45 / 61
2章
水悉調査
しおりを挟む
俺は新しい仲間の能力調査をするために、水棲生物たちの拠点である汽水湖に来ていた。
まずは彼、オニクラゲのコケコ。
「カプ」
オニクラゲ、またの名をアトゥイエタル。
昔はアトゥイエタルと呼ばれていたが今はオニクラゲと呼ばれることの方が多いらしい。
さて、このオニクラゲだが、基本的には温厚な生物である。だが…
「毒の威力がガチでやばいんだよな」
「カプ」
そう、オニクラゲの触手はオオトカゲの毒すらも凌駕する猛毒なのだ。なんと、あのスキュラですらも簡単に気絶させられる。
「まあ弱い相手にはとことん弱いとは思うが…」
実際、毒を無効化するアオには完封されていた。またドクカゲやマティスは毒を遠距離から放てるが、コケコは自分から近づかないといけないのもネック。
あとこれはただのわがままなんだけど、できれば陸上でも活動できてほしかった。
でも攻撃力に全振りしたみたいな仲間で個人的には結構好きである。ヤツメと同じくテクニック次第でいくらでも化けそうな仲間だ。
「そして次はこの子、ティル」
「捕まってしまいましたわー」
おどけながらそう言うのは、スキュラのティル。魔物って基本的には名前を持たないんだけど、こういう人語を理解し話すような魔物は名前を持っていることが多いらしい。
ところで…
「お前大丈夫?謀反とかしないよな?」
「当然ですわ。私を誰と心得てますの?」
「海中ストーカー?」
「少し語弊がありますわね」
いやまあ、今までの仲間を見る限り多分大丈夫なんだろうとは思うけどさ。それでも不安だよな。さて、
「お前って何ができるんだ?」
「戦闘、密偵。なんでもお任せあれですわ」
「ストーカーの才能があるってわけか」
「少し語弊がありますわね」
俺たちを散々苦しめてきた犬の首やタコの触手などで攻撃することができるらしい。しかもリーチがかなり長く、飛んでる鳥を捕まえたりとかもできるとか言ってた。
そして大事なのが、このストーカー力である。
「確か…一度犬の首に匂いを嗅がせたら誰がどこにいても特定することができるんだったよな、水中限定で」
「その通りですわ。我ながら素晴らしい能力でしょう?」
一度犬の首に匂いを嗅がせる必要があるとはいえ、種族の特定もできるそうだから心強い。アオは水中だとどこに何がいるかくらいしかわからないんだよな。
クラーケンや龍喰らいとかの匂いはすでに嗅いであるらしいし、これはかなり頼りになる。
あとは体温を自由自在に調節できる能力も健在らしいが…こちらはあまり実用性はなさそうだ。てか俺には思いつかなかった。ストーカーが安心してできるくらい?
「ちなみに、私は陸上でも活動できましてよ」
「ティルン、それは流石に嘘だよ」
本当らしい。触手をうねうねさせながら、匂いを嗅ぐ能力などは使えなくなるが陸上でも活動することは可能とか言っている。
ただし陸上では流石に戦闘能力はいくらか落ちるらしい。水中だとファラクにデバフがかかってしまうのとほぼ似たようなものなのだろう。
水中のティルはファラク以上のパフォーマンスを見せてつけていたが…陸上だと普通にファラクに劣るっぽい。
「何はともあれ、頼りになる水棲生物を仲間にできてよかった」
コケコは一発逆転の切り札、ティルは戦闘兼情報収集要因として役に立ってくれるだろう。
水中生物もだいぶ集まってきたしそろそろファラクを休ませてやってもいい頃かもしれない。
「ゴァー」
ファラクが目を輝かせ期待に満ちた顔をしながらこっちを見てくる。うぉ…
「よしファラク、お前は水中が嫌いなのに今までよく頑張ってくれた。もうあとは休んでも構わないぞ」
「ゴァー!!」
凄く嬉しそうな顔をした後、砂埃を上げながら一目散に去っていった。拠点近くにいるであろう陸上勢の元へと向かったようだ。そこまで水中嫌いだったんだ…
ま、まあしばらくはリゲル、サルヴァント、ヤツメ、コケコ、ティルの5人の仲間モンスターなちでなんとかするとしよう。アオも含めたら6人か。
「俺も拠点に戻るか。石版の方がどうなったかも知りたいし」
ちなみに、サフンは一足先に拠点へと帰っている。なんか用事があるとか言ってた。
「ファラク…はもう行っちゃった。じゃあキジクジャクたのむ」
「ツク!」
だが、よくよく考えたら拠点はこの汽水湖から徒歩3分もかからない場所にあるので、別にわざわざキジクジャクに乗る必要はなかったわ。
まずは彼、オニクラゲのコケコ。
「カプ」
オニクラゲ、またの名をアトゥイエタル。
昔はアトゥイエタルと呼ばれていたが今はオニクラゲと呼ばれることの方が多いらしい。
さて、このオニクラゲだが、基本的には温厚な生物である。だが…
「毒の威力がガチでやばいんだよな」
「カプ」
そう、オニクラゲの触手はオオトカゲの毒すらも凌駕する猛毒なのだ。なんと、あのスキュラですらも簡単に気絶させられる。
「まあ弱い相手にはとことん弱いとは思うが…」
実際、毒を無効化するアオには完封されていた。またドクカゲやマティスは毒を遠距離から放てるが、コケコは自分から近づかないといけないのもネック。
あとこれはただのわがままなんだけど、できれば陸上でも活動できてほしかった。
でも攻撃力に全振りしたみたいな仲間で個人的には結構好きである。ヤツメと同じくテクニック次第でいくらでも化けそうな仲間だ。
「そして次はこの子、ティル」
「捕まってしまいましたわー」
おどけながらそう言うのは、スキュラのティル。魔物って基本的には名前を持たないんだけど、こういう人語を理解し話すような魔物は名前を持っていることが多いらしい。
ところで…
「お前大丈夫?謀反とかしないよな?」
「当然ですわ。私を誰と心得てますの?」
「海中ストーカー?」
「少し語弊がありますわね」
いやまあ、今までの仲間を見る限り多分大丈夫なんだろうとは思うけどさ。それでも不安だよな。さて、
「お前って何ができるんだ?」
「戦闘、密偵。なんでもお任せあれですわ」
「ストーカーの才能があるってわけか」
「少し語弊がありますわね」
俺たちを散々苦しめてきた犬の首やタコの触手などで攻撃することができるらしい。しかもリーチがかなり長く、飛んでる鳥を捕まえたりとかもできるとか言ってた。
そして大事なのが、このストーカー力である。
「確か…一度犬の首に匂いを嗅がせたら誰がどこにいても特定することができるんだったよな、水中限定で」
「その通りですわ。我ながら素晴らしい能力でしょう?」
一度犬の首に匂いを嗅がせる必要があるとはいえ、種族の特定もできるそうだから心強い。アオは水中だとどこに何がいるかくらいしかわからないんだよな。
クラーケンや龍喰らいとかの匂いはすでに嗅いであるらしいし、これはかなり頼りになる。
あとは体温を自由自在に調節できる能力も健在らしいが…こちらはあまり実用性はなさそうだ。てか俺には思いつかなかった。ストーカーが安心してできるくらい?
