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1章
グリフォン陥落作戦
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「キャー!この猫さん、可愛いですね!」
「ニャ!?」
「グリフォンか。グリフォンはないが…低レベルのワイバーンと交戦したことならある。ギリギリの戦いだったが、なんとか勝つことができた」
ハリムが青髪に隠れた耳を掻きながらそう言った。ブライガーと戯れてるアリサさんについては触れないでおこう。いやちょっと待って
「マジか!?ハリムさんすげぇ!」
俺はグリフォン討伐作戦のために強力な助っ人としてハリムとアリサを呼んできた。そしてその助っ人はかなりの腕前だったようで、なんとこの2人だけでワイバーンと戦って勝ったことがあるらしい。強すぎるだろ!!
そしてそのハリムさんが戦っても倒せなかったのが…
「ファラク、お前ってやばかったんだな!」
「ゴォォー!」
かつて俺たちを苦しめたファラクだ。敵のときだとどいつもこいつも凶暴で恐ろしい存在にしか見えないが、仲間になるととてもかわいい。性格も丸くなってる気がする。
「それにしてもこの短期間で逃げちゃった砂漠鰐を見つけて仲間にしたんですねー凄いです!」
ポニーテールを揺らしながらそう褒めてくれるのはいいんだけど、嘘をついてることに対しての罪悪感が凄いからやめて欲しい。
「敵対してるときは恐ろしかったのに今は従順で素直な奴だよ。ねぇ?」
「ゴォ!ゴォ!」
ファラクが嬉しそうに肯定する。
さて、話を戻そう。グリフォンとワイバーンは今までのヒトクイチョウ、カイリキホークと違って陸上の魔物ではほとんど太刀打ちできない。
グリフォンが陸上に降り立つことはほとんどない。グリフォンは寝るときですら飛行しながら寝ているのだ。ごく稀に陸上を歩いていることもあるが、グリフォンは嗅覚も敏感だ。生物が近寄ればすぐに飛行を始める。
ワイバーンは寝る時などは普通に陸上に降り立つ。しかし、彼らの巣に、だが。
巣は渓谷にあることが多く、基本的に複数体のワイバーンがいる。ワイバーンが寝ているときを奇襲しようにも一撃で倒さなければ飛んで逃げられるし、たとえ一撃で倒せたとしても他のワイバーンが目覚めてしまうだろう。
陸上生物でも工夫しまくれば勝てないことはないが、それをするより対空戦力を用意した方が楽だし確実なのだ。
「そのためにこの2人を呼んできたんだけどな」
ハリムは凄腕の弓の使い手だ。彼は5本同時に矢を飛ばす【スキル:ブレイクボウ】をよく使う。ブレイクボウは1本1本が絶大な威力を誇っているそうだ。基本的に陸上生物と比べて体力の少ない飛行生物には効果抜群なのだ。
「はいはい、私です!」
アリサはほぼ全ての属性の魔法を使えるそうだがその中でも岩を飛ばす投石魔法の技術が優れているらしい。他には、火球を飛ばしたり凍てつく氷の射線を放つこともできるんだとか。ちなみに、この2人に報酬の話をしようとしたら速攻でいらないと拒否された。なんてお人好しなんだろうか、どこぞのホームレスにも見習って欲しいところである。
そして俺たちの仲間の…
「ツク!」 「ヒュロロー!」
キジクジャクとアルタイルだ。キジクジャクは攻撃力は低いが体力が高く、動きも素早い。この前のファラク戦ではファラクにとどめを刺した活躍を見せている。頼れる仲間の一人だ。アルタイルはまだ新入りで実戦経験はほとんどない…しかし、その攻撃力の高さは折り紙つきだ。そして本人曰く自分の持っているウルトラダイアを使った攻撃もできるらしい。すご。
この4人の仲間をメインにグリフォンと戦うことにする。護衛として陸上生物のみなさんも出しておくので他の魔物に邪魔されることもないだろう。
俺たちは、アオの熱探知レーダーをもとにグリフォンの元に向かう。すると…
「レベル41か」
オアシスのすぐそばに、グリフォンはいた。
本当はレベル30代がよかったのだが、妥協範囲ではある。こいつにしよう。
「ハリムさんとアリサさん、そしてキジクジャクとアルタイルは戦闘の準備をしてくれ、俺に一つやりたいことがある」
「何をするつもりなのだミナト殿?」
「ヒュロ?」
ハリムとアルタイルが2人同時疑問を投げかけてくる。まあ、声に出さないだけで他の2人も同じく疑問に思っているとは思うが…
「ファラクの飛びかかりで奇襲攻撃ができないか確かめてみたいんだ」
そう、いくらグリフォンがずっと飛行することができるからといって遥か上空にいるわけではない。グリフォンだって餌を探すために陸上付近まで寄って来る。それなら、ファラクの飛びかかり攻撃でも届くかもしれない。
「ブライガーなら確実に届くんだけど、それだと匂いでバレちゃうからね」
地面に潜って獲物に飛びかかる砂漠鰐は、決して自分の匂いを出さない。それは、ファラクも同じだ。
「確かにそれが成功したらかなり楽になりますね、試してみる価値はありそうです!」
「ツクツク!」
俺はグリフォンにバレないようにこっそりファラクを出し、地面に潜ってグリフォンの元まで移動し、飛びかかり攻撃をするように指示した。ファラクはそれを了承し、地面を移動しながら少しずつグリフォンに向かっていった。
「クァ!?クァー!!」
グリフォンが異変に気づいて空へと逃げようとする、だがそれより先に
「ゴォォー!!!!」
ファラクの飛びかかり攻撃がグリフォンを襲う!
