私の婚約者をとった妹は婚約者に絶望する

さくらもち

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第一章 始まって仲直り

七話(テクディア視点)

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「サキラ」

「え、あ、はい!」

「アークリンク家に言え。リリアナ・アークリンクを迎えに行くと」

 近くにいたサキラへとそう告げた。唐突な事でサキラはびっくりしているのか、目を点にしていた。

「……リリアナ様…?いきなりどうしたのですか?」

「いや、ただの暇つぶしだ」

「わかりました。ですが、迎えに行くと言うのは………」

「婚約を申し込む」

「はぁ!??」

 城中に響くとてつもなく大きな声。サキラがこんな大きな声を出すことは滅多にない。

「ど、どどどういうことですか!!」

 唐突な事で動揺しすぎている。

「別に、暇つぶしと言ったろう?」

「暇つぶし………気にったのですか?」

「あぁ、それに皇帝じゃないのだから別に構わないだろ」

「そう、ですけど………いえ!わかりました!!すぐさま、いえ大至急お伝えに参ります」

 諦めたのかなんなのか、すぐに気持ちを切り替え、すぐさま僕のところから去っていった。
 あんなに急ぐことはないが、まぁいいだろう。

「……ふ…っ……リリアナ、か」

 あんな性格の人は初めてだ。ひったくりを捕まえたくせに、秘密で猫が大好きなんて、とても面白い。

 とは言っても、僕だってあの猫に用事があったのだが先客がいた。

「面白い………」

 僕をあれほど笑わせるとは。
ならば、彼女にも笑ってもらおう。
 あの、寂しさを愛情でどろどろに溶かし、そして、僕がその寂しさなど消えてしまった彼女を捕まえてしまおう。

「………おかしいな。確かに、少し僕は変になったか……」

 初めてあったのに。あったばかりなのに。

まぁ、どうせ飽きたら捨てればいいか絶対に逃さない
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