箱庭物語

晴羽照尊

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モスクワ編

氷の守り神

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 やや時を戻し、狂人ネロが現れたのちの最初の一撃。それをメイドが危なげながらも受けた直後のこと。
 かの狂人の強力な一撃をなんとか受け切り、さらには幼女を、蹴り飛ばすという荒々しさとはいえ戦線から遠ざけるという心配りまで見せた。このときのメイドの行動は100点満点と言えるだろう。

 そして、視点は変わり、かの蹴飛ばされた幼女の行方を追ってみよう。メイドの予想では、幼女はそうそう簡単に、少なくとも即座には、その場から離脱しない。そう考えていた。しかし、実際には幼女は、メイドに蹴飛ばされ、狂人から距離を取った直後、すぐさま行動を開始していた。
 すなわち、即時撤退だ。それは、決して薄情な行動ではなく、現実的な一手。いくら強力な極玉きょくぎょくの力を持つとはいえ、幼女、ラグナ・ハートスートはまだまだ子どもだ。EBNAでの教育も完全には終えていない。特異な極玉の力を除けば、基礎的な戦闘力は、ともすれば男以下かも知れない。その程度だった。

 だから、彼女は即時に逃亡を試みた。いや、普通に安全に、彼女は事実、その場を離れたのだ。
 それは、彼女を安全に逃がそうというメイドの気配りもあってのこと。メイドにそこまでの余裕はほとんどなかったと言っていいが、それでも万能なメイドのことである、できうる限りという条件付きではあれど、先述のような意識は持ち、狂人との戦闘に臨んでいたのである。

 よって、幼女は容易にその場を離脱した。即時に。即決に。なぜなら、メイドひとりでは到底、かの狂人に及ばないと理解していたから。そのうえ、自分が参戦したところでこの状況下では足手まといにしかなれないと解ってしまったから。

 ぐっ……、と、両拳を握りしめる。瞳に涙を溜めて。

「どうして……」

 私は、まだ子どもなの。と、理不尽なことを思う。
 どうしてEBNAでの教育を最後まで終えていないのか。もう少し早く生まれていれば。もう少し早くEBNAに所属していれば。もう少し早く、ハクたちに出会っていれば。

 そう、後悔する。それは、とても、とても――。

 とてもとてもとてもとても、わがままな感情だった。

        *

 クレムリン内に戻り、男と丁年を探す。いや、探すまでもなく、彼らは変わらず、スパスカヤ塔付近のベンチにてまだ、なにかを語り合っていた。ほんのわずかにだが、真剣な――深刻そうな表情で。
 それでも、その雰囲気が消えるまで待つ余裕はない。瞬間だけ躊躇ったが、幼女はすぐさま、彼らに事情を伝えた。

「ちっ……思ったよりよほど早かったか。シュウ! 急ぐぞ!」

 言うが早いか、男は駆け出そうと腰を上げる。だが、丁年がそれを、腕を掴むことで物理的に、止めた。

「ちょっと待ってくださいッス。ハクさん。バルトロメイさんならすぐにどうこうはならないはずッス」

「馬鹿野郎! 相手はあのネロだ! そんなに余裕はねえよ!」

「だからこそッス。少しだけ、落ち着いてください」

 丁年はあえてゆっくりと、低く静かに、言葉を紡いだ。
 ふう。と、息を吐き、やや目を細める。

「俺が鏡で見てますから、いざってときは一度くらい、あいつを相手取っても不意を突けるでしょう。だから、慌てて無闇な特攻をするのはやめてくださいッス。相手があのネロだからこそ、それが一番、勝率を下げる」

 深く思考を巡らすように、丁年は両手を合わせ前傾し、その人指し指で自らの額を小突いた。何度も、適度なリズムで。時を数えるように。

「ハクさん。あんた、ネロに抗する手段を用意しているんッスよね? 『アニキ』に頼むはずだった役割の、その代替を用意できてると。それを詳しく聞く時間はもうないッスけど、それは、信用していいんッスよね?」

