北海道怪異端-繋がり-

ホラー好きの774TK

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第二章 始まり

友人の話 3/4

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口無沼にAとBは向かうために地図アプリに経路を記録し懐中電灯と竿を1本持った。
普段は穏やかなシコツコ周辺も今日だけはザワザワと騒がしかった。特にAとBの家族以外キャンプに来ている様子はなかったためその騒がしさが異様な雰囲気を醸し出していた。

舗装された道路もなかったのでガサガサとガマズミやヨシなどの草をかき分けながら口無沼へと進んだ。
口無沼についた頃にはもう日も暮れており、施設や街灯の光が届かず上からの月の光さえもAとBの足元をかすかに照らすほどしか届いていなかっため、口無沼について書かれている看板には目が留まらなかった。

Aはなぜ管理人が口無沼に自分たちを行かせるようにしたのかがわからなかったのでBとともに辺りを探すことにした。

探し始めて数十分経過したときだった。Bはしびれを切らし持ってきた竿で釣りを始めていた。Bは魚がいると踏んで口無沼はポコポコと泡が水中から水面に出ていたところへ竿を投げた。

Aは自分の父親のことだったので、Bが飽き始めたことで気分を悪くしてムッとしたまま、時間だけが経過していった。

Aがつけていた防水の腕時計が午後8時を迎えようとしていた頃、Bの竿の糸がピーンと張り当たりが来た。
バシャバシャと水しぶきを立てていたのでなにかすごい魚でもいるのではないかと思い、AもじっとBの竿の糸が垂れているバシャバシャという水しぶきが立ち続けていた水面を見つめていた。

一向に竿を引き上げないBにAは
「なぜ釣り上げないのか。」と問うと、
Bは「引っ張られる。」と一言だけ。

Bが沼に落ちるのはこの暗さでは危ないと思いAはBを支え、グイッと2人が息を合わせて竿を引く。すると、スッと重りが減ったように竿を引くことができた。釣れたと思い針先をみると知らない人の左手が釣れ、竿を引くことで力んでいたAとBは後ろに倒れそのまま意識を失った。
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