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【第2章 理不尽賢者ローズマリーとリガイア共和国】
【理不尽賢者とケンカ祭りⅥ】
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エンデュミオンとルーンベルトはオーク達の群れから離れた位置に着いた。ローズマリーの作戦ならば成功するだろうと思っていた。しかしこんな大規模な群れ相手に自分たちがどこまで上手くやれるだろうか?
「不安なのか相棒よ」ルーンベルトが声を潜めて言った。
「ルーンよ、恋人が死ぬか生きるかのギリギリのところにいるんだぜ。そりゃ俺だって不安にならぁ」エンデュミオンが答えた。
「まあ今は昼間だ。モンスターも活発化していない。ローズマリーもうまくやるだろう」
「だと良いんだが……」
「まあ心配しても何も変わらん。いつものお前らしく勝ち気でいけばなんとかなるだろう」
その頃ローズマリーは例の木の上から様子を見ていた。どうやらセレーナを今晩の夕食する為に決闘しているらしい。
「小さく間抜けなゴブリンめ。チョロチョロ動くな!」
「デカいだけが取り柄うすのろのオークが! 闘い方を教えてやる」
オークチャンピオンが大上段に大きな棍棒を構え、かなり破壊力のある一撃をゴブリンチャンピオンに食らわせようとし、地面に叩きつけた。木々が揺れ土煙が舞い起こった。
しかしゴブリンチャンピオンはそれをひらりとかわす。大技の後の硬直したオークチャンピオンの右腕に魔鉄でできた大剣を喰らわせた。
「ぐぅううっ!」オークチャンピオンは呻き声を出したが更に再び同じ攻撃を食らわせようとした。しかしゴブリンチャンピオンは既に攻撃を見切っていた。オークチャンピオンが再び大上段に構えた瞬間腹に致命的な一撃を食らわせた。紫色の血が流れた。
半狂乱ななったオークチャンピオンは当てずっぽうに棍棒を振り回したが、ゴブリンチャンピオンはバックステップを使い華麗に避けてみせる。
深刻な腹の傷とスタミナ切れでオークチャンピオンは肩で息をし始めている。ゴブリンチャンピオンは更に左腕、両足に一撃を食らわせていった。
「お、おれの負けだ」オークチャンピオンは棍棒を捨て降参のポーズをとったが、ゴブリンチャンピオンは大剣をオークチャンピオンの頭に打ちつけた。脳漿が飛び散り地面を濡らし、1度ビクンと痙攣するとオークチャンピオンは倒れ動かなくなった。
「これでそのエルフの女剣士はオレのもんだ」
「かしらが死んだ」
「お前らのかしらは死んだ!オークとゴブリンを支配するのはこのゴズさまだ!」
ゴブリンチャンピオンのゴズは宣言した。ゴズはセレーナを軽々と担ぎ自分の種族の群れに向かい歩いていこうとした。しかし、その時である。
石つぶてがゴズの頭に当たった。ゴズはオークどもがやったのだと思い、オークの群れに戻った。
「おい!弱虫オーク! 今からおれに石を当てた回数分お前らを一匹ずつ殺す」
「おれたちふ何もやってねえ」
「うるさい、弱虫オーク」抗議したオークが袈裟斬りにされ死んだ。
「ほんとうだ。新しいおかしら、信じてくれ」またもや大剣の柄で脳天を割られ殺された。
それを見たセレーナは怒った。
「あなたたちモンスターには相手を思いやる心がないの?」
「うるさい、高慢ちきなエルフめ」
「リーダーってのは仲間を思いやって動くものよ。あなたは生き物としても最悪だわ!」
「黙れ! なんなら今喰うぞ」ゴズはいきり立った。
その言葉にセレーナは心底恐怖を覚え何も言えなくなってしまった。
ゴズにまたもや石つぶてが投げつけられた。今度は同じ種族の方からである。ゴズは怒り心頭といった感じであたりを睨み付けた。
そしてゴズがオーク達に背を向けたときである。
メキメキメキッと音を立ててゴズの頭が180度ネジ曲がり紫色の血を噴き出して遥か彼方に飛んでいった。
「お、おかしらが死んだ。なんで? なんで?! アイエエエ!」
ゴズの手下に成り下がったオークも含めてモンスターどもが大混乱に陥った。そして【探知阻害】を解除するとモンスターどもは更に驚いた。さっきまでゴズがいた場所にローズマリーが突然現れたからである。しかもゴズの抱えていたセレーナを背負って、だ。丁度良く魔法の鈴が鳴った。それを確認したローズマリーはアレイネ山脈に集まる全てのモンスターに向って言い放った。
