり、自分達には普通ではないだけ。
だから、障害者という名前をつけた。
のが、嫌だったんです。
と、いう身勝手な理由で個性とさせていただきました。
もし、障害者の人が見ていたのなら申し訳ないです。)
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