私の婚約者をとった妹は婚約者に絶望する

さくらもち

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第一章 始まって仲直り

十一話

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「ば……馬鹿でかい…」

 馬車からでた途端に案内される屋敷。とてつもなく、でかく圧倒されてしまう。
 周り中、どこを見回してもキラキラしていて直視できない。

「……?こんなので驚くのか」

「ザ金持ちの思考やめない?」

「そうだな」

 私が呆れたようにそういうと、なぜか少しだけ悲しい顔をした。
 なぜだろう。なんでいつになく悲しい顔をするのか。

「あ、あの、リリアナ様!先程は言えませんでしたが、ありがとうございました!!」

 荒い息でこちらに走ってきた。まだ息が整わないのか、汗をかいている。
 まさか、まだこんなに感謝の言葉を言われるとは思っても見なかった。

「えっと…その…」
 
 いきなり謝られ、口籠ってしまった。
謝られる、という事は人生において全くと言ってなかったからだ。
 なんて言えば返答に迷ってると、隣にいたテクディアがこう言った。

「もう疲れただろ?休め」

 テクディアがそういうとサキラも気づいたのか、「すみません!また後日!!」そう言いながら、慌ただしく去っていった。
 いつの間にか、後ろ姿が見えなくなる。

「僕ももう行く。申し訳ないが、仕事が余りまくってるんだ」

 テクディアは淡々とした口調でいい、私の前を通り、耳元でこう囁いた。

「こういうのは、強気じゃないんだな」

 そう言われてしまい、かぁーっと足から体に熱が帯びた。

 こういういきなり系とかは結構苦手だ。けど、それをテクディアに知られるなんて、しかも、あんな意地悪そうな声で言われるなんて恥ずかしいではないか。

「お嬢様、お部屋へお連れします」

 声が聞こえてきたので後ろを振り向くと、目の前に並ぶメイド達。真ん中には少しだけ老いているリーダーぽいメイド姿。
 凛々しく、なぜか私より美しい気がする。

「……まじかぁぁ」

「お連れいたします」 

 ほぼまた強引に部屋へ連れて行かれてしまった。
 メイド達はなんだか冷静、というか心が感じられなかった。ただ、ロボットのような感じがする。

 どうなることやら………


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