「今日はまだこれくらいにしてやるよ。だが今度は全てのモンスターを地獄に落とす。ファイアボール2連発!」
ローズマリーの杖の先からまさに地獄の業火が放たれた。オークとゴブリンどもはほぼ全部が唐突にそして無慈悲に殺された。
「不安なのか相棒よ」ルーンベルトが声を潜めて言った。
「ルーンよ、恋人が死ぬか生きるかのギリギリのところにいるんだぜ。そりゃ俺だって不安にならぁ」エンデュミオンが答えた。
「まあ今は昼間だ。モンスターも活発化していない。ローズマリーもうまくやるだろう」
「だと良いんだが……」
「まあ心配しても何も変わらん。いつものお前らしく勝ち気でいけばなんとかなるだろう」
その頃ローズマリーは例の木の上から様子を見ていた。どうやらセレーナを今晩の夕食する為に決闘しているらしい。
「小さく間抜けなゴブリンめ。チョロチョロ動くな!」
「デカいだけが取り柄うすのろのオークが! 闘い方を教えてやる」
オークチャンピオンが大上段に大きな棍棒を構え、かなり破壊力のある一撃をゴブリンチャンピオンに食らわせようとし、地面に叩きつけた。木々が揺れ土煙が舞い起こった。
しかしゴブリンチャンピオンはそれをひらりとかわす。大技の後の硬直したオークチャンピオンの右腕に魔鉄でできた大剣を喰らわせた。
「ぐぅううっ!」オークチャンピオンは呻き声を出したが更に再び同じ攻撃を食らわせようとした。しかしゴブリンチャンピオンは既に攻撃を見切っていた。オークチャンピオンが再び大上段に構えた瞬間腹に致命的な一撃を食らわせた。紫色の血が流れた。
半狂乱ななったオークチャンピオンは当てずっぽうに棍棒を振り回したが、ゴブリンチャンピオンはバックステップを使い華麗に避けてみせる。
深刻な腹の傷とスタミナ切れでオークチャンピオンは肩で息をし始めている。ゴブリンチャンピオンは更に左腕、両足に一撃を食らわせていった。
「お、おれの負けだ」オークチャンピオンは棍棒を捨て降参のポーズをとったが、ゴブリンチャンピオンは大剣をオークチャンピオンの頭に打ちつけた。脳漿が飛び散り地面を濡らし、1度ビクンと痙攣するとオークチャンピオンは倒れ動かなくなった。
「これでそのエルフの女剣士はオレのもんだ」
「かしらが死んだ」
「お前らのかしらは死んだ!オークとゴブリンを支配するのはこのゴズさまだ!」
ゴブリンチャンピオンのゴズは宣言した。ゴズはセレーナを軽々と担ぎ自分の種族の群れに向かい歩いていこうとした。しかし、その時である。
石つぶてがゴズの頭に当たった。ゴズはオークどもがやったのだと思い、オークの群れに戻った。
「おい!弱虫オーク! 今からおれに石を当てた回数分お前らを一匹ずつ殺す」
「おれたちふ何もやってねえ」
「うるさい、弱虫オーク」抗議したオークが袈裟斬りにされ死んだ。
「ほんとうだ。新しいおかしら、信じてくれ」またもや大剣の柄で脳天を割られ殺された。
それを見たセレーナは怒った。
「あなたたちモンスターには相手を思いやる心がないの?」
「うるさい、高慢ちきなエルフめ」
「リーダーってのは仲間を思いやって動くものよ。あなたは生き物としても最悪だわ!」
「黙れ! なんなら今喰うぞ」ゴズはいきり立った。
その言葉にセレーナは心底恐怖を覚え何も言えなくなってしまった。
ゴズにまたもや石つぶてが投げつけられた。今度は同じ種族の方からである。ゴズは怒り心頭といった感じであたりを睨み付けた。
そしてゴズがオーク達に背を向けたときである。
メキメキメキッと音を立ててゴズの頭が180度ネジ曲がり紫色の血を噴き出して遥か彼方に飛んでいった。
「お、おかしらが死んだ。なんで? なんで?! アイエエエ!」
ゴズの手下に成り下がったオークも含めてモンスターどもが大混乱に陥った。そして【探知阻害】を解除するとモンスターどもは更に驚いた。さっきまでゴズがいた場所にローズマリーが突然現れたからである。しかもゴズの抱えていたセレーナを背負って、だ。丁度良く魔法の鈴が鳴った。それを確認したローズマリーはアレイネ山脈に集まる全てのモンスターに向って言い放った。
「今日はまだこれくらいにしてやるよ。だが今度は全てのモンスターを地獄に落とす。ファイアボール2連発!」
ローズマリーの杖の先からまさに地獄の業火が放たれた。オークとゴブリンどもはほぼ全部が唐突にそして無慈悲に殺された。
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