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3話 能力
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朝日がキラキラ。爽やかな朝の空気と反比例して、俺の顔には寝不足の隈ががっつりあるだろう。
そして待ちに待った人の足音が聞こえてきた。
「クゥ」
「うん、誰か来たな、クゥ」
俺はクゥを抱きしめたまま、身を乗り出して下を見た。
よっしゃあ!助かったぜ!
「この辺りのはずなんです!」
が、聞こえてきたのは弟のクリスの声だった。
あれ?アニメだと、助けにきてくれたのは俺に付けられている侍従のカランだったよな。
侍従といっても平民の子供だし、貴族の真似っことしてこき使っていた少年に過ぎないが。
俺の生い立ちを不憫に思っていて、後妻から俺を守れなかったことを悔やんでずっとワガママを聞いてくれるヤツだ。
でも漫画の最後にはクリスの味方になっちゃうんだけどな。
思わず考え込んだせいで、返事をするのが遅れた。
『ここじゃなかったかな~。母さんに捨てられたわけじゃないから、違ったのかも。初期段階からカランを楽に取り込もうと思って来たのに、サフィいないとか』
あれ?聞きなれた言葉が聞こえる。でもこの国の言葉じゃないよな。
クリスが日本語喋ってるよ。アイツも日本人だったのかよ。
この世界ってどうなってるんだ?
この場合、素直に降りた方がいいのか、自分の家には戻らない方がいいのかだよな。
無事に戻ると、もしかしたらこの後もう一度捨てられる場面に戻るかもしれない。
次は手足を縛られて捨てられるとか、なんか薬飲まされて眠っている間に捨てられるとかされてみろ。
そうなったら今度こそ、昨夜見たあの生き物達に喰われるかもしれないだろ。
次回も五体満足で生きていられるかと言われると、自信ねえわ。
う~ん、悩む。
悩んでから降りると、もうその辺りに人はいなかった。
腹は空いたし、のども渇いているし、あんな怖い思いをするのは1回で充分だ。ここにとどまってるつもりはないけれど、人の住んでる方向はどっちなんだよ。
あの時、疑問に思っても降りとけばよかったかもしれねえな。このまま夜を迎えたら、また木の上に避難しないといけないからなー。
いや、その可能性もあるなら、早目に腹を満たしてまた逃げる場所を探さないといけねえってことか。
まずは人だな、人!
それと水場だろ。水場か人のいる村はどこなんだー!
☆☆☆
水場なんてすぐに見つけられるだろうし、人の住む場所にも簡単にたどり着くだろうって思ってた。
俺の頭は日本人の平和脳だったんだって、今かみしめている。
もう4回日が暮れた。
鳥が食べてる木の実とか、その辺りにいる小さな生き物が食べてるものなら大丈夫と思って食いつないでいるけど、正直美味しくない。
すっぱいし、すっぱいし、苦い。
はあ、美味しいもの食いてえ。
美味しくなくてもいいから、腹いっぱい食いたい。
「クゥ?」
「ごめん、ごめん。大丈夫だからな!さ、歩こっか」
クゥにくいっと引っ張られ、少しずつ進む。
行くあてもない俺は、クゥについて行く他にやりようがない。
というか、例え子犬であっても1人になるよりはマシというか。
だって1人になるの、怖えんだよ!悪かったな!
そういえば、夜になると俺を食べようとする動物は出てくるけど、この辺りにいそうなヒルとかいねえな。蜘蛛もいねえし、たかってくる小さな虫もいねえ。
これはあれかな?
この漫画を描いた人が女の人だったりとかで、そういう自分のキライな生き物のいない世界なのかもしれない。
ともかく、それはちょっとよかったな、なんてことを考えていたらクゥが吠えた。
「どうしたんだ?」
クゥに話しかけると『おい、そこの坊主』と声が聞こえてきた。
え?どこどこ?誰かいるのか?
何日ぶりかの意味のわかる声に、わくわくしてキョロキョロみるが誰もいない。
『おい、こっちだ』
「クゥ!」
クゥの走った方向に視線をやると……首だ、首がいた。
沼の中から大きな犬の顔だけが出てる。
なにそれ、めっちゃ怖えぇ!
