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第三十八話
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「マルク君、肩で息をしているじゃないか。本当に今からヒュドラに打ち勝てる方法があるとでも思っているのかい? まぁ、諦められない気持ちはわかるけれどね。納得が行くようにやるといいさ」
ヨハンが僕へとそう言った。
僕は黙ったまま、ヒュドラを睨む。
無謀かもしれないけれど、勝算がないわけではない。
ヒュドラの頑丈さは鱗に裏打ちされたものだ。
鱗さえどうにか引き剥がすことができれば、ダメージを与えることだってできるはずだ。
そしてもう一つ……僕はヒュドラの毒について、一つの疑念があった。
もしもこれが合っていれば、ヒュドラの鱗を剥がすことができる。
一方的にいいようにされていたけれど、それだけではない。
ヒュドラの手の内が見えてきた。
僕は触手で床を弾き、ヒュドラへと跳んだ。
「後がないと思って、勝負を決めにきたか。まぁ、そうするしかないだろうね。でも、無駄だよ」
ヒュドラが尾と爪を縦横無尽に振るい、僕を狙う。
ただでさえ崩落の進んでいる侯爵邸が大きく揺れ、上から瓦礫が落ちてくる。
やっぱり避けるのでせいいっぱい……とても、攻撃に転じる機会がない。
「押し潰してやる!」
ヒュドラの尾が迫ってくる。
それを僕は触手で絡め、押し合いへと持ち込むが……すぐに力負けして、押され始めた。
「精霊融合の触手なんかで、召喚されたヒュドラと押し合いができるわけがない……」
「ここだっ!」
僕は触手でヒュドラの尾を地面へと叩きつけ、その反動で宙へと跳んだ。
土煙が舞い、互いの視界が潰れた。
僕は視界が潰れている中……触手で掴んでおいた、赤紫の結晶を投擲した。
これはヨハンがヒュドラのマナで発動した魔法、〈毒牙水晶〉のものだ。
狙いはヒュドラの肩……僕が最初に〈炎球〉で鱗を剥がした部分である。
ここであれば、鱗に妨げられずに毒の結晶を突き刺すことができる。
視界が晴れたと同時に、僕は床へと着地する。
「そろそろ諦めたらどうかな? そう逃げ回ったところで、君が一方的に命を危険に晒し続けているだけだ。時間が掛かれば掛かるだけ、君の身体に魔法毒が回る。どう足掻いたって勝ち目なんて……」
「グ……グ、グゥオオオオオオオッ!」
ヒュドラが怒りの咆哮を上げた。
「なっ!? 魔法毒の結晶……これを狙って、回収していたのか!?」
ヨハンは顔を蒼くして、ヒュドラを見上げる。
『よくやったぞ、マルク! ヒュドラ相手に、初めて有効打が取れた!』
「……大精霊の耐久力は人間の比じゃない、この程度、いくら受けたって致命傷にはなり得ない……はずだけれど、これ以上長引かせるのは、少し危険か。マルク君、君がここまでだとは思っていなかったよ。僕は君に、手放しの称賛を送ろう」
ヒュドラの口の前に、大きな魔法陣が展開された。
「この至近距離では、まともに躱せまい! 避けたところをヒュドラの尾で叩き殺す! 〈毒竜瀑布〉!」
大量の毒液が、僕目掛けて放射される。
僕は触手を大きく広げて、放射された毒へと飛び込んだ。
『マルク、何をしておる!?』
ネロが慌てふためいた声を上げる。
「……僕は、有効打を与えるために毒結晶を放ったんじゃない。ちゃんとヒュドラに魔法毒が効くのか、それを確かめておきたかったんだ」
ヒュドラの魔法毒は、爪としてマナを結晶化して纏っている分だけだ。
後はヨハンがヒュドラのマナを用いて放った魔法だけだ。
〈毒竜瀑布〉も、口から毒液を噴射しているわけではなく、息に乗せて放ったマナを毒化しているだけなのだ。
通常ヒュドラが用いる魔法毒は、安全な結晶化されたものだけであり、それらも常に身体に爪先だけに纏っており、本体を傷付けないようになっている。
だからヒュドラの魔法毒がヒュドラに効く、という勝算が僕にはあった。
ただ、確信はなかった。
だから最後の策の前に確かめておきたかったのだ。
