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【第2章 理不尽賢者ローズマリーとリガイア共和国】
【理不尽賢者とケンカ祭りⅡ】
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夜、男どもとローズマリー、セレーナは交代制で寝ることになった。モンスターの気配だけでも気付けるが盗賊王のスキル【敵探知】を使えば分かるのだが、それじゃ冒険に出た意味が無くなると固辞された。昼もこの樹海は暗いが夜はもっと暗い、月明かりさえ届かないのだ。ボーっとしていると眠くなるので、セレーナと雑談していた。
「で……セレーナとエンデュミオンはどこで知り合ったの?」
「私たち2人ともの故郷のリントの街よ」
「へーじゃあ2人とも幼馴染だったの?」
「エンデュミオンの方が先に剣を習い始めたの。で私は2年遅れて剣を習い始めたのよ。そこで出会ったのよ」
「お師匠さんは強いエルフだったの?」
「いえ……ヒュームよ。ただ剣士としては完璧だったわ。なにせバトルマスターの職業スキルをマスターしていたから」
「じゃあもうお亡くなりに……」
「いえ! まだ生きてるわ90歳で現役バリバリよ。都で、剣聖の称号を貰って王のお抱えの剣術指南役になっているわ。ただね……」
セレーナの顔が曇る。何か重大なことでもあるのだろうか?
「ド助兵衛すけべえなのよ。私もちょっと気を抜くと尻を揉まれたりして大変だったわ」
「エンデュミオンの奴もだから助兵衛すけべえなのかな? 移ったとか?」
「いえ、これは女の勘だけど生来のものだと思うわ。まだ8歳のくせに師匠とリントの街の女湯を覗きに行って1週間清掃作業の罰を食らったこともあるのよ。ちなみに師匠はエンデュミオンをおとりに逃げたわ」
「うわーあたしの元いた世界じゃ逮捕されて牢獄行きだよ」
「まあ女の敵であることには変わらないけれどね。それに酔っ払うと特にひどくなるのよ。何回も見てるから分かるでしょう」
エンディングの酒癖の悪さは痛い程分かる。酔うとセレーナの尻を追いかけ始めるのだ。まあ恋人の尻だからまだ許されるのだろうが……他の女の尻を追いかけたりしたらきっとセレーナに殺されるな。
「!」
「モンスター? 近いの?」
「まだ気付かれていない。移動してるみたい……ヴァンパイアの大群かな?」
「ホントに? この森おかしいと思わない?」
「確かに、この1週間で何度も大群に襲われているし……」
「2人を起こしてくるわね」
「じゃああたしは偵察に行ってくるよ。気付かれたら皆ぶち殺すけど」
「気を付けてね、ローズマリー」
「ありがと、セレーナ」
盗賊王のスキル【探知阻害】を使って森の闇にローズマリーは溶け消えていった。
「ヴァンパイアとは言ったけれどロードやキングも混じってるんだよね。あたしの魔法で消し炭にはできるけれど、森中のモンスターが押し寄せちゃうからなあ」
ローズマリーは木から木へと飛び移りながら敵がヴァンパイアだけではなくオークやゴブリンは勿論のこと、ギガンテスやデーモンまで様々なモンスターが山の方に大移動している。何か異変があるのだろうか? この森には。取り合えず転移で戻ろう。ローズマリーは意識を集中して仲間たちの元に戻った。
「で……セレーナとエンデュミオンはどこで知り合ったの?」
「私たち2人ともの故郷のリントの街よ」
「へーじゃあ2人とも幼馴染だったの?」
「エンデュミオンの方が先に剣を習い始めたの。で私は2年遅れて剣を習い始めたのよ。そこで出会ったのよ」
「お師匠さんは強いエルフだったの?」
「いえ……ヒュームよ。ただ剣士としては完璧だったわ。なにせバトルマスターの職業スキルをマスターしていたから」
「じゃあもうお亡くなりに……」
「いえ! まだ生きてるわ90歳で現役バリバリよ。都で、剣聖の称号を貰って王のお抱えの剣術指南役になっているわ。ただね……」
セレーナの顔が曇る。何か重大なことでもあるのだろうか?
「ド助兵衛すけべえなのよ。私もちょっと気を抜くと尻を揉まれたりして大変だったわ」
「エンデュミオンの奴もだから助兵衛すけべえなのかな? 移ったとか?」
「いえ、これは女の勘だけど生来のものだと思うわ。まだ8歳のくせに師匠とリントの街の女湯を覗きに行って1週間清掃作業の罰を食らったこともあるのよ。ちなみに師匠はエンデュミオンをおとりに逃げたわ」
「うわーあたしの元いた世界じゃ逮捕されて牢獄行きだよ」
「まあ女の敵であることには変わらないけれどね。それに酔っ払うと特にひどくなるのよ。何回も見てるから分かるでしょう」
エンディングの酒癖の悪さは痛い程分かる。酔うとセレーナの尻を追いかけ始めるのだ。まあ恋人の尻だからまだ許されるのだろうが……他の女の尻を追いかけたりしたらきっとセレーナに殺されるな。
「!」
「モンスター? 近いの?」
「まだ気付かれていない。移動してるみたい……ヴァンパイアの大群かな?」
「ホントに? この森おかしいと思わない?」
「確かに、この1週間で何度も大群に襲われているし……」
「2人を起こしてくるわね」
「じゃああたしは偵察に行ってくるよ。気付かれたら皆ぶち殺すけど」
「気を付けてね、ローズマリー」
「ありがと、セレーナ」
盗賊王のスキル【探知阻害】を使って森の闇にローズマリーは溶け消えていった。
「ヴァンパイアとは言ったけれどロードやキングも混じってるんだよね。あたしの魔法で消し炭にはできるけれど、森中のモンスターが押し寄せちゃうからなあ」
ローズマリーは木から木へと飛び移りながら敵がヴァンパイアだけではなくオークやゴブリンは勿論のこと、ギガンテスやデーモンまで様々なモンスターが山の方に大移動している。何か異変があるのだろうか? この森には。取り合えず転移で戻ろう。ローズマリーは意識を集中して仲間たちの元に戻った。
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