上 下
6 / 15
ティディベア

雨の夜

しおりを挟む
 雅樹はベンチから立ち上がる事が出来なかった。手元に戻って来た深紅の指輪、その感触に胸が締め付けられた。

(一旦白紙に戻して下さい、お願いします)

 あれはもう二度と 叶 木蓮 と会わない、叶家との縁を断ち切る事を意味していた。睡蓮と結婚すれば木蓮とは生涯親戚付き合いを続ける事となり、やがて木蓮が見知らぬ男と結婚し家庭を築く姿を目の当たりにしなければならない。そんな事は耐えられなかった。

(なんでだよ)

 それならばいっその事、他企業の子女と見合いをして和田の跡取りとして生きる道を選ぼうと両親に願い出たがそれは受け入れられなかった。

(分かってるよ)

 県内で叶製薬株式会社ほど老舗しにせで今後の発展が見込める企業はなく、和田医療事務機器株式会社にとってこの縁談を逃す手は無かった。

「おまえは和田の後継者なんだぞ」
「分かってるよ」
「頼んだぞ」
「分かってるよ」

 木蓮と出会う前は誰でも良かった。仲人が 叶睡蓮 と 叶木蓮 の見合い写真と釣り書きを持って来た時も「同じ顔じゃないか」「茶道に華道、こっちの方が和田に合いそうだな」と自身もそう思っていた。それは全くの見当違いだった。

ピッ

 車のルームミラーを覗くと口元に赤い線が付いていた。木蓮に口付けた時の名残りだ。雅樹は口紅の跡を拭う事も惜しく、唇に触れた感触と温もりを反芻した。

(ーーー木蓮しか考えられない)

 革のハンドルに額を預けた雅樹は物事が思うように進まない現状に苛立ちを感じた。フロントガラスに雨が打ち付け始めた。
「ただいま帰りました」

 玄関の扉を開けるとベージュ色のパンプスが揃えられていた。リビングから機嫌の良い父親の笑い声、普段よりも高い声色の母親の話し声が聞こえて来た。

(来客か、えらい賑やかだな)

 夕飯時に訪ねて来る客も珍しい。ビジネスバッグを階段に置き、扉を開けた雅樹は気が動転し一歩後ろに退いてしまった。

(も、木蓮)

 いや、違う。髪は亜麻色で仕草も柔らかく丁寧だ。

「睡蓮さん、どうして」
「どうしたもこうしたも、婚約者が遊びに来たんだ嬉しいだろう」
「ちょ、父さん」

 こう度々本人睡蓮の前で「婚約者が」「婚約者だろう」と発言されると両家の親たちが睡蓮との結婚を外堀そとぼりから埋めているようで雅樹は気が気では無かった。しかもそれを耳にする睡蓮の頬は赤らみとても嬉しそうだ。

(困ったな)

 そこで雅次が木蓮の口紅に気が付いた。

「ん、なんだ。雅樹、おまえ口の周りが赤いぞ」

 睡蓮の目の前で指摘され心臓が跳ね上がった。

「あーーと、差し入れで食べた飴かな。顔洗って来る」
「そうしなさい」

 そう言って頭を掻く雅樹の仕草ひとつにも睡蓮は微笑んでいる。

「いやぁ睡蓮さん、幾つになっても子どもみたいでお恥ずかしい」
「いえ、そんな事はないーーです」

 その後、睡蓮が持参したロールキャベツが食卓に並んだ。確かに料理の腕は確かだ。母親の味付けより薄味だが素材の味が活きている。雅樹は素直に感嘆の声を上げた。

「うまい!」
「雅樹さん、美味しいと言いなさい。失礼でしょう」
「いえ、喜んで頂けてーーー嬉しいです」

「睡蓮さん、本当に美味しいよ!お代わりある?」

「あーー父さんの分をやるから、本当に子どもみたいだな!」
「また、また作って来ます」
「ありがとう」

 お礼の言葉を口にした雅樹は我に帰った。これも両家の作戦だったのかも知れない。なにやら父親がほくそ笑んでいる様に見えた。

(あれか、先ずは胃袋を掴めって事か)

 まんまと策にはまった雅樹は皿に並んだ湯気の上がるロールキャベツと睡蓮の面差しを見た。確かに似ている、瓜二つだ。

(木蓮が、ロールキャベツ)

 あの木蓮がここ迄芸達者であるとは到底思えない。

(ーーーはぁ、勘弁してくれよ)

 両家の両親は睡蓮推しでその勢いは止まらず睡蓮もその気になっている。このまま中途半端な付き合いを続ければいつか睡蓮を傷付けてしまう。

(木蓮の気持ちも分かんねえし)

