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【第1章 理不尽賢者ローズマリーの誕生】
【大賢者ローズマリー爆誕】
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マグナギアのギルドメンバーを瀕死にしてから現れたスキル鑑定士のゲゲルとか言う婆さんの話を聞くことにした。その話の内容は簡単に表すと、大昔の予言で魔王を倒す大賢者が現れる……以上、ということだった。
「じゃあ、あたしが魔王を倒せば元の世界に戻れるってことなわけ?」
「そうだよ、えっと……お嬢さん、お名前は?」う……ん悩むなあ本名もこちらの世界だと浮いちゃいそうだしな。そう思い特攻服を見る。そうだ!
「狼図魔龍鰔ろーずまりー……」
「「えっ?」」二人とも早口で言ったから聞き取れなかったようだ。
「ローズマリーだよ」少し、いやかなり恥ずかしい。
「何て美しい響きの名前なんだ!」
「そして数千年前滅んだシンダリア帝国の予言とほぼ同じだね。しかしその二ホンとかいう異世界からこちらに召喚されたということは何らかの運命があると見たね」
「大賢者ということはあたしは魔法が使えるんですか?」
「あたしゃ何百年もスキル鑑定を行ってるけれどあんたはありとあらゆる魔法が使えるよ。ついでに伝説の秘魔法も幾つか覚えているようだね」
「秘魔法?」なんじゃそりゃ?
「シンダリア帝国が生み出した魔法の粋を結集して作られた恐ろしい魔法だよ。詠唱もせずに国一つ消し去る威力があるものもあるらしいね」
「一番弱い魔法はなんなの?」
「まあその辺の村人も使えるファイアボールかね。薪に火をつけたり野犬を追っ払たり便利だけどね」
「ファイアボール!」あたしは壁に向かって杖を構え魔法を唱えた。
ドーンッという音がして放った壁が融解し、明るい空が見えた。
「「えっ?」」何か驚くようなことをしただろうか?
「今のが一番弱い魔法なんですよね。すみません建物ごと吹き飛ばしちゃって」
「救世主だ!」ゲゲルというエルフは小躍りし始めた。
「これで魔王も倒され世界に平和が訪れるわ」とミリアさん。
「もう一発撃っても良い? ちょっとスカッとしたから」
「「駄目!」」
2人が全力でやめさせようとしてくるので素直にやめた。
「うっ俺は何で気絶して……ってうあぁ!ギルドが破壊されてやがる」
「これエンデュミオンや、話があるんだよ」
「げ、婆ちゃんかよ! しかもそこにいるのは珍妙な服の怪力女じゃねえか」
「これ! 二度と大賢者様の服装を馬鹿にしてはならないよ。死にたくなかったらね」
「で、なんでギルドがぶっ壊れているんだ? 魔王軍でも攻めてきたのか?」
二人はじっとあたしを見る。
「悪いね、あたしのファイアボールで壊しちゃったんだよ」舌を指して笑いながら誤魔化した。
「ファイアボールって薪に火をつけたり、鬱陶しい虫を燃やしたりするもんだろ? なんでこんな威力なんだ?」
「この御方が魔王を倒せるほどの魔法の使い手だからだよ」
「でも俺は確か杖で殴られて気を失った筈だが」
「何! それは本当なのかい? ローズマリー様」
「はい、あたしは元の世界でも喧嘩で負けたことがなかったので」
「ちとお手を拝借させてもらうよ」そう言ってゲゲルというスキル鑑定士は叫び声を上げた。
「バトルマスターの職業をマスターされておる。デーモンに金棒だね」
「それってすごいんですか?」桜もといローズマリーが控えめに聞いた。
「バトルマスターってのはね。長命なエルフ族の戦士が一生かかってなれるかどうかってくらいの職業さ」
「マジでか!ババア」
「数千年にわたる悪との戦いに終止符が打たれるかもしれないね」
え? あたし変な世界に来て魔王倒さなきゃいけないわけ? 魔王め!余計な面倒ごとを……。でもさっき撃った魔法を放った後の清々しさは癖になりそうだ
「じゃあ、あたしが魔王を倒せば元の世界に戻れるってことなわけ?」
「そうだよ、えっと……お嬢さん、お名前は?」う……ん悩むなあ本名もこちらの世界だと浮いちゃいそうだしな。そう思い特攻服を見る。そうだ!
