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分岐点

離婚届

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 何処までも青い空、白い雲、睡蓮は大きく息を吸い込み和田家母屋のインターフォンを鳴らした。睡蓮の目の前には職務を切り上げた雅次がソファーに浅く腰掛け、震える指でカップソーサーをテーブルに置く百合の姿があった。

「ブライダルチェックを行わなかった私の不注意でした」
「そんな、ちゃんと調べたの」

 睡蓮は深々と頭を下げたまま微動だにしなかった。

「うちの跡継ぎはどうなるんだ」
「申し訳ございません」
「この事は雅樹は知っているの!?」

 百合の語気が強くなり、雅次がそれを制した。

「雅樹さんとは今夜話し合います」
「で、でも睡蓮さん、赤ちゃんが出来ているかもしれないでしょう?」

 睡蓮は一呼吸置くと義父母を凝視した。

「雅樹さんと私はセックスレスです。一度も関係を持った事はありません」
「そんな、そんな馬鹿な」
「本当です」

 百合は狼狽え、雅次は顔色を変えた。

「それで睡蓮さんは如何したいの」
「それは雅樹さんと話し合います」

「叶家との繋がりは如何なるんだ」
「叶家には私の妹が居ます」
「睡蓮さんが駄目で妹さんが雅樹のお嫁さんになるなんて、そんな馬鹿な話がありますか!」
「その点は雅樹さんからお話があると思います」

 睡蓮は深々と頭を下げ席を立った。

「す、睡蓮さん!」
「申し訳ございませんでした」

 白い日傘がアスファルトの上で開いた。睡蓮の身体は妊娠出産に適していない事が医師から言い渡された。

 百合から連絡を受けた雅樹は業務の引き継ぎを行い慌てて帰宅した。ベランダの観葉植物の青さ、風に揺れる白いレースカーテン、窓辺のソファで微睡まどろむ睡蓮は一枚の絵画の様に美しかった。

「ただいま」
「あら、雅樹さん早かったのね」
「母さんから連絡があった、病院に行ったのか」
「行ったわ」

 睡蓮は亜麻色の髪を掻き上げながらキッチンに向かうとグラスに氷をひとつ、ふたつと落とし冷えた麦茶を注ぎ入れた。

「はい、暑かったでしょう」
「あぁ、ありがとう」

 グラスの氷が溶け乾いた音がした。雅樹がネクタイを緩めソファーに腰掛けようとすると睡蓮はダイニングキッチンのテーブルに座って欲しいと手招きをした。

「如何したの」
「これに名前を書いて」
「これって」

 雅樹の前に差し出された紙は離婚届だった。

「如何いう事」
「雅樹さんが一番良く分かっている筈よ」

 雅樹の目は上下左右に忙しなく動いた。

「子どもを産む事が出来ないからか」
「出来ない訳じゃないわ、難しいだけよ」
「それなら如何して離婚なんて!」

 睡蓮が記入すべき欄は全て書き込まれ印鑑が捺されていた。

「俺が木蓮と寝たからか」
「やっぱり会っていたのね」
「ーーー」
「それもあるわ」
「それ以外になにがあるんだ」
「伊月先生に私の初めてをあげたの」

 1人目の証人に田上伊月の名前が有った。

「初めて?」
「初めて抱いてもらったの」
「ーーーいつ!」
「昨日の夜、伊月先生の家に泊まったわ」

 睡蓮の右手はボールペンを握り左手は印鑑ケース、テーブルには朱肉が置かれていた。その左手の薬指からはプラチナの結婚指輪が消えていた。

「ーーー不倫じゃないか」
「雅樹さんも同じよ」
「俺はそんな事はしていない!」

 睡蓮の握り拳は怒りで震え、麦茶のグラスに細波を立てた。

「雅樹さんの心の中にはいつも木蓮が居る、これは不倫じゃないの!」
「睡蓮の事も好きになろうと思っていた!」
「ーーーー」
「本当だ」
「好きになろうと思う、それは愛じゃないわ」
「見合い結婚だからそれが普通だろう!」
「心の中に木蓮が居るのに!木蓮と同じ顔の私を愛せるの!?」