グリフォンは飛びかかり攻撃を喰らった。だが幸い、直前に空へと少し上昇していたため、致命傷は免れたようだ。それでも数値で例えると3割くらいは奴の体力を削れたはずだ。
「今だ!総攻撃!」
2羽のハンターがグリフォンの元へと飛んでいき、魔法と矢がどんどん放たれていく。
「クェ!クェー!」
グリフォンの攻撃手段は3つある。1つは、噛みつき攻撃。2つ目は、蹴り飛ばし攻撃。そして3つ目は、風の刃である。
グリフォンは羽ばたくことで風の刃を生成することができ、それを相手にぶつけるのだ。
風の刃にはある程度の防御力貫通効果がある。そこまで威力が高いわけではないが、連射してくるので何発も当たると危険だ。
「キジクジャクが良い感じに相手の注意を引けているな」
素早さが、体力が高い代わりに攻撃力が低いキジクジャクがグリフォンを挑発し、グリフォンの怒りを買っている。そのため、攻撃力は高いが体力と素早さが低いカイリキホークに全く攻撃が届いていない。
「ハリムとアリサも流石だな」
味方に1発も攻撃を当てないという神業をさっきから見せているのだ。フレンドリーファイアしないかと思って相談したが大丈夫だと自信満々に言われたが、まさか本当だったとは。
「この調子なら勝てる…!」
野次馬の魔物たちをオリオンやブライガーで蹴散らしながら、そう確信したときだった。アオとファラクが突然、
「シャアアアア!!!!」
「ゴォォー!!!!」
「ぐふ!」
「痛いです!」
無理矢理俺とハリム、アリサを伏せさせたのだ。何が起こったんだ?アオとファラクはかなり焦っている様子だった。この2体に当てはまることは砂漠出身の魔物であること。その魔物たちだけが知っている、"脅威"?
その問いに答えを出す前に飛んできたのは、火球だった。
「ガァァァァァァァ!!!」
この騒ぎに乗じて、ワイバーンがやってきたのである。
「ニャ!?」
「グリフォンか。グリフォンはないが…低レベルのワイバーンと交戦したことならある。ギリギリの戦いだったが、なんとか勝つことができた」
ハリムが青髪に隠れた耳を掻きながらそう言った。ブライガーと戯れてるアリサさんについては触れないでおこう。いやちょっと待って
「マジか!?ハリムさんすげぇ!」
俺はグリフォン討伐作戦のために強力な助っ人としてハリムとアリサを呼んできた。そしてその助っ人はかなりの腕前だったようで、なんとこの2人だけでワイバーンと戦って勝ったことがあるらしい。強すぎるだろ!!
そしてそのハリムさんが戦っても倒せなかったのが…
「ファラク、お前ってやばかったんだな!」
「ゴォォー!」
かつて俺たちを苦しめたファラクだ。敵のときだとどいつもこいつも凶暴で恐ろしい存在にしか見えないが、仲間になるととてもかわいい。性格も丸くなってる気がする。
「それにしてもこの短期間で逃げちゃった砂漠鰐を見つけて仲間にしたんですねー凄いです!」
ポニーテールを揺らしながらそう褒めてくれるのはいいんだけど、嘘をついてることに対しての罪悪感が凄いからやめて欲しい。
「敵対してるときは恐ろしかったのに今は従順で素直な奴だよ。ねぇ?」
「ゴォ!ゴォ!」
ファラクが嬉しそうに肯定する。
さて、話を戻そう。グリフォンとワイバーンは今までのヒトクイチョウ、カイリキホークと違って陸上の魔物ではほとんど太刀打ちできない。
グリフォンが陸上に降り立つことはほとんどない。グリフォンは寝るときですら飛行しながら寝ているのだ。ごく稀に陸上を歩いていることもあるが、グリフォンは嗅覚も敏感だ。生物が近寄ればすぐに飛行を始める。
ワイバーンは寝る時などは普通に陸上に降り立つ。しかし、彼らの巣に、だが。
巣は渓谷にあることが多く、基本的に複数体のワイバーンがいる。ワイバーンが寝ているときを奇襲しようにも一撃で倒さなければ飛んで逃げられるし、たとえ一撃で倒せたとしても他のワイバーンが目覚めてしまうだろう。
陸上生物でも工夫しまくれば勝てないことはないが、それをするより対空戦力を用意した方が楽だし確実なのだ。
「そのためにこの2人を呼んできたんだけどな」
ハリムは凄腕の弓の使い手だ。彼は5本同時に矢を飛ばす【スキル:ブレイクボウ】をよく使う。ブレイクボウは1本1本が絶大な威力を誇っているそうだ。基本的に陸上生物と比べて体力の少ない飛行生物には効果抜群なのだ。
「はいはい、私です!」