「ああ。確実にうまくいくとは言えねえが、現状では最適解だと、俺は思ってる」

「じゃあ、それはいいッス」

 丁年は一度、幼女を見る。そしてその後、なにごともなかったかのように、男へ視線を戻した。

「相手の不意を突きましょう。俺がで、ネロの隙まで飛ばすッス」

 言って、丁年はそばに置いていた銀色の装丁の『異本』、『神々の銀翼と青銅の光』に触れた。

「俺は、ネロから十二分に距離を取って、基本的に姿は見せないッス。いつも通り、心は繋げておくんで、念じれば心の声は互いに伝わります。……いまは、バルトロメイさんとは繋げてないッスけど、タイミングを見て繋げておきます」

 これで、互いに心で考えるだけで、次の作戦などを常に共有できる。

「で、俺からの援護については、……その手法については時間がないんで、おいおい情報共有するとして。……すいません。あと十五秒で準備してくださいッス」

 変わらぬトーンで、丁年は言った。だから、男は指定の時間の、約一割を無駄にする。
 それでも、即座に準備を――特に、心の準備を済ませた。

「ラグナは俺がホテルまで送るッス」

 当然と、それは鏡での瞬間移動。それを用いて、安全に、という意味なのだろう。時間がないからか、他の理由があるのか、丁年はその件についてはそれ以上、深く語らなかったが、おそらく。

「ネロの隙は突くッスけど、それで敵の動揺を誘えるのはせいぜい0.5秒。その間に一撃入れてください。じゃないと、普通に死にますから。場所は赤の広場南方。周囲にはさほど障害物はないッス。ハクさんはネロの背後へ。バルトロメイさんの助力は数秒、得られないものと思ってください」

 やはり時間がないのだろう。あまり具体的には語らず、早口で丁年は説明した。
 だから、男はその言葉を理解するのにややの時間を要したが、なんとかひとつずつ理解していく。赤の広場。周囲に障害物はなし。ネロの背後から。0.5秒で一撃を。メイドの助力は数秒得られない――。

「そろそろ危ないッスね。……ハクさん。五秒後に転移するッス」

 丁年は言い、カウントダウンを始める。

 五。四。三。二。一。――零。

 最後の数字は聞こえなかったが、男はとうとう、戦場へ参戦した。

 ――――――――

 男を転移させ、丁年はひとつ、息を吐いた。そして、残った幼女を見る。
 男たちへ事情を伝え、緊急事態ゆえになにも声を上げず、ただ悲しそうな、寂しそうな目をしていた、幼女を。

「じゃあ、俺も行くッスけど。……おまえはどうすんだ? ラグナ」

「え……?」

 当然、自分はもうホテルへ送られるだけだと思っていた幼女は、突然の問いに頓狂な声を上げた。

「ノラは……いっつも勝手になんでも首を突っ込んでた。その結果、いま、こうなってることに違いはないけど……。あいつはいつも、好き放題やって。でも、それは、全部ハクさんのためで。そのくせ周りを――家族をも巻き込んでくるんだから、ほんと、嫌になるよな」

 いつも顰めたような丁年が、そのまま、眉根を寄せたまま、苦しそうに笑った。愛想笑いの不得手な丁年だが、幼女を気遣ったのかもしれない。

 あるいは、笑うしか、しようがなかったのか。

「あいつは――ノラは、ほんとはなにがしたいんだ? ハクさんのためじゃなく、『異本』集めじゃなく、ほんとはなにがしたいんだろう? 『アニキ』と――ああ、白雷はくらい夜冬やふゆのことだけど、あいつと結婚したときは、まあ、理由ありきの、契約結婚みたいなもんだったけど、それでも幸せになるもんだと――やっと自分のためになにかをしたんだって、そう、俺は思ってた」