僕は広げた触手で毒液を受け止め、それと同時に、毒液の一部を包み込んだ。
毒飛沫が微かに僕の身体を掠め、生命力を奪うのがわかった。
触手も毒に耐え切れずに、溶け出して毒が滲み出している。
「まさか……! や、止めろ、マルク君!」
ヨハンが目を見開き、叫ぶ。
僕は毒液を覆った触手の束で、ヒュドラの胸部をぶん殴った。
包んでいた毒液と、触手の黒ずんだ断片が周囲へ飛び散る。
ヒュドラの胸部の鱗が煙を上げ、黒くなって溶け出していた。
「グゥオ、グゥオオオオオオオオオッ!」
ヒュドラが悲鳴を上げた。
「……ここだ!」
僕は余力を注ぎ込むつもりで、刀で一閃を放つ。
毒に腐食されていた鱗が砕け散り、ヒュドラの血肉が舞った。
「ギィ、ギィイイイイイイッ!」
ヒュドラは三つの首を苦しげにうねらせ、壁を巻き込みながら横倒しになった。
光に包まれ、その巨体が消えていく。
「か、勝った! はは、ははははは! 見てください侯爵様、これっ、マルク君が、勝った!」
ギルベインさんが歓喜の声を上げる。
彼の目には涙が溜まっていた。
「ヒュドラは、死んだの……?」
『精霊はそう簡単には死なんが……しばらくこちらには顕在できなくなるであろうな。精霊紋越しに力を送ることもできんはずだ。……そして、複数の精霊と契約を結ぶことはできん。不気味な童だったが、これ以上は何もできまい』
ネロは消えていくヒュドラの巨躯を眺め、そう口にする。
光と化していくヒュドラの奥に、身体が赤黒く変色して縮んだ、トーマスの成れの果ての姿が見えた。
マナを搾り取られて木乃伊と化しているようだ。
「大精霊が……たかだか、一人間に敗れた……? 有り得ない……こんなこと……どうして……? に、人間の身で、大精霊に勝つなんて……そんなの、そんなの、世の理を侵している……不敬じゃないか……。こんな不条理、あっていいわけがない……」
ヨハンは呆然と、ヒュドラが消えていく様を見つめていた。
「僕は、選ばれた人間なんだ……こんな、計画の初歩の初歩で、死ぬわけがないじゃないか……。僕はまだ、何も成し遂げていないのに。世界は、このままではいけないのに……」
ヨハンはティアナ様を掴んでいるのとは逆の手で、自身の頭を押さえる。
「そ、そうだ! 僕がこんなところで終わるわけがない! これは試練なんだ……世界の意志が、僕を試しているんだ! 乗り越えられない試練を、僕へお与えになるわけがない! だって僕は、世界を救い、導く存在なんだから! 一度仕切り直せばいいんだ! ゼータや黒武者なんかじゃ力不足だった! ヒュドラが駄目なら、もっと強い精霊を使えばいい! やり直せば、次はもっと上手くやれる! 僕の精進が、信念が足りなかったと、世界の意志がそう教示してくださっているんだ!」
ヨハンは狂気染みた形相でそう叫ぶと、ティアナ様の胸部へと手を突きつけた。
その指先には炎のルーン文字が浮かんでいる。
「ぼ、僕に近づくなマルク! 彼女の命が惜しければね!」
『やれ、マルク』
「……うん」
僕は最後の力を振り絞って、触手で床を叩き、ヨハンへと跳んだ。
「くっ、来るな! 来るなよぉ! 僕は世界を導かなければならないんだ! 邪魔をするな化け物が!」
ヨハンのルーン文字が光を増す。
魔法が発動するより一瞬早く、僕の触手がヨハンの身体を殴り飛ばした。
僕はヨハンと縺れ合う形になって、壁へと衝突した。
「はぁ、はぁ……」
僕の身体も、既に限界が近かったようだ。
魔法毒は既に解除されたはずだけれど、足が思うように動かない。
ヨハンはぐったりと床の上に倒れていた。
「あ、ああ、ずっと瞼の裏に見えていた、真理の精霊が遠ざかっていく……。僕は、見放されたのか……? 何が、何が駄目だったんだ……? やっぱり僕達は、トーマスなんて使うべきじゃなかったのか? それとも僕が、僕より純粋で力を持っている彼を、汚い策謀で出し抜こうとしたからなのか? わからないよ……僕には……。世界の意志は、僕に何を求めていたんだ……?」
ヨハンはそう呻き声を上げ……瞼を閉じた。