アリサはほぼ全ての属性の魔法を使えるそうだがその中でも岩を飛ばす投石魔法の技術が優れているらしい。他には、火球を飛ばしたり凍てつく氷の射線を放つこともできるんだとか。ちなみに、この2人に報酬の話をしようとしたら速攻でいらないと拒否された。なんてお人好しなんだろうか、どこぞのホームレスにも見習って欲しいところである。
そして俺たちの仲間の…
「ツク!」 「ヒュロロー!」
キジクジャクとアルタイルだ。キジクジャクは攻撃力は低いが体力が高く、動きも素早い。この前のファラク戦ではファラクにとどめを刺した活躍を見せている。頼れる仲間の一人だ。アルタイルはまだ新入りで実戦経験はほとんどない…しかし、その攻撃力の高さは折り紙つきだ。そして本人曰く自分の持っているウルトラダイアを使った攻撃もできるらしい。すご。
この4人の仲間をメインにグリフォンと戦うことにする。護衛として陸上生物のみなさんも出しておくので他の魔物に邪魔されることもないだろう。
俺たちは、アオの熱探知レーダーをもとにグリフォンの元に向かう。すると…
「レベル41か」
オアシスのすぐそばに、グリフォンはいた。
本当はレベル30代がよかったのだが、妥協範囲ではある。こいつにしよう。
「ハリムさんとアリサさん、そしてキジクジャクとアルタイルは戦闘の準備をしてくれ、俺に一つやりたいことがある」
「何をするつもりなのだミナト殿?」
「ヒュロ?」
ハリムとアルタイルが2人同時疑問を投げかけてくる。まあ、声に出さないだけで他の2人も同じく疑問に思っているとは思うが…
「ファラクの飛びかかりで奇襲攻撃ができないか確かめてみたいんだ」
そう、いくらグリフォンがずっと飛行することができるからといって遥か上空にいるわけではない。グリフォンだって餌を探すために陸上付近まで寄って来る。それなら、ファラクの飛びかかり攻撃でも届くかもしれない。
「ブライガーなら確実に届くんだけど、それだと匂いでバレちゃうからね」
地面に潜って獲物に飛びかかる砂漠鰐は、決して自分の匂いを出さない。それは、ファラクも同じだ。
「確かにそれが成功したらかなり楽になりますね、試してみる価値はありそうです!」
「ツクツク!」
俺はグリフォンにバレないようにこっそりファラクを出し、地面に潜ってグリフォンの元まで移動し、飛びかかり攻撃をするように指示した。ファラクはそれを了承し、地面を移動しながら少しずつグリフォンに向かっていった。
「クァ!?クァー!!」
グリフォンが異変に気づいて空へと逃げようとする、だがそれより先に
「ゴォォー!!!!」
ファラクの飛びかかり攻撃がグリフォンを襲う!
グリフォンは飛びかかり攻撃を喰らった。だが幸い、直前に空へと少し上昇していたため、致命傷は免れたようだ。それでも数値で例えると3割くらいは奴の体力を削れたはずだ。
「今だ!総攻撃!」
2羽のハンターがグリフォンの元へと飛んでいき、魔法と矢がどんどん放たれていく。
「クェ!クェー!」
グリフォンの攻撃手段は3つある。1つは、噛みつき攻撃。2つ目は、蹴り飛ばし攻撃。そして3つ目は、風の刃である。
グリフォンは羽ばたくことで風の刃を生成することができ、それを相手にぶつけるのだ。
風の刃にはある程度の防御力貫通効果がある。そこまで威力が高いわけではないが、連射してくるので何発も当たると危険だ。
「キジクジャクが良い感じに相手の注意を引けているな」
素早さが、体力が高い代わりに攻撃力が低いキジクジャクがグリフォンを挑発し、グリフォンの怒りを買っている。そのため、攻撃力は高いが体力と素早さが低いカイリキホークに全く攻撃が届いていない。
「ハリムとアリサも流石だな」
味方に1発も攻撃を当てないという神業をさっきから見せているのだ。フレンドリーファイアしないかと思って相談したが大丈夫だと自信満々に言われたが、まさか本当だったとは。
「この調子なら勝てる…!」
野次馬の魔物たちをオリオンやブライガーで蹴散らしながら、そう確信したときだった。アオとファラクが突然、
「シャアアアア!!!!」
「ゴォォー!!!!」
「ぐふ!」
「痛いです!」
無理矢理俺とハリム、アリサを伏せさせたのだ。何が起こったんだ?アオとファラクはかなり焦っている様子だった。この2体に当てはまることは砂漠出身の魔物であること。その魔物たちだけが知っている、"脅威"?
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