 そこまで話して、丁年は気付いたように眉を上げた。そうして、「ごめん。ラグナに言っても、解らないよな」、と、申し訳ないような顔を向ける。

「とにかく言いたいのは、気にすることはない、ってことだ。子どもだから、危険だから。他にハクさんにどう言われたか知らないけど、そんなの、気にすることはない。ただ、現状は理解すべきだけどな。……おまえは子どもで、今回のことは、とてつもない危険度だ。それでも、ラグナがなにかしたいなら、それを前提とした策も練れる」

「私にも……なにかできる? ハクを――みんなを助けることが、できるかな?」

「知らねえ。ただ、なにもしないで万が一、ハクさんになにかあったら、その後悔は計り知れない。それだけだよ。俺が言いたいのは」

 幼女の絞り出した言葉に、素っ気なく丁年は返した。そろそろもう時間もないのだろう。彼もようやっと立ち上がり、目立つスーツの襟を、少し正す。その内側を覗き見るように俯き、一度、嘆息。

 そして覗き込んだ懐から、一丁の拳銃を取り出す。右手に拳銃、左手に銀色の装丁の『異本』。その戦闘態勢で、もういかほども残っていない時間を、幼女の返答を待つことに費消した。

「私は――」

 幼女は、決意に視線を持ち上げて、どちらかを答えた。

 ――――――――

 男が転移した先では、いままさに、狂人ネロの、すべてを破壊しうるほどの一撃が、メイドに襲いかかっている場面だった。
 0.5秒。それは、男が狂人の隙を突けるか、ということ以前に、狂人の拳がメイドを仕留めきるまでの時間に等しい。だから男は、当初予想していたよりもよほど反射的に、に激高した。

「ネロおおおおぉぉ!!」

 瞬間、狂人は、あまりに強引で、あまりに柔軟な身のこなしで、標的を瞬時に男へ移行させた。それでも確実な隙は突けたようだ。しかしだからこそ、かの狂人も反射的に、もっとも加減のない攻勢で対応する。

「潰せ! 『凝葬ぎょうそう』!!」

 まだメイドへの攻撃すら緩められない。ゆえに、ただの肉体攻撃では即座には、手が足りない。
 ゆえに、とっさの『異本』による範囲攻撃。また、彼が扱うもう一冊、『噴炎ふんえん』よりも即効性の高い『凝葬』で、仕留めきれずとも動きは止める。そういう、反射的だったにしては完璧な、攻撃を。

「頼むぞっ!!」

 ただ、ここまで準備してきた、男が――男たちが、この場では優勢を得た。

 男は、転移前から常に懐へ手を差し入れ、気構えてきた準備を、発動させる。
 コートの内ポケット、彼の左胸、心臓を守るようにそこに収められるは、白地に金糸にて装飾された、華美に過ぎる一冊、『箱庭図書館』。それを取り出し、開き、内に――そのページの隙間に、片腕を差し入れる。

 その中から、を呼び出すために。

「クレオパトラ!!」

 ページの隙間から引き出される男の腕に、繋がれた、もう一本。艶めかしい黒色人種ネグロイドの、細腕。

「やれやれ、人――いや、王遣いが荒い、のう」

 はたして数十世紀ぶりに本物の空の下に繰り出しても、かの女流は、ただ永い眠りから目覚めただけのような気軽さで、眠そうな目を少しだけ、凄絶に輝かせた。

「氷など、吹雪き飛ばしてくれよう」

 言葉に呼応し、彼女の、男に掴まれたのとは逆の腕に握られた黒い装丁が、ゆらりと、燃えるように輝く。

白鬼夜行びゃっきやこう 雪女之書』。

 猛暑と乾燥の土地を治めた王には対照的な一冊に適応して、女流は、それでも力の――思いの限りに冷気を広げる。侵食してくる敵の冷気を、押し留めるように。

「おおおおぉぉぉぉ――――!!」

 だから男の動きは、微塵も揺らがず、まっすぐと、狂人の顔面を力いっぱいに、射抜いた。


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