26 / 92
【第2章 理不尽賢者ローズマリーとリガイア共和国】
【理不尽賢者とケンカ祭りⅥ】
しおりを挟む
エンデュミオンとルーンベルトはオーク達の群れから離れた位置に着いた。ローズマリーの作戦ならば成功するだろうと思っていた。しかしこんな大規模な群れ相手に自分たちがどこまで上手くやれるだろうか?
「不安なのか相棒よ」ルーンベルトが声を潜めて言った。
「ルーンよ、恋人が死ぬか生きるかのギリギリのところにいるんだぜ。そりゃ俺だって不安にならぁ」エンデュミオンが答えた。
「まあ今は昼間だ。モンスターも活発化していない。ローズマリーもうまくやるだろう」
「だと良いんだが……」
「まあ心配しても何も変わらん。いつものお前らしく勝ち気でいけばなんとかなるだろう」
その頃ローズマリーは例の木の上から様子を見ていた。どうやらセレーナを今晩の夕食する為に決闘しているらしい。
「小さく間抜けなゴブリンめ。チョロチョロ動くな!」
「デカいだけが取り柄うすのろのオークが! 闘い方を教えてやる」
オークチャンピオンが大上段に大きな棍棒を構え、かなり破壊力のある一撃をゴブリンチャンピオンに食らわせようとし、地面に叩きつけた。木々が揺れ土煙が舞い起こった。
しかしゴブリンチャンピオンはそれをひらりとかわす。大技の後の硬直したオークチャンピオンの右腕に魔鉄でできた大剣を喰らわせた。
「ぐぅううっ!」オークチャンピオンは呻き声を出したが更に再び同じ攻撃を食らわせようとした。しかしゴブリンチャンピオンは既に攻撃を見切っていた。オークチャンピオンが再び大上段に構えた瞬間腹に致命的な一撃を食らわせた。紫色の血が流れた。
半狂乱ななったオークチャンピオンは当てずっぽうに棍棒を振り回したが、ゴブリンチャンピオンはバックステップを使い華麗に避けてみせる。
深刻な腹の傷とスタミナ切れでオークチャンピオンは肩で息をし始めている。ゴブリンチャンピオンは更に左腕、両足に一撃を食らわせていった。
「お、おれの負けだ」オークチャンピオンは棍棒を捨て降参のポーズをとったが、ゴブリンチャンピオンは大剣をオークチャンピオンの頭に打ちつけた。脳漿が飛び散り地面を濡らし、1度ビクンと痙攣するとオークチャンピオンは倒れ動かなくなった。
「これでそのエルフの女剣士はオレのもんだ」
「かしらが死んだ」
「お前らのかしらは死んだ!オークとゴブリンを支配するのはこのゴズさまだ!」
ゴブリンチャンピオンのゴズは宣言した。ゴズはセレーナを軽々と担ぎ自分の種族の群れに向かい歩いていこうとした。しかし、その時である。
石つぶてがゴズの頭に当たった。ゴズはオークどもがやったのだと思い、オークの群れに戻った。
「おい!弱虫オーク! 今からおれに石を当てた回数分お前らを一匹ずつ殺す」
「おれたちふ何もやってねえ」
「うるさい、弱虫オーク」抗議したオークが袈裟斬りにされ死んだ。
「ほんとうだ。新しいおかしら、信じてくれ」またもや大剣の柄で脳天を割られ殺された。
それを見たセレーナは怒った。
「あなたたちモンスターには相手を思いやる心がないの?」
「うるさい、高慢ちきなエルフめ」
「リーダーってのは仲間を思いやって動くものよ。あなたは生き物としても最悪だわ!」
「黙れ! なんなら今喰うぞ」ゴズはいきり立った。
その言葉にセレーナは心底恐怖を覚え何も言えなくなってしまった。
ゴズにまたもや石つぶてが投げつけられた。今度は同じ種族の方からである。ゴズは怒り心頭といった感じであたりを睨み付けた。
そしてゴズがオーク達に背を向けたときである。
メキメキメキッと音を立ててゴズの頭が180度ネジ曲がり紫色の血を噴き出して遥か彼方に飛んでいった。
「お、おかしらが死んだ。なんで? なんで?! アイエエエ!」
ゴズの手下に成り下がったオークも含めてモンスターどもが大混乱に陥った。そして【探知阻害】を解除するとモンスターどもは更に驚いた。さっきまでゴズがいた場所にローズマリーが突然現れたからである。しかもゴズの抱えていたセレーナを背負って、だ。丁度良く魔法の鈴が鳴った。それを確認したローズマリーはアレイネ山脈に集まる全てのモンスターに向って言い放った。
「今日はまだこれくらいにしてやるよ。だが今度は全てのモンスターを地獄に落とす。ファイアボール2連発!」
ローズマリーの杖の先からまさに地獄の業火が放たれた。オークとゴブリンどもはほぼ全部が唐突にそして無慈悲に殺された。
「不安なのか相棒よ」ルーンベルトが声を潜めて言った。
「ルーンよ、恋人が死ぬか生きるかのギリギリのところにいるんだぜ。そりゃ俺だって不安にならぁ」エンデュミオンが答えた。
「まあ今は昼間だ。モンスターも活発化していない。ローズマリーもうまくやるだろう」
「だと良いんだが……」
「まあ心配しても何も変わらん。いつものお前らしく勝ち気でいけばなんとかなるだろう」
その頃ローズマリーは例の木の上から様子を見ていた。どうやらセレーナを今晩の夕食する為に決闘しているらしい。
「小さく間抜けなゴブリンめ。チョロチョロ動くな!」
「デカいだけが取り柄うすのろのオークが! 闘い方を教えてやる」
オークチャンピオンが大上段に大きな棍棒を構え、かなり破壊力のある一撃をゴブリンチャンピオンに食らわせようとし、地面に叩きつけた。木々が揺れ土煙が舞い起こった。
しかしゴブリンチャンピオンはそれをひらりとかわす。大技の後の硬直したオークチャンピオンの右腕に魔鉄でできた大剣を喰らわせた。
「ぐぅううっ!」オークチャンピオンは呻き声を出したが更に再び同じ攻撃を食らわせようとした。しかしゴブリンチャンピオンは既に攻撃を見切っていた。オークチャンピオンが再び大上段に構えた瞬間腹に致命的な一撃を食らわせた。紫色の血が流れた。
半狂乱ななったオークチャンピオンは当てずっぽうに棍棒を振り回したが、ゴブリンチャンピオンはバックステップを使い華麗に避けてみせる。
深刻な腹の傷とスタミナ切れでオークチャンピオンは肩で息をし始めている。ゴブリンチャンピオンは更に左腕、両足に一撃を食らわせていった。
