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12話:見つけた手段と行動 その3
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一方そのころ広島江田島海軍兵学校では、即戦力を期待される
上級生の教育に忙しく、岡本誠吉もそのうちの一人であった。
しかし誠吉は、兵学校生の誤射により、右腕を負傷しており、
ちょくちょく、校内での休養をとらざるをえなかった。
海軍兵学校校長の草鹿任一は誠吉を校長室へ呼び出したのである。
草鹿任一「岡本教官、君宛てに緊急に、家族から親書が届いとるよ。
休養中だし、ここで開けて読んでもかまわんよ」
岡本誠吉「はっ、親書ですか、では失礼してここで読ませて頂きます」
この内容を読んだ誠吉は落胆したが、
表情等を上官に隠して、更に読み続けた。
草鹿「どうしたのかね、偉く落ち込んで見えるが、何か困ったことでも
あったのかね?遠慮せず言ってみなさい」
誠吉「申し訳ございません。私事なのですが、ではこの私宛の手紙を
お読み頂けますでしょうか?」
草鹿校長は時枝から誠吉に送った手紙を読んで見た。
草鹿「うーん、そういうことかあ。君は腕を負傷している。念のため自宅へ
戻り普通の医者にも見てもらいなさい」
誠吉「しかし校長、今は戦時中ですし、この忙しい中、私だけということは。
私の腕は大丈夫ですので」
草鹿「君もこんな時くらい息子さんに会いたかろう、他の家族にも。
心配いらん校内には手術が必要で軍医はいっぱいということに
しておく。気兼ねなく帰省してきなさい。
正月三が日が明けたら勤務に戻って来なさい」
誠吉「お心遣い痛み入ります。ではお言葉に甘えて、そうさせて頂きたく
思います。年明け三が日が明けたらすぐ戻って参ります」
誠吉は急ぎ帰路へついた。そして自宅へもどって
きたのであった。
誠吉「時枝、戻ったぞ。哲司はどけおっとや」
岡本時枝「よくお帰り下さいましたあなた。実は哲司は元気で病気も怪我も
しておりません。これには事情があるのです」
岡本哲司「父ちゃん、お帰り」
誠吉「哲司、ほんまにどうもなかったんや?」
哲司「どげんしたと父ちゃん、僕は普通に学校いっとったよ。
今もみんなと遊んどったとこ」
息子の哲司の元気な姿を見て誠吉はこれはどういう事かと思い
妻の時枝にそう怒鳴って怒るふうでもなく問いただしてみた。
誠吉「時枝どういうことや、こっちはあん手紙ば学校長にまで見せて、
休暇をもらったのに、どげん言うて帰ればよかとね」
時枝「申し訳ありません。ほんとに事情がありまして、いまからお連れ
しますお二方と、一緒にお話しをしていただけないでしょうか。
哲司、あんたはみんなと一緒にお外で遊んできなさい。
呼ぶまでお家に入ってきてはいかんよ」
時枝は別室にいた晃司と香織を連れてきて、誠吉に会わせた。
4人は会話を始めた。
岡本晃司「初めまして、僕は岡本晃司と言います。こちらは後輩の園田一花です」
園田一花「初めまして、園田一花と申します」
誠吉「初めまして、岡本誠吉と言います。お二人お若いですね」
晃司「実は僕ら、誠吉さんにお話しがあって頼めることがあったらお頼み
したいと思っているんです」
誠吉「どうしたというのかな?私に出来る事ならお受けしますが」
晃司「ありがとうございます。では今からお話しをお聞きして
もらえませんか?」
誠吉「ええ、どうぞ」
晃司は時枝に話したことを、全部誠吉に話したのである。
誠吉「なんとほんとかねそれは?君が私のひ孫?75年後の未来から来た?