 雅樹はなにも言い返せなかった。

「こんな結婚生活、時間の無駄よ」
「無駄だなんて」
「遅かれ早かれ駄目になっていたわ!」
「ーーー」
「雅樹さんだってそう思っているんでしょう!」
「ーーー」

 雅樹の指先がゆっくりとボールペンを握った。

「財産分与やこれからの事は雅樹さんのご両親と一緒に考えましょう」
「分かった」

 喉仏が上下した。

「私、雅樹さんに慰謝料を払わなきゃいけないのかしら?」

 手が震えた。

「それは必要ない」

 機械的な返答。

「これはお返しするわ」

 離婚届の上に真新しい結婚指輪が置かれ、雅樹は睡蓮の顔を見る事が出来なかった。
 翌日、雅樹は有給休暇を取り和田の母屋で両親を交え離婚について話し合う事となった。その後は叶家に事の顛末を説明する為に詫びに行かねばなければならない。

(俺が悪い)

 企業提携を確固たるものにする為の結婚には最初から無理があった。然し乍ら選択肢は幾つもあった。

(あの時)

 一度両家の縁談を白紙に戻して欲しいと叶家に頭を下げた際、実は木蓮に懸想けそうしていると正直に打ち明ければ良かった。

(あの時)

 睡蓮が自宅に手料理を持参し始めた頃、木蓮をめとりたいのだと両親に意思表示をすれば良かった。

(あの時)

 木蓮と瓜二つの睡蓮のいじらしい姿に情が湧いてしまったのも事実だ。

(あの時)

 企業間で金銭的援助があったとしても睡蓮ではなく木蓮を選ぶ事も出来た。

(これは問題を先送りにしていた俺へのしっぺ返しだ)

 結果、夫婦生活は2ヶ月程度で破綻し睡蓮を傷付けただけではなく両家に軋轢あつれきを与える結果となってしまった。雅樹は隣のゲストルームで眠る睡蓮を思い胸が痛むと共に今後の展開に頭を抱えた。
 明日、和田家で離婚に至った経緯や財産分与について話し合う事になった。次に実家の両親に離婚の理由を納得して貰う為、なにひとつ隠す事なく洗いざらい打ち明けなければならない。

(恥ずかしい)

 確かに見合いの席で雅樹に心を奪われたが真剣に結婚を望んだ訳では無かった。

(どうかしていたわ)

 雅樹が木蓮を選んだと知った時、激しい嫉妬心が芽生えた。

(愚かすぎるわ)

 結婚前、いや結納前から雅樹とは性が合わない事を肌で感じていた。それにも関わらず木蓮に負けたくない一心で縁談を進めた。

(馬鹿じゃないの)

 雅樹は睡蓮を気遣い優しい言葉で話し掛けてくれた。ところが睡蓮はいつもそこに木蓮の気配を感じ刺々しい言葉遣いや態度を取ってばかりいた。

(勝手よね)

 そして木蓮への当て付けの様に結ばれた雅樹との夫婦生活は2ヶ月程度で破綻、しかも離婚届を雅樹に叩き付けたのは睡蓮自身からだった。

(都合良すぎるわ)

 ただそこに伊月が現れなければ睡蓮は苦虫を潰した様な面持ちで、雅樹と殺伐とした結婚生活を送っていたに違いなかった。

(軽蔑されるわ)

 伊月の背中を追って九州に行きたいと言い出したら両親は嘆き悲しみ、木蓮には蔑まれるに違いなかった。

(最低だわ)

 睡蓮は自分の身勝手さがどれ程の人間を傷付け、これからも傷付けてゆくのかと自分自身を責めながら夜明けを迎えた。
睡蓮と雅樹の名前が並んだ離婚届を見た雅次と百合は言葉を失った。睡蓮の左の薬指に結婚指輪は無く、目の前の出来事が事実である事を示していた。

「雅樹、これは如何いう事なの」
「それが、俺も昨日突然」
「私たちが跡継ぎの事を言ったからか?」

 睡蓮は深々と頭を下げ違うとだけ答えた。

「雅樹、睡蓮さんと、あの」
「睡蓮さんと関係が無いというのは本当なのか」

 雅樹は視線をテーブルに落とし小さく頷いた。

「なんで、なんでこんな事に!叶さんとの約束が反故になるじゃ無いか!」

 その言葉に雅樹は父親を凝視し声を荒げた。

「そこが間違いなんだよ!会社が結婚するんじゃない!俺が結婚するんだ!」
「縁談前はどちらでも良いと言っていたじゃ無いか」
「睡蓮の前でそんな事を言うな!」

 睡蓮は膝の上で握り拳を作っていた。

「如何して俺が出張している間に縁談を進めたんだ!」
「それは、ねぇ。睡蓮さんの方が行儀作法が宜しくてーーお仲人さんもそう仰っていたから和田の家風に似合っていると思って」
「俺は家の為に犠牲になったのか!」
「雅樹、おまえこそ睡蓮さんに失礼だろう!」
「ごめん」
「いえ、本当の事ですから」