「え、と。今のは犬さんの声でしょうか?」
恐る恐る聞くと犬さんは『……いぬ』と呆然と頷いた。
『もう、我は助からん。そんなことは分かっている。だからこの子を連れて外に出るがいい。まだこれ1匹だけでこの森を生き抜くのは無理だろうからな』
うん、確かに。クゥみたいな小さい犬はあの大きな動物たちに簡単にパクっと食べられてしまいそうだわな。
でも、それよりも。
「犬さんは、なんでそんなことになっているんだ?」
クゥがめっちゃ懐いているところを見ると、クゥの関係犬なんだろう。クゥクゥと沼の周りを歩き回るクゥを見てればわかる。
『なぜ……か。突然黒くなった沼に興味を持って、飛び込んだらハマってしまったのだ。で、ハマったまま抜けなくなってしまってな』
え?
「ってことは、どのくらいの間ハマったままなんだ?」
まさか3年もってことはねえよな?
『この沼が黒くなったのは3ヶ月ほど前だ。寒さで凍っておったし、大丈夫かと思ったんだがな』
大丈夫ではなかった、ということらしい。
しかし久しぶりに言葉の通じる犬と話したからか、犬さんを助けたくなってきてしまったではないか。
「う~ん」
どうするのがいいんだ?
『何を悩んでいる、坊主』
「俺がものすごい力持ちだったらよかったのにな、と思って」
まだ10歳だからな、この身体。小せえんだもんよ。
『なんでだ?』
「犬さんをそこから引っ張り上げたいからかな」
そう言うと、クゥがクゥクゥ鳴き出した。
『なるほど。坊主、本当にその願いでよいのか?』
願い?よくわからねえけど、馬鹿力になったら犬さんは助けられるな。
「おう。構わないぞ」
『……それほどに言うなら良かろう。代替わりを控えた我が、他に力を与えられるのはこれが最後のことだ。正統な手続きで坊に引き継ぐためにも、その願いを叶え、そなたに力を与えよう』
犬さんがそう言うと、俺の身体が一瞬ポカっと暖かくなった。
『試してみよ』
試すって何を?どうやって?
馬鹿力になりたいって言ったんだから、木でも引っこ抜いてみるか?
横に生えている大木を抱えて引っ張ると、バギィッと抜けた。
「…………」
何が起きてるのかな。
『クゥ?』
ま、まあいいや。そうだった。ひとまずクゥの犬さんを助けないとな。
クゥの声で正気に戻った俺はその木の邪魔な枝を折ろうとして、パキパキと簡単に枝を折れてしまったことにまた驚いた。
ま、まあいいや。
むしろ今はこの方が助かるってことで!
もう一度深呼吸すると、ズルズルと木を引きずり犬さんの前に浮かべた。
木の上を歩いて犬さんの前まで歩いて行くと
『坊主、何をするのだ?』
と犬さんが首を傾げる。
「ちょっと引っぱってみようかなと思って」
沼の下、犬さんの脇に手を突っ込んでみる。
うわ、黒い水気持ちわりいぃい。
「ぬぬぬ~」
ああ、でもちょっと持ち上がったよな?
よし、もう1回。
「ぐぬぬぬ~」
ッッッッポン!!
「抜けた!」
犬さんの左前足が抜けた!
『おお!坊主、すごいな!』
犬さんも興奮している。抜けた足を木の上に置くと、犬さんも踏ん張るのをがんばっているようだ。
けれど力が加わると木が沼に沈んで行く。
もう1本木があった方がいいだろうな。
俺はもう1本木を引き抜いてくると、同じように枝を払い横に並べて置いた。
もう1回、脇に手を突っ込んで引っぱる。
「むうううぅ」
ッッッッポン!
抜けた!
前足が抜けた犬さん、そこから自力でぐぬぐぬして腰の辺りまでは出てきた。
『クゥクゥ!』
クゥもものすごく嬉しそうだ。
そんなに喜ばれたら、俺もやる気になっちまうだろ。
クゥは木を拾ってきては足場を固めるお手伝いを繰り返してくれている。
もうちょい、なんだよな。
足場が広がって、犬さんだけでなく俺も踏ん張れそうになったんじゃないか?
そしたらもう、アレしかないだろ。
俺は犬さんの懐に入った。
柔道の一本背負い投げの形をとる。
『坊主?何をするつもりだ?』
不安げな犬さん。
大丈夫だから、ちょっと待っててな。
「うおりゃあぁぁぁ!!」
『うぎゃあぁわわ~ん』
うっしゃああ!!抜けた!
地面に叩きつけられた格好になった犬さんはピクピク痙攣してるけど、ひとまずは生きているし、クゥが犬さんの周りを嬉しそうにグルグルと回っている。
「いい仕事したな」
ふうっと息を吐くと気がついた。
俺も犬さんもドロだらけだよ。
俺、そういえば着替えとかねえんだけど。
ちょっぴり涙目になった俺だった。
そして待ちに待った人の足音が聞こえてきた。
「クゥ」
「うん、誰か来たな、クゥ」
俺はクゥを抱きしめたまま、身を乗り出して下を見た。
よっしゃあ!助かったぜ!
