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2章

予期せぬ遭遇、チハイザメ

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「ええい、次から次へと鬱陶しい!!」

うちの仲間たちは強いから特に苦戦することなく処理はできてるんだけどいかんせん数が多すぎる。

「もう面倒だしいいや、ファルド任せた!」
「「「シャー」」」

めんどくさくなった俺はファルドを出した。木を薙ぎ倒しながら現れた超巨大なヒュドラがコカトリスや虐殺ゾウなどを容易く処理していく。

「明らかにこいつだけ味方になってヤケクソ強化されてるな…」

前に話した通り、その原因は再生能力にある。元々、魔物使いが仲間にした魔物には自然治療能力がつく。まあ、そんな大したもんではないけど…
ただこの自然治療能力、ヒュドラの持つ超再生と重複するらしい。それもかけ算みたいな感じで。

「敵が味方になったら弱体化するパターンはよく聞くけど強化されるのは珍しいな」

ちなみに攻撃力はファラクよりちょっと高いくらい。いやまあ……あの子レベル91とか行ってた気がするから妥当か。ファルドはレベル64だし。

でも、この森でファルドを出したのは完全に間違いだった。何故なら…

「シャ!」

「マジで?大軍が来てる?」

ファルドが超巨体すぎて野次馬モンスターがたくさん来てしまったためだ。あかん、ドラゴンとかも来た。

「確かにドラゴンはクロツバサ討伐のときは仲間にしたかったけどさ!!」

なんなら今でも仲間にしたいんだけどそれはできない。この大軍を捌きながら戦闘不能にする?ムリムリ。確かこいつら平気で共食いするくらい凶暴だし。


俺はアグネスからブライガーに乗り換えた。機動力とか考えるとなんだかんだブライガーが1番安定するんだよね。俺は杖から全勢力を出して魔物の大軍を相手する。

「クェエ!」
「キァァ!!」
「ヒョロロー!」
「ッ!」
「/:/」
「!」

やばい。一気に大混戦になってしまった。って

「うわ!?」
「ア」

サベージタイタンに踏み潰されそうになった。あぶねぇ。サベージタイタンは攻撃力体力共に高いが弱点がある。機動力がよわよわで転倒しやすいってことだ。

「ブライガー頼むぞ!」
「ウニャーン!」

「ア?」
高い機動力を持つブライガーでサベージタイタンの周りを走り回ってたらすぐ転ぶ。
あとは…

「こんなときのためのオオトカゲの毒とマタンゴの胞子だよなぁ!?」
「ニャン」

やつの目に毒物を塗りまくったらすぐ倒せる。ふん。

キジクジャクとかも奴の弱点んすぐ見抜いたらしく、旋回しまくって転ばせてる。あとはオリオンとかマティスとかが何とかしてくれる。

この調子で殲滅をしようとしていた頃だった。

「シャ?!」
「は?何か巨大なのが高速で来ている?」

巨大なやつといえばサベージタイタンだがあの巨人は高速では動けない。じゃあ何だ?いやまさか

「チハイザメってことはないよね」

あ、空が赤くなってきてる。これ、チハイザメだぁ。


「チハイザメだチハイザメ!!備えろ!」
「モヒィ!?」 「キュ!?」

備えろなんて理不尽な命令してすまん!!でもここで杖の中にしまうと魔物の処理が追いつかなくなる!!

「やべぇ!!すげぇ振動する!」

ガチでゴキブリ並みの速さだ!
空がどんどん紅に染まり、雲が暗くなっていく!!

「jpwgjmpgtqtwjdwgjhdpgmp!!!!」
「「「シャ!?」」」

ファルドの3分の2くらいの大きさの何かがファルドに体当たりした!!かなり威力高いな、ファルドとメアリ、ファラク、マレム、マティスの殴り合い四天王以外だと耐えるのかなりキツそう。

そしてファルドに体当たりをしかけた犯人はもちろんチハイザメなのだが…

「見た目キモすぎるだろこれ!やべぇ」

想像以上にチハイザメの見た目はやばかった。サメの頭にヒレ。そしてムカデみたいに長い体と大量の足。トカゲの足みたいな見た目の足が大量に生えてる。

そんな『怪物』チハイザメが『超蛇』ヒュドラと激闘を繰り広げている。すごい、大怪獣バトルだ!

ブライガーと共に襲いかかってくるブラッドドレイクの対応をしながらチハイザメの様子を伺う。

攻撃はさっきみたいな体当たりと噛みつき。あとなんかヒレからレーザーみたいなの出してる。生き物的にさ、それはどうなん?

こうして、チハイザメ討伐戦が予期せぬ形で始まってしまった…!!

別にキジクジャクとかに乗って逃げてもいいんだけど….

「ここ森の入り口にそこそこ近いんだよな…!」
「ッ!」

これもし逃げたら最悪近くの街までカサカサしながら来るんじゃないか?それはまずい。しかも…

「どう考えても俺の責任だからなこれ!!」

どう考えてもめんどくさがって超巨体のファルドを出したせいで勘付かれたんだよな。
やらかした…!

「とりあえずまずは野次馬モンスターを殲滅しよう!!ファルドはその間時間稼ぎを…あれ?」

チハイザメがファルドに与えているダメージ、ファルドの超再生に追いつけてない気がする。

「あれ」
「jgmpamitpgmgwgj!!」

クロツバサと違ってチハイザメはそこまで賢くないのか、それに気づいても標的をファルドから変えるつもりはなさそうだ。クロツバサなら絶対俺を潰しにかかってた。

「あー…」

まあ…まあ、それは置いといてだね。こっちのやるべきことを優先しよう。

「ファラクは地中に潜って奇襲をメインに1体1体仕留めにかかれ!バサは突進で奴らを撹乱、アルタイルはマレムを掴んでマレムを敵に向かってぶん投げろ!」

最後だけ酷い気もするけどまあマレムに許可はもらってるから………


1時間半が経過した。ファルドは特に致命傷を負うことなくチハイザメを倒せた。弱すぎてつまらん…
まあもっともチハイザメは三怪物の中だとかなり弱い方みたいだから仕方ない。最強は海に潜む「ウネリツノ」だった気がする。

「まあとりあえず、チハイザメのヒレだけ剥ぎ取っておこう。あと歯もちょっと」

当然のように仲間にはできなかった。クロツバサのときと同じで、やはりこいつを従属させた「何か」がいるんだろうな。

「さ、帰るよ」

そう振り向いたときだった。

「シャ!?」
「アオ?」

野良バジリスクのブレスが、非戦闘要因のアオに当たったみたいだ。そして…
何故か、アオが発光しながら悶え苦しんでいた。
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