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【きはだ】の交わり R18

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「や、あ、ああっ」

 薄暗い部屋の中で何かが絡み合うようにうごめいていた。
 
 「お方様、堪忍して…やぁ、あぁ」
 甲高く発せられた声は女の様だが、お方さまと呼ばれた男に攻められている姿態を見る限り、男を物語っていた。
うっすらと汗が浮かび瑞々しく張りのある肌は若さを示し、その下肢が紛れもなく少年であることを現していた。

 「きはだ、可愛いきはだ。お前の可愛らしい姿をもっと見せておくれ」
 荒く息を吐きながら繋がりを何度も深めると、【きはだ】と呼ばれた少年がまたしても甲高く啼いた。

 「奥方様が、奥方様に…んっあっ」
 男の手が少年の下肢で硬く震える『キハダ』を捉え、握りこみ、ゆっくりと扱いてきはだの言葉を遮った。
「冬子の事なら案ずることはない。冬子は物分りの良い女だ。お前が気兼ねすることなど何もないよ。お前は私のもの、私だけを見て感じてくれおくれ」
しばらく放置されていた男の手の中のキハダがドクドクと脈打ち、紐で根元を縛られ、きつく戒められてもなお、喜びに震えていた。
「可愛いよ、キハダ」
男が敏感になっているキハダの先端を、親指の腹全体を使って捏ねるように刺激する。
その度にビクン、ビクン、と跳ね上がり、無意識に身の奥深くで繋がっている男の熱を煽っていく。
「やっ、堪忍、お方様、そこはもう、堪忍して」 
戒められているせいで熱を吐き出すことも叶わず、逃げ場のない疼きの一部が涙となってきはだの滑らかな頬を伝って幾筋も流れては落ちた。

「お前が冬子の名を出すような無粋なまねをするからだ。冬子のことはもう考えなくともよいと、何度言えばわかるのだ。私はお前が傍におればそれでよい。
ん……わかったか?
--お前の体は私に愛されたくて、疼いているぞ」
男がもう片方の手で涙を拭ってやりながら優しくたしなめると、きはだが何度も首を縦に振った。

「では、お前がどうやって極めたいのか、私に教えておくれ。お前の…きはだの一番好きなように愛してやる。
さあ、お方様ではなくいつものように勝三と呼んでおくれ」
キハダの先端をなおも弄りながら、勝三がまっすぐにきはだの視線を捕らえた。

「か、勝三さんに後ろから…されたい。縛られたまま、出さないで愛されたい」
きはだの正直な欲望に、満足したように勝三が顔を綻ばせた。
きはだの体を伏せにさせると、覆いかぶさるようにして再び奥深くで繋がった勝三が、先ほどまでの優しげな口調に似つかわしくないほど激しく責め始めた。
枕を強く抱きしめ、部屋中に響きわたるほど、きはだが嬌声をひっきりなしにあげ始めた。
「あ、あぁ…勝三さん。ぼく、もう。もう…いっちゃ、あぁぁーっ」
きはだがひときわ大きく啼いたと同時に何も出さずに胎内で極めた。つられる様に勝三もまた、きはだの胎内に欲を吐き出した。

きはだがまだ高みの中を漂っているころ、勝三が繋がったまま、きはだの体ごと身を起こし、自らの体に凭れさせた。そうすることできはだの自重により、深く勝三と繋がるに至った。
「きはだ、可愛いきはだ。今度はここも愛してあげる」
 勝三が、縛られたままのキハダを愛しげに背後から見つめてその手におさめた。
 甘く色づいた吐息を溢しながら、されるがままにきはだが体を預けていた。
「動くぞ」
少しかすれた声できはだの耳元でささやくと、ゆっくりと突き上げ始めた。
勝三の動きに身を委ね、きはだが体を燻らせる。そして、甘くとろける啼き声で勝三を揺さぶり続け、大きく「ん、ああっ」と大きく体を震わせた後、意識を手放した。
きはだの胎内で下肢を震わせ、呼吸を整えた勝三がゆっくりと繋がりを解くと、きはだの頬に触れ、「わたしに抱かれた証を貰うよ」と呟いた。ここからが、きはだの知らない勝三のもう一つのお楽しみであり、ご馳走でもあった。

赤く熟れたキハダの根元の戒めをゆっくりと外すと、熟れきって赤黒く色付いたキハダの先端が勝三を誘うように少しずつ蜜を溢れさせる。
思わず舌なめずりをした後、吸い寄せられるように勝三が口に咥えた。
締め付けられたために狭く形づいた根元を指でやさしく扱き擦ってやる。すると許しを得たとばかりに湧き出すように勝三の口の中に蜜が広がってゆく。
きはだの味を思う存分味わいながら、勝三が祈るように眉根をひそめながらもきはだの出した快楽の証を数回に分けて飲み干すと、竿の部分に残る残渣も吸い取り綺麗に舐めとった。そして、いつものようにきはだの体を清め始めた。

心も体も満たされた勝三が、事の終わりに静かに寝息を立てるきはだを、飽くことなく見つめていた。
障子を通して月明かりがきはだの頬を淡く照らしている。満月の今夜は色白なきはだの肌をより一層美しく際立たせていた。
齢十六。まだあどけないが美しい容姿。一般的な男児よりも小柄で華奢な体躯。のど仏も目立たぬその姿は女人にも見える。
(まだほんの子供に、まして男の子供にこんなにも夢中になるなど。
まして、屋敷の離れに住まわせるなど…)怖いくらいにのめり込んでいる自覚が勝三にはあった。
今日も昼過ぎから事におよび、気づけばこんなに時間が過ぎていた。

「年甲斐もなく…」

独り言のように呟くと、きはだが起きぬようにそっと抱き寄せた。
いつものように勝三の体温を求めるように体を摺り寄せてくるきはだを抱きしめ、満ち足りた気持ちのまま眠りについた。



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