それにその話。
大日本帝国の敗北等、他の軍管轄の人間に聞こえたらただじゃすまんぞ。
時枝お前は信じたのか?」
時枝「はい。私は信じました。これが本当だとしたらこのお国はとんでもない
ことになると思い、緊急にあのような嘘の手紙を書いて、あなたにこの
お二人と、会ってもらおうと思いました」
晃司「軽々しく呼んで申し訳ないですがひいお爺ちゃん、これ以上に軍関係者には、
話したいことがあるんで、どこかでお話しできませんか?」
誠吉「うーん、そう簡単に信用出来るものでもないが。まあそこまで言うなら、
家の中よりむしろ、外のほうが子供たちも戻って来たりなどして聞く
恐れがなくていいやろう、ついてきなさい。
時枝、あとは私に任せなさい。お前は子供たちを頼む」
時枝「はい、あなた」
誠吉は晃司と一花を人気のない場所へ連れて行き
会話を続けた。
誠吉「それで晃司君、まだ話があるといっていたが、話してみてくれないか」
晃司「はい。僕たちは敗戦後の日本に創立された、再軍備を兼ねた軍隊のような
組織、自衛隊という組織の幹部候補を養成する学校、防衛大学校という
学校の学生です」
誠吉「防衛大学校かあ、君たちの言う時代のこの国には、軍隊はないのかね?」
晃司「ありません。その自衛隊は、敗戦後に作られた新憲法の元、専守防衛という
形で国家の防衛に、あたるものです」
晃司は誠吉に自衛隊と軍隊の違いや日本国憲法等の戦後の日本の
法体係や日本人の歴史史観や思想並びに第二次世界大戦後の世界の
歴史や国連や条約等の法的な事、更には、日本人や世界の人々の
生活に関すること等を今説明していい範疇(はんちゅう)で知る限り
説明した。
そしてさらに続ける。
晃司「自衛隊は小さなアメリカ軍ともいわれます。昭和20年[1945年]から
少し時間を空けて警察予備隊、保安隊、自衛隊となりました。
それもこの戦争後、朝鮮半島でアメリカとソ連の戦いを背景に、南北で戦争が
起こります。
大東亜戦争の敗戦後、日本はアメリカ軍の占領下にあり独立はしていなく
陸海軍も無くなっていました。
そのために、日本にはGHQ連合国軍最高司令官総司令部と呼ばれる、アメリカ
軍が常駐していました。
この朝鮮半島での戦争、朝鮮戦争と呼ばれる戦争のためにアメリカ軍が必要に
なり、そのためこの日本国の再軍備が必要になったためまず警察予備隊が
つくられました」
誠吉「うーん、そうかあ、本当の話のようやなあ。で、君たちはどうやって、
この時代に来たんや?」
晃司「それが今でもよくわからず、大学の寮の中で、奇妙な体験をして、気が
付いたら、この時代の横須賀にいました」
一花「私もなんです。岡本先輩と全く同じ体験を同時期に、同じ場所、日時に転移
していました」
誠吉「本当に不思議やなあ。で、君たちのこの大戦の知識等を、もう少し聞かせて
もらいたい。
でないと軍人として、完全に信用するにも、上を説得するにも、少し難しい」
晃司「はい。まずこの今の大東亜戦争ですが、僕らの時代では、真珠湾攻撃陰謀説
というものが議論されてますが、僕たちが肯定派か否定派かはともかく、
この武力攻撃はアメリカの戦略の一環ということです。
アメリカをはじめ、イギリス、中国、オランダを主とする貿易の制限を
行った、いわゆるABCD包囲網等では、すでに戦争は始まっており、
最後にハルノートを日本にたたきつけ、これが事実上の宣戦布告であり、
日本はまんまとアメリカの策に乗ったということです。
つまりこの大東亜戦争はアメリカ側から仕掛けてきたものなんです」
誠吉「うーん、ではアメリカが日本に武力攻撃させた理由と、その具体的な戦略的
構想は?と質問すると?」
晃司「それは僕が小学校、ひょっとするとちょっと前の国民学校ですかね。
哲司爺さんの情報をもとに、そんなころ考えただけですが、真珠湾攻撃の
真相についてです。
爺さんからは、陰謀説肯定説をもってこられて、これが戦後アメリカが
公開した情報だと聞かされ、あと日本には資源がなかったがアメリカには
資源が沢山あり老朽化した軍艦や船舶等は海に沈めて廃棄していた、
