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3.その商人は不気味に微笑む
しおりを挟む『旅の方々ですか?こんなところでなにをされているのでしょう?』
突如声をかけてきたのは細かい刺繍が特徴的な服とコックが被りそうな縦長の帽子を冠った
男だった
見たところ大きな麻袋とマントなどを持っている
商人というところだろうか
その男は髭を生やしており30代くらいかと言われればそうも見えるしそれよりも実は若いのだと告白されれば そのようにも見える
中途半端なチョビ髭のせいか
その男の年齢などがよくわからないが、 山神はその男の質問の仕方がおかしいことに気づいた
御子の方も その男が何者なのかすこし怪しんでいた
こんな森の中をたった1人でくる商人がいるのだろうか?
確かにいるかもしれないがなにか
怪しい雰囲気を漂わせていた
『実は埋めなくてはならないものがありまして それを埋めていました』
御子がなんと答えようものか一瞬悩んでいたが そんな御子を待っていられないとばかりに
突然 嘘をつき始める山神。
『ちょっと山神! なにいって、、、あ。』
御子の静止させようとするその言動がますます山神の発言を裏付けるものなっていく。
『なにを埋めてらっしゃるのでしょうか? まさか貴方も、、、そうですか これは失敬。
邪魔してしまいましたね失礼いたします』
商人のような格好をした男は口角を上げクスクスと笑ったあと
御子と山神の前を通り過ぎ 暗い道の中へと消えていった
暫くして 御子が口を開いた
『もしかして、さっきの人何かやばい系の方だったりするのかな?』
山神は珍しく無言のまま 顎に手を当てて考えているそぶりを見せた後口を開いた
『僕の嘘 どう思う?』
『はぁ? 嘘? やっぱりダメだってば絶対怪しまれたよ!
警察とかいるかどうかわかんないけど私たち捕まったりしたらどーすんのさ?』
御子は珍しく声を荒げて山神を怒鳴り散らした
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