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【第5章理不尽賢者と新大陸】
【理不尽賢者とドワーフの国Ⅴ】
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「ここは通れんぞ、シンダリア全王会議で決まっている特別区だ。むやみに詮索するならば監獄行きだぞ」
「じゃあ自分からか『監獄』に入ってやるよ」ローズマリーは兵士の制止を振り切って特別区に入った。
足が地面に着いた瞬間、きらめく閃光がローズマリーを狙った。しかしローズマリーはそれを躱し逆に得物を空中でキャッチし放ってきた方向に投げ返した。
「グハッ」と木から落ちてくる年配のダークエルフ。
「な、何故バレた」もう一本奥の木から崩れるように倒れる獣人族。
「おい、ローズマリーお前人殺しはしないんじゃなかったのか?」エンデュミオンが動揺する。
「死んでないよ、強力なしびれ薬が入った吹き矢だよ」
「ふっ、変わったのは俺たちだけじゃないのだな。2か月前なら殴り倒しに行ってる筈だからな」
「まあそういうことだ。で、セレーナとアラムは直にやって来るよ。残る雑魚はあんたら2人に任せるよ」
どこから湧いて出たのか50人弱の兵士が現れたしかもそれなりに武に自信がある者たちのようだ。
「ここは特別区、殺しても構わん。奴らをこれ以上すすっ……」隊長と思わる人物が倒れた。皆何が起きたのかと動揺し始めた。
地面が赤黒く焦げている。エンデュミオンが【神速】を使ったのだ。ローズマリーより一瞬の速さだけなら速いかもしれない。ローズマリーは友の成長を喜んだ。
「ふっ、俺も本気を出すか……。吼えろ【竜牙】!」ルーンベルトは高く跳躍した。そして兵士の集団にミスリル製の槍を突き立てた。一瞬の間をおいて衝撃波で兵士たちが崩れる。
残った兵士たちは武器を捨て敗走し始めた。そしてローズマリーが歩みを進める方向に皆つき従った。
「ここだな。この地下に2人はいる」
「って言っても何にもない地面だぜ」
「ふっ、相棒よ、地面の上を歩いてみろ」
エンデュミオンが言われた通りにした。するとある部分から中が空洞になっているようなカンカンと言った音が出始めた。
どうやったら開くのかなと思いローズマリーが杖で叩くと魔方陣が現れた。結界か……。この程度ならば力押しで壊すことができる筈。ローズマリーは『大賢者の杖』で魔方陣の核となっている中心部分を叩いた」
すると地下牢獄への扉が開いた。ご丁寧に松明が付けられていたのでそれを取って一直線にセレーナのところへ向かう。
「本当にこんなところにセレーナはいるのかよ」
「おーいセレー……」
「叫ぶな……エンデュミオン……」エンデュミオンはローズマリーの手で喋るのを制止された。
「犬どもがアレを呼ぶから……」
ワオーン一匹のワイルドッグに気付かれてしまった。共鳴して他のワイルドドッグにも鳴き叫ばれる。
ズシン、ズシンと歩く音がするそして近づいてきたのが松明に照らされる。
グルルルル…・…頭が3つのケルベロスだ。番犬としてこれ以上のものはいないだろう。首輪には操るためか魔法がかけられているようだ。これが外に出たら大惨事になるかと言って、今ローズマリーにできることは無限大な魔力は無い。頭を地道に潰すしかないかそう考えているとルーンベルトとエンデュミオンが前に出た。
「てめえで蒔いた種はてめえで潰すぜ」
「丁度自分たちの力を知りたくなっていたところだ。良い相手になりそうだ」
「任せたぞ」ローズマリーは2人に真実を告げられないのが悲しかった。まだここであれを使っちゃ駄目だ。
2人を心配するフリューゲルを伴って道を歩いていくと壁に阻まれた杖を当ててみるとやはりまた結界だしかも相当練られている。
叩き壊せるか? ローズマリーが思案していると壁が急に開いた。セレーナとアラムだ。セレーナはローズマリーに飛びつき謝ってきた。
「いつも足ばっかり引っ張茶ってごめんなさい」
「何言ってるんだよ、セレーナのおかげでアラムを探し出せたんだから」
そして相対する親子意外にもアラムの方からフリューゲルに歩み寄った。これはローズマリーにも想定外だった。【未来予知】のスキルで調べた結果、ここでは壮絶な殴り合いが起きる筈だったからだ。
「親父済まねえ、親父が作った最高の出来の飛空船を勝手に持ち出してこの体たらくだ」
「なに……気にするな。その代わりわしの跡を継いでくれアダマンタイトを加工できるのはこの国にはわし1人になってしまった。この方は古より予言された大賢者ローズマリー様じゃ」
「本当にか? お前のことをここまで助けに来たことが何よりの証明じゃろ?」
「た、確かにな……ケルベロスがいなかったか? アレに気付かれると厄介だぞ」
そこにエンデュミオンとルーンベルトが汗もかいた様子もなく合流した。
「ケルベロスってだけあって結構手ごわい相手だったぜ」
「ふっ、技を出すまでもなかったがな……」
アラムは驚愕していた。ケルベロスは間違いなく北の大陸モリガルアに生息するモンスターと同レベルの強さを持っている。それをたった2人で倒してしまうとは……。
「御2人の名前をお教えください」
「俺はエンデュミオン、人呼んで【神速】のエンデュミオンだ。で横の槍使いがルーンベルトだ」
「ふっ、名乗るのは良いが先に脱出をした方が良くないか?」