ということを聞きました。
僕はそこで、アメリカ軍が真珠湾に廃棄同然の老朽化した戦艦や巡洋艦、
駆逐艦を集めて、日本になけなしの武器弾薬を使わさせ、船舶を廃棄して
一挙両得をしたと考えました。
その証拠に現にこの時代は、既に航空機の戦闘の時代に突入しており、
真珠湾には空母が一隻もありませんでした。
そしてそれよりなにより、当時極東において、アメリカが日本を侵略する
ための大義名分が全世界に対して立つと考えました」
誠吉「それを君は小学校のいつごろに考えた?」
晃司「確かもう小学校の中学年になっていたと思います」
誠吉「まずまず上出来といったとこかな。それではなぜアメリカはこの大東亜戦争を
起こした?」
晃司「それは確かもう僕は高校生、今の旧制中学の学生になっていたと思いますが、
あることがきっかけで、同級生にその質問を受けたのですが、そのとき考えた
仮説が、まずこの時代のアメリカ大統領はフランクリン・ルーズベルト
ですよね。
今の少し前、独ソ戦争を始めとして、ヨーロッパで戦争が起きましたよね。
当時アメリカは中立の立場を保っており参戦出来なかったんですが、
ルーズベルトはヨーロッパに軍事介入したくてたまらなかったんですよね。
しかし名目がない。
そこで目を付けたのが日独伊三国軍事同盟だったってことです。
先ほども言った様に今の少し前、ヨーロッパで戦争が起きましたよね。
これは日本がアメリカに武力的に先に攻撃を仕掛けた事により、アメリカの
中立の立場を放棄しアメリカ世論を主戦論に変え更には、国民の戦意を高める
だけだったのです。
この証拠として未来での歴史では、アメリカのヨーロッパへの軍事介入は
真珠湾攻撃のすぐ後です。
このことから、その質問に立てた僕のこの仮説が、ほぼほぼ事実である
ことが、明らかであります」
誠吉は過去に行われた事実と現在起きている事実の真相をしり晃司が
言った内容に確信をもち、その戦略眼に信頼と自分の子孫であるという
親しみをもったのである。
誠吉「そういうことか、大体わかった。君たちを連れて行って会わせたい
人がいる。現海軍兵学校学校長草鹿任一閣下や。来てくれるかい?」
晃司「はい。喜んで。園田さん、君ももちろんやね」
一花「当然です岡本先輩。喜んでお供させて頂きます」
誠吉は言われた通り三が日をすごしてから自身の様態を見て、
晃司と一花をつれて、海軍兵学校に戻った。
上級生の教育に忙しく、岡本誠吉もそのうちの一人であった。
しかし誠吉は、兵学校生の誤射により、右腕を負傷しており、
ちょくちょく、校内での休養をとらざるをえなかった。
海軍兵学校校長の草鹿任一は誠吉を校長室へ呼び出したのである。
草鹿任一「岡本教官、君宛てに緊急に、家族から親書が届いとるよ。
休養中だし、ここで開けて読んでもかまわんよ」
岡本誠吉「はっ、親書ですか、では失礼してここで読ませて頂きます」
この内容を読んだ誠吉は落胆したが、
表情等を上官に隠して、更に読み続けた。
草鹿「どうしたのかね、偉く落ち込んで見えるが、何か困ったことでも
あったのかね?遠慮せず言ってみなさい」
誠吉「申し訳ございません。私事なのですが、ではこの私宛の手紙を
お読み頂けますでしょうか?」
草鹿校長は時枝から誠吉に送った手紙を読んで見た。
草鹿「うーん、そういうことかあ。君は腕を負傷している。念のため自宅へ
戻り普通の医者にも見てもらいなさい」
誠吉「しかし校長、今は戦時中ですし、この忙しい中、私だけということは。
私の腕は大丈夫ですので」
草鹿「君もこんな時くらい息子さんに会いたかろう、他の家族にも。
心配いらん校内には手術が必要で軍医はいっぱいということに
しておく。気兼ねなく帰省してきなさい。
正月三が日が明けたら勤務に戻って来なさい」
誠吉「お心遣い痛み入ります。ではお言葉に甘えて、そうさせて頂きたく
思います。年明け三が日が明けたらすぐ戻って参ります」
誠吉は急ぎ帰路へついた。そして自宅へもどって
きたのであった。
誠吉「時枝、戻ったぞ。哲司はどけおっとや」
岡本時枝「よくお帰り下さいましたあなた。実は哲司は元気で病気も怪我も