「この辺りのはずなんです!」
が、聞こえてきたのは弟のクリスの声だった。
あれ?アニメだと、助けにきてくれたのは俺に付けられている侍従のカランだったよな。
侍従といっても平民の子供だし、貴族の真似っことしてこき使っていた少年に過ぎないが。
俺の生い立ちを不憫に思っていて、後妻から俺を守れなかったことを悔やんでずっとワガママを聞いてくれるヤツだ。
でも漫画の最後にはクリスの味方になっちゃうんだけどな。
思わず考え込んだせいで、返事をするのが遅れた。
『ここじゃなかったかな~。母さんに捨てられたわけじゃないから、違ったのかも。初期段階からカランを楽に取り込もうと思って来たのに、サフィいないとか』
あれ?聞きなれた言葉が聞こえる。でもこの国の言葉じゃないよな。
クリスが日本語喋ってるよ。アイツも日本人だったのかよ。
この世界ってどうなってるんだ?
この場合、素直に降りた方がいいのか、自分の家には戻らない方がいいのかだよな。
無事に戻ると、もしかしたらこの後もう一度捨てられる場面に戻るかもしれない。
次は手足を縛られて捨てられるとか、なんか薬飲まされて眠っている間に捨てられるとかされてみろ。
そうなったら今度こそ、昨夜見たあの生き物達に喰われるかもしれないだろ。
次回も五体満足で生きていられるかと言われると、自信ねえわ。
う~ん、悩む。
悩んでから降りると、もうその辺りに人はいなかった。
腹は空いたし、のども渇いているし、あんな怖い思いをするのは1回で充分だ。ここにとどまってるつもりはないけれど、人の住んでる方向はどっちなんだよ。
あの時、疑問に思っても降りとけばよかったかもしれねえな。このまま夜を迎えたら、また木の上に避難しないといけないからなー。
いや、その可能性もあるなら、早目に腹を満たしてまた逃げる場所を探さないといけねえってことか。
まずは人だな、人!
それと水場だろ。水場か人のいる村はどこなんだー!
☆☆☆
水場なんてすぐに見つけられるだろうし、人の住む場所にも簡単にたどり着くだろうって思ってた。
俺の頭は日本人の平和脳だったんだって、今かみしめている。
もう4回日が暮れた。
鳥が食べてる木の実とか、その辺りにいる小さな生き物が食べてるものなら大丈夫と思って食いつないでいるけど、正直美味しくない。
すっぱいし、すっぱいし、苦い。
はあ、美味しいもの食いてえ。
美味しくなくてもいいから、腹いっぱい食いたい。
「クゥ?」
「ごめん、ごめん。大丈夫だからな!さ、歩こっか」
クゥにくいっと引っ張られ、少しずつ進む。
行くあてもない俺は、クゥについて行く他にやりようがない。
というか、例え子犬であっても1人になるよりはマシというか。
だって1人になるの、怖えんだよ!悪かったな!
そういえば、夜になると俺を食べようとする動物は出てくるけど、この辺りにいそうなヒルとかいねえな。蜘蛛もいねえし、たかってくる小さな虫もいねえ。
これはあれかな?
この漫画を描いた人が女の人だったりとかで、そういう自分のキライな生き物のいない世界なのかもしれない。
ともかく、それはちょっとよかったな、なんてことを考えていたらクゥが吠えた。
「どうしたんだ?」
クゥに話しかけると『おい、そこの坊主』と声が聞こえてきた。
え?どこどこ?誰かいるのか?
何日ぶりかの意味のわかる声に、わくわくしてキョロキョロみるが誰もいない。
『おい、こっちだ』
「クゥ!」
クゥの走った方向に視線をやると……首だ、首がいた。
沼の中から大きな犬の顔だけが出てる。
なにそれ、めっちゃ怖えぇ!
