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【第3章 理不尽賢者ローズマリーと魔法科学国オルケイア】
【理不尽賢者と大砂漠Ⅲ】
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その日の深夜、ローズマリーは盗賊王のスキルを使い、気配を消して村長宅に向かった。しかしその前に異変を見つけた。
昼間は引っ込んでた住人たちが村長宅からおびただしい数の袋を村の中央の広場に集めているのだ。よく見るとそれは包帯でグルグル巻きにされている人の姿だった。
しかも大きな火がたかれてる。今にも包帯で巻かれた人たちを投げ入れようとしているようだ。
「あんたら何をしようとしてるんだい?」ローズマリーは少しばかり怒りをはらんだ口調で言った。
すると痩せた男性が怒鳴った。
「村のことにあまり突っ込んくるな。旅人は旅人らしく次の村へ行きな!それにしても珍妙な服を着ているな、オルケイア首都サザールに帰るところなの、うっわ」
「珍妙という言葉を取り消さないとこのまま焚き火の中に放り込むぞ!」ローズマリーは男性の服をつかみ軽々と男性の体をつかみ上げた。
「わ、わかった。珍妙という言葉は取り消す。許してくれ」
前の街ノバクではパンピーについ、キレてしまったが、今回は怒りをおさめられた。
「次に同じことを言う奴らがいたらこの村を火の海にするからな!」
「わ、わかった。村人全員にすぐ伝える」痩せた男は走って村長宅の方へ向かった。
「それにしてもこの包帯巻かれた人は生きているのか? 疫病か何かが発生していんのかな?」
ローズマリーはあろうことか死体らしきものを蹴ってみた。「うっうう」と声が漏れた。やっべえ生きている人間を焼こうとしてんのかよ。何か原因があるに違いない。この村なら村長に話を聞くのがベストだな。エンデュミオンやルーンベルトには村人が全く話をしなかったからだ。責任ある村長なら少し脅せば話を分かりやすく教えてくれるはずだ。
しかしローズマリーが出向く前に先ほどの男性が村長を伴って近づいてきた。
「ああ、旅の人リビトが大変ご迷惑をおかけしました」
「分かってくれれば良いんだよ。単刀直入に聞くけれど何故生きた人を焼こうとしてんだよ。疫病でも流行っているのか?」
「見なかったことには……していただけないでしょうな」
「そりゃそうだろう。生きた人間を焼くなんて正気の沙汰じゃねえもん」
村長はしばらく考え込んだ。葛藤しているようだ。数分してようやく重い口を開いた。その時には村の男性たちが集まっていた。皆一様に暗く沈んだ顔が大きな焚き火に照らされている。
「すべての元凶はジャイアントワームなのです。お強いあなた方なら問題なく倒せるでしょうが我ら力なきものにとっては大きな脅威なのです。そしてヤツらは今繁殖期に入っているのです」
「これを見てくれ」リビトが包帯を破くと人間……の体の皮膚の裂けたところからからおびただしいほどの量の小さなワームがわき出てきた。
「もしかして寄生されてるのか?」
「その通りです。この時期のジャイアントワームに食われた人間は皆無数の卵を産み付けられ生きたまま排出されるのです。放置すれば何万というワームが産まれるでしょう。だから生きたまま焼いておるのです。ジャイアントワームは夜は眠るので日中はあまり動かず夜に焼いております」
「生きたまま焼くなんて酷くないか? あたしの国では大昔の話だけどせめて苦痛が残らないように介錯をしてやってたぞ」
「かいしゃく? それは楽に殺してやると言うことですか? それは最悪の結果をもたらします。人間…の体内の魔力循環が無くなるとワームの幼生は一気に外へと飛び出します。被害が拡大してしまいます」
ローズマリーは包帯で巻かれた人に近づき魔法を唱えた。
「リリーシングペイン」
リビドが裂いた包帯に包まれた人から緑色の光があふれ出しワームの幼生が消え去った。
「何と! もしやあなた様は北の国々で噂になっている大賢者様では?」
「いや、あたしはただの魔法使いだよ」
リビトがワームの寄生が治った人を包帯から解放してやっていた。
「ユナシア! お前を焼こうとしたお父さんを許してくれ」
「お父さん何で泣いているの?」
「良かったな!おっちゃん」
「他の人も治してやるから連れてきてくれ」