『……精霊など、ニンゲンが思うような高尚な存在ばかりではないわい。こやつが何を見ていたのかは知らんが、理解の及ばん存在に救いを求めるとはな。憐れな童よ』
ネロが小さくそう呟いた。
ヨハンが僕へとそう言った。
僕は黙ったまま、ヒュドラを睨む。
無謀かもしれないけれど、勝算がないわけではない。
ヒュドラの頑丈さは鱗に裏打ちされたものだ。
鱗さえどうにか引き剥がすことができれば、ダメージを与えることだってできるはずだ。
そしてもう一つ……僕はヒュドラの毒について、一つの疑念があった。
もしもこれが合っていれば、ヒュドラの鱗を剥がすことができる。
一方的にいいようにされていたけれど、それだけではない。
ヒュドラの手の内が見えてきた。
僕は触手で床を弾き、ヒュドラへと跳んだ。
「後がないと思って、勝負を決めにきたか。まぁ、そうするしかないだろうね。でも、無駄だよ」
ヒュドラが尾と爪を縦横無尽に振るい、僕を狙う。
ただでさえ崩落の進んでいる侯爵邸が大きく揺れ、上から瓦礫が落ちてくる。
やっぱり避けるのでせいいっぱい……とても、攻撃に転じる機会がない。
「押し潰してやる!」
ヒュドラの尾が迫ってくる。
それを僕は触手で絡め、押し合いへと持ち込むが……すぐに力負けして、押され始めた。
「精霊融合の触手なんかで、召喚されたヒュドラと押し合いができるわけがない……」
「ここだっ!」
僕は触手でヒュドラの尾を地面へと叩きつけ、その反動で宙へと跳んだ。
土煙が舞い、互いの視界が潰れた。
僕は視界が潰れている中……触手で掴んでおいた、赤紫の結晶を投擲した。
これはヨハンがヒュドラのマナで発動した魔法、〈毒牙水晶〉のものだ。
狙いはヒュドラの肩……僕が最初に〈炎球〉で鱗を剥がした部分である。
ここであれば、鱗に妨げられずに毒の結晶を突き刺すことができる。
視界が晴れたと同時に、僕は床へと着地する。
「そろそろ諦めたらどうかな? そう逃げ回ったところで、君が一方的に命を危険に晒し続けているだけだ。時間が掛かれば掛かるだけ、君の身体に魔法毒が回る。どう足掻いたって勝ち目なんて……」
「グ……グ、グゥオオオオオオオッ!」
ヒュドラが怒りの咆哮を上げた。
「なっ!? 魔法毒の結晶……これを狙って、回収していたのか!?」
ヨハンは顔を蒼くして、ヒュドラを見上げる。
『よくやったぞ、マルク! ヒュドラ相手に、初めて有効打が取れた!』
「……大精霊の耐久力は人間の比じゃない、この程度、いくら受けたって致命傷にはなり得ない……はずだけれど、これ以上長引かせるのは、少し危険か。マルク君、君がここまでだとは思っていなかったよ。僕は君に、手放しの称賛を送ろう」
ヒュドラの口の前に、大きな魔法陣が展開された。
「この至近距離では、まともに躱せまい! 避けたところをヒュドラの尾で叩き殺す! 〈毒竜瀑布〉!」
大量の毒液が、僕目掛けて放射される。
僕は触手を大きく広げて、放射された毒へと飛び込んだ。
『マルク、何をしておる!?』
ネロが慌てふためいた声を上げる。
「……僕は、有効打を与えるために毒結晶を放ったんじゃない。ちゃんとヒュドラに魔法毒が効くのか、それを確かめておきたかったんだ」
ヒュドラの魔法毒は、爪としてマナを結晶化して纏っている分だけだ。
後はヨハンがヒュドラのマナを用いて放った魔法だけだ。
〈毒竜瀑布〉も、口から毒液を噴射しているわけではなく、息に乗せて放ったマナを毒化しているだけなのだ。
通常ヒュドラが用いる魔法毒は、安全な結晶化されたものだけであり、それらも常に身体に爪先だけに纏っており、本体を傷付けないようになっている。
だからヒュドラの魔法毒がヒュドラに効く、という勝算が僕にはあった。
ただ、確信はなかった。
だから最後の策の前に確かめておきたかったのだ。
僕は広げた触手で毒液を受け止め、それと同時に、毒液の一部を包み込んだ。
毒飛沫が微かに僕の身体を掠め、生命力を奪うのがわかった。
触手も毒に耐え切れずに、溶け出して毒が滲み出している。
「まさか……! や、止めろ、マルク君!」
ヨハンが目を見開き、叫ぶ。
