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2章
大賢者のお告げ
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豆腐村ができてから2日が経った。外装は完全に立派な豆腐なのに内装はかなり豪華なのはガチでどういうこと。今日もやることがとくにないので家でダラダラしている。
「その点あいつらは元気だな」
仲間モンスターたちはなんかずっと外に出て遊んでる。今は……うわ、エグい。なんか魔物の出現地帯までわざわざ全員で行って、そこでバーベキューしてるらしい。肉は現地調達。襲いかかってきた魔物たちを肉にしてるとか言ってる。やばすぎるだろ…
「今日もこうやって一日が終わるのかなぁ」
アガスたちが帰ってくるまでガチでやることが全くない。一応ジャックたちは帰ってきたけどな。クロツバサ元出現区域の調査が無事終わったらしい。えーっと確かー…
「ウネリツノ討伐ですか…ミナト殿、それはかなり難航するかもしれませんな」
「なぜ?」
「海は陸地と比べ圧倒的に危険が多いのです。クラーケンやシーサーペント、スキュラなどの脅威があります」
「うわぁ…」
「しかもウネリツノ自体もかなり戦闘能力が高い。かつて海にはリヴァイアサンやカリュブディスなど様々な猛者が存在したのですが、それらは全てウネリツノによって絶滅に追い込まれました」
「うわ…」
「しかも海は精霊王ラテスの領域であると言い伝えられており、海に手を出すような人間はほとんどいないのです。クロツバサの時みたいに大規模な連合軍を組むのはかなり難しいでしょうな」
「まじか…」
と、会話したことはまだ記憶に新しい。
海は地上よりも危険が多く、ウネリツノはとてつもない戦闘能力がある。また、クロツバサの時のような連合軍を組むのは難しいとかなんとか。
「最終兵器ファルドも海の中だから使えないしな…」
チハイザメとタイマンして勝ってしまったファルドさんだが、流石に海の中だと分が悪い。
困ったものである。それはそうと…
「早くアガスたち帰ってきてくれ~!!」
君たちがいないと一生海進出ができない!!
やっぱ俺もチハイザメ調査行くか…!!
「仕方ない!!今からラグナロク行くぞ!!」
バーベキュー楽しんでるところ悪いが仲間全員連れてチハイザメ調査の手伝いに行こうと思う。
俺がそう思って家から飛び出た頃だった。
「え、だれあれ」
なんか村の奥の方に人がいる。いやでも魔物かもしれないな、あれ。
この世界にも少数ながら魔物なのに人間の言葉などを扱える人間のような見た目をした魔物、通称魔族が存在している。
「強魔族だったら困るし、仲間を全員杖に戻しておこう」
魔族にも弱、中、強の三種類が存在する。生きた年数が短ければ短くなるほど弱くなるし、長くなれば長くなるほど強くなる。
弱個体とは一度戦ったことがある。確か…ラグナロクからアカタキへと亡命してるときだったかな。カラスみたいな翼と頭の魔族だった。烏天狗とかそんな感じかな?とりあえず…
「モヒィ!」
「オリオン、もしあれが襲いかかってきたら迎撃頼むぞ」
細心の注意を払いながら人のようなものに近づいていく。体格的に男かな?これは俺の予想だが、あれは中魔族だな。歴戦の猛者である俺が言うんだから間違いない。少なくとも人間ではないな
「あらあら、あの人かしら?」
普通に人間でした。ところで、どっかで見たことあるな…
「あー!あれだ、魔導国最強だ!」
「あらあら、どこかで会ったかしら?」
でもちょっと待て、何この口調。
「まだこんなに若いのに魔物使い最強って凄いわよねぇ!私びっくりしちゃった!」
あ、この人オネエだ。
「粗茶ですが」
「あら、ありがとう」
どうやら魔導国最強のオネエが俺に何か用があるらしい。立ち話するのもアレだし、我が家の豆腐ハウスに入れたのだ。
俺はお茶を啜りながらオネエにこう尋ねる。
「それで用件ってのはなんなんです?」
「あら、唐突ねぇ。もうちょっと雑談したかったわ」
オネエはそう言いながらマグカップを置いた。
「実は、北方の様子がおかしいの」
「北方?」
北といえばラグナロクが思い浮かぶが…確かそれよりも北にあったのが…なんだっけ
「だいたいステルトあたりかしら」
そう、そこだ。ステルトは確か…一年中ずーっと寒い国だったはずだ。いやまあこの世界に四季ないからずっと似たような気候なのは当たり前なんだけど。海の水も普通に真水だから飲めちゃったりとかところどころ現実世界とはズレている。おっと、話がズレた。しかしステルトがどうかしたのだろうか?