「え、と。今のは犬さんの声でしょうか?」
恐る恐る聞くと犬さんは『……いぬ』と呆然と頷いた。
『もう、我は助からん。そんなことは分かっている。だからこの子を連れて外に出るがいい。まだこれ1匹だけでこの森を生き抜くのは無理だろうからな』
うん、確かに。クゥみたいな小さい犬はあの大きな動物たちに簡単にパクっと食べられてしまいそうだわな。
でも、それよりも。
「犬さんは、なんでそんなことになっているんだ?」
クゥがめっちゃ懐いているところを見ると、クゥの関係犬なんだろう。クゥクゥと沼の周りを歩き回るクゥを見てればわかる。
『なぜ……か。突然黒くなった沼に興味を持って、飛び込んだらハマってしまったのだ。で、ハマったまま抜けなくなってしまってな』
え?
「ってことは、どのくらいの間ハマったままなんだ?」
まさか3年もってことはねえよな?
『この沼が黒くなったのは3ヶ月ほど前だ。寒さで凍っておったし、大丈夫かと思ったんだがな』
大丈夫ではなかった、ということらしい。
しかし久しぶりに言葉の通じる犬と話したからか、犬さんを助けたくなってきてしまったではないか。
「う~ん」
どうするのがいいんだ?
『何を悩んでいる、坊主』
「俺がものすごい力持ちだったらよかったのにな、と思って」
まだ10歳だからな、この身体。小せえんだもんよ。
『なんでだ?』
「犬さんをそこから引っ張り上げたいからかな」
そう言うと、クゥがクゥクゥ鳴き出した。
『なるほど。坊主、本当にその願いでよいのか?』
願い?よくわからねえけど、馬鹿力になったら犬さんは助けられるな。
「おう。構わないぞ」
『……それほどに言うなら良かろう。代替わりを控えた我が、他に力を与えられるのはこれが最後のことだ。正統な手続きで坊に引き継ぐためにも、その願いを叶え、そなたに力を与えよう』
犬さんがそう言うと、俺の身体が一瞬ポカっと暖かくなった。
『試してみよ』
試すって何を?どうやって?
馬鹿力になりたいって言ったんだから、木でも引っこ抜いてみるか?
横に生えている大木を抱えて引っ張ると、バギィッと抜けた。
「…………」
何が起きてるのかな。
『クゥ?』
ま、まあいいや。そうだった。ひとまずクゥの犬さんを助けないとな。
クゥの声で正気に戻った俺はその木の邪魔な枝を折ろうとして、パキパキと簡単に枝を折れてしまったことにまた驚いた。
ま、まあいいや。
むしろ今はこの方が助かるってことで!
もう一度深呼吸すると、ズルズルと木を引きずり犬さんの前に浮かべた。
木の上を歩いて犬さんの前まで歩いて行くと
『坊主、何をするのだ?』
と犬さんが首を傾げる。
「ちょっと引っぱってみようかなと思って」
沼の下、犬さんの脇に手を突っ込んでみる。
うわ、黒い水気持ちわりいぃい。
「ぬぬぬ~」
ああ、でもちょっと持ち上がったよな?
よし、もう1回。
「ぐぬぬぬ~」
ッッッッポン!!
「抜けた!」
犬さんの左前足が抜けた!
『おお!坊主、すごいな!』
犬さんも興奮している。抜けた足を木の上に置くと、犬さんも踏ん張るのをがんばっているようだ。
けれど力が加わると木が沼に沈んで行く。
もう1本木があった方がいいだろうな。
俺はもう1本木を引き抜いてくると、同じように枝を払い横に並べて置いた。
もう1回、脇に手を突っ込んで引っぱる。
「むうううぅ」
ッッッッポン!
抜けた!
前足が抜けた犬さん、そこから自力でぐぬぐぬして腰の辺りまでは出てきた。
『クゥクゥ!』
クゥもものすごく嬉しそうだ。
そんなに喜ばれたら、俺もやる気になっちまうだろ。
クゥは木を拾ってきては足場を固めるお手伝いを繰り返してくれている。
もうちょい、なんだよな。
足場が広がって、犬さんだけでなく俺も踏ん張れそうになったんじゃないか?
そしたらもう、アレしかないだろ。
俺は犬さんの懐に入った。
柔道の一本背負い投げの形をとる。
『坊主?何をするつもりだ?』
不安げな犬さん。
大丈夫だから、ちょっと待っててな。
「うおりゃあぁぁぁ!!」
『うぎゃあぁわわ~ん』
うっしゃああ!!抜けた!
地面に叩きつけられた格好になった犬さんはピクピク痙攣してるけど、ひとまずは生きているし、クゥが犬さんの周りを嬉しそうにグルグルと回っている。
「いい仕事したな」
ふうっと息を吐くと気がついた。
俺も犬さんもドロだらけだよ。
俺、そういえば着替えとかねえんだけど。
ちょっぴり涙目になった俺だった。
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