「ちなみに、私は陸上でも活動できましてよ」
「ティルン、それは流石に嘘だよ」
本当らしい。触手をうねうねさせながら、匂いを嗅ぐ能力などは使えなくなるが陸上でも活動することは可能とか言っている。
ただし陸上では流石に戦闘能力はいくらか落ちるらしい。水中だとファラクにデバフがかかってしまうのとほぼ似たようなものなのだろう。
水中のティルはファラク以上のパフォーマンスを見せてつけていたが…陸上だと普通にファラクに劣るっぽい。
「何はともあれ、頼りになる水棲生物を仲間にできてよかった」
コケコは一発逆転の切り札、ティルは戦闘兼情報収集要因として役に立ってくれるだろう。
水中生物もだいぶ集まってきたしそろそろファラクを休ませてやってもいい頃かもしれない。
「ゴァー」
ファラクが目を輝かせ期待に満ちた顔をしながらこっちを見てくる。うぉ…
「よしファラク、お前は水中が嫌いなのに今までよく頑張ってくれた。もうあとは休んでも構わないぞ」
「ゴァー!!」
凄く嬉しそうな顔をした後、砂埃を上げながら一目散に去っていった。拠点近くにいるであろう陸上勢の元へと向かったようだ。そこまで水中嫌いだったんだ…
ま、まあしばらくはリゲル、サルヴァント、ヤツメ、コケコ、ティルの5人の仲間モンスターなちでなんとかするとしよう。アオも含めたら6人か。
「俺も拠点に戻るか。石版の方がどうなったかも知りたいし」
ちなみに、サフンは一足先に拠点へと帰っている。なんか用事があるとか言ってた。
「ファラク…はもう行っちゃった。じゃあキジクジャクたのむ」
「ツク!」
だが、よくよく考えたら拠点はこの汽水湖から徒歩3分もかからない場所にあるので、別にわざわざキジクジャクに乗る必要はなかったわ。
0
お気に入りに追加
89
あなたにおすすめの小説
転移想像 ~理想郷を再現するために頑張ります~
すなる
ファンタジー
ゼネコン勤務のサラリーマンが祖父の遺品を整理している中で突如異世界に転移してしまう。
若き日の祖父が言い残した言葉に導かれ、未知の世界で奮闘する物語。
魔法が存在する異世界で常識にとらわれず想像力を武器に無双する。
人間はもちろん、獣人や亜人、エルフ、神、魔族など10以上の種族と魔物も存在する世界で
出会った仲間達とともにどんな種族でも平和に暮らせる街づくりを目指し奮闘する。
その中で図らずも世界の真実を解き明かしていく。
クラス転移、異世界に召喚された俺の特典が外れスキル『危険察知』だったけどあらゆる危険を回避して成り上がります
まるせい
ファンタジー
クラスごと集団転移させられた主人公の鈴木は、クラスメイトと違い訓練をしてもスキルが発現しなかった。
そんな中、召喚されたサントブルム王国で【召喚者】と【王候補】が協力をし、王選を戦う儀式が始まる。
選定の儀にて王候補を選ぶ鈴木だったがここで初めてスキルが発動し、数合わせの王族を選んでしまうことになる。
あらゆる危険を『危険察知』で切り抜けツンデレ王女やメイドとイチャイチャ生活。
鈴木のハーレム生活が始まる!
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
俺だけ成長限界を突破して強くなる~『成長率鈍化』は外れスキルだと馬鹿にされてきたけど、実は成長限界を突破できるチートスキルでした~
つくも
ファンタジー
Fランク冒険者エルクは外れスキルと言われる固有スキル『成長率鈍化』を持っていた。
このスキルはレベルもスキルレベルも成長効率が鈍化してしまう、ただの外れスキルだと馬鹿にされてきた。
しかし、このスキルには可能性があったのだ。成長効率が悪い代わりに、上限とされてきたレベル『99』スキルレベル『50』の上限を超える事ができた。
地道に剣技のスキルを鍛え続けてきたエルクが、上限である『50』を突破した時。
今まで馬鹿にされてきたエルクの快進撃が始まるのであった。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる