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協定
しおりを挟む「フルメ男爵、我が領土と永遠の誓いを結んで貰えないだろうか」
「伯爵さまからのお申し出、喜んでお受けさせて頂きます」
収穫した穀物を刈り取る農機や脱穀機の燃料には石炭を利用していた。その石炭を融通して貰えるのならば願ったり叶ったりでハロネン伯爵家とフルメ男爵家は永遠の誓い、すなわち経済的協定を結ぶ事となった。
「我が家には双子の姉妹がおります。その1人を伯爵さまの元に嫁がせましょう」
「ありがたいお言葉、これで両家は安泰ですな」
丁度その年、フルメ男爵家には黄金の髪を持つヘルガ、白銀の髪を持つキエロという双子の姉妹が生まれた。また、ハロネン伯爵家にはその娘たちより2歳年上のアルベルトという嫡男がいた。
「婚約の儀は我が息子の10歳の誕生日に執り行いたい」
「どちらの娘を嫁がせましょう」
「それはアルベルトに決めさせてはいかがだろうか?」
「承知致しました」
こうして両家の思惑の元、アルベルト、ヘルガ、キエロの運命が動き出した。
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