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しおりを挟む「よかった。もね、ゆかた着ていく? きょねん買った朝顔のゆかた、だしといたのよ」
もねは、ママにひっぱられて、リビングに行きました。
リビングとたたみの部屋をつなぐ、ふすまのさんに、ゆかたが、かかっていました。
白に、赤むらさきや青の朝顔がかかれていて、とてもきれいです。
――わたし、ホタルまつりに行くよ。ピッピが大事だから、ホタルまつりに行くせきにんがあるもん――
みのりちゃんの声がきこえたような気がしました。
もねは、ぐっと、体をかたくしました。
(わたしも、チュピちゃんが大事だもん。ホタルまつりに行く、せきにんがあるんだ!)
もねは、自分の部屋へかけだしました。
「えっ、もね?」
ママのおどろく声がきこえます。
もねは、ピンク色のゲージをかかえました。
そして、げんかんに向かってかけだしました。
「ママ、わたし、みのりちゃんとおまつりに行ってくる!」
「あら、そうなの。じゃあ、ママもついていくわよ」
ママは、「おまつり」を「ぼんおどり」とかんちがいしているようです。
「いい。ひとりで行く!」
「だって、暗くなったらあぶないでしょ。あら? もね、どうしてそんなもの、もっていくの?」
ママは、ゲージをかかえたもねにびっくりしています。
だけど、もねはもう、サンダルをはいて、ドアの外にとびだしていました。
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