 雅樹は袋のねずみの心持になった。
「それでは失礼致します」
「また遊びに来てね」
「気を遣わなくても良いですから手ぶらでいらして下さい」
「ありがとうございます」

バタン

 食後の珈琲を飲み終える頃には21:00を過ぎていた。必然の流れで睡蓮は雅樹が運転する車の助手席に座った。雨は本降りでワイパーが激しく左右に動き、ボンネットで水煙を挙げる雨は煩かった。

(ーーー)

 然し乍ら車内は静まり返っていた。

(ーーーなに話して良いか分かんねえ)

 木蓮とは勝手が違う瓜二つの顔を持つ睡蓮。その対処に困った雅樹は思わずため息を漏らしてしまった。

「あ、すみません!今日は仕事が忙しくて!」
「そんな時に送って頂いて、すみません」
「いえ」
「ありがとうございます」
「はい」

 そしてまた会話が途切れる。テールランプの流れに乗っている時は誤魔化せるが赤信号で停車した途端に気まずくなる。

(確かにそうかもしんねぇけど)

 同僚は「見合い結婚なんてそんなもの」「条件が揃った相手を段々好きになるんだよ」と照れ臭い顔で笑った。それはそれで幸せなのだろう。

(そんなタイプの人間も居るよな)

 睡蓮は如何にも見合いで結婚するタイプの女性だと思った。

(あいつはーー違うよな)

 そこで視線に気が付いた。睡蓮の目がまるでお見通しと言わんばかりに雅樹の横顔を見つめていた。

「ど、どうしましたか」
「雅樹さん」

 それは今まで聞いた事の無い力強い声だった。

「私、諦めませんから」
「なにをですか」
「私、雅樹さんと結婚するつもりでいます」

 前言撤回、睡蓮も実は木蓮のように力強い側面を隠し持っていた。

「は、はい」
「私、負けませんから」
「誰にですか」
「木蓮です」
「え」

 叶家の門構えが見えて来た。この坂は道幅が狭く車で上る事が出来ない。ブレーキペダルを踏んだ雅樹は睡蓮の予想外の言葉に焦りながら、後部座席から取り出した雨傘を広げた。助手席のドアを開けるとベージュのパンプスが車から降りた。

「今日はありがとうございました、ロールキャベツ美味しかったです」
「ーーーはい」
「送って行きます」

 その時、雅樹の背広を掴み爪先立ちをした睡蓮が、その唇を奪った。もしかしたら雅樹の唇に付いていた赤色が木蓮の口紅の跡だと気付いていたのかも知れない。

「ーーーえっ」
「私、負けませんから!」

 そう言うと睡蓮は雨の中を走り去った。雅樹は呆然としてその背中を見送った。

「ーーー勘弁してくれよ」

 ただ大人しく両親の言いつけを守り、周囲に流されているだけだと思っていた睡蓮の豹変で見合い結婚がまるで恋愛の三角関係の程を成して来た。
 睡蓮は雅樹を想い、雅樹は木蓮に恋焦がれ、木蓮は、木蓮はーー雅樹はアクセルペダルを踏んだ。
 玄関の引き戸を開けた睡蓮のワンピースは色を変え、髪の毛からは雨の雫が滴った。急に走り出した為か持病の気管支喘息の咳が出始め、背中を丸めながらパンプスを脱ぐと酷く咽せた。

「おかえり」

 逆光の中、木蓮が心配そうな表情で立っていた。

「睡蓮、あんたなにしてんの!ずぶ濡れで咳も出てるじゃない!」
「ーーーただいま」

 睡蓮は木蓮の目を見ずに通り過ぎ、洗面所で手を洗い始めた。

「ほら、これ!」

 木蓮は睡蓮にタオルと携帯気管支喘息用吸入器ネフライザーを手渡そうとしたが、睡蓮の視線は木蓮の唇に向けられた。

(ーーーラメ入りのアプリコットレッド)

 それは二人お揃いで購入した口紅だった。睡蓮は雅樹の口元を彩った赤色が飴の色では無い事に瞬時に気が付いた。だからこそ雅樹の唇を奪う無謀な振る舞いに出たのだ。

「ありがとう」
「どうしたの、なにかあったの。しかもこんな遅くまで何処に行ってたの」
「木蓮、お母さんみたいよ」
「だって、今までこんな事無かったじゃない」

 睡蓮の目は木蓮に挑むような厳しいものになった。

「雅樹さんのお宅よ」
「ーーーえ」
「雅樹さんとお義父さま、お義母さまとお食事して来たの」
「あいつんち」
「私の作ったロールキャベツを美味しいってお代わりしてくれたわ」
「そうなんだ」
「楽しかったわ」
「良かったじゃない」