「その通りだな、さっさと陰気臭い場所から出て皆で今後のことを話し合おう!」
ローズマリー達は地下牢獄を脱出した。
「じゃあ自分からか『監獄』に入ってやるよ」ローズマリーは兵士の制止を振り切って特別区に入った。
足が地面に着いた瞬間、きらめく閃光がローズマリーを狙った。しかしローズマリーはそれを躱し逆に得物を空中でキャッチし放ってきた方向に投げ返した。
「グハッ」と木から落ちてくる年配のダークエルフ。
「な、何故バレた」もう一本奥の木から崩れるように倒れる獣人族。
「おい、ローズマリーお前人殺しはしないんじゃなかったのか?」エンデュミオンが動揺する。
「死んでないよ、強力なしびれ薬が入った吹き矢だよ」
「ふっ、変わったのは俺たちだけじゃないのだな。2か月前なら殴り倒しに行ってる筈だからな」
「まあそういうことだ。で、セレーナとアラムは直にやって来るよ。残る雑魚はあんたら2人に任せるよ」
どこから湧いて出たのか50人弱の兵士が現れたしかもそれなりに武に自信がある者たちのようだ。
「ここは特別区、殺しても構わん。奴らをこれ以上すすっ……」隊長と思わる人物が倒れた。皆何が起きたのかと動揺し始めた。
地面が赤黒く焦げている。エンデュミオンが【神速】を使ったのだ。ローズマリーより一瞬の速さだけなら速いかもしれない。ローズマリーは友の成長を喜んだ。
「ふっ、俺も本気を出すか……。吼えろ【竜牙】!」ルーンベルトは高く跳躍した。そして兵士の集団にミスリル製の槍を突き立てた。一瞬の間をおいて衝撃波で兵士たちが崩れる。
残った兵士たちは武器を捨て敗走し始めた。そしてローズマリーが歩みを進める方向に皆つき従った。
「ここだな。この地下に2人はいる」
「って言っても何にもない地面だぜ」
「ふっ、相棒よ、地面の上を歩いてみろ」
エンデュミオンが言われた通りにした。するとある部分から中が空洞になっているようなカンカンと言った音が出始めた。
どうやったら開くのかなと思いローズマリーが杖で叩くと魔方陣が現れた。結界か……。この程度ならば力押しで壊すことができる筈。ローズマリーは『大賢者の杖』で魔方陣の核となっている中心部分を叩いた」
すると地下牢獄への扉が開いた。ご丁寧に松明が付けられていたのでそれを取って一直線にセレーナのところへ向かう。
「本当にこんなところにセレーナはいるのかよ」
「おーいセレー……」
「叫ぶな……エンデュミオン……」エンデュミオンはローズマリーの手で喋るのを制止された。
「犬どもがアレを呼ぶから……」
ワオーン一匹のワイルドッグに気付かれてしまった。共鳴して他のワイルドドッグにも鳴き叫ばれる。
ズシン、ズシンと歩く音がするそして近づいてきたのが松明に照らされる。
グルルルル…・…頭が3つのケルベロスだ。番犬としてこれ以上のものはいないだろう。首輪には操るためか魔法がかけられているようだ。これが外に出たら大惨事になるかと言って、今ローズマリーにできることは無限大な魔力は無い。頭を地道に潰すしかないかそう考えているとルーンベルトとエンデュミオンが前に出た。
「てめえで蒔いた種はてめえで潰すぜ」
「丁度自分たちの力を知りたくなっていたところだ。良い相手になりそうだ」
「任せたぞ」ローズマリーは2人に真実を告げられないのが悲しかった。まだここであれを使っちゃ駄目だ。
2人を心配するフリューゲルを伴って道を歩いていくと壁に阻まれた杖を当ててみるとやはりまた結界だしかも相当練られている。
叩き壊せるか? ローズマリーが思案していると壁が急に開いた。セレーナとアラムだ。セレーナはローズマリーに飛びつき謝ってきた。
「いつも足ばっかり引っ張茶ってごめんなさい」
「何言ってるんだよ、セレーナのおかげでアラムを探し出せたんだから」
そして相対する親子意外にもアラムの方からフリューゲルに歩み寄った。これはローズマリーにも想定外だった。【未来予知】のスキルで調べた結果、ここでは壮絶な殴り合いが起きる筈だったからだ。
「親父済まねえ、親父が作った最高の出来の飛空船を勝手に持ち出してこの体たらくだ」
「なに……気にするな。その代わりわしの跡を継いでくれアダマンタイトを加工できるのはこの国にはわし1人になってしまった。この方は古より予言された大賢者ローズマリー様じゃ」
「本当にか? お前のことをここまで助けに来たことが何よりの証明じゃろ?」
「た、確かにな……ケルベロスがいなかったか? アレに気付かれると厄介だぞ」
そこにエンデュミオンとルーンベルトが汗もかいた様子もなく合流した。
「ケルベロスってだけあって結構手ごわい相手だったぜ」
「ふっ、技を出すまでもなかったがな……」
アラムは驚愕していた。ケルベロスは間違いなく北の大陸モリガルアに生息するモンスターと同レベルの強さを持っている。それをたった2人で倒してしまうとは……。
「御2人の名前をお教えください」
「俺はエンデュミオン、人呼んで【神速】のエンデュミオンだ。で横の槍使いがルーンベルトだ」
「ふっ、名乗るのは良いが先に脱出をした方が良くないか?」
「その通りだな、さっさと陰気臭い場所から出て皆で今後のことを話し合おう!」
ローズマリー達は地下牢獄を脱出した。
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