僕は毒液を覆った触手の束で、ヒュドラの胸部をぶん殴った。
包んでいた毒液と、触手の黒ずんだ断片が周囲へ飛び散る。
ヒュドラの胸部の鱗が煙を上げ、黒くなって溶け出していた。
「グゥオ、グゥオオオオオオオオオッ!」
ヒュドラが悲鳴を上げた。
「……ここだ!」
僕は余力を注ぎ込むつもりで、刀で一閃を放つ。
毒に腐食されていた鱗が砕け散り、ヒュドラの血肉が舞った。
「ギィ、ギィイイイイイイッ!」
ヒュドラは三つの首を苦しげにうねらせ、壁を巻き込みながら横倒しになった。
光に包まれ、その巨体が消えていく。
「か、勝った! はは、ははははは! 見てください侯爵様、これっ、マルク君が、勝った!」
ギルベインさんが歓喜の声を上げる。
彼の目には涙が溜まっていた。
「ヒュドラは、死んだの……?」
『精霊はそう簡単には死なんが……しばらくこちらには顕在できなくなるであろうな。精霊紋越しに力を送ることもできんはずだ。……そして、複数の精霊と契約を結ぶことはできん。不気味な童だったが、これ以上は何もできまい』
ネロは消えていくヒュドラの巨躯を眺め、そう口にする。
光と化していくヒュドラの奥に、身体が赤黒く変色して縮んだ、トーマスの成れの果ての姿が見えた。
マナを搾り取られて木乃伊と化しているようだ。
「大精霊が……たかだか、一人間に敗れた……? 有り得ない……こんなこと……どうして……? に、人間の身で、大精霊に勝つなんて……そんなの、そんなの、世の理を侵している……不敬じゃないか……。こんな不条理、あっていいわけがない……」
ヨハンは呆然と、ヒュドラが消えていく様を見つめていた。
「僕は、選ばれた人間なんだ……こんな、計画の初歩の初歩で、死ぬわけがないじゃないか……。僕はまだ、何も成し遂げていないのに。世界は、このままではいけないのに……」
ヨハンはティアナ様を掴んでいるのとは逆の手で、自身の頭を押さえる。
「そ、そうだ! 僕がこんなところで終わるわけがない! これは試練なんだ……世界の意志が、僕を試しているんだ! 乗り越えられない試練を、僕へお与えになるわけがない! だって僕は、世界を救い、導く存在なんだから! 一度仕切り直せばいいんだ! ゼータや黒武者なんかじゃ力不足だった! ヒュドラが駄目なら、もっと強い精霊を使えばいい! やり直せば、次はもっと上手くやれる! 僕の精進が、信念が足りなかったと、世界の意志がそう教示してくださっているんだ!」
ヨハンは狂気染みた形相でそう叫ぶと、ティアナ様の胸部へと手を突きつけた。
その指先には炎のルーン文字が浮かんでいる。
「ぼ、僕に近づくなマルク! 彼女の命が惜しければね!」
『やれ、マルク』
「……うん」
僕は最後の力を振り絞って、触手で床を叩き、ヨハンへと跳んだ。
「くっ、来るな! 来るなよぉ! 僕は世界を導かなければならないんだ! 邪魔をするな化け物が!」
ヨハンのルーン文字が光を増す。
魔法が発動するより一瞬早く、僕の触手がヨハンの身体を殴り飛ばした。
僕はヨハンと縺れ合う形になって、壁へと衝突した。
「はぁ、はぁ……」
僕の身体も、既に限界が近かったようだ。
魔法毒は既に解除されたはずだけれど、足が思うように動かない。
ヨハンはぐったりと床の上に倒れていた。
「あ、ああ、ずっと瞼の裏に見えていた、真理の精霊が遠ざかっていく……。僕は、見放されたのか……? 何が、何が駄目だったんだ……? やっぱり僕達は、トーマスなんて使うべきじゃなかったのか? それとも僕が、僕より純粋で力を持っている彼を、汚い策謀で出し抜こうとしたからなのか? わからないよ……僕には……。世界の意志は、僕に何を求めていたんだ……?」
ヨハンはそう呻き声を上げ……瞼を閉じた。
『……精霊など、ニンゲンが思うような高尚な存在ばかりではないわい。こやつが何を見ていたのかは知らんが、理解の及ばん存在に救いを求めるとはな。憐れな童よ』
ネロが小さくそう呟いた。
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