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第一章 始まって仲直り
四話
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「……それにしても撒くの大変だったわ…」
はぁはぁと息を切らせながら、路地裏にいた。
あの後、あいつの護衛達が追いかけてきて、逃げるのが大変だった。
けど、まだ良かったのは私が両親に嫌われていることだ。
両親は私を嫌ってるため、護衛などつけようともしない。
だから、街に勝手に出歩けるので結構楽だ。
「まぁ、顔は知られてるから、フード被るんだけど……」
これもまた少々面倒くさい。私の場合、家族と髪色や瞳の色が離れてるため、それもあり家族から嫌われている。
本来なら、金色の髪に緑の瞳、だが私の場合銀髪に黄色と濁った灰色のオッドアイだ。
どっちかが不倫して作った子供ともなっている。
だから、私は結構目立つ。
「迷惑なこった」
そう思いながら、息を整え直し路地裏から出ていった。
そして、でた途端に大声が聞こえてきた。
「ひったくりだぁぁぁぁ!!!誰かそいつを捕まえてくれ!!!」
私の横を通り過ぎるひったくり。一瞬だったが、きらきらとした物を持っていた。
けど、誰も追いかけようとはしない。
これが普通だ。この世界は冷たい。助けたら自分が犠牲になるから助けない。
と、いう私もスルーしようとしてたが、その盗られた人が泣きながらこう言っていた。
「くっ…そ!あれは死んだお母さんの物なのに……!!」
それを聞いて、私は考える間もなく真っ先にそのひったくりを捕まえに走っていった。
ちょっと足が速いので、ひったくりを捕まえることなど造作もない。
「はぁ!?なんで、こんな足がはや…っ……!」
振り向いたひったくりが驚いたようにそう言った。
私はそれに少しだけイラッとし、最後の力を振り絞り、犯人の首を掴んだ。
そして、耳元でそう囁いた。
「速くないよね?ね?」
「は?ちょっ……!!なんだよ!てめぇ!!」
困惑してるのか、怒っているのか、情緒不安定すぎてわからない。
私は「だまれ?」それだけ声をかけ、また路地裏へと引きずり込んだ。
「お前力強すぎんだろ!!男か!??」
「は?しばくよ?」
とりあえず、盗まれた物だけをとった。
それは赤いブローチでとても高価で綺麗そうなものだ。
けど、犯人が逃げまわろうとするので、フードの位置がずれる。
「は!??お前女じゃねぇか!!?」
「言ってた」
「くそが!!」
「黙れ」
「はい……いや、どっちが悪者だよ!!?」
ツッコむ犯人も犯人ですごいけど。
犯人はちゃんとした優しく平和な話し合いでなんとかなり、私はきちんとその盗まれた物を返すことができた。
「はい、どうぞ」
「え、あ……ほ、本当に…っ……本当にあありがとうござ…います」
その人は心から感謝をしていた。しかも、服装からして貴族に仕えているものだろう。
「本当に…っ…ありがとうございます……俺、昔から体が弱くてだから、こういうのも…っ…無理で………」
「……よしよし」
泣きながらそう言っている人に対し、優しく頭を撫でてあげた。
体が弱い理由で追いかけられないなんて、可哀想だ。
「へ………?あ、ありがとうございます……?」
「貴族に仕えてるんですか?」
「あ、俺が仕えている人はとても優しい人なので、こんな俺でも雇ってくれました」
「へぇー、いいなぁ……」
なんだか羨ましく思ってしまうのはなぜだろう。
私も誰かに愛されてみたかった。誰かにすごいねと褒められてほしかった。
そう願ってしまうのは贅沢な事だろうか。
「そっか………」
「…あの、お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?俺の主人に言いたくて………」
「リリアナ、以上です」
「上の名前は……というか、リリアナってもしかして…」
聞くとはっとしたのか、目を見開いた。
「仮はリリアナ・アークリンクです。というか、もう行かなくちゃいけません。すみませんでした」
私は家族にこう言われた。アークリンク家と名乗るな、と。
