「追放」も「ざまぁ」も「もう遅い」も不要? 俺は、自分の趣味に生きていきたい。辺境領主のスローライフ

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第20話 風の精霊

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 それは、逃げ? 

 それとも、怠り? 

 まあ、どちらでもいいか。

 その正体なんて誰にも分からないし、この俺自身もよく分かっていないのだから。それをどうこう言われるつもりはない。森の中をこうして歩いている事も、周りの人達からとやかく言われる事ではないだろう。今の自分は、疲れているのだ。自分の両手に持っているカメラを握りしめなければ、その心がどうにかなってしまいそうな程にね。とにかく色々な事に疲れている。頭の中にある意思にも、それを見せる表情にも。自分の足下に落ちていた枝を避け、木々の間から見える木漏れ日にホッとする事以外は、何もかもに疲れ、何もかもに苛立っていた。川の前でふと立ちどまったのも、「目の前の川に驚いた」と言うよりは、その流れに思わず魅せられて、「そこに飛びこもう」とした衝動にただ動かされただけだった。

 この中に飛びこめば、きっと楽になれる。せっかく買ったカメラが壊れるのは癪だったが、それでも「そうしたい」と思ったのは確かだった。この世には、多くの苦しみが潜んでいる。自分は自分の趣味でそれを誤魔化そうとしたが、結局はそれも一時しのぎにしかすぎず、それが過ぎればまた、自分の目の前にそれが現れてしまうのだ。それがまるで、自分の宿命であるかのように。その縛りからは、決して逃れられないように。俺の魂や運命、挙げ句は影すらも使って、その後を追い掛けてくるのである。

「本当に厄介な相手だ」

 それさえなければ、自分はもっと自由でいられるのに。自分の好きな趣味に打ちこんでいられるのに。「運命」とはやはり、何処までも残酷だった。自分の気持ちなどまったく無視して、俺にこの世の理不尽を見せてくる。「お前も所詮、ただの人間である」とね。「ただの人間が、この世の理不尽から逃げられるわけがない」と、そう得意げに教えさとすのだ。まるで自分の家庭教師のように、そう……。まあ、いいや。どんなに考えたって、この状況が変わるわけではないし。この縁談をたとえ断っても、次の相手を探されるだけだ。それがずっと、繰りかえされる。断っても、断っても、次の相手がまた現れる。そうしている内に歳を取り、俺も今の俺でなくなってしまうのだ。今まではできていた趣味も、いつかはできなくなってしまう。そうなったら……。「考えただけでも、憂鬱になるね」
 
 俺は、両目の端に涙を感じた。どうやら、今の気持ちに耐えられなくなったらしい。俺は両目の涙を拭った後も、しばらくは川の流れを眺めていたが、それもだんだんに耐えられなくなって、川の流れから視線を逸らした数分後には、真面目な顔で自分のカメラを弄くっていた。カメラの操作性は、最高だった。今までも様々な道具を触ってきたが、「これはその中でも一、二を争う物」と言えるかもしれない。それだけ素晴らしい物だったのである。「シャッター」と呼ばれる部分を押す感覚は、その独特の「カチャ」と相まって、何とも言えない高揚感を覚えてしまった。
 
 俺はその高揚感に酔いしれながらも、内心では自分の未来をチラつかせて、それが少しでも薄れるように動きつづけた。ここで少しでも止まれば、あの感覚がまた蘇ってしまう。あの感覚が蘇れば、自分の心が今度こそ壊れてしまうに違いない。自分の心が壊れれば、その後に待っているのは発狂だ。それも、今までにない程の発狂。周りの景色がすっかり死んで、木々の木漏れ日が闇に、川の全体が汚水に、小鳥達の囀りが悲鳴に、蝶の羽ばたきが業火に変わる発狂である。

 それをもし、今の俺が起してしまったら? 無事では、まずいられない。身体の方は何ともなくても、気持ちの方が砕けてしまう。一度砕けてしまった気持ちは、もう二度と戻らない。それをたとえ組みなおせたとしても、それは元の姿に似た模造品でしかないのだ。模造品は決して、本物にはなりえない。だからこそ、この気持ちは守らなければならないのだ。本物が模倣に負けないように。模倣が本物に勝らないように。俺がカメラのシャッターを切りつづけたのも、それが楽しかった事もあったが、その気持ちを何より忘れたかったからである。
 