 睡蓮はそれに返事もせずに階段を上って行った。木蓮は睡蓮の表情に今までとは異なるものを感じ戸惑った。

(睡蓮があいつの家に行った)

 雅樹の家で食事をして来たと言う誇らしげな睡蓮。しかも雅樹の両親を交えて自身が持参した料理に舌鼓を打ったと言う。

(ーーーあいつ、私と結婚したいって言ったのに)

 木蓮は睡蓮と雅樹の縁談を応援すると言いながら、心の何処かで雅樹の言葉や深紅の指輪に甘んじていた自分にようやく気が付いた。矢張やはり自分も雅樹に好意を寄せていたのだ。

「ーーーどうしてこうなるかなぁ」

 木蓮は部屋のベッドに腰掛け、ため息を吐きながら枕元に置かれたシリアルナンバー入りのティディベアを眺めた。これは小学六年生の時、父親がアメリカ出張の際に土産物として二人に贈ったぬいぐるみだ。

「お土産だよ」

 父親がソファに座らせたのはビターチョコレートに似た焦茶と、ミルクティーのようなベージュのティディベアだった。二人の娘の髪の色に合わせて買い求めたのだが想定外の出来事が起きた。

「これ、私、これにする!」
「ーーーえっ」

 真っ先にソファに駆け寄った木蓮の手はベージュのティディベアを握っていた。睡蓮は無言で焦茶のティディベアを抱きしめたが実際は自分の髪の色のティディベアが欲しかったらしくベッドの中で泣いたと言う。

「あの時は父さんが失敗したよ、同じ色を買えば良かった」
「そんな事があったんだ」

 木蓮がその事を父親から聞いたのは高校生になってからだった。
 そして高等学校の卒業式、桜が綻ぶ頃の出来事だった。

「へぇ、あんなタイプが良いの」
「ーーーーうん」

 睡蓮は高等学校2年生の時、バスケットボールクラブに所属している一学年先輩の男子生徒に恋心を抱いていた。普段は受動的な睡蓮がバスケットボールの校外試合を観に行くと言い出した時、木蓮は驚きを隠せなかった。

「分かったわ、着いて行ってあげる」
「ーーーありがとう」

 そうして二人は体育館の2階からコートを走り回る姿を眺めた。その先輩が卒業する、睡蓮はバスケットボールを刺繍したハンカチと手焼きのクッキー、初めて書いたというラブレターを袋に詰めた。

「ーーー恥ずかしい」
「分かったわよ、私が渡してくるわ」
「ーーーありがとう」

 桜の樹の下で事件は起こった。その先輩はプレゼントが木蓮からのものだと思い逆に木蓮が告白されてしまった。

「叶さん、卒業しても付き合ってくれないかな」
「えええーーーと、違うんだけどな」
「どういう事」
「これ、姉からなの」
「あーーー、そういう事か、ならごめん!」

 引っ込み思案な睡蓮よりも華やかな木蓮が人目を引いた。

「あ、あのさ睡蓮」
「どうだった?」
「彼女がいるんだって」
「そうなの」

「そう!」
「そうなの」
「次よ、次!」
「次なんてないわ」

 嘘も方便でこの件が露見する事はなかったが木蓮は冷や汗をかいた。

「あーーーーでもヤバかった!」
「なにがヤバかったの」
「なんでもないわ」
「そうなの?」
「なんでもない、なんでもない」

 自分の好きな人が妹に好意を抱いていると知ったら睡蓮は酷く落ち込むだろう。
 



 例のティディベアの一件から始まり、その後も選ぶ服、習い事、好意を寄せる男性など木蓮と比較される度に睡蓮の気持ちは沈んだ。

「木蓮はなんでも出来るから羨ましいわ」
「睡蓮はもっと自分を出さなきゃ駄目よ」
「木蓮みたいには出来ないわ」
「そーーんな事ないって!出来る、出来る!」

 一度落ち込むと悲観的になる弱い面を持つ睡蓮に対し、木蓮は次第に気を遣う様になった。

「睡蓮、大丈夫か」
「無理しないで、木蓮にお願いしたら?」

 そして両親も気管支喘息のがあり自己主張に乏しい睡蓮に手を掛けがちだった。その点に於いては木蓮は言葉に出す事はなかったが寂しい思いをした。

(睡蓮もなぁ)

 これまで木蓮は周囲に配慮して生きてきた。

(こんなのってアリ?最低じゃない)

