5 / 9
島津八郎。50歳部長。魔法少女、デビュー。②
しおりを挟む
「まずは敵の攻撃を避けつつ、攻撃のパターンを見破ります。まずは私が敵の周りを飛び回ります。エイトマンさんはここで観察して、何か気付いたら教えて下さい」
「はい。かしこまりました!」
地面を蹴り、そらを飛ぶ。
怪人に近づくとモジャオが解説を始める。
「今回の怪人はオレオレ詐欺したいだ!ほっとくとオレオレ詐偽の受け子志願者が増えちゃうぞ!」
「あ、それ結構ヤバイやつ」
怪人はほっといても問題無さそうなバカバカしいのから社会問題まで色々だ。
オレオレ詐偽怪人は背中にレーザーのような射出穴が三つあり、攻撃が複雑だ。
しかし、暫く飛ぶとやはり特徴が見えてくる。
暫くしてみほりは敵から離れて、エイトマンの所へと戻った。
「どうでした?」
「正直…、さっぱり分かりませんでした」
落ち込ん様子でエイトマンは項垂れた。
「最初ですから、私もパターン掴めるようになるの時間かかりました。それまではチーム指令で一緒の人に解説してもらって」
「解説、お願いします!」
今回の怪人は攻撃が上部に片寄っていた。
一人だと、姿勢を変えて常に魔法少女に射出穴が向くように動くのだろう。
なので今回は私が囮になって反対側からエイトマンに攻撃してもらう事となった。
「じゃ、行きますね!」
みほりが高く飛び上がり、ヒラヒラと敵を翻弄する。
充分に敵を引き付けたら手を降って合図を出す。
エイトマンが詠唱すると杖からビームのような光が怪人を貫いた。
怪人が崩れだしたのを確認して私はエイトマンの元に戻った。
「お疲れさまです!ナイスタイミングでした!」
「いやぁ、必殺打つとき爽快でした!」
満足そうなエイトマンにわたしも顔がほころぶ。
魔法少女デビューの魔法少女に、最初は必殺技を打って貰い経験を積ませるというのは、魔法少女界の教育のコツその一であります。
「あの、もし宜しければこのあと少しお時間をいただけますか!色々聞きたくて!」
私は快くOKした。
お腹もちょうど空いたので。
島津八郎と神楽みほりに戻った私たちは適当なお店に入った。
営業部長は部下でもない小娘にランチをご馳走してくれるという。
ありがたい。
ハンバーグ定食を食しながら、島津八郎さんの魔法少女きっかけを聞いていた。
50歳を越えて自分を見つめ直す瞬間。
定年後趣味を見つけるのに苦労していた先輩。
仕事を退職したあとの繋がりがなくなる恐怖。
仲違いして五年間顔を見てない息子さん。
そんなときに見つけた魔法少女募集のディスプレイ広告。
どれも私にはまだピンと来ない。
てか、いつの間に求人をWEB広告でも出すようになったんだ。
まぁ、島津八郎さんの悩みは分からなかったが、新人デビューのコーチングは良かったはず。
満足そうに島津八郎は我が家に帰っていき、私の懐もあったかい。
そう、新人のコーチングは魔法少女歴一年以上、単独・チーム指令各30回以上クリアという条件があって、コーチングを引き受けるとその分お給料が高くなるのだ。
ーー君も魔法少女にならないかい? 私が優しく教えてあげるよ。
「はい。かしこまりました!」
地面を蹴り、そらを飛ぶ。
怪人に近づくとモジャオが解説を始める。
「今回の怪人はオレオレ詐欺したいだ!ほっとくとオレオレ詐偽の受け子志願者が増えちゃうぞ!」
「あ、それ結構ヤバイやつ」
怪人はほっといても問題無さそうなバカバカしいのから社会問題まで色々だ。
オレオレ詐偽怪人は背中にレーザーのような射出穴が三つあり、攻撃が複雑だ。
しかし、暫く飛ぶとやはり特徴が見えてくる。
暫くしてみほりは敵から離れて、エイトマンの所へと戻った。
「どうでした?」
「正直…、さっぱり分かりませんでした」
落ち込ん様子でエイトマンは項垂れた。
「最初ですから、私もパターン掴めるようになるの時間かかりました。それまではチーム指令で一緒の人に解説してもらって」
「解説、お願いします!」
今回の怪人は攻撃が上部に片寄っていた。
一人だと、姿勢を変えて常に魔法少女に射出穴が向くように動くのだろう。
なので今回は私が囮になって反対側からエイトマンに攻撃してもらう事となった。
「じゃ、行きますね!」
みほりが高く飛び上がり、ヒラヒラと敵を翻弄する。
充分に敵を引き付けたら手を降って合図を出す。
エイトマンが詠唱すると杖からビームのような光が怪人を貫いた。
怪人が崩れだしたのを確認して私はエイトマンの元に戻った。
「お疲れさまです!ナイスタイミングでした!」
「いやぁ、必殺打つとき爽快でした!」
満足そうなエイトマンにわたしも顔がほころぶ。
魔法少女デビューの魔法少女に、最初は必殺技を打って貰い経験を積ませるというのは、魔法少女界の教育のコツその一であります。
「あの、もし宜しければこのあと少しお時間をいただけますか!色々聞きたくて!」
私は快くOKした。
お腹もちょうど空いたので。
島津八郎と神楽みほりに戻った私たちは適当なお店に入った。
営業部長は部下でもない小娘にランチをご馳走してくれるという。
ありがたい。
ハンバーグ定食を食しながら、島津八郎さんの魔法少女きっかけを聞いていた。
50歳を越えて自分を見つめ直す瞬間。
定年後趣味を見つけるのに苦労していた先輩。
仕事を退職したあとの繋がりがなくなる恐怖。
仲違いして五年間顔を見てない息子さん。
そんなときに見つけた魔法少女募集のディスプレイ広告。
どれも私にはまだピンと来ない。
てか、いつの間に求人をWEB広告でも出すようになったんだ。
まぁ、島津八郎さんの悩みは分からなかったが、新人デビューのコーチングは良かったはず。
満足そうに島津八郎は我が家に帰っていき、私の懐もあったかい。
そう、新人のコーチングは魔法少女歴一年以上、単独・チーム指令各30回以上クリアという条件があって、コーチングを引き受けるとその分お給料が高くなるのだ。
ーー君も魔法少女にならないかい? 私が優しく教えてあげるよ。
0
あなたにおすすめの小説
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
続・冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
の続編です。
アンドリューもそこそこ頑張るけど、続編で苦労するのはその息子かな?
辺境から結局建国することになったので、事務処理ハンパねぇー‼ってのを息子に押しつける俺です。楽隠居を決め込むつもりだったのになぁ。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる