ホタルまつりで会おうね

くまの広珠

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 岩山をとびかっていた光は、ぽつん、ぽつんに、なってきました。
 リーリーと、虫がないています。
 あなに入っていた人たちは、岩山をおりました。

 岩山から、細い道が、くまでの手のようにのびています。
 その、それぞれの道の先に、それぞれの、なんでも屋さんがあるのかもしれません。
 みんなは、そのお店のうらぐちに、帰っていくのかもしれません。

 もねも、みのりちゃんといっしょに、もと来た道をくだりはじめました。
 もねのしゃくりあげる声と、みのりちゃんのしゃくりあげる声が、かさなって、森の中にひびきます。

 空にのぼった、さいごの光が、星にまぎれて消えました。



 かずら橋の向こうがわの、がけの上に、大沢のなんでも屋さんが見えてきました。
 まわりにたっているはずの家は、ありません。
 なんでも屋さんのうらぐちのあかりだけが、橋の向こうに、ぽつんとともっています。

 もねとみのりちゃんは、橋をわたって、店のうらぐちをあけました。

 ほこりっぽい店内に、はだか電球が、ぶらさがっています。
 うす暗くて、すみで売られている、ふとんたたきや、キクの花たばが、よく見えません。

「ホタルまつり、ごくろうさま」

 ノートや、おりがみにうずもれて、おじいさんが言いました。

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