「狼図魔龍鰔ろーずまりー……」
「「えっ?」」二人とも早口で言ったから聞き取れなかったようだ。
「ローズマリーだよ」少し、いやかなり恥ずかしい。
「何て美しい響きの名前なんだ!」
「そして数千年前滅んだシンダリア帝国の予言とほぼ同じだね。しかしその二ホンとかいう異世界からこちらに召喚されたということは何らかの運命があると見たね」
「大賢者ということはあたしは魔法が使えるんですか?」
「あたしゃ何百年もスキル鑑定を行ってるけれどあんたはありとあらゆる魔法が使えるよ。ついでに伝説の秘魔法も幾つか覚えているようだね」
「秘魔法?」なんじゃそりゃ?
「シンダリア帝国が生み出した魔法の粋を結集して作られた恐ろしい魔法だよ。詠唱もせずに国一つ消し去る威力があるものもあるらしいね」
「一番弱い魔法はなんなの?」
「まあその辺の村人も使えるファイアボールかね。薪に火をつけたり野犬を追っ払たり便利だけどね」
「ファイアボール!」あたしは壁に向かって杖を構え魔法を唱えた。
ドーンッという音がして放った壁が融解し、明るい空が見えた。
「「えっ?」」何か驚くようなことをしただろうか?
「今のが一番弱い魔法なんですよね。すみません建物ごと吹き飛ばしちゃって」
「救世主だ!」ゲゲルというエルフは小躍りし始めた。
「これで魔王も倒され世界に平和が訪れるわ」とミリアさん。
「もう一発撃っても良い? ちょっとスカッとしたから」
「「駄目!」」
2人が全力でやめさせようとしてくるので素直にやめた。
「うっ俺は何で気絶して……ってうあぁ!ギルドが破壊されてやがる」
「これエンデュミオンや、話があるんだよ」
「げ、婆ちゃんかよ! しかもそこにいるのは珍妙な服の怪力女じゃねえか」
「これ! 二度と大賢者様の服装を馬鹿にしてはならないよ。死にたくなかったらね」
「で、なんでギルドがぶっ壊れているんだ? 魔王軍でも攻めてきたのか?」
二人はじっとあたしを見る。
「悪いね、あたしのファイアボールで壊しちゃったんだよ」舌を指して笑いながら誤魔化した。
「ファイアボールって薪に火をつけたり、鬱陶しい虫を燃やしたりするもんだろ? なんでこんな威力なんだ?」
「この御方が魔王を倒せるほどの魔法の使い手だからだよ」
「でも俺は確か杖で殴られて気を失った筈だが」
「何! それは本当なのかい? ローズマリー様」
「はい、あたしは元の世界でも喧嘩で負けたことがなかったので」
「ちとお手を拝借させてもらうよ」そう言ってゲゲルというスキル鑑定士は叫び声を上げた。
「バトルマスターの職業をマスターされておる。デーモンに金棒だね」
「それってすごいんですか?」桜もといローズマリーが控えめに聞いた。
「バトルマスターってのはね。長命なエルフ族の戦士が一生かかってなれるかどうかってくらいの職業さ」
「マジでか!ババア」
「数千年にわたる悪との戦いに終止符が打たれるかもしれないね」
え? あたし変な世界に来て魔王倒さなきゃいけないわけ? 魔王め!余計な面倒ごとを……。でもさっき撃った魔法を放った後の清々しさは癖になりそうだ
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