 気まずい空気の中、母親が口を開いた。

「じゃ、お金の事は如何考えているの?」
「金?」
「慰謝料とか、財産とか」

 百合は息子と嫁の離婚で何はさて置き金銭面を気に掛けている様子だった。

「ーーー母さん!」
「いえ、大切な事ですから」
「睡蓮」

「雅樹さんと話し合った結果、互いに慰謝料は不要という事になりました」
「マンションは如何するの」
「売却して頂いてその金額を分割、財産分与として下さい」
「そ、そう」

 機械的な睡蓮の声。思いの外少額で話が進む事に安堵した百合は離婚届に手を伸ばした。

「証人は如何するの」
「両親でも大丈夫だから父さん、頼む」
「そうか、もう決めたのか」

 睡蓮と雅樹は頷いたが離婚届を見た雅次は怪訝な顔をした。

「この田上伊月とは誰なんだ」
「私の主治医です」
「そうか」
「はい」

 雅次は万年筆を持ち印鑑を捺した。
 睡蓮は白い日傘を閉じた。玄関の扉を開けると閉め切った部屋には熱気が籠り首筋の汗に纏わり付いた。

「暑いわね」

 カーテンを開けると眩しい夏の太陽が灰色のリビングに降り注ぎ、窓を開け放てばポプラ並木のアブラゼミが賑やかしかった。

「あぁ、気持ち良い」

 そよぐ風が澱んでいた気配を撹拌かくはんし睡蓮は深呼吸した。

「お疲れさま」
「ああ」
「そんな顔をしないで、気にはしていないわ」

 和田の義父母が雅樹の嫁に選ぶ相手は叶家のどちらの娘でも良かった。今回は睡蓮が選ばれたがそれは決して本人の気性や個性を気に入っていた訳ではなかった。睡蓮はその事に薄々気付いてはいた。

「雅樹さんも大変だったのね」
「どういう意味」
「なんでもないわ」

 社会的な面子めんつと地位を守る事に躍起な雅次父親、親戚筋の前では体裁を取り繕い見栄を張る百合母親、この2人に嫡男として育てられた雅樹に自由は無かったのだろう。

「麦茶、飲む?」
「飲む」

 お揃いのグラスに注がれる琥珀色の香ばしい麦茶、睡蓮は未開封のままの冬物の衣類などが入った幾つかの段ボールを眺め呟いた。

「開ける必要は無かったわね」
「ごめん」
「そういう意味じゃないのよ、気にしないで」

 水滴が流れ落ちるグラス、2人はリビングテーブルを挟んでお互いの顔を見た。

「初めてかもしれないわ」
「そうだな」
「こうして真っ正面から向かい合って話せば良かったのかしら」
「そうかもしれないな」
「でも、木蓮が私と雅樹さんの心の中にいる限りそれは無理だわ」
「そうだな」

 睡蓮の微笑みは穏やかだった。

「今まで縛り付けてごめんなさい」
「俺も中途半端な事ばかりで申し訳なかった」

 離婚届は叶家に挨拶に行ってから2人で市役所に提出する事に決めた。

「ーーーあ」

 睡蓮がなにかを思い付きテーブルに身を乗り出した。

「雅樹さん、あなたいつかは木蓮と結婚するのよね」
「木蓮には婚約者が居るだろう」
「伊月先生は木蓮との婚約は解消したって言っていたわ」
「まさか」
「ご両親とも話し合ったって」
「それに伊月先生は私と結婚するんだもの、木蓮にはあげないわ」

 雅樹は離婚届も提出していない妻、睡蓮の言葉にどう答えて良いか戸惑った。

「木蓮と雅樹さんが結婚するならに嫁がせたくないわ」
「こんな家って、酷いなぁ」
「こんな世間体や見栄張りの塊に木蓮が押し潰されてしまうなんて許せない」
「木蓮には息苦しいだろうな」

 睡蓮はリビングテーブルを両手で叩いて雅樹に詰め寄った。雅樹はその勢いに気圧された。こんなに生き生きとした睡蓮を見るのは初めてだった。

「叶と和田家が結びつくもう一つの方法があるじゃない!」

 確かに。雅樹は自分では到底思い付かない提案をして来た睡蓮に木蓮の溌剌とした面立ちを重ねた。

「やっぱり双子なんだな」
「そうよ」
「考えそうな事まで同じなんだな」
「そうよ」

 無邪気に笑う睡蓮、この日雅樹はに目を細めた。
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