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十話

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「あはは~、ごめんね。まず、愛し子の事はおいといて、この国の事を話したほうがいいかな?」

 レンとの話を遮り、苦笑いを私に向けた。

「まず、この妖精が住んでいる国は三つあってね。ここは中央区と呼ばれている中心的な国アイチェラジェウィ。二つ目が冷酷の国と呼ばれるアンディーライト。三つ目が神の国と呼ばれるアナキュラ」

 中指と人差し指と薬指を立て、三という数字を表しながら、話していった。

 妖精が住んでいるところは、三つもあるのか、そんな事知らなかった。

『アンディーライト国は人間嫌いで有名なので、行かないことをおすすめします。アイキュラ国は神の血も入った妖精がいるらしいです。アイキュラ国は行ったら好かれると思いますよ』

「今、思ったんですけど、みんな最初にアがつくんですね」

 アイチェラジェウィ、アンディーライト、アイキュラ、全てにアがついている事に気がついた。

『ア、という文字は五十音字の中で一番最初の文字です。そのため、使われたとされています』

「このセカイを最初に作ったのは神だからっていう理由で最初っていうのが好きなんだよ」

「なる、ほど……えっと、この流れって………」

 こんなにこの世界の事を説明されるなんて、絶対もう流されている。

『諦めることをおすすめします』

 知ってた。

「アイ……?さんと、同じ事言ってますね…」

「アイとレンは兄弟だからね」

「あ、だから、似てたんですね」

 似てた、そう言うとなぜかレンは、ぱあっと顔が明るくなり、花がまっているようにとても嬉しそうにしていた。

「良かったね、レン」

『はい!』

「???」

 ?の顔になってしまう。兄弟だから似てると言っても、別に変ではないと思った。
 予想外に嬉しそうにしていて、嬉しいのか何なのかわからなくなってきた。

「あ、そっか、ティターニアは知らないんだね?妖精はね、血が繋がっていないことが多いんだよ」

「へ?」

「そもそも妖精はモノに宿る的なモノだから血の繋がりなんてないし、両親もいない。僕の場合は稀。妖精同士が同じモノに宿った時、それを兄弟と言うから、妖精の兄弟にとって、似てるって言われるのはとても嬉しいことなんだよ」

「両親がいないんですか………」

 両親があの日死んでしまった事を考えると今でも吐き気がした。

 死んだという絶望感に打ちのめされた喪失感。
 それが、妖精にとって普通だとしても、私は嫌だ。

『だから、すごく嬉しいです。アイはお節介だけど、たまに天然なところもあってーーー』

「あ、始まった。このモードになると、一時間以上話すよ。なお、止めようとしても無理、聞く耳を持たない」

 はぁとため息をつきながら、私にいった。
 その横でレンはべらべらとずっとアイの良さを語っていた。

 そして、一時間以上待つことになったーー

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