「お、おれの負けだ」オークチャンピオンは棍棒を捨て降参のポーズをとったが、ゴブリンチャンピオンは大剣をオークチャンピオンの頭に打ちつけた。脳漿が飛び散り地面を濡らし、1度ビクンと痙攣するとオークチャンピオンは倒れ動かなくなった。
「これでそのエルフの女剣士はオレのもんだ」
「かしらが死んだ」
「お前らのかしらは死んだ!オークとゴブリンを支配するのはこのゴズさまだ!」
ゴブリンチャンピオンのゴズは宣言した。ゴズはセレーナを軽々と担ぎ自分の種族の群れに向かい歩いていこうとした。しかし、その時である。
石つぶてがゴズの頭に当たった。ゴズはオークどもがやったのだと思い、オークの群れに戻った。
「おい!弱虫オーク! 今からおれに石を当てた回数分お前らを一匹ずつ殺す」
「おれたちふ何もやってねえ」
「うるさい、弱虫オーク」抗議したオークが袈裟斬りにされ死んだ。
「ほんとうだ。新しいおかしら、信じてくれ」またもや大剣の柄で脳天を割られ殺された。
それを見たセレーナは怒った。
「あなたたちモンスターには相手を思いやる心がないの?」
「うるさい、高慢ちきなエルフめ」
「リーダーってのは仲間を思いやって動くものよ。あなたは生き物としても最悪だわ!」
「黙れ! なんなら今喰うぞ」ゴズはいきり立った。
その言葉にセレーナは心底恐怖を覚え何も言えなくなってしまった。
ゴズにまたもや石つぶてが投げつけられた。今度は同じ種族の方からである。ゴズは怒り心頭といった感じであたりを睨み付けた。
そしてゴズがオーク達に背を向けたときである。
メキメキメキッと音を立ててゴズの頭が180度ネジ曲がり紫色の血を噴き出して遥か彼方に飛んでいった。
「お、おかしらが死んだ。なんで? なんで?! アイエエエ!」
ゴズの手下に成り下がったオークも含めてモンスターどもが大混乱に陥った。そして【探知阻害】を解除するとモンスターどもは更に驚いた。さっきまでゴズがいた場所にローズマリーが突然現れたからである。しかもゴズの抱えていたセレーナを背負って、だ。丁度良く魔法の鈴が鳴った。それを確認したローズマリーはアレイネ山脈に集まる全てのモンスターに向って言い放った。
「今日はまだこれくらいにしてやるよ。だが今度は全てのモンスターを地獄に落とす。ファイアボール2連発!」
ローズマリーの杖の先からまさに地獄の業火が放たれた。オークとゴブリンどもはほぼ全部が唐突にそして無慈悲に殺された。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
不死王はスローライフを希望します
小狐丸
ファンタジー
気がついたら、暗い森の中に居た男。
深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。
そこで俺は気がつく。
「俺って透けてないか?」
そう、男はゴーストになっていた。
最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。
その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。
設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

転生した愛し子は幸せを知る
ひつ
ファンタジー
【連載再開】
長らくお待たせしました!休載状態でしたが今月より復帰できそうです(手術後でまだリハビリ中のため不定期になります)。これからもどうぞ宜しくお願いします(^^)
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
宮月 華(みやつき はな) は死んだ。華は死に間際に「誰でもいいから私を愛して欲しかったな…」と願った。
次の瞬間、華は白い空間に!!すると、目の前に男の人(?)が現れ、「新たな世界で愛される幸せを知って欲しい!」と新たな名を貰い、過保護な神(パパ)にスキルやアイテムを貰って旅立つことに!
転生した女の子が周りから愛され、幸せになるお話です。
結構ご都合主義です。作者は語彙力ないです。
第13回ファンタジー大賞 176位
第14回ファンタジー大賞 76位
第15回ファンタジー大賞 70位
ありがとうございます(●´ω`●)

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“
瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
だが、死亡する原因には不可解な点が…
数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、
神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

神様のミスで女に転生したようです
結城はる
ファンタジー
34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。
いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。
目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。
美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい
死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。
気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。
ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。
え……。
神様、私女になってるんですけどーーーー!!!
小説家になろうでも掲載しています。
URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる