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清廉潔白
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「ほんと、ごめん」
次の日、メンバーと車で合流するなり真っ先に頭を下げて謝った俺に、みな励ますように肩を叩いてきた。
「俺たちは別にいいんだけど……大変なのは行理だろ」
「うん……」
「柏原為純はなんと言ってるんだ? 行理がいるのに浮気なんてひでーよ」
落ち込んでいると、普段穏やかなメンバーは目を吊り上げて為純を責めだした。
「俺たちが売れたのは確かに二人の交際がきっかけかもしれないけど……なんで柏原為純はこういう汚いことすんの? 行理のことが好きだから、付き合ってんじゃねえのかよ」
「乗り込んでいって首絞めてやろうか」
「浮気とか最低じゃん」
俺はなんとも言えずにただ俯いているしかなく、メンバーは次第にヒートしていく。
そこに運転している加賀が「ストップ」と口を挟んできた。
「行理にとっても辛いことだから、あまり蒸し返さないように」
「でもさ、奴に一言言わないと気が済まない」
「これだけ行理を傷つけておいて、釈明も何もなく普通に仕事してるって……むかつくじゃん」
そうなのだ。今日、為純が記者に囲まれて質問されている動画が、とある芸能ニュースサイトから公開された。
為純は記者を無視し、質問には全く答えない。外面がいい為純らしからぬ態度に、見ているこっちが不安になる。
矢田らしき人も映っていて周囲を牽制しているが、記者の人たちは諦めずにマイクをつきつけている。
俺は、為純が認めるか否定するか、どちらかだと思っていた。そのほうがこちらでも対応しやすいのに、曖昧にされると対策を練りようがない。
「もっとまともな人かと思ってた。感じよかったし、行理とも仲良かったのに。裏でこんなことしてるなんて……行理の身にもなってほしいよな」
勇吾は怒りながらも、為純の素行にがっかりしていた。それだけ俺たちの交際を認めていたし、いい関係を築いていると思っていたからショックが大きいのだ。
「でも、実は浮気が本当なのかもわからないんだ」
俺がぽつりと漏らすと、一斉にみなの視線がこちらを向く。
「だったら否定してもよくね? あんなの浮気してんのに認めるのが癪だから言わないみたいな感じだろ……ってごめん、行理に怒ってるわけじゃなくて……ああ、もうほんと奴に苛々する」
勇吾は乱暴に足を踏みながらして、行き場のない苛々をどこにぶつければいいのかわからずに大きく腕を振ったりしている。
「とりあえず何を訊かれてもスルーだ。行理もいいね」
「はい」
神妙に頷くと、隣に座っている勇吾が「頑張ろう」と勇気づけるように笑顔を見せる。
「今日の仕事は大丈夫なんですか? キャンセルにならないですよね?」
「そこは心配しなくてもいいよ。今回の騒動も、企業側は行理が被害者だから理解してくれている。仕事も問題ない」
「行理は質問攻めになるだろうな」
「むっとしても邪険な態度はとらないように。あくまでもにこやかにスルーだよ」
そんな会話をしながらイベント会場に着いた。
楽屋に入り、企業や広報スタッフと挨拶をしたあと、衣装に着替えヘアメイクを終えて今回のイベントの段取りなどの説明を受ける。為純の浮気発覚の騒動に対して口で言ってこないが懸念はあるようで、なんとなくそわそわした態度が気になる。本来ならスキャンダルを起こせば、起用した企業側にも被害が及ぶ。今回は俺が被害者だから許されたが、それでもどこか気遣いを感じた。
でも相手も俺もプロだ。何が起ころうと、目の前の仕事に真摯に取り組む。
そうしているうちに、今日のイベントがはじまり、俺たちは司会者の人に促されて慌ただしくステージに出て行った。
たかれるフラッシュに一瞬怯んだが、すぐに笑顔を取り戻して元気に挨拶をする。にこりともしない目の前にいる記者がみな敵に見える。
司会者の進行の元、和やかにポータブルオーディオプレイヤーの発表が行われた。時折話を振られて、俺たちは身振り手振りを交えながら笑顔で答える。主に音楽に関する質問だったので、普段通りにメンバー同士和気あいあいとしながら発表会は進んだ。
ただ、それが終わるとさっそく記者に囲まれる。最初はポータブルオーディオプレイヤーだったり音楽やメンバーの話をしていたが、段々雲行きが怪しくなってくる。私生活の話になると記者は急に為純の名前を出してきた。
側に控えていたスタッフや加賀がすぐに止めに入る。
メンバーは笑顔を顔に貼りつけたまま、ときどき俯いたり、記者とは違う方向を見て質問を躱す。「これにて質問を終了いたします」と言うスタッフの声にも、記者はマイクを下げなかった。たくさんのマイクがまるで俺を責めているようにこちらを向いている。
スタッフに退出するように促されたが、俺は意を決して記者に向き合った。
「今回のこと、お騒がせして申し訳ございません」
俺は表情を引き締めて、深く頭を下げた。隣にいる勇吾が見えないように後ろで俺の服の裾を掴む。
「柏原為純さんと話はしましたか?」
すかさず記者が食いついてくる。
「いえ……今お互い忙しくて、あまり連絡もとれていない状況です」
記者に質問させる猶予も与えずに、言葉を続ける。
「ですが、俺は彼のことを信じたい。いえ信じています」
隠れも怯えもせず、堂々と前を見て告げると、記者たちは一瞬しんとなった。そんな中「かっこいい……」と、目の前にいた若い女性記者の呟きが耳に入った。
彼女と目を合わせて微笑む。「うわっ」と女性記者は顔を赤らめて口を噤んでしまった。
すぐにシャッターを切る音と眩いフラッシュが辺りを照らし「柏原さんとは別れないということですか?」や「浮気相手のかたとはお話しましたか?」など次々と質問が飛んでくる。
それには答えずに、一礼をして去る。
「どんな形であれ、お二人の幸せを願ってます!」
女性記者が声を張り上げた。振り向いて「ありがとう」と返すと、彼女の顔に喜色が広がった。さらに「頑張ってください!」と励ましてくれた。
軽く手を振ると、彼女も手を振り返した。
記者から逃れ、楽屋に向かう途中勇吾が「いきなり話しだすから、めっちゃびびった」と未だ強張った表情で息を吐く。
「ごめん、勇吾。加賀さんも、申し訳ありませんでした」
怒られると思い謝ったが、加賀は俺の気持ちを汲んでくれた。
「いいよ。言いたかったんだろう?」
「はい」
「言ってよかったのかも。あの目の前にいた女性記者、絶対行理ファンになったぞ」
記者の話を振られて、少し笑う。無遠慮な言葉で人の傷を抉るようなことばかり訊く記者たちの中で、彼女の何気ない言葉や仕草が心に染み入る。応援してくれた。これほど嬉しいものはない。彼女の名前と所属会社くらい知っておいてもいいかもしれないと思い加賀に訊いてみる。
「あの女性、どこの記者ですか?」
「どこだろう? 調べてみるよ」
「お願いします」
とりあえず、今日いちばんの不安な仕事は乗り越えた。
あとは、明日以降の仕事にどう響くかだ。生放送の番組も何件か入っているが、ここまであけすけに訊かれはしないだろう。歌番組なら尚更だ。
ただ、俺がこんな風に答えることによって、為純にどう取られるかも気になる。矢田にも迷惑はかけていないだろうか。
次のラジオ番組も終えて、事務所に向かう途中、俺の携帯電話に矢田から『グッジョブ!!』と連絡が入る。
もう数時間前の記者とのやりとりが記事にされて動画まで上がっていた。
次の日、メンバーと車で合流するなり真っ先に頭を下げて謝った俺に、みな励ますように肩を叩いてきた。
「俺たちは別にいいんだけど……大変なのは行理だろ」
「うん……」
「柏原為純はなんと言ってるんだ? 行理がいるのに浮気なんてひでーよ」
落ち込んでいると、普段穏やかなメンバーは目を吊り上げて為純を責めだした。
「俺たちが売れたのは確かに二人の交際がきっかけかもしれないけど……なんで柏原為純はこういう汚いことすんの? 行理のことが好きだから、付き合ってんじゃねえのかよ」
「乗り込んでいって首絞めてやろうか」
「浮気とか最低じゃん」
俺はなんとも言えずにただ俯いているしかなく、メンバーは次第にヒートしていく。
そこに運転している加賀が「ストップ」と口を挟んできた。
「行理にとっても辛いことだから、あまり蒸し返さないように」
「でもさ、奴に一言言わないと気が済まない」
「これだけ行理を傷つけておいて、釈明も何もなく普通に仕事してるって……むかつくじゃん」
そうなのだ。今日、為純が記者に囲まれて質問されている動画が、とある芸能ニュースサイトから公開された。
為純は記者を無視し、質問には全く答えない。外面がいい為純らしからぬ態度に、見ているこっちが不安になる。
矢田らしき人も映っていて周囲を牽制しているが、記者の人たちは諦めずにマイクをつきつけている。
俺は、為純が認めるか否定するか、どちらかだと思っていた。そのほうがこちらでも対応しやすいのに、曖昧にされると対策を練りようがない。
「もっとまともな人かと思ってた。感じよかったし、行理とも仲良かったのに。裏でこんなことしてるなんて……行理の身にもなってほしいよな」
勇吾は怒りながらも、為純の素行にがっかりしていた。それだけ俺たちの交際を認めていたし、いい関係を築いていると思っていたからショックが大きいのだ。
「でも、実は浮気が本当なのかもわからないんだ」
俺がぽつりと漏らすと、一斉にみなの視線がこちらを向く。
「だったら否定してもよくね? あんなの浮気してんのに認めるのが癪だから言わないみたいな感じだろ……ってごめん、行理に怒ってるわけじゃなくて……ああ、もうほんと奴に苛々する」
勇吾は乱暴に足を踏みながらして、行き場のない苛々をどこにぶつければいいのかわからずに大きく腕を振ったりしている。
「とりあえず何を訊かれてもスルーだ。行理もいいね」
「はい」
神妙に頷くと、隣に座っている勇吾が「頑張ろう」と勇気づけるように笑顔を見せる。
「今日の仕事は大丈夫なんですか? キャンセルにならないですよね?」
「そこは心配しなくてもいいよ。今回の騒動も、企業側は行理が被害者だから理解してくれている。仕事も問題ない」
「行理は質問攻めになるだろうな」
「むっとしても邪険な態度はとらないように。あくまでもにこやかにスルーだよ」
そんな会話をしながらイベント会場に着いた。
楽屋に入り、企業や広報スタッフと挨拶をしたあと、衣装に着替えヘアメイクを終えて今回のイベントの段取りなどの説明を受ける。為純の浮気発覚の騒動に対して口で言ってこないが懸念はあるようで、なんとなくそわそわした態度が気になる。本来ならスキャンダルを起こせば、起用した企業側にも被害が及ぶ。今回は俺が被害者だから許されたが、それでもどこか気遣いを感じた。
でも相手も俺もプロだ。何が起ころうと、目の前の仕事に真摯に取り組む。
そうしているうちに、今日のイベントがはじまり、俺たちは司会者の人に促されて慌ただしくステージに出て行った。
たかれるフラッシュに一瞬怯んだが、すぐに笑顔を取り戻して元気に挨拶をする。にこりともしない目の前にいる記者がみな敵に見える。
司会者の進行の元、和やかにポータブルオーディオプレイヤーの発表が行われた。時折話を振られて、俺たちは身振り手振りを交えながら笑顔で答える。主に音楽に関する質問だったので、普段通りにメンバー同士和気あいあいとしながら発表会は進んだ。
ただ、それが終わるとさっそく記者に囲まれる。最初はポータブルオーディオプレイヤーだったり音楽やメンバーの話をしていたが、段々雲行きが怪しくなってくる。私生活の話になると記者は急に為純の名前を出してきた。
側に控えていたスタッフや加賀がすぐに止めに入る。
メンバーは笑顔を顔に貼りつけたまま、ときどき俯いたり、記者とは違う方向を見て質問を躱す。「これにて質問を終了いたします」と言うスタッフの声にも、記者はマイクを下げなかった。たくさんのマイクがまるで俺を責めているようにこちらを向いている。
スタッフに退出するように促されたが、俺は意を決して記者に向き合った。
「今回のこと、お騒がせして申し訳ございません」
俺は表情を引き締めて、深く頭を下げた。隣にいる勇吾が見えないように後ろで俺の服の裾を掴む。
「柏原為純さんと話はしましたか?」
すかさず記者が食いついてくる。
「いえ……今お互い忙しくて、あまり連絡もとれていない状況です」
記者に質問させる猶予も与えずに、言葉を続ける。
「ですが、俺は彼のことを信じたい。いえ信じています」
隠れも怯えもせず、堂々と前を見て告げると、記者たちは一瞬しんとなった。そんな中「かっこいい……」と、目の前にいた若い女性記者の呟きが耳に入った。
彼女と目を合わせて微笑む。「うわっ」と女性記者は顔を赤らめて口を噤んでしまった。
すぐにシャッターを切る音と眩いフラッシュが辺りを照らし「柏原さんとは別れないということですか?」や「浮気相手のかたとはお話しましたか?」など次々と質問が飛んでくる。
それには答えずに、一礼をして去る。
「どんな形であれ、お二人の幸せを願ってます!」
女性記者が声を張り上げた。振り向いて「ありがとう」と返すと、彼女の顔に喜色が広がった。さらに「頑張ってください!」と励ましてくれた。
軽く手を振ると、彼女も手を振り返した。
記者から逃れ、楽屋に向かう途中勇吾が「いきなり話しだすから、めっちゃびびった」と未だ強張った表情で息を吐く。
「ごめん、勇吾。加賀さんも、申し訳ありませんでした」
怒られると思い謝ったが、加賀は俺の気持ちを汲んでくれた。
「いいよ。言いたかったんだろう?」
「はい」
「言ってよかったのかも。あの目の前にいた女性記者、絶対行理ファンになったぞ」
記者の話を振られて、少し笑う。無遠慮な言葉で人の傷を抉るようなことばかり訊く記者たちの中で、彼女の何気ない言葉や仕草が心に染み入る。応援してくれた。これほど嬉しいものはない。彼女の名前と所属会社くらい知っておいてもいいかもしれないと思い加賀に訊いてみる。
「あの女性、どこの記者ですか?」
「どこだろう? 調べてみるよ」
「お願いします」
とりあえず、今日いちばんの不安な仕事は乗り越えた。
あとは、明日以降の仕事にどう響くかだ。生放送の番組も何件か入っているが、ここまであけすけに訊かれはしないだろう。歌番組なら尚更だ。
ただ、俺がこんな風に答えることによって、為純にどう取られるかも気になる。矢田にも迷惑はかけていないだろうか。
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