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1章
クロツバサ攻略戦、開幕
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「ミナト殿、ここはこのリションで休憩を取りましょう。利用許可は既に取ってあるので、ご安心を」
ジャックがそう言ってきた。あ、言い忘れてたがジャックとはカリヨネッタの騎士団長である。もちろん、彼が直接戦うのではなく仲間である彼の魔物に戦わせるのだが。
断る理由もないため、俺はそれを了承した。
カリヨネッタから移動してきて結構時間もかかったので、このリションという村で一泊することになるだろう。
ちなみにこのリション、実は創造神ラジャムサの聖地であるとされている。近くには天界につながるとされている天の岩扉という洞窟があるらしい。
「天の岩戸みたいな名前してるんだなー…地味に、違うけど」
だが、入り口は巨大な硬王岩と呼ばれる岩で防がれており、中に入ることはできない。
この岩は俺の魔物たちですら砕くことはできなかった。凶悪な邪神とかそのレベルじゃないと壊すことはできないだろう。
ちなみに、何故かこの岩の前は俺の魔物たちだけでなく他の魔物使いたちの魔物ですらあまり通りたがらない。バサに聞いてみたら、なんかこの前にいるとそわそわするとかそんな感じのことを言ってた。やっぱり魔物だから神とか神聖なものが嫌いなんだろうか?
まあとにかく。明日のクロツバサ討伐作戦の打ち合わせをしながら、俺たちは眠りについた。
雲が黒くなり、空が赤い。間違いない。
クロツバサの出現区域だ。
イヤシムササビなどのヒーラーや滑空鯨などのタンクももいるっちゃいるが、俺たちの魔物はほとんどがアタッカーである。…クロツバサの情報が少なく、長期戦になればなるほど何をしてくるかわからないためだ。短期決戦にするためにアタッカーを大量に連れてきた。
さて。昨日魔物たちを含めて打ち合わせした作戦はこうだ。まず、滑空鯨などをクロツバサからの囮にしつつ、クロツバサの死角である側面に本命である魔物たちを送らせる。そこをつついて一気に倒してしまおうというわけだ。
そしてとうとうクロツバサを見つけたのだが…何あれ、きもちわる。
全長50mはあるだろうか。超巨体のでっかいコウモリの翼を生やした馬面の蛇である。しかも手もある。なお、足はない。
俺とジャックは仲間の魔物使いたちに合図を出す。クロツバサ討伐戦、ついに開始である。
滑空鯨やテイオウカブトムシなどの高体力の魔物たちがクロツバサに襲いかかった!クロツバサも気づいたらしく、その禍々しく、不気味で、鳥肌が立つ大きな災いの手で彼らを攻撃した。だが、あの程度の攻撃ならまだまだ耐えれそうだ。そして、魔物使いたちが本命であるキラービーやスカイシャーク、ソラヘビ、閃光獅子、ヒッポグリフ、ガーゴイルたちを出す。俺も負けじとアルタイルやサバル、ヴァイ、マティス、キジクジャク、ベガたちを出した!
意気揚々とデスビーやスカイシャークが彼の死角である側面を攻撃しようとした。しかし…目が、無数の目がクロツバサの体から浮き上がってきたのである。ガチで気持ち悪すぎる。
「gagsdcsshasdd!!」
彼らの姿を捉えたクロツバサは長い尻尾で彼等をはたき落とした。小さいがゆえにデスビーはなんとか避けれたが、スカイシャークはその攻撃を直で喰らってしまった。
「スカイシャークは他にもいるし、まだまだ戦力は残ってはいる。しかしもうこの段階で一人、戦線離脱してしまった。この戦い、どうなる」
過去最大級の強敵に俺は不安を覚えてしまった。しかし、戦いはまだまだこれからだ。
俺はこの不安が現実にならないことを強く祈りながら仲間たちの指揮をするのだった。
ジャックがそう言ってきた。あ、言い忘れてたがジャックとはカリヨネッタの騎士団長である。もちろん、彼が直接戦うのではなく仲間である彼の魔物に戦わせるのだが。
断る理由もないため、俺はそれを了承した。
カリヨネッタから移動してきて結構時間もかかったので、このリションという村で一泊することになるだろう。
ちなみにこのリション、実は創造神ラジャムサの聖地であるとされている。近くには天界につながるとされている天の岩扉という洞窟があるらしい。
「天の岩戸みたいな名前してるんだなー…地味に、違うけど」
だが、入り口は巨大な硬王岩と呼ばれる岩で防がれており、中に入ることはできない。
この岩は俺の魔物たちですら砕くことはできなかった。凶悪な邪神とかそのレベルじゃないと壊すことはできないだろう。
ちなみに、何故かこの岩の前は俺の魔物たちだけでなく他の魔物使いたちの魔物ですらあまり通りたがらない。バサに聞いてみたら、なんかこの前にいるとそわそわするとかそんな感じのことを言ってた。やっぱり魔物だから神とか神聖なものが嫌いなんだろうか?
まあとにかく。明日のクロツバサ討伐作戦の打ち合わせをしながら、俺たちは眠りについた。
雲が黒くなり、空が赤い。間違いない。
クロツバサの出現区域だ。
イヤシムササビなどのヒーラーや滑空鯨などのタンクももいるっちゃいるが、俺たちの魔物はほとんどがアタッカーである。…クロツバサの情報が少なく、長期戦になればなるほど何をしてくるかわからないためだ。短期決戦にするためにアタッカーを大量に連れてきた。
さて。昨日魔物たちを含めて打ち合わせした作戦はこうだ。まず、滑空鯨などをクロツバサからの囮にしつつ、クロツバサの死角である側面に本命である魔物たちを送らせる。そこをつついて一気に倒してしまおうというわけだ。
そしてとうとうクロツバサを見つけたのだが…何あれ、きもちわる。
全長50mはあるだろうか。超巨体のでっかいコウモリの翼を生やした馬面の蛇である。しかも手もある。なお、足はない。
俺とジャックは仲間の魔物使いたちに合図を出す。クロツバサ討伐戦、ついに開始である。
滑空鯨やテイオウカブトムシなどの高体力の魔物たちがクロツバサに襲いかかった!クロツバサも気づいたらしく、その禍々しく、不気味で、鳥肌が立つ大きな災いの手で彼らを攻撃した。だが、あの程度の攻撃ならまだまだ耐えれそうだ。そして、魔物使いたちが本命であるキラービーやスカイシャーク、ソラヘビ、閃光獅子、ヒッポグリフ、ガーゴイルたちを出す。俺も負けじとアルタイルやサバル、ヴァイ、マティス、キジクジャク、ベガたちを出した!
意気揚々とデスビーやスカイシャークが彼の死角である側面を攻撃しようとした。しかし…目が、無数の目がクロツバサの体から浮き上がってきたのである。ガチで気持ち悪すぎる。
「gagsdcsshasdd!!」
彼らの姿を捉えたクロツバサは長い尻尾で彼等をはたき落とした。小さいがゆえにデスビーはなんとか避けれたが、スカイシャークはその攻撃を直で喰らってしまった。
「スカイシャークは他にもいるし、まだまだ戦力は残ってはいる。しかしもうこの段階で一人、戦線離脱してしまった。この戦い、どうなる」
過去最大級の強敵に俺は不安を覚えてしまった。しかし、戦いはまだまだこれからだ。
俺はこの不安が現実にならないことを強く祈りながら仲間たちの指揮をするのだった。
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