 俺は森の中を歩き、自分の気に入った風景があったらそれを、たまたま目に入った虫が美しかったらそれを、雑草の間に生えていた花が綺麗だったそれを、自分の目の前に鷹がふわりと舞いおりたらそれを、ほとんど無我夢中で撮りつづけた。それに驚く被写体も多かったが、大抵は俺の様子を窺うか、あるいは、軽い威嚇を見せるだけで、俺がカメラのシャッターをなおも切ろうとすると、そこからすぐに逃げだして、俺の視界からすっかりいなくなってしまった。

 俺は、その光景が少し淋しかった。

「なんだよ、もう少し止まっていればいいのに? もう少し止まっていれば」

 そうは言ったが、それは俺のワガママだった。周りの連中にも、それぞれの調子がある。自分の生きていくための調べがある。それを乱す資格は、俺にはない。俺がそいつらの世界に踏みいって、世界の内容を書きかえる資格も。俺が俺としてそこに入るためには、俺の方からそれに合わさなければならないのだ。森の小径を曲がって、その真ん中に立ちどまった時も。周りの景色を見わたしてはいいが、それ自体を損なってはならないのである。

 俺はカメラの覗き穴(「ファインダー」と言うらしい)を覗いて、自分の気に入った風景を撮ろうとしたが……。俺の身体が止まったのは、正にその時だった。

「え?」

 俺はカメラのファインダーから左目を離して、その場に思わず立ちつづけてしまった。視線の先には一人、俺と同い年くらいの少女が立っている。不思議な雰囲気と、艶やかな髪をなびかせて、俺の姿に目を見開いていた。どうやら、俺との出会いに驚いているらしい。彼女の正確な心情は推しはかれないが、その何度も瞬いている目や、少しだけ開いている口には、恐怖に近い感情が見えかくれしていた。

 俺は(ほとんど無意識だったが)彼女の前にゆっくりと歩みよって、それから彼女の緊張を何とか解こうとした。「そうするのが何故か、自然だ」と思ってしまったからである。

「あ、あの?」

 そう話しかけるが、彼女の表情は変わらない。だから、その口調をもっと和らげる事にした。

「だ、大丈夫だから。俺はその、変な奴じゃないし。君にも、危害を」

 少女は何故か、その言葉に微笑んだ。表情の方も少し柔らかくなって、俺の質問にも「わかった」と答えてくれた。どうやら、俺が自分の敵でない事を察したらしい。俺の接近を拒まなかった態度からも、その雰囲気が何となく察せられた。彼女は「クスッ」と微笑んだまま、穏やかな顔で俺の頬に触れた。

「あたたかい」

「え?」

「でも、その奥には」

「お、奥には?」

「こわがっている。あなたは、あなたの不安を。自分のこれからを。あなたは、『それらの怖さから逃げだしたい』と思っている」

 俺は、その言葉に目を見開いた。その言葉があまりに正確だったからである。俺は彼女の前から少し下げって、その顔をまじまじと見はじめた。

「君は、一体?」

「わたしは」

 彼女はまた笑って、頭上の空を指さした。



 衝撃の言葉だった。電子器の掲示板に書かれていた精霊が今、自分の目の前に立っている。噂通りの容姿と、噂通りの声とを備えて、俺の前に立っていた。これには、流石に驚かざるをえない。精霊は人の心を読めるらしいが、今の会話から察する以上、それも嘘っぱちには思えなかった。現に俺の心を言いあてていたしね。彼女には、相手の心がすべて分かるようだ。

「う、ううう」

 俺は真面目な顔で、彼女の顔を見かえした。彼女の顔は今も、俺の事を見つめている。

「俺の事を嫌がっている?」

 変な質問だ。だが、そう出てしまったのだから仕方ない。人間の醜さを嫌う精霊にとっては、俺のような人間は一番に忌むべき存在だろう。今は感情の読めない表情を浮かべているが、その裏では神々しい嫌悪感を抱いている筈だ。俺は不安な顔で、相手の目から視線を逸らした。

「消えた方がいいよ」

 その返事はない。でも、それを止めるつもりはなかった。

「ここもたぶん、君の落ちつく場所じゃないから。きっと」

「そんなことは、ない」

「え?」

「ここの空気は、今までの町はとちがう。この町の空気は、好き」

「そ、そう? それは」

 よかったね、と言うべきか? それとも、「ふうん」と受けながすべきか。今の俺には、その正解が分からなかった。俺は彼女の顔から視線をなお逸らしながらも、不安な顔で周りの景色を眺めつづけた。周りの景色は、その自然を変わらずに保ちつづけている。

「君はどうして、この世界をさまよっているの?」

「あなたと同じ理由。それが、わたしの趣味だから」

「え?」

「そして、それが役目でもある」

「この世界をさまようのが、君の趣味? そして、役目?」

「そう、それがわたしのすべて」

 俺は、その言葉に戸惑った。言葉の意味がますます分からなくなってしまったからである。

「仮にそうだとしても」

「うん?」

「君には、どんな利点があるの? 特に何かを得られるわけでもないのに?」

 精霊は、その言葉に微笑んだ。その言葉がどうやら、余程におかしかったらしい。

「風が止まれば、自然も止まる。自然が止まれば、世界も終わる。わたしが旅をつづけるのは、その環を壊さないため」

「な、なるほど。それじゃ、同じところにずっといないのは」

「そういう事。でも」

「でも?」

「今回は、少し寄り道したい」

「え?」

 それは、一体?

「どう言う事?」

 精霊はまた、俺の言葉に微笑んだ。俺の言葉がそんなに面白いのだろうか?

「あなたの事が気に入った」

「え?」

 彼女は一体、何を言っているのだろう?

「『俺の事が気に入った』って?」

「うん、気に入った。だから、しばらく一緒にいる」

「ふぇ?」

 俺は、今までに発した事のない声を発してしまった。それ程の衝撃を覚えてしまったからである。俺は自分でも「マヌケ」と思える顔で、彼女の顔をしばらく見つづけた。

「『お、俺と一緒に暮らす』って事?」

「そう。あなたは、ここの領主。領主の館には、空き部屋もたくさんある筈」

「ま、まあ。それは、たくさんあるけども。いきなりそんな」

「だめ?」

 それに思わずときめいてしまったのは、内緒だ。彼女の「ダメ」は、文字通りの凶器に等しい。一撃で俺のような男を仕留める短剣。俺は今、その短剣に胸を刺されてしまったのだ。

「ダメ、じゃないよ? 俺も丁度、色々な事にモヤモヤしていたし。これはたぶん、いい機会かもしれない」

「よかった」

 また、さっきの笑顔。その笑顔は、本当に卑怯だ。

「それじゃ、あなたの館に連れていって」

「え? 今から?」

「うん。陽が沈めば、今日も野宿になってしまうから」

「な、なるほど。それは、嫌だね。『どんなに旅慣れている』と言っても、女の子にとってそれは……。分かったよ。それじゃ、俺の後についてきて」

「うん」

 精霊は「ニコッ」と笑って、俺の後ろを歩きはじめた。

「楽しみ」

「そ、そう? まあ」

 彼女がそう言うのなら、そうなのだろう。俺の方は、自分の館にただ帰るだけだったが。俺は自分の館に帰って、その中に彼女を通し、世話係の召使いにそれらしい嘘をついて(彼女が精霊だとは、流石に言えないだろう。言ったら、大変な事になる)、自分の部屋に彼女を連れていった。部屋の中はいつも通りだったが、彼女にはそれが面白かったらしく、周りの道具類をぐるりと見わたしては、満足げな顔で俺の方に振りかえった。

 精霊は、俺の右手を指さした。俺の右手には、例のカメラが握られている。

「それが一番すてき」

「このカメラが?」

「うん。二番目は、あの絵」

「あの絵って? ああ、あの風景画?」

「そう、あの絵もすてき」

「そっか。あの絵は、『そんなに上手くない』と思っていたけど。そう言ってもらえたら嬉しい」

 俺は穏やかな気持ちで、自分の絵を眺めはじめた。他人に自分の作品を褒められるのは、やはり嬉しいからね。彼女が他の道具類に興味を示しはじめた時も、楽しげな気持ちで自分の絵を眺めていた。「他にも、よさそうな物はあった?」

 精霊は、その質問にうなずいた。

「みんな、いい。みんな、おもしろそう」

「そ、そうか。ならさ」

「うん?」

「これをすべて、俺と」

 この誘いは、逃げだ。「自分の結婚から逃げたい」と言う、俺の逃げ。

「一緒に楽しまない?」

 精霊はその質問に驚いたが、やがて「うん」とうなずいた。

「楽しみたい」

 俺は、その返事が嬉しかった。それがたとえ、「ずっとはつづかない」と分かっていても。彼女の「楽しみたい」から感じた雰囲気には、最高の慈悲が漂っていた。俺は自分の鼻先を掻いて、明日からの日々に胸を躍らせた。
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