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【紅葉賀】Momijinoga

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「どうしよう。もうヒカルには会えない」
籐子がガタガタと身を震わせながら手に握り締めている物を見つめていた。


初めて肉体関係を結んでから、ヒカルと籐子は何度も逢瀬を重ねていた。桐生を裏切る行為だと籐子はヒカルからの連絡に一旦は断るが、会って食事をするだけでも良いからというヒカルからの切望とも取れる内容に、求められる喜びを知ってしまった籐子は必ずヒカルの指定した場所へと赴いてしまうのだった。
 その籐子からの返信がぷっつりと途絶え、喩えようもない胸騒ぎを覚えたヒカルは、桐生に与えられた、籐子の住むマンションを遠くから見つめていた。すると一台の高級車が滑るようにエントランス前に停車した。
「ご苦労様。ここで良いよ。ちょっと待ってて」
後部座席から降り立ったのはヒカルの父の桐生だった。ヒカルはとっさに身を隠した。
桐生はそのままマンションの中へと入っていった。


「これはこれは旦那様」
籐子の身の回りの世話をしている【大野 美代子】(Ono Miyoko)が桐生を迎え入れた。

「それで、電話では話せないこととは一体?」
玄関先で桐生が大野に尋ねた。
「おめでとうございます、旦那様。
籐子様は、ここ暫く体調を崩していらっしゃるものと思い、心配しておりました」
大野の言葉に桐生が話しに付いていけずに怪訝そうな表情を浮かべた。
「あら、嫌だ。もしかして籐子様から聞いていらっしゃらなかったのですか?」
桐生の表情に、大野がハッと口元を抑えた。
「サプライズにされていたなんて。
私ったら。どうしましょう」
大野が口元に手を当てたままオロオロし始めた。

「大野さん、俺にわかるように一から説明してくれるかい」
桐生が大野ににっこりと微笑んだ。
大野の話によると、籐子はここ暫く寝室で過ごすことが多く、食事もあまり摂っていなかったため、体調不良を案じていたが、今朝出勤直後に燃えるごみをごみ庫へ持っていこうと手を掛けた際に妊娠検査薬の空き箱が入っていたのを見て、籐子が妊娠をしたと思い桐生に連絡をしたということだった。

(籐子が妊娠)桐生が腕組をして考え始めた。
ヒカルが生まれた時の右代家の反応から、桐生は籐子との間に子を設けようとは考えてはいなかった。その為、その行為の際には必ず桐生は避妊具を使用していたのだった。

(ゴムも完全には避妊は出来ないからな)
桐生は籐子と生まれてくる赤ん坊を、右代家から守るための手段を模索する事を決めた。


「籐子、入るよ」
桐生が寝室の扉を開けると、籐子はベッドに横たわっていた。
桐生は静かにベッドに腰掛けた。

桐生が籐子の顔を見ようと片手をついて体重を掛けた。
ギシッとベッドの軋む音が部屋に響いた。
「桐生さん、私」
籐子は桐生と目を合わせたまま口を噤んだ。
「妊娠検査薬のこと、大野さんから聞いたよ。それで結果は、どうだったんだい?」
桐生が籐子に優しく問いかけた。
「よ、陽性」
籐子が力なく答えた。
「初めてだものね。そうか、不安だっただろ。明日、一緒に産婦人科に行こう」
桐生の言葉にビクッと籐子の体に緊張が走った。
「堕ろしてくれなんて言わないから、安心して。病院へは確認のために行くだけだから。もし妊娠が間違いないなら俺が君たちを必ず守るよ。だから安心してお休み」
桐生は籐子の髪を撫でると、そのまま出て行った。