簡単に言えば、血が繋がっていない。疎遠にされたと同じことだ。
私は急いで仮の家に帰っていった。
はぁはぁと息を切らせながら、路地裏にいた。
あの後、あいつの護衛達が追いかけてきて、逃げるのが大変だった。
けど、まだ良かったのは私が両親に嫌われていることだ。
両親は私を嫌ってるため、護衛などつけようともしない。
だから、街に勝手に出歩けるので結構楽だ。
「まぁ、顔は知られてるから、フード被るんだけど……」
これもまた少々面倒くさい。私の場合、家族と髪色や瞳の色が離れてるため、それもあり家族から嫌われている。
本来なら、金色の髪に緑の瞳、だが私の場合銀髪に黄色と濁った灰色のオッドアイだ。
どっちかが不倫して作った子供ともなっている。
だから、私は結構目立つ。
「迷惑なこった」
そう思いながら、息を整え直し路地裏から出ていった。
そして、でた途端に大声が聞こえてきた。
「ひったくりだぁぁぁぁ!!!誰かそいつを捕まえてくれ!!!」
私の横を通り過ぎるひったくり。一瞬だったが、きらきらとした物を持っていた。
けど、誰も追いかけようとはしない。
これが普通だ。この世界は冷たい。助けたら自分が犠牲になるから助けない。
と、いう私もスルーしようとしてたが、その盗られた人が泣きながらこう言っていた。
「くっ…そ!あれは死んだお母さんの物なのに……!!」
それを聞いて、私は考える間もなく真っ先にそのひったくりを捕まえに走っていった。
ちょっと足が速いので、ひったくりを捕まえることなど造作もない。
「はぁ!?なんで、こんな足がはや…っ……!」
振り向いたひったくりが驚いたようにそう言った。
私はそれに少しだけイラッとし、最後の力を振り絞り、犯人の首を掴んだ。
そして、耳元でそう囁いた。
「速くないよね?ね?」
「は?ちょっ……!!なんだよ!てめぇ!!」
困惑してるのか、怒っているのか、情緒不安定すぎてわからない。
私は「だまれ?」それだけ声をかけ、また路地裏へと引きずり込んだ。
「お前力強すぎんだろ!!男か!??」
「は?しばくよ?」
とりあえず、盗まれた物だけをとった。
それは赤いブローチでとても高価で綺麗そうなものだ。
けど、犯人が逃げまわろうとするので、フードの位置がずれる。
「は!??お前女じゃねぇか!!?」
「言ってた」
「くそが!!」
「黙れ」
「はい……いや、どっちが悪者だよ!!?」
ツッコむ犯人も犯人ですごいけど。
犯人はちゃんとした優しく平和な話し合いでなんとかなり、私はきちんとその盗まれた物を返すことができた。
「はい、どうぞ」
「え、あ……ほ、本当に…っ……本当にあありがとうござ…います」
その人は心から感謝をしていた。しかも、服装からして貴族に仕えているものだろう。
「本当に…っ…ありがとうございます……俺、昔から体が弱くてだから、こういうのも…っ…無理で………」
「……よしよし」
泣きながらそう言っている人に対し、優しく頭を撫でてあげた。
体が弱い理由で追いかけられないなんて、可哀想だ。
「へ………?あ、ありがとうございます……?」
「貴族に仕えてるんですか?」
「あ、俺が仕えている人はとても優しい人なので、こんな俺でも雇ってくれました」
「へぇー、いいなぁ……」
なんだか羨ましく思ってしまうのはなぜだろう。
私も誰かに愛されてみたかった。誰かにすごいねと褒められてほしかった。
そう願ってしまうのは贅沢な事だろうか。
「そっか………」
「…あの、お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?俺の主人に言いたくて………」
「リリアナ、以上です」
「上の名前は……というか、リリアナってもしかして…」
聞くとはっとしたのか、目を見開いた。
「仮はリリアナ・アークリンクです。というか、もう行かなくちゃいけません。すみませんでした」
私は家族にこう言われた。アークリンク家と名乗るな、と。
簡単に言えば、血が繋がっていない。疎遠にされたと同じことだ。
私は急いで仮の家に帰っていった。
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