 そこに現れたのが和田雅樹で本音で気兼ねなく話す事が出来た。それが恋心だと気付いた時、雅樹は睡蓮の想い人、婚約者となっていた。
 睡蓮はビターチョコレートのティディベアを胸に抱いてベッドに寝転んでいた。脳裏に浮かぶのはこのぬいぐるみを手にした瞬間の虚無感、悲しみ。

(ベージュのくまが良かったのに)

 一目散にソファに駆け寄ってベージュのティディベアの腕を掴んだ木蓮の満面の笑み、父親は戸惑っていたがなにも言わなかった。

(じゃんけんする事だって出来たわ)

 けれど一番腹が立つのは「これが良い」と言い出せなかった睡蓮自身だった。木蓮に「私もそれが良い」と言わなかった癖に隠れてベッドの中で泣き、母親に頭を撫でられていた自分。

(自分が嫌い)

 睡蓮は両親や木蓮からの過保護ともいえる気遣いを肌で感じていた。

(自分が嫌い)

 睡蓮は自分の情けなさや弱さを重々承知していた。一人で頑張ろうと決意した事もあるがそれは難しかった。

(自分が嫌い、木蓮も嫌い)

 同じ母親から生まれ同じ顔であるにも関わらず、睡蓮は気管支喘息を患い部屋の中から窓の外を眺め、健康な木蓮は庭を所狭しと走り回っていた。

「木蓮、危ないよ」
「だーいじょうぶー!」

 心配そうに空を見上げていた睡蓮も木蓮の様に泰山木の枝に座って浅野川の景色を見たかった。いつしか睡蓮は、自分が内向的で受動的なのは身体的に劣っているからだと思う様になった。

(木蓮が嫌い)

 その微妙な均衡が和田雅樹と出会った事で揺らぎ始めた。睡蓮自身、この見合いで雅樹にときめきはしたものの縁談にはそれ程乗り気ではなかった。

(あの赤い指輪)

for mokuren masaki

 雅樹が木蓮に贈った深紅の指輪を見つけた瞬間、これまで抑えていた睡蓮の負の感情が許容量を超えて溢れ出した。

(木蓮には負けたくない)

 和田雅樹は決してくまのぬいぐるみでは無い。然し乍ら睡蓮の心には恋情という殻に包まれた、別の感情が芽生えていた。
 朝日が差し込む叶家のダイニングテーブルでは三人の会話が弾んでいた。

「睡蓮、おまえ彼方さんのお宅にお邪魔したんだって?」
「うん」
「こりゃあ驚きだ」
「やめてよ」

美咲さん雅樹の母も喜んでいたわ」
「なにをだ」
「睡蓮が作ったお料理を雅樹さんが美味しいってお代わりしたんですって!」
「あぁ、ロールキャベツか」
「うん」
「睡蓮のロールキャベツは美味いからな!父さんにも作ってくれよ」
「うん」

 木蓮はその話題の中に入る事が出来ず味噌汁の豆腐を摘んでは崩していた。いつもならば「ええー、すごい!」と相槌を打つ所だが、喉の奥に魚の小骨が刺さった様で言葉が出ない。

「どうしたんだ」

 その表情に気付いた父親が怪訝な顔をした。

「木蓮、身体の具合でも悪いの?」

 母親がその横顔を覗き込んだ。

「ううん、なんでもない」
「そんな事無いでしょう、なんだかおかしいわよ」

 ふと顔を挙げると睡蓮の目が笑っていない事に気が付いた。自分がなにをしたと言うのだ。睡蓮の変化に木蓮は気不味さとひと匙の怒りを感じた。

(あいつと結婚出来るんだから良いじゃない!)

 すると能天気な父親がとんでもない事を言い出した。姉の睡蓮の縁談が纏まりそうなので木蓮がへそを曲げているのだと勘違いしたようだ。

「なんだ、寂しいのか」
「なにがよ」
「睡蓮が嫁に行くから寂しいんだろう」
「子どもじゃあるまいし、変な事言わないでよ」

 そして両親は顔を見合わせて頷いた。木蓮が味噌汁に口を付けた瞬間、とんでもない言葉が転がり出た。

ぶっ!