桐生が車に乗り込むのを確認したヒカルは籐子にメッセージを送ると、籐子から返信が届いた。

『しばらくは会わない』その一言に、ヒカルがマンションを見上げながら睨み続けた。


高校卒業と同時にヒカルは葵と結婚した。宮内家と左代家の披露宴の列席者数は実に千人にも及ぶほど盛大であった。
葵がヒカルに会ったのはヒカルが十二歳のとき以来で、久しぶりに会ったヒカルがすっかり大人の男へと変化していたことに葵は驚きを隠せなかった。高校三年生という思い込みから、まだ子供っぽさがあるものと決め込んでいたのだった。初めて会ったときはあどけないヒカルと年上の自分を比べてしまい、葵はヒカルに話しかけることも、目を見ることすら出来なかった。それが尾を引いて葵はヒカルとまともに話をしたことのないままに初夜を迎えたのだった。

「じゃあな」
披露宴後に二人でホテルの部屋で初夜を迎えたが、ヒカルは事が済むとさっさと帰り支度を初め、葵を一人残して部屋を出て行った。葵が男を知ったのはこの日、ヒカルが初めてだった。その葵でも容易く知れるほどにヒカルは抱くことに慣れていた。と同時に今までヒカルの夜の相手をした見知らぬ誰かに、葵は猛烈な嫉妬心を覚えた。

婚姻はしたものの、ヒカルと葵は別姓を名乗ることにし、大学近くに部屋を借りたヒカルが通い婿となることで葵はそのまま実家暮らしをすることになっていた。そのため、二人の結婚後の生活は今までとは大きな変化はなかったが、ヒカルの生活は変化し始めていた。


「おかえりなさい」
大学近くのマンションに帰宅したヒカルを迎えたのは兵部 紫上だった。
ヒカルとの約束を守り、あらゆる権力を駆使し、紫上はヒカルとの同居を公に許されることになったのは、桐生の尽力に他ならなかった。そして、ヒカルが二十二歳を迎えると共に宮内の、ヒカルの養子として籍に入ることも決まっていた。宮内はせめて紫上が戸籍上の養子になるまでの間だけでも預かると申し出たが、ヒカルも紫上も首を縦には振らなかった。その代わり宮内家の使用人が紫上の小学校からの帰宅に合わせて炊事や洗濯をしに、二時間ほど訪れる事を約束させられたのだった。

リビングのソファに座ると、紫上がヒカルの膝に上に座った。
「今日の夕飯は酢豚だよ」
紫上がヒカルを見上げながら無邪気に笑った。
ヒカルは胸ポケットからタバコを取り出したが、思い立ったように仕舞い直した。ヒカルは、紫上が傍にいるときはタバコを吸わなくなった。
紫上はヒカルにとてもよく懐き、まるで本当の兄弟のようだった。


産婦人科で妊娠と診断された桐生はとても喜び、「昨日は糠喜びだったらと内心ハラハラしてたんだ」桐生が人目も憚らずに籐子を抱き締めた。
その後、桐生は籐子が産婦人科に通うときは必ず時間を作り同行した。それは、籐子と赤ん坊の事を心底愛しているという証明でもあった。

それから月日が経ち、超音波検査の際。

「順調ですね」
医師が画像を見ながら桐生と籐子に話しかける。
「懐かしいな。これをまた見る日が来るなんて」
桐生が独り言を漏らした。
「ん、全く問題ないですね。お二人目なんですか?」
「ええ。息子が」
医師と桐生が雑談をし始めたその時。

「「あ」」
二人が同時に声を上げた。
籐子は二人の顔を交互に見るが、誰も何も言わず、籐子は不安に駆られた。
「桐生さん」
籐子は桐生の袖を引っ張った。
「ああ、ごめん。ごめん。見えちゃったんだ」
桐生が籐子にウィンクをした。


桐生は紅葉狩りと称して祝宴を催す通達を各界の著名人・関係各所へ一斉に送った。
ホテルの大広間を貸し切った『紅葉の賀』のパーティにはもちろんヒカルも、その妻の葵も出席していた。ヒカルは籐子の姿を探したが、見つけることは出来なかった。

