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第1章 雨宮凛
私服と警棒②
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「お待たせっ」
そうこうしていると、凛と愛梨がやってきた。
二人は待ち合わせ時間ちょうどだった。
「おおおお! 凛ちゃんの私服!」
いきなり純哉のテンションが凄く上がる。
今日の凛の服装は、胸元にたっぷりドレープがあるカジュアルなローウェストの紺色長袖ワンピースに、黒タイツとパンプスだった。確かに、最近見慣れている制服姿と比べると、かなり大人っぽい。大学生みたいだ。
一方愛梨は、長袖の黒いTシャツにピッタリとフィットしたジーンズ。一見地味な組み合わせだが、愛梨の身体にフィットしている分、くっきりと身体のラインが浮き彫りになっていて、なかなか色気がある。こう見ると愛梨も結構イケるんだけどな。
「あ? 何見てんだよ」
如何せん、性格がこれだから素材を無力化してしまっている。
こいつもある意味残念な奴だよな。こんな事言ったら殺されるんだろうけど。
「今日は凛と合わせなかったんだな」
ぽそりと言ってやると、愛梨は黙ったまま笑顔で鞄の中から伸び縮みするタイプの警棒を取り出した。
「ちょっ、待て待て待てーいっ! 何て物騒なもん持ってんだよ!」
「あんた等の頭をかち割る為……っていうのは嘘で、人が多いと何があるかわかんねぇだろ」
凛をちらりと見て言う。
ああ、凛を守る為に持ってきたのか。何気にそういう気は回るんだな、愛梨って。今まであまりに自由奔放だったから知らなかった。
「そんなに気を遣わなくていいのに……」
凛は苦笑していたが、念には念をでいいだろう。剣道有段者の愛梨に警棒を持たせておけば怖いものは無い。その凶器の矛先がこちらに向く可能性がある危険を除けば、だが。今日は愛梨には逆らわないでおこう。
「よっしゃ! じゃあもうすぐ電車くるから駅入ろうぜ」
純哉の呼びかけに俺達は頷き、駅の改札へと向かった。
田舎の電車は二十分に一本しか電車が無いのだ。
そうこうしていると、凛と愛梨がやってきた。
二人は待ち合わせ時間ちょうどだった。
「おおおお! 凛ちゃんの私服!」
いきなり純哉のテンションが凄く上がる。
今日の凛の服装は、胸元にたっぷりドレープがあるカジュアルなローウェストの紺色長袖ワンピースに、黒タイツとパンプスだった。確かに、最近見慣れている制服姿と比べると、かなり大人っぽい。大学生みたいだ。
一方愛梨は、長袖の黒いTシャツにピッタリとフィットしたジーンズ。一見地味な組み合わせだが、愛梨の身体にフィットしている分、くっきりと身体のラインが浮き彫りになっていて、なかなか色気がある。こう見ると愛梨も結構イケるんだけどな。
「あ? 何見てんだよ」
如何せん、性格がこれだから素材を無力化してしまっている。
こいつもある意味残念な奴だよな。こんな事言ったら殺されるんだろうけど。
「今日は凛と合わせなかったんだな」
ぽそりと言ってやると、愛梨は黙ったまま笑顔で鞄の中から伸び縮みするタイプの警棒を取り出した。
「ちょっ、待て待て待てーいっ! 何て物騒なもん持ってんだよ!」
「あんた等の頭をかち割る為……っていうのは嘘で、人が多いと何があるかわかんねぇだろ」
凛をちらりと見て言う。
ああ、凛を守る為に持ってきたのか。何気にそういう気は回るんだな、愛梨って。今まであまりに自由奔放だったから知らなかった。
「そんなに気を遣わなくていいのに……」
凛は苦笑していたが、念には念をでいいだろう。剣道有段者の愛梨に警棒を持たせておけば怖いものは無い。その凶器の矛先がこちらに向く可能性がある危険を除けば、だが。今日は愛梨には逆らわないでおこう。
「よっしゃ! じゃあもうすぐ電車くるから駅入ろうぜ」
純哉の呼びかけに俺達は頷き、駅の改札へと向かった。
田舎の電車は二十分に一本しか電車が無いのだ。
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