しておりません。これには事情があるのです」
岡本哲司「父ちゃん、お帰り」
誠吉「哲司、ほんまにどうもなかったんや?」
哲司「どげんしたと父ちゃん、僕は普通に学校いっとったよ。
今もみんなと遊んどったとこ」
息子の哲司の元気な姿を見て誠吉はこれはどういう事かと思い
妻の時枝にそう怒鳴って怒るふうでもなく問いただしてみた。
誠吉「時枝どういうことや、こっちはあん手紙ば学校長にまで見せて、
休暇をもらったのに、どげん言うて帰ればよかとね」
時枝「申し訳ありません。ほんとに事情がありまして、いまからお連れ
しますお二方と、一緒にお話しをしていただけないでしょうか。
哲司、あんたはみんなと一緒にお外で遊んできなさい。
呼ぶまでお家に入ってきてはいかんよ」
時枝は別室にいた晃司と香織を連れてきて、誠吉に会わせた。
4人は会話を始めた。
岡本晃司「初めまして、僕は岡本晃司と言います。こちらは後輩の園田一花です」
園田一花「初めまして、園田一花と申します」
誠吉「初めまして、岡本誠吉と言います。お二人お若いですね」
晃司「実は僕ら、誠吉さんにお話しがあって頼めることがあったらお頼み
したいと思っているんです」
誠吉「どうしたというのかな?私に出来る事ならお受けしますが」
晃司「ありがとうございます。では今からお話しをお聞きして
もらえませんか?」
誠吉「ええ、どうぞ」
晃司は時枝に話したことを、全部誠吉に話したのである。
誠吉「なんとほんとかねそれは?君が私のひ孫?75年後の未来から来た?
それにその話。
大日本帝国の敗北等、他の軍管轄の人間に聞こえたらただじゃすまんぞ。
時枝お前は信じたのか?」
時枝「はい。私は信じました。これが本当だとしたらこのお国はとんでもない
ことになると思い、緊急にあのような嘘の手紙を書いて、あなたにこの
お二人と、会ってもらおうと思いました」
晃司「軽々しく呼んで申し訳ないですがひいお爺ちゃん、これ以上に軍関係者には、
話したいことがあるんで、どこかでお話しできませんか?」
誠吉「うーん、そう簡単に信用出来るものでもないが。まあそこまで言うなら、
家の中よりむしろ、外のほうが子供たちも戻って来たりなどして聞く
恐れがなくていいやろう、ついてきなさい。
時枝、あとは私に任せなさい。お前は子供たちを頼む」
時枝「はい、あなた」
誠吉は晃司と一花を人気のない場所へ連れて行き
会話を続けた。
誠吉「それで晃司君、まだ話があるといっていたが、話してみてくれないか」
晃司「はい。僕たちは敗戦後の日本に創立された、再軍備を兼ねた軍隊のような
組織、自衛隊という組織の幹部候補を養成する学校、防衛大学校という
学校の学生です」
誠吉「防衛大学校かあ、君たちの言う時代のこの国には、軍隊はないのかね?」
晃司「ありません。その自衛隊は、敗戦後に作られた新憲法の元、専守防衛という
形で国家の防衛に、あたるものです」
晃司は誠吉に自衛隊と軍隊の違いや日本国憲法等の戦後の日本の
法体係や日本人の歴史史観や思想並びに第二次世界大戦後の世界の
歴史や国連や条約等の法的な事、更には、日本人や世界の人々の
生活に関すること等を今説明していい範疇(はんちゅう)で知る限り
説明した。
そしてさらに続ける。
晃司「自衛隊は小さなアメリカ軍ともいわれます。昭和20年[1945年]から
少し時間を空けて警察予備隊、保安隊、自衛隊となりました。
それもこの戦争後、朝鮮半島でアメリカとソ連の戦いを背景に、南北で戦争が
起こります。
大東亜戦争の敗戦後、日本はアメリカ軍の占領下にあり独立はしていなく
陸海軍も無くなっていました。
そのために、日本にはGHQ連合国軍最高司令官総司令部と呼ばれる、アメリカ
軍が常駐していました。
この朝鮮半島での戦争、朝鮮戦争と呼ばれる戦争のためにアメリカ軍が必要に
なり、そのためこの日本国の再軍備が必要になったためまず警察予備隊が
つくられました」
誠吉「うーん、そうかあ、本当の話のようやなあ。で、君たちはどうやって、
この時代に来たんや?」