「宴もたけなわではございますが、主催者である御門 桐生様より皆様にご報告がございますので、皆様、壇上をご覧下さいませ」
テレビのアナウンサーの紹介で桐生が颯爽と壇上に立った。

「朱雀、ヒカルもこちらへ」
【御門 朱雀】(Mikado Suzaku)は、桐生の妻【弘子】(Hiroko)との間に生まれたヒカルの兄である。桐生は朱雀とヒカルにマイクを通して同じく壇上に上がるようにと促した。

「皆様もご存知の通り、私には二人の息子がおります。見ての通り、私に似て二人ともハンサムでしょう」
桐生がジョークで列席者に笑いを誘った。

「本日、ここで皆様にご報告したいのは、私が三人目の息子を授かったことです」
桐生の爆弾発言に会場がざわめいた。


超音波検査で医師は桐生に謝った。
「すみません。男の子か女の子か、わからないように動かしていたつもりだったんですけどね。お腹の中でくるっと向きを変えられたらおちんちんが映ってしまって」
「良いんですよ、むしろ知れて良かったです。お陰でこれからの対応が決まりましたから」
桐生の返答に医師はぽかんとしながら首を傾げた。


「来春、生まれてくる予定の私の息子は【御門 冷泉】(Mikado Reizei)と申します。もちろん私の籍に入れる予定です。
本日の紅葉の賀は私の喜びを列席者の皆様にも分かち合っていただきたいとの思いで開かせていただきました」
桐生の言葉に驚いたのはヒカルだけではなかった。桐生の妻の弘子もまた、寝耳に水であった。桐生がこの宴で公に知らしめたということは右代家への牽制でもあったのだった。ヒカルの時には桐子の存在を知らぬ同業者や遠縁を動かし、宮内家への嫌がらせを行うことが出来たが、公でしかも生まれる前から公言されては、何かしようものなら桐生を敵に回すことになり、そうなった今では右代家は指を銜えて見ている事しか出来ないのであった。

(俺の子だ)本能的に悟ったヒカルは、頭に血が上り一気に冷静さを失った。壇上から降りて直ぐに葵の腕を掴んでその日の宿泊用に予約していた部屋へと戻り、葵の体を本能の赴くままにむさぼり続けた。


一人で帰り支度を始めたヒカルを葵はぼんやりと見つめていた。

「じゃ」
初夜の日と同じように帰るヒカルの背中を見送った後、葵はシーツを握り締めて涙を滲ませた。
「六条 雅」
葵が唇を噛み締めた。


葵は興信所にヒカルの交際相手の調査を依頼した。その結果は直ぐに纏められて葵の元へと送られてきた。
報告書には、『六条 雅 二十五歳。ゲイBarのオーナー。高校在学中から現在に渡り親交あり。その他不特定多数との交際あるが断定できず』という内容だった。


「男になんか負けないわ。私は妻なんだから」
葵は嫉妬と怒りの炎を雅へと矛先を向けた。

ホテルを出たヒカルはまだ胸の中に燻る名も知らぬ炎の種火を持て余し、夜の街を彷徨った。気がつくと雅の店の前に立っていた。

カラン。
「もう閉店で」
ドアベルの音に反応したサツキがヒカルの姿を捉えた。
「ヒカルちゃん。珍しいじゃない。もう閉店なのよ」
ヒカルはサツキの言葉に「悪い」とだけ伝えると、オーナーズルームへと続くドアへと歩きドアノブに手を掛けた。
「ま、待って、ママは今日はもう帰ったの」
サツキが慌ててヒカルの腕を掴んだ。
「ねえ、そうよね、あやめ」
同意を得るようにサツキがあやめに叫ぶ。
「え?ええ、そうよ。帰ったわ」
あやめも慌てて同意した。

フッとヒカルが呆れたように笑った。
「必死に誤魔化してるけどさ、あいつの声、俺には駄々漏れなんだけど」
BGM消えた店内で、ヒカルの耳には雅の嬌声がはっきりと聞こえていた。
「あれは浮気じゃないのよ」
あやめが取り繕う。
「でも、お願い。察してあげて」
サツキがヒカルに懇願する。
「あいつに他に男がいることはわかってるから、気にすんな」
ヒカルが鼻でせせら笑った。


「ああっ、木崎さ、ここでは」
ソファの背もたれに腕をかけ、体を捩って抜け出そうとした雅の腰を引き戻しながら、木崎が腰を打ちつけた。
「あ、ああっ。ここでは嫌だって。やあっ」
木崎が繋がったままソファの向かい側のテーブルに浅く腰掛けた。引き摺られるように雅の体がソファからずり下がる。
「あの坊やとの思い出が詰まっているから?今、軽くイッたね」
木崎がクスリと笑みを浮かべた。
木崎がインターバルを置くようにゆるゆると腰をくねらせ始めた。

「あの坊やはもう来ないんじゃないかな?いえ、僕が来て欲しくはないんだけどな」
木崎がドア先に顔を向けた。

「ん、ん、ふう、ああん」
「雅はガツガツされるより、ゆっくり責められるほうが好きだよね」
木崎の視線の先にはヒカルがいた。ソファの背凭れが視界となり、雅にはヒカルの存在がわからなかった。
「そこ、そこぉ。木崎さ、擦ってぇ」
雅が甘えたように懇願する。
「良いよ、擦ってあげる。ここでしょ?」
木崎はヒカルと視線を交えながらも見せ付けるように腰をくねらせる。
「いい。いいっ」
雅が夢中で木崎に叫んだ。
「射精してるね、上手だよ」
木崎の腰の動きに同調するように雅が尿道口から精液を吐き出す。木崎がヒカルに見てみろよと言わんばかりに顎をしゃくった。
「ああっ、木崎さんの大っきくなった」
雅が叫んだ。
「見られると興奮するタイプなんだ、僕」
木崎が選挙ポスター貼りの笑顔を雅に向けた。

「なに?見られる?」
木崎の言葉に雅が目を開けると、雅を見下ろすヒカルと目が合った。
「やっ。嫌。見ないでぇ、ヒカルゥ」
雅が正気に戻り暴れ始めたため、木崎は雅の両手をソファに縫い付けて激しくグラインドし始めた。
「ああっ、ああ、あああっ」
「どう?坊やも混ざるかい?」
木崎がスポーツを楽しむように雅に腰を打ち付ける。
「雅ママに着けたこれの鍵、貸してくれるならこのポジション、譲ってもいいけど?それとも、僕と比べられるのが怖いかな?」
木崎が挑発的にヒカルを誘った。
「今俺は頭に血が上ってむしゃくしゃしてるとこなんだ。比べられて困るのはそっちだろ?」
ヒカルも嫌味で応戦し、ポケットから貞操帯の鍵を取り出してにやりと黒い笑みを浮かべた。
「商談成立だ、ね」
木崎が最後に大きく腰を打ち付けると、片目を顰めて雅の中で果てた。

「やだ、止めてよ、二人とも」
雅が大きく首を振りながら拒む。
「大丈夫だよ、優しくする」
ソファに深く腰掛けた木崎がソファに膝立ちの雅を見上げながら微笑んだ。
「そういう問題じゃ、あああっ」
雅が言い終わらないうちにヒカルが背後から雅に挿入れ始めた。
「キツイな。あんたホントに挿入れてたのか?」
ヒカルが木崎に嫌味を言いながら雅の奥深くへと侵入させた。
「ああん、深すぎる」
深いところまで辿りついたヒカルのペニスに、雅が堪らずにソファの背凭れに両手をついた。
「酷いな。大きければ良いってものじゃないだろ」
木崎がヒカルから預かった南京錠の鍵を、目の前にある貞操帯の片方へと押し込んで開錠した。

カチッ。
一つ目のロックが外された。
「いや、いや」
雅がそれを見ながら小さく呟く。
「ワクワクするね」
木崎の反応はおもちゃ箱の蓋を開けるように喜々としていた。

カチッ。
二つ目のロックも外された。
「いや、怖い」
雅が恐怖に首を振る。
「何の柵(しがらみ)も無い雅のペニスを愛せる日が来るなんて、何て素晴らしい日なんだろう。この坊やがいなければね」
木崎が目を皿のようにさせながら貞操帯の装備を外していく。
「それはこっちの台詞。折角の俺の調教を台無しにしたくせに」
ヒカルも負けじと応戦する。
「やだ、怖い。怖い」
雅はとうとう目を背けた。

「心配しないで。僕がゆっくり愛してあげるから」
木崎が唾液を溜めた口内に雅のペニスを誘った。クチュクチュと唾液を浸透させ、密着した薄い皮膚を潤しながら舌先で優しく剥離させる。

「腰、振ってみる?」
「あうっ。無理よ、怖いわ。木崎さん、出来ない」
目を瞑ったまま首を振る雅が涙を流し始めた。
「俺を忘れて二人の空気作ってんじゃねえよ」
いつもは激しい腰使いのヒカルが、木崎の存在を気にしてかゆっくりと動き始めた。
「あん。ヒカルの、久しぶり」
涙を流しながらも、雅が快楽を拾い始めた。

オーナーズルームに、三人の奏でるそれぞれの音が充満していた。

「だいぶ元通りにはなってきたと思うけど。血流を妨げる時間が長かったからかな」
木崎がフェラをし続けたが、雅のペニスは力が漲らない。
「んじゃ、中から突けば良いんじゃねえか?」
ヒカルが雅の腰をしっかりと固定して今度こそ激しく腰を打ちつけ始めた。
木崎も負けじと雅のペニスのあちこちを嘗め回し、纏わりつかせた舌で扱き、尖らせた舌先で尿道口を抉じ開けたりと、持てるテクニックを駆使して雅のペニスに奉仕した。

「ああ、あ、ヒカルゥ。木崎さん、出る。出ちゃう」
雅が滑らかな喉元を晒して大きく仰け反った。
ヒカルが雅の中で果てると、ペニスをズルリと引き抜いた。
「あんっ」
雅がその、引き摺られる感覚に反応して一啼きした。
「木崎さん、出せない。射精したいのに出せないから、吸い出して」
雅の精液を受け止めようと雅のペニスを頬張ったままの木崎の頬を両手で挟み、雅が蕩けた顔でお願いをした。
「あああ、はぁぁ」
木崎に尿道に残る残渣までも吸い出してもらうと、雅が力なく喘いだ。木崎の口内から解放された雅のペニスがだらりと下を向いた。雅が木崎の上にペタリと座り込んだ。

「俺、まだ足りねえんだけど」
新しいコンドームを纏ったヒカルのペニスは既に復活を遂げていた。


「んん、んんっ」
雅のくぐもった声と、ヒカルの下肢が雅と作り出すパンパンという音だけが今度は部屋を充満していた。

ソファの肘掛けに頭を預け横たわる木崎を跨ぎ、シックスナインをする雅。その雅の背後から貫くヒカル。その異様な光景は、ヒカルが再び雅の中で果てるまで行われた。


「鍵は持っていく。それ(貞操帯)、着けるかはあんたが決めろ」
その一言を残して、ヒカルはBarを後にした。


翌春、籐子は無事に冷泉を出産したが、籐子からヒカルへの連絡は来なかった。
冷泉の誕生の翌日届いた桐生の画像付きの連絡には、『生まれた時のヒカルに驚くほど瓜二つだよ』と書かれていた。それを読んだヒカルは桐生に籐子との関係がバレてはいないかと一瞬不安に駆られたが、籐子への思いと心配ですぐにかき消された。
ヒカルは、宮内家御用達の呉服店に吉祥文様で知られる青海波を模した産着を特注し、桐生に送った。
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