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【第2章 理不尽賢者ローズマリーとリガイア共和国】
【理不尽賢者とケンカ祭りⅨ】
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「なに? モンスター風情が闘技場だって? マジかよ」
「各種族の代表が闘うのではないかしら?」
「ふっ、王都リンデンハイムで4年に1度やっている武闘大会のようなものかな」
ルーンベルトの言葉にローズマリーが食いついた。皆驚きもしなかった。予想通りといった感じだ。
「いつやるんだよ。武闘大会って?」
「今年はもう終わったから4年後だな。残念だがローズマリー参加するには長く待つ必要があるな」
「そ、そうか……」
「それにだぜ、ローズマリーよ。お前冒険者ギルドに登録しないでリントの街を逃げ出しただろう。武闘大会には冒険者しか参加できないぜ」
「なら……仕方ないから……出る」
「「「ハッ?」」」3人はローズマリーの最後の方の発言が聞き取れない、いや聞きたくなかった。
「だからモンスターの武闘大会に出る」
「「「へぇ?」」」
エルフの戦士3人はローズマリーの破天荒ぶりはよくよく知る仲になってはいたが理解したくなかった。
「今回ばかりは絶対に反対よ。ローズマリー」
「ああ、俺もだぜ。さっきまで恋人が死にかけてたんだ、賛成するわけが無えぜ。って、うわ何投げてきたんだ」エンデュミオンが投げ渡された容器を見て目を白黒させた。
「こりゃあまさか! 幻の火酒ゴブリッシュじゃねえだろうな!」
「ルーンベルトにはこれ!」
「シンダリアの神よ、許したまえ!」ルーンベルトは既に心の奥では買収されていたようだ。アダマンタイトの鉱石に頬ずりしている。
「セレーナにはこれとこれ!」呪われしアダマンタイトでできたデュラハンの鎧とヴァンパイアから盗った良く分からない本を押し付けた。
「何これ! デュラハンの鎧? それにヴァンパイアの料理レシピ? ローズマリー……こんなことで私たちが買収されると思っているの?」
「あたしがモンスターの武闘大会に出ることに賛成の人~~」
おずおずと手を2人が挙げた。セレーナは勿論挙げなかった。
「あんたたちねえ、このバ、じゃなくてローズマリーが何言ってるのか分かっているの⁉」
「ま、幻のゴブリンの火酒が目当てじゃねえからな。ローズマリーに軽い息抜きが必要だと思ってだな……」
「お、俺もだぞ、まさかアダマンタイトの槍が欲しくなってしまったわけではないからな」
「あんた達ねえ……!」セレーナがマジ切れしそうになるのを止めたのはローズマリーだった。
「ホントにお願いだから戦わせて! 名前を言うだけで発動して国を亡ぼす原初の炎の魔法を最近使う夢にうなされてるんだ!」
「でも駄目よ! 敵は数万は超える数なのよ」セレーナが若干落ち着きを取り戻して反論した。
「あたしが本気を出せばあの闘技場ごと滅殺するから安心しなよ」
「でも、あたしはやはり反対よ。なんだか嫌な予感がするもの」
「今回は杖は持たずにステゴロで戦うつもり♪」
「何言ってるのその杖の加護があったから今まで無茶苦茶できたわけじゃない? そんなチート武器捨てたらあなたなんてただのその辺の喧嘩が強い村人レベルよ」
セレーナは本気で心配しているようだったのでこう伝えた。
「じゃあ、杖は足元に置いていつでも使えるようにしておくよ、これなら良いだろ?」
「そうは言ってもねえ」まだ不満げなセレーナの肩を掴んで言った。
「一生に一度のお願いだから頼むよ。セレーナ」ローズマリーは上目遣いで必死にアピールした。
「……分かったわ、あなたを信じるわ」セレーナは根負けした。ただしピンチになったら道ずれになろうとも一緒に戦うからと念を押された。
「各種族の代表が闘うのではないかしら?」
「ふっ、王都リンデンハイムで4年に1度やっている武闘大会のようなものかな」
ルーンベルトの言葉にローズマリーが食いついた。皆驚きもしなかった。予想通りといった感じだ。
「いつやるんだよ。武闘大会って?」
「今年はもう終わったから4年後だな。残念だがローズマリー参加するには長く待つ必要があるな」
「そ、そうか……」
「それにだぜ、ローズマリーよ。お前冒険者ギルドに登録しないでリントの街を逃げ出しただろう。武闘大会には冒険者しか参加できないぜ」
「なら……仕方ないから……出る」
「「「ハッ?」」」3人はローズマリーの最後の方の発言が聞き取れない、いや聞きたくなかった。
「だからモンスターの武闘大会に出る」
「「「へぇ?」」」
エルフの戦士3人はローズマリーの破天荒ぶりはよくよく知る仲になってはいたが理解したくなかった。
「今回ばかりは絶対に反対よ。ローズマリー」
「ああ、俺もだぜ。さっきまで恋人が死にかけてたんだ、賛成するわけが無えぜ。って、うわ何投げてきたんだ」エンデュミオンが投げ渡された容器を見て目を白黒させた。
「こりゃあまさか! 幻の火酒ゴブリッシュじゃねえだろうな!」
「ルーンベルトにはこれ!」
「シンダリアの神よ、許したまえ!」ルーンベルトは既に心の奥では買収されていたようだ。アダマンタイトの鉱石に頬ずりしている。
「セレーナにはこれとこれ!」呪われしアダマンタイトでできたデュラハンの鎧とヴァンパイアから盗った良く分からない本を押し付けた。
「何これ! デュラハンの鎧? それにヴァンパイアの料理レシピ? ローズマリー……こんなことで私たちが買収されると思っているの?」
「あたしがモンスターの武闘大会に出ることに賛成の人~~」
おずおずと手を2人が挙げた。セレーナは勿論挙げなかった。
「あんたたちねえ、このバ、じゃなくてローズマリーが何言ってるのか分かっているの⁉」
「ま、幻のゴブリンの火酒が目当てじゃねえからな。ローズマリーに軽い息抜きが必要だと思ってだな……」
「お、俺もだぞ、まさかアダマンタイトの槍が欲しくなってしまったわけではないからな」
「あんた達ねえ……!」セレーナがマジ切れしそうになるのを止めたのはローズマリーだった。
「ホントにお願いだから戦わせて! 名前を言うだけで発動して国を亡ぼす原初の炎の魔法を最近使う夢にうなされてるんだ!」
「でも駄目よ! 敵は数万は超える数なのよ」セレーナが若干落ち着きを取り戻して反論した。
「あたしが本気を出せばあの闘技場ごと滅殺するから安心しなよ」
「でも、あたしはやはり反対よ。なんだか嫌な予感がするもの」
「今回は杖は持たずにステゴロで戦うつもり♪」
「何言ってるのその杖の加護があったから今まで無茶苦茶できたわけじゃない? そんなチート武器捨てたらあなたなんてただのその辺の喧嘩が強い村人レベルよ」
セレーナは本気で心配しているようだったのでこう伝えた。
「じゃあ、杖は足元に置いていつでも使えるようにしておくよ、これなら良いだろ?」
「そうは言ってもねえ」まだ不満げなセレーナの肩を掴んで言った。
「一生に一度のお願いだから頼むよ。セレーナ」ローズマリーは上目遣いで必死にアピールした。
「……分かったわ、あなたを信じるわ」セレーナは根負けした。ただしピンチになったら道ずれになろうとも一緒に戦うからと念を押された。
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