その日の晩は寄生された村人を治してるうちに真夜中になってしまった。ローズマリーは魔法はこんな風に人の為にも使えるのだと分かり感銘を覚えていた。そして治療を行いながら悪魔的発想をするのであった。
昼間は引っ込んでた住人たちが村長宅からおびただしい数の袋を村の中央の広場に集めているのだ。よく見るとそれは包帯でグルグル巻きにされている人の姿だった。
しかも大きな火がたかれてる。今にも包帯で巻かれた人たちを投げ入れようとしているようだ。
「あんたら何をしようとしてるんだい?」ローズマリーは少しばかり怒りをはらんだ口調で言った。
すると痩せた男性が怒鳴った。
「村のことにあまり突っ込んくるな。旅人は旅人らしく次の村へ行きな!それにしても珍妙な服を着ているな、オルケイア首都サザールに帰るところなの、うっわ」
「珍妙という言葉を取り消さないとこのまま焚き火の中に放り込むぞ!」ローズマリーは男性の服をつかみ軽々と男性の体をつかみ上げた。
「わ、わかった。珍妙という言葉は取り消す。許してくれ」
前の街ノバクではパンピーについ、キレてしまったが、今回は怒りをおさめられた。
「次に同じことを言う奴らがいたらこの村を火の海にするからな!」
「わ、わかった。村人全員にすぐ伝える」痩せた男は走って村長宅の方へ向かった。
「それにしてもこの包帯巻かれた人は生きているのか? 疫病か何かが発生していんのかな?」
ローズマリーはあろうことか死体らしきものを蹴ってみた。「うっうう」と声が漏れた。やっべえ生きている人間を焼こうとしてんのかよ。何か原因があるに違いない。この村なら村長に話を聞くのがベストだな。エンデュミオンやルーンベルトには村人が全く話をしなかったからだ。責任ある村長なら少し脅せば話を分かりやすく教えてくれるはずだ。
しかしローズマリーが出向く前に先ほどの男性が村長を伴って近づいてきた。
「ああ、旅の人リビトが大変ご迷惑をおかけしました」
「分かってくれれば良いんだよ。単刀直入に聞くけれど何故生きた人を焼こうとしてんだよ。疫病でも流行っているのか?」
「見なかったことには……していただけないでしょうな」
「そりゃそうだろう。生きた人間を焼くなんて正気の沙汰じゃねえもん」
村長はしばらく考え込んだ。葛藤しているようだ。数分してようやく重い口を開いた。その時には村の男性たちが集まっていた。皆一様に暗く沈んだ顔が大きな焚き火に照らされている。
「すべての元凶はジャイアントワームなのです。お強いあなた方なら問題なく倒せるでしょうが我ら力なきものにとっては大きな脅威なのです。そしてヤツらは今繁殖期に入っているのです」
「これを見てくれ」リビトが包帯を破くと人間……の体の皮膚の裂けたところからからおびただしいほどの量の小さなワームがわき出てきた。
「もしかして寄生されてるのか?」
「その通りです。この時期のジャイアントワームに食われた人間は皆無数の卵を産み付けられ生きたまま排出されるのです。放置すれば何万というワームが産まれるでしょう。だから生きたまま焼いておるのです。ジャイアントワームは夜は眠るので日中はあまり動かず夜に焼いております」
「生きたまま焼くなんて酷くないか? あたしの国では大昔の話だけどせめて苦痛が残らないように介錯をしてやってたぞ」
「かいしゃく? それは楽に殺してやると言うことですか? それは最悪の結果をもたらします。人間…の体内の魔力循環が無くなるとワームの幼生は一気に外へと飛び出します。被害が拡大してしまいます」
ローズマリーは包帯で巻かれた人に近づき魔法を唱えた。
「リリーシングペイン」
リビドが裂いた包帯に包まれた人から緑色の光があふれ出しワームの幼生が消え去った。
「何と! もしやあなた様は北の国々で噂になっている大賢者様では?」
「いや、あたしはただの魔法使いだよ」
リビトがワームの寄生が治った人を包帯から解放してやっていた。
「ユナシア! お前を焼こうとしたお父さんを許してくれ」
「お父さん何で泣いているの?」
「良かったな!おっちゃん」
「他の人も治してやるから連れてきてくれ」
その日の晩は寄生された村人を治してるうちに真夜中になってしまった。ローズマリーは魔法はこんな風に人の為にも使えるのだと分かり感銘を覚えていた。そして治療を行いながら悪魔的発想をするのであった。
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