晃司「それが今でもよくわからず、大学の寮の中で、奇妙な体験をして、気が
付いたら、この時代の横須賀にいました」
一花「私もなんです。岡本先輩と全く同じ体験を同時期に、同じ場所、日時に転移
していました」
誠吉「本当に不思議やなあ。で、君たちのこの大戦の知識等を、もう少し聞かせて
もらいたい。
でないと軍人として、完全に信用するにも、上を説得するにも、少し難しい」
晃司「はい。まずこの今の大東亜戦争ですが、僕らの時代では、真珠湾攻撃陰謀説
というものが議論されてますが、僕たちが肯定派か否定派かはともかく、
この武力攻撃はアメリカの戦略の一環ということです。
アメリカをはじめ、イギリス、中国、オランダを主とする貿易の制限を
行った、いわゆるABCD包囲網等では、すでに戦争は始まっており、
最後にハルノートを日本にたたきつけ、これが事実上の宣戦布告であり、
日本はまんまとアメリカの策に乗ったということです。
つまりこの大東亜戦争はアメリカ側から仕掛けてきたものなんです」
誠吉「うーん、ではアメリカが日本に武力攻撃させた理由と、その具体的な戦略的
構想は?と質問すると?」
晃司「それは僕が小学校、ひょっとするとちょっと前の国民学校ですかね。
哲司爺さんの情報をもとに、そんなころ考えただけですが、真珠湾攻撃の
真相についてです。
爺さんからは、陰謀説肯定説をもってこられて、これが戦後アメリカが
公開した情報だと聞かされ、あと日本には資源がなかったがアメリカには
資源が沢山あり老朽化した軍艦や船舶等は海に沈めて廃棄していた、
ということを聞きました。
僕はそこで、アメリカ軍が真珠湾に廃棄同然の老朽化した戦艦や巡洋艦、
駆逐艦を集めて、日本になけなしの武器弾薬を使わさせ、船舶を廃棄して
一挙両得をしたと考えました。
その証拠に現にこの時代は、既に航空機の戦闘の時代に突入しており、
真珠湾には空母が一隻もありませんでした。
そしてそれよりなにより、当時極東において、アメリカが日本を侵略する
ための大義名分が全世界に対して立つと考えました」
誠吉「それを君は小学校のいつごろに考えた?」
晃司「確かもう小学校の中学年になっていたと思います」
誠吉「まずまず上出来といったとこかな。それではなぜアメリカはこの大東亜戦争を
起こした?」
晃司「それは確かもう僕は高校生、今の旧制中学の学生になっていたと思いますが、
あることがきっかけで、同級生にその質問を受けたのですが、そのとき考えた
仮説が、まずこの時代のアメリカ大統領はフランクリン・ルーズベルト
ですよね。
今の少し前、独ソ戦争を始めとして、ヨーロッパで戦争が起きましたよね。
当時アメリカは中立の立場を保っており参戦出来なかったんですが、
ルーズベルトはヨーロッパに軍事介入したくてたまらなかったんですよね。
しかし名目がない。
そこで目を付けたのが日独伊三国軍事同盟だったってことです。
先ほども言った様に今の少し前、ヨーロッパで戦争が起きましたよね。
これは日本がアメリカに武力的に先に攻撃を仕掛けた事により、アメリカの
中立の立場を放棄しアメリカ世論を主戦論に変え更には、国民の戦意を高める
だけだったのです。
この証拠として未来での歴史では、アメリカのヨーロッパへの軍事介入は
真珠湾攻撃のすぐ後です。
このことから、その質問に立てた僕のこの仮説が、ほぼほぼ事実である
ことが、明らかであります」
誠吉は過去に行われた事実と現在起きている事実の真相をしり晃司が
言った内容に確信をもち、その戦略眼に信頼と自分の子孫であるという
親しみをもったのである。
誠吉「そういうことか、大体わかった。君たちを連れて行って会わせたい
人がいる。現海軍兵学校学校長草鹿任一閣下や。来てくれるかい?」
晃司「はい。喜んで。園田さん、君ももちろんやね」
一花「当然です岡本先輩。喜んでお供させて頂きます」
誠吉は言われた通り三が日をすごしてから自身の様態を見て、
晃司と一花をつれて、海軍兵学校に戻った。
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