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仕置きの輪 R18
しおりを挟む「俺は見送らないからな」
仏頂面の勝色が花色に告げた。
「よろず屋は出るけど柔のお父さんの工房はこの町の外れにあるけど、そんなに遠くないらしいから、会おうと思えばいつでも会えるよ」
幸せオーラ全開の花色が綺麗に笑った。
その花色の笑顔に、勝色がますます仏頂面になった。
花色が店を離れる当日。
『見送らない』と言った手前、勝色が塀の影から覗くように見ていた。
よろず屋の男児達の後姿から垣間見える柔と花色。そしてその隣には剛の姿もあった。
旅支度をした花色が手を振りながら柔と歩き始めた。柔、花色、剛の三人が背を向けたとき、勝色が驚愕した表情を浮かべた。なぜなら剛の背中にも旅の荷が背負われていたからだった。
頭が真っ白になった勝色が猛然と剛へと走り出した。
「どういうつもりだ?」
勝色に腕を掴まれた剛が「俺も用があって親父に会いに」と何事もないように応えた。
その態度に勝色の頭で『ブチッ』と何かが切れた音がした。
完全に頭に血が上った勝色がどす黒く渦巻く情念を剛にぶつけた。
「俺を、俺のこと捨てるのか?そうなんだな?だから、この旅支度。
俺から逃げるのかよ。三人で仲良く暮らすってのかよ。
一生添い遂げるって言ったくせに。
俺、剛も戻るなんて聞いてない」
「落ち着け、カツ。俺がお前を捨てるわけないだろ。
俺の話を聞いてくれ」
「これが落ち着いていられるか」
勝色の剣幕に剛も押され気味だったが、勝色を宥める事に必死だった。
「まず俺の話を聞いてくれ」
「いやだ、聞きたくない。
俺を捨てる話なんか聞きたくない」
「俺を信じろっていったろ?」
「もう剛なんか信じられない!」
この一言が、日ごろ温厚な剛の怒りに火をつけた。
剛の纏う雰囲気が一気に沸点に達したのをその場にいた勝色以外の男達が感じていた。そんな中、剛がよろず屋の男児達に軽く会釈をして、勝色の腕を無理やりに引いて中へと入っていった。群衆の中には紅の姿もあったが、紅は何も言わなかった。
「親父には俺から話しとくからな」
そんな空気を気に留めることも無く遠くから柔が、のほほんとした声で叫んでいた。
勝色の部屋へ入った剛が、刀の鞘に紐で括りつけている飾りを外した。
それは剛と勝色の持っている指輪と同じものだが、それよりも大きいものだった。
「俺が信じられねえとぬかしたな。
一度の仕置きじゃあ懲りねえのか、お前は」
見た事もない剛の怒気に、一瞬にして勝色の顔から血の気が引いた。
勝色を裸に剥いた剛が勝色を押し倒し、両手を鞘の飾りについていた紐で縛った。
恐怖のあまり中心の『カツイロ』が完全に萎縮していた。それを見た剛が擦って無理やり勃たせようとしたが、半勃ちにしかならなかった。
勃たない事に業を煮やし鞘の飾りを根元まで嵌めてみたが僅かに輪が大きく、直ぐに外れてしまう大きさであったため「チッ」と剛が思い切り舌打ちをした。その事でカツイロがますます力を失い再び萎縮した。
重苦しい意空気に耐え切れなくなった勝色が脚をバタつかせ始め、手を焼いた剛が、勝色の蕾を性急に解すと、後ろから串刺しにするように挿入した。剛の大きさに慣れている勝色の蕾は、嬉しそうに吸い付き戦慄いた。
性急だが馴染ませるような動きを繰り返すうちに、勝色が艶声を上げ始めた。焦らすように腰を緩く動かしながら、剛が再び力のないカツイロに輪を宛がい、その根元にある二つの膨らみをやわやわと片手で転がし始めた。剛が時折、勝色の喜ぶ胎内を掠めると、勝色が力なく喘いだ。そして頃合を見計らうと、一つ目の膨らみを潰しながら輪に一気に押し込んだ。
「痛っ」
締め付けられるキツさに勝色が顔をしかめた。
「痛くしてんだ、仕置きだからな」
再び怒りのままに剛が勝色を責め立てる。胎内の至る所を擦られ、突かれるうちに、快楽に飲み込まれ先ほどの痛みを忘れたかのように勝色の目が空ろになっていった。
頃合を見計らって剛がもう一つの膨らみを再び迷い無くねじ込んだ。
「んっ、あ、あぁ、あぁ」
一瞬にして駆け抜けた痛みのせいで全身を緊張させた後、しょろしょろと僅かに勝色が放尿した。
「痛い、痛いよ。
あっ、あっ、俺のちんちん壊れた」
すすり泣きをし始めた勝色を少しだけ哀れに思い、剛が手の拘束を解いてやった。
「壊れちまえ!
カツは俺の女なんだ。
俺がいる限り、もう男のちんちんなんて必要ないだろ」
まだ怒りの収まらない剛が悪びれずにそう言い放つと、本格的に腰をグラインドし始めた。暫くすすり泣いていた勝色も、次第に快楽を拾い始め、やがていつものように淫らに腰を振り始めた。
一心不乱に下肢を扱き続ける勝色の好きなようにさせつつも、剛が勝色の胎内を刺激する。
「ああ、あっ」
暫くすると、必死に扱いていた下肢から手を離し、勝色が臀部を突き出して、より密着させるような姿勢をとり始めた。
「気持ち、良い。あの時と同じ…神社の」
恍惚とした表情を浮かべながら、剛からもたらされる胎内の狂喜染みた快楽が、次第に勝色に男の性を捨てさせているのか、男の象徴であるカツイロが触れられぬまま放置されていた。剛に身を任せながら目を瞑り、胎内の快楽のみを追い始めたようだった。やがて嬌声がひっきりなしにこぼれ始め、ついには惜しげもなく啼き始めた。
「んあーーっ」
一際大きく啼き、息を詰めた瞬間、ついに快楽の証を放つことなく勝色が胎内で極めた。前回の仕置きのような不可抗力では無く、自らの意思で女としての快楽を追い求める事を勝色が選んだ瞬間だった。その強い快楽に対しては驚くほど従順だった。
「好きなだけイケ」
剛が怒りのままに責めれば責めるほど、逆に勝色を喜ばせた。
「また、イクッ。んあ、あ、またっ」
コツを掴んだのか、その後何度も軽く胎内を震わせた。
嵌っている輪のことも、硬度を保ったままの男の本能を触って欲しい、触りたい、という欲求も忘れて、ひたすら善がり狂い、女の様にブルブルと震えながら喜びに啼くだけだった。
勝色が完全に色欲に溺れていた。
二度ほど胎内に精を吐き出した剛も、まだ収まりのつかない怒りを持て余し、欲望のまま抱き続けた。
四度目にはさすがに正気になり、許してやろうとカツイロをせき止めている輪に手をかけた。
「いや、だめ。このままして。もっと」
勝色が必死になって剛の手を退けた。
無我夢中の勝色がこの輪の虜になっている事は明白だった。
「剛、あれして。神社のあれして」
勝色が神社のお堂での体位をしてくれとせがんだ。
なかなか体位を変えない剛に痺れを切らしたように勝色が叫んだ。
「もう、おちんちんいらないから!お願い、剛の女でイキたい」
その一言で剛が体位を変えると、高揚した勝色の鼻息が荒くなった。
「ああ、当たる。凄く当たる。んんーー、いいっ」
続けざまに何度も勝色の胎内が蠢いた。
剛も幾度となく勝色に導かれて腰を震わせた。
途中で堪えきれずに膝を折り、その後は座位すらも耐えられなくなり、終いには二人で横になりながらも、剛はしがみ付いた手に力を込め、勝色の欲望を満すべく腰を振り続けた。
結局、最後は勝色が気を失うまで剛が付き合わされた形になった。
「威力…絶大だったな」
剛がまさに精根尽き果てたように、大の字に転がった。半端に纏わりつく着物が汗でひどく濡れていたが、指を動かす事すら出来ないほどに、消耗する有様だった。
ふと剛が何かを思い出したように遠い目をした。
『旦那の好いたお人はかなりな癇癪持やおまへんか。
事あるごとに焼もち焼いたり嫉妬したり。
おまけに旦那に対する欲と執着は人一倍、これからもっと苦労しまっせ。
それでこれや。
これは『メンズリング』言うて男はんの『ナニ』につける輪っかや。
これを付けて体を交わらせれば、女と同じように出さずに胎内で極められるっちゅう代物や。
元々は西洋っちゅうとこで医療用に作られたもので、『男が出さずに極めることを繰り返す』うちに、次第に毒気が抜けて音無しうなる効果があるそうなんですわ。
少しの癇癪持ちなら何度か試せばええやろうけど、あのお人はなあ…。
次に癇癪起こしたら、しばらくはずっと付けっぱなしの方がええんやないかなあ。
その方がほれ、輪っかが気なって癇癪どころや無いやろうし。
でも心配せんといてや、このメンズリングは男のナニから出る『アレ』を出さんだけで、用を足すときは全くの無害や。
せやから、旦那にはこれも絶対必要でっせ。
これからのためにもなあ。
所帯、持つ気なんやろ』
剛と柔の実家にあたる工房は、子供がゆっくり歩いても半日もかからないほどの近距離だった。
柔と花色が親父に挨拶するのに乗じて、剛も勝色との事を話しに行く予定だった。
その日のうちに戻る予定だったため、あえて勝色には話していなかった。
『ペアリング』の誓いで落ち着いてくれたものと剛が思ったからだった。
疲れた体に鞭打って、布団を敷き、気持ち悪いほどに汗で濡れた着衣全てを脱ぎ捨てた剛が、勝色引き寄せて共に床に入った。
既に時は寅の刻(午前四時)になろうとしていた。
剛はどう言って勝色に、このメンズリングの事を説明しようかと考えているうちにいつの間にか深い眠りについていた。
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