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【第4章理不尽賢者と魔導皇国グリムズガーデン】
【理不尽賢者とカイザードラゴンⅢ】
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「この突然の突風ローズマリーが怒ったんじゃない?」セレーナが心配そうに言う。
「逆かもしれないぜ、ローズマリーがカイザードラゴンを怒らせたのかもしれない」
「ふっ、その可能性は大いにあるな。何せオルケイアでも国王に溜口、そして不敬な態度をとっていたらな」
「どちらにせよ、心配だわ……」セレーナは神に祈った。どうかローズマリーが無事で帰ってきますようにと。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……こ、これはこんな莫大な魔力を纏っているとは……!」カイザードラゴンは明らかに狼狽している。しかしそんなことも関係なしにローズマリーは魔力を全身に込めていた。
「うおおおぉぉぉ!」
バリバリと電流が流れローズマリは黄金色のオーラを纏った。カイザードラゴンの足がズルズルと地面を擦ってローズマリーに引き寄せられていく。
「くっ、では死ぬが良い!グワハーーッ」カイザードラゴンは灼熱のブレスをを吐きだし
しかし、ローズマリーには火傷の跡すら見えない。
「ならば、これでどうだ!」尻尾による凪払いだこれで崖から地上まで落ちて死ぬだろうとカイザードラゴンは思ったがローズマリーの位置は全く変わっていない。というか尻尾の凪払いを片手で受け止めている。
「……わ、分かった降参だ! 吾輩の先ほどの言葉は取消す。どうか怒りを鎮めてくれ……」
フッとローズマリーは暴走しかけ魔力を抑え込んだ。
「最初から分かればいいんだよ。それに、あんた『吾輩』じゃないだろう?」
「何? どうしてそれが分かったのだ」
「大切な卵を抱えているんだろう? だから自由に動けない違うか?」
「貴様も魔王と同じでワタクシの子を奪おうと言うのか!」
「違う! 違う! あたしはこの世界の過去のことを知りたいだけなんだよ」
「具体的には何千年前なのだ。古代シンダリア帝国のことか?」
「オルケイア国のことだよ。一体誰が作ったのかなって不思議に思っていたんだ? あたしと同じ異世界からの民だろ?」
「『原初』から別れし種族の国は多い、オルケイアと言われてもワタクシにも分からぬことは多いのだ。何か分かりやすい手がかりはないのか?」
「そうだな……あ、あれだ!」
ローズマリーは絵をかき始めた。勿論『大賢者の杖』を使ってだ。カイザードラゴンはにも分かりやすいように元の世界の一軒家くらいの大きさで絵を描いた。
「どうだ? このシンボルを旗にしている国だ。何か知らないか?」
「ワタクシにはこれは国のシンボルとは言えぬ。これは奴隷の証だ」
「え? どういうことだよ、これは『原初』の種族から6つの種族が生まれたって言う平等の証だって王様は言ってたぞ」
「多分何処かで話が捻じ曲げられたのであろう。『原初』は6つの種族をすべからく奴隷としていたらしい」
「らしいってことは、アンタもまだ生まれる前ってことか!」
「その前に……そこに隠れている者たちよ、姿を現せ!」
手を上げてエンデュミオン達が現れた。
「エルフ族の戦士か? 見たところどれも若造……お主の足手まといにしかならぬだろう。下僕か従者か?」
「あ、あたしのダチ公を下僕扱いすんな――!」
つい軽く殴ってしまった。カイザードラゴンの横っ面にもろにクリーンヒットした。
他の3人は口をあんぐりと開けて驚いていた。
カイザードラゴンは「グヒン」と鳴くと力なく首が倒れた。さっきの珍妙呼ばわりでストレスが溜まっていたからな……でも本気で殴らなくて良かったとローズマリーは思った。
カイザードラゴンが目を覚ますまでには数時間を要した。その間セレーナやルーンベルトにお説教を喰らった。
「逆かもしれないぜ、ローズマリーがカイザードラゴンを怒らせたのかもしれない」
「ふっ、その可能性は大いにあるな。何せオルケイアでも国王に溜口、そして不敬な態度をとっていたらな」
「どちらにせよ、心配だわ……」セレーナは神に祈った。どうかローズマリーが無事で帰ってきますようにと。
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「……こ、これはこんな莫大な魔力を纏っているとは……!」カイザードラゴンは明らかに狼狽している。しかしそんなことも関係なしにローズマリーは魔力を全身に込めていた。
「うおおおぉぉぉ!」
バリバリと電流が流れローズマリは黄金色のオーラを纏った。カイザードラゴンの足がズルズルと地面を擦ってローズマリーに引き寄せられていく。
「くっ、では死ぬが良い!グワハーーッ」カイザードラゴンは灼熱のブレスをを吐きだし
しかし、ローズマリーには火傷の跡すら見えない。
「ならば、これでどうだ!」尻尾による凪払いだこれで崖から地上まで落ちて死ぬだろうとカイザードラゴンは思ったがローズマリーの位置は全く変わっていない。というか尻尾の凪払いを片手で受け止めている。
「……わ、分かった降参だ! 吾輩の先ほどの言葉は取消す。どうか怒りを鎮めてくれ……」
フッとローズマリーは暴走しかけ魔力を抑え込んだ。
「最初から分かればいいんだよ。それに、あんた『吾輩』じゃないだろう?」
「何? どうしてそれが分かったのだ」
「大切な卵を抱えているんだろう? だから自由に動けない違うか?」
「貴様も魔王と同じでワタクシの子を奪おうと言うのか!」
「違う! 違う! あたしはこの世界の過去のことを知りたいだけなんだよ」
「具体的には何千年前なのだ。古代シンダリア帝国のことか?」
「オルケイア国のことだよ。一体誰が作ったのかなって不思議に思っていたんだ? あたしと同じ異世界からの民だろ?」
「『原初』から別れし種族の国は多い、オルケイアと言われてもワタクシにも分からぬことは多いのだ。何か分かりやすい手がかりはないのか?」
「そうだな……あ、あれだ!」
ローズマリーは絵をかき始めた。勿論『大賢者の杖』を使ってだ。カイザードラゴンはにも分かりやすいように元の世界の一軒家くらいの大きさで絵を描いた。
「どうだ? このシンボルを旗にしている国だ。何か知らないか?」
「ワタクシにはこれは国のシンボルとは言えぬ。これは奴隷の証だ」
「え? どういうことだよ、これは『原初』の種族から6つの種族が生まれたって言う平等の証だって王様は言ってたぞ」
「多分何処かで話が捻じ曲げられたのであろう。『原初』は6つの種族をすべからく奴隷としていたらしい」
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「その前に……そこに隠れている者たちよ、姿を現せ!」
手を上げてエンデュミオン達が現れた。
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つい軽く殴ってしまった。カイザードラゴンの横っ面にもろにクリーンヒットした。
他の3人は口をあんぐりと開けて驚いていた。
カイザードラゴンは「グヒン」と鳴くと力なく首が倒れた。さっきの珍妙呼ばわりでストレスが溜まっていたからな……でも本気で殴らなくて良かったとローズマリーは思った。
カイザードラゴンが目を覚ますまでには数時間を要した。その間セレーナやルーンベルトにお説教を喰らった。
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