「それがどうしたんです?ああ、永久凍土が溶けちゃったとか?」
「—魔力の流れが、どこか歪なのよ」
魔力の流れとかよくわからんがまあ聞き流しておこう。
「何かしら…言葉にはしにくいんだけど何か大きな魔力を持つ個体…違うわね、大量の群体がいる感じかしら」
すげぇ、嫌な感じがしてきた。
「この前まではそんなもの感じなかったのよ。ただ…ミナトくんが三怪物を討伐し始めてからちょっとずつ顕になってきたのよね。何か心当たりとかあったりする?」
心当たりなんてあるわけ……あ、あるわ。
「そういえばクロツバサもチハイザメも何者かによって既に仲間にされていたんですよね」
「やっぱりそうか…」
最強オネエは何かに勘付いたようだ。てか俺もなんとなくわかったぞ。
多分これ三怪物が結界の維持的なのを担ってて、俺が討伐したせいで綻びが発生してるんだろ。で、黒幕は北方にいると。
「その点あいつらは元気だな」
仲間モンスターたちはなんかずっと外に出て遊んでる。今は……うわ、エグい。なんか魔物の出現地帯までわざわざ全員で行って、そこでバーベキューしてるらしい。肉は現地調達。襲いかかってきた魔物たちを肉にしてるとか言ってる。やばすぎるだろ…
「今日もこうやって一日が終わるのかなぁ」
アガスたちが帰ってくるまでガチでやることが全くない。一応ジャックたちは帰ってきたけどな。クロツバサ元出現区域の調査が無事終わったらしい。えーっと確かー…
「ウネリツノ討伐ですか…ミナト殿、それはかなり難航するかもしれませんな」
「なぜ?」
「海は陸地と比べ圧倒的に危険が多いのです。クラーケンやシーサーペント、スキュラなどの脅威があります」
「うわぁ…」
「しかもウネリツノ自体もかなり戦闘能力が高い。かつて海にはリヴァイアサンやカリュブディスなど様々な猛者が存在したのですが、それらは全てウネリツノによって絶滅に追い込まれました」
「うわ…」
「しかも海は精霊王ラテスの領域であると言い伝えられており、海に手を出すような人間はほとんどいないのです。クロツバサの時みたいに大規模な連合軍を組むのはかなり難しいでしょうな」
「まじか…」
と、会話したことはまだ記憶に新しい。
海は地上よりも危険が多く、ウネリツノはとてつもない戦闘能力がある。また、クロツバサの時のような連合軍を組むのは難しいとかなんとか。
「最終兵器ファルドも海の中だから使えないしな…」
チハイザメとタイマンして勝ってしまったファルドさんだが、流石に海の中だと分が悪い。
困ったものである。それはそうと…
「早くアガスたち帰ってきてくれ~!!」
君たちがいないと一生海進出ができない!!
やっぱ俺もチハイザメ調査行くか…!!
「仕方ない!!今からラグナロク行くぞ!!」
バーベキュー楽しんでるところ悪いが仲間全員連れてチハイザメ調査の手伝いに行こうと思う。
俺がそう思って家から飛び出た頃だった。
「え、だれあれ」
なんか村の奥の方に人がいる。いやでも魔物かもしれないな、あれ。
この世界にも少数ながら魔物なのに人間の言葉などを扱える人間のような見た目をした魔物、通称魔族が存在している。
「強魔族だったら困るし、仲間を全員杖に戻しておこう」
魔族にも弱、中、強の三種類が存在する。生きた年数が短ければ短くなるほど弱くなるし、長くなれば長くなるほど強くなる。
弱個体とは一度戦ったことがある。確か…ラグナロクからアカタキへと亡命してるときだったかな。カラスみたいな翼と頭の魔族だった。烏天狗とかそんな感じかな?とりあえず…
「モヒィ!」
「オリオン、もしあれが襲いかかってきたら迎撃頼むぞ」
細心の注意を払いながら人のようなものに近づいていく。体格的に男かな?これは俺の予想だが、あれは中魔族だな。歴戦の猛者である俺が言うんだから間違いない。少なくとも人間ではないな
「あらあら、あの人かしら?」
普通に人間でした。ところで、どっかで見たことあるな…
「あー!あれだ、魔導国最強だ!」
「あらあら、どこかで会ったかしら?」
でもちょっと待て、何この口調。
「まだこんなに若いのに魔物使い最強って凄いわよねぇ!私びっくりしちゃった!」
あ、この人オネエだ。
「粗茶ですが」
「あら、ありがとう」
どうやら魔導国最強のオネエが俺に何か用があるらしい。立ち話するのもアレだし、我が家の豆腐ハウスに入れたのだ。
俺はお茶を啜りながらオネエにこう尋ねる。
「それで用件ってのはなんなんです?」
「あら、唐突ねぇ。もうちょっと雑談したかったわ」
オネエはそう言いながらマグカップを置いた。
「実は、北方の様子がおかしいの」
「北方?」
北といえばラグナロクが思い浮かぶが…確かそれよりも北にあったのが…なんだっけ
「だいたいステルトあたりかしら」
そう、そこだ。ステルトは確か…一年中ずーっと寒い国だったはずだ。いやまあこの世界に四季ないからずっと似たような気候なのは当たり前なんだけど。海の水も普通に真水だから飲めちゃったりとかところどころ現実世界とはズレている。おっと、話がズレた。しかしステルトがどうかしたのだろうか?
「それがどうしたんです?ああ、永久凍土が溶けちゃったとか?」
「—魔力の流れが、どこか歪なのよ」
魔力の流れとかよくわからんがまあ聞き流しておこう。
「何かしら…言葉にはしにくいんだけど何か大きな魔力を持つ個体…違うわね、大量の群体がいる感じかしら」
すげぇ、嫌な感じがしてきた。
「この前まではそんなもの感じなかったのよ。ただ…ミナトくんが三怪物を討伐し始めてからちょっとずつ顕になってきたのよね。何か心当たりとかあったりする?」
心当たりなんてあるわけ……あ、あるわ。
「そういえばクロツバサもチハイザメも何者かによって既に仲間にされていたんですよね」
「やっぱりそうか…」
最強オネエは何かに勘付いたようだ。てか俺もなんとなくわかったぞ。
多分これ三怪物が結界の維持的なのを担ってて、俺が討伐したせいで綻びが発生してるんだろ。で、黒幕は北方にいると。
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