「な、今、なんて言ったの!」
「おまえに縁談の話が来ている」
「ふはぁーーーーーーーー!?」
「ゴルフの掛け声みたいだな。朝からご近所迷惑だぞ」

 懲りない父親はティディベアをもう一体見繕みつくろって来たようだ。これには睡蓮も驚いた様でご飯茶碗の上で箸が止まっていた。

「お父さん、懲りないわね」
「なにがだ」
「私は振袖なんて着ないわよ」

 母親は笑顔を崩さない。

「木蓮の事をよくご存知な方だからいつもの服装で良いそうよ」
「ふはぁーーーーーーー!?」
「ご近所迷惑だぞ」

 木蓮の年齢と見合う両親が歓迎する結婚相手、思い当たる人物が一人だけ居る。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

森でオッサンに拾って貰いました。

来栖もよもよ&来栖もよりーぬ
恋愛
アパートの火事から逃げ出そうとして気がついたらパジャマで森にいた26歳のOLと、拾ってくれた40近く見える髭面のマッチョなオッサン(実は31歳)がラブラブするお話。ちと長めですが前後編で終わります。 ムーンライト、エブリスタにも掲載しております。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~

けいこ
恋愛
「絶対に後悔させない。今夜だけは俺に全てを委ねて」 燃えるような一夜に、私は、身も心も蕩けてしまった。 だけど、大学を卒業した記念に『最後の思い出』を作ろうなんて、あなたにとって、相手は誰でも良かったんだよね? 私には、大好きな人との最初で最後の一夜だったのに… そして、あなたは海の向こうへと旅立った。 それから3年の時が過ぎ、私は再びあなたに出会う。 忘れたくても忘れられなかった人と。 持ちかけられた契約結婚に戸惑いながらも、私はあなたにどんどん甘やかされてゆく… 姉や友人とぶつかりながらも、本当の愛がどこにあるのかを見つけたいと願う。 自分に全く自信の無いこんな私にも、幸せは待っていてくれますか? ホテル リベルテ 鳳条グループ 御曹司 鳳条 龍聖 25歳 × 外車販売「AYAI」受付 桜木 琴音 25歳

野獣御曹司から執着溺愛されちゃいました

鳴宮鶉子
恋愛
野獣御曹司から執着溺愛されちゃいました

私の婚活事情〜副社長の策に嵌まるまで〜

みかん桜(蜜柑桜)
恋愛
身長172センチ。 高身長であること以外はいたって平凡なアラサーOLの佐伯花音。 婚活アプリに登録し、積極的に動いているのに中々上手く行かない。 名前からしてもっと可愛らしい人かと…ってどういうこと? そんな人こっちから願い下げ。 −−−でもだからってこんなハイスペ男子も求めてないっ!! イケメン副社長に振り回される毎日…気が付いたときには既に副社長の手の内にいた。

【R18】愛され総受け女王は、20歳の誕生日に夫である美麗な年下国王に甘く淫らにお祝いされる

奏音 美都
恋愛
シャルール公国のプリンセス、アンジェリーナの公務の際に出会い、恋に落ちたソノワール公爵であったルノー。 両親を船の沈没事故で失い、突如女王として戴冠することになった間も、彼女を支え続けた。 それから幾つもの困難を乗り越え、ルノーはアンジェリーナと婚姻を結び、単なる女王の夫、王配ではなく、自らも執政に取り組む国王として戴冠した。 夫婦となって初めて迎えるアンジェリーナの誕生日。ルノーは彼女を喜ばせようと、画策する。

完結*三年も付き合った恋人に、家柄を理由に騙されて捨てられたのに、名家の婚約者のいる御曹司から溺愛されました。

恩田璃星
恋愛
清永凛(きよなが りん)は平日はごく普通のOL、土日のいずれかは交通整理の副業に励む働き者。 副業先の上司である夏目仁希(なつめ にき)から、会う度に嫌味を言われたって気にしたことなどなかった。 なぜなら、凛には付き合って三年になる恋人がいるからだ。 しかし、そろそろプロポーズされるかも?と期待していたある日、彼から一方的に別れを告げられてしまいー!? それを機に、凛の運命は思いも寄らない方向に引っ張られていく。 果たして凛は、両親のように、愛の溢れる家庭を築けるのか!? *この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。 *不定期更新になることがあります。

出会ったのは間違いでした 〜御曹司と始める偽りのエンゲージメント〜

玖羽 望月
恋愛
 親族に代々議員を輩出するような家に生まれ育った鷹柳実乃莉は、意に沿わぬお見合いをさせられる。  なんとか相手から断ってもらおうとイメージチェンジをし待ち合わせのレストランに向かった。  そこで案内された席にいたのは皆上龍だった。  が、それがすでに間違いの始まりだった。 鷹柳 実乃莉【たかやなぎ みのり】22才  何事も控えめにと育てられてきたお嬢様。 皆上 龍【みなかみ りょう】 33才 自分で一から始めた会社の社長。  作中に登場する職業や内容はまったくの想像です。実際とはかけ離れているかと思います。ご了承ください。 初出はエブリスタにて。 2023.4.24〜2023.8.9

処理中です...