ねぇ…勝負をしない?

雪華

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1章

6話

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俺は… 

「俺にとって大事な人です!俺は千尋がいないと心に大きな穴がぽっかり空いていて何もする気が起きなくなるんです。
それに千尋は俺の半身だと思ったから。よく半身はすぐに分かると言われているけど、俺は千尋と一緒にいることで半身だと確信できた。だから……どうか千尋の居場所を教えてください!」

「分かったわ。あなたはこれから天野さんのことを話すけど……耐えられる?」

「はい。どんなことでも…
                                          受け入れます」

「天野さんはね…原因不明の病気なのよ…あと残された時間は半年……いいえあと持って2週間ぐらいでしょう。今はここから見える病院に入院をしているわ。それに本当はね1ヶ月ぐらい前に入院をしないかと病院の先生に言われたのよ。入院をすれば3ヶ月は生きれるけどしなかった場合は1ヶ月半で亡くなってしまうと言われたにも関わらず天野さんは迷わず1ヶ月半を選んだのよ。なんでだと思う?」

「それは自由に生きたかったから?」

「ふふ…半分正解で半分ハズレよ。本当はね…この1ヶ月をあなたと共に自由に生きたかったからよ。あの子と別れたのは屋上でしょ?その後に私の元に来て「大好きな人に嫌われてしまった」と呟きながら話をポツポツと話してくれたわ。とても苦しかったのでしょうね…好きな人の告白を聞いて、悪女になり切って振って静かに涙を流してたわ。その後に「今までありがとうございました。」と言ってこの保健室を…いいえ学校を去ったわ。もちろん校長にも退学届けを出して行ったわ。私はここまでのことしか知らないから。今は入院をしているはずだけど…私は天野さんの部屋番号は知らないわ…これからどうするかは鬼宮君しだいよそれではさようなら」

「先生、色々なことを教えて下さりありがとうございました。俺は千尋の病院に行きます。先生さようなら」

俺は今日は面会時間が過ぎていると思ったので明日の面会時間が始まる時に行こうと思い俺は学校にしばらく休むと電話を入れた。
…………………

次の日になり俺は10時から面会時間が始まるので準備をして家を出た。病院着き俺は千尋の病室を聞いた。受付の人は快く教えてくれ501号室に居ると言われた部屋に向かった。部屋の前に行くと俺は緊張をし何回か深呼吸をした。

コンコン

「はーい」

中から千尋の声がし、俺には幸福感が溢れた。意を決して扉を開けた…

ガラガラガラ
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