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光の国
◇
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「おい、ねえちゃん。起きてんか」
「あい」
瞼を押し開けると、緑色が目に入る。もう一方の瞼も頑張って開けてみると、緑色のパーカーを着た少年であることを確認する。髪がツンツンに立っていて、少し険しい目をしている。
「ほら、よだれ。しっかりしてえな」
「あ」
自分が寝ていたと思しき場所に、湖みたいな巨大な涎が残っていた。
ああ、そうか、やっぱり自分は寝ていたんだ、と思い、ティッシュを取って涎を拭きながら思う。
「これ」
そう言って四角い物を差し出される。ヒーリング薬局。頭痛薬。即効性。スパッと快適。
「代金。丁度やから。はよ精算してんか」
「ああ、薬。そうか。薬局か、ここは」
「いつまで寝ぼけてんねん」
「あのさ、君……サトシくんだっけ?」
「なんや。ええからはよしてえな、サッカー始まってまう!」
サトシ君が地団駄を踏む。
そうか。もう七時前か。
うん……うん、顎に手を当てて、少しばかり考える。
代金をキャッシャーに入れてレシートを千切り、袋に商品を包む。
それを渡しながら、言った。
「なあ、サトシくん」
「なんや」
「私、妹がいるんかもしれん」
「阿呆なこと言うな。はい、ほなどうも」
そう言うとサトシ君……サトシ某少年は薬局から出ていった。個人経営の、小さな薬局。奥には何故か駄菓子コーナー。そして私は留守番店主。
「あーあ……」
結局あの廃墟は何だったのか、分からなかったな……
まあ、いいか……
スーっ……
また廃墟の前に立っていた。
今度は外観が見える位置だった。
うそおん。おお、来たか。二つの反応が内側で混沌を形成する。
そう思いながら、廃墟の中にまた、私は足を踏み入れるのでした。今度は記憶を引き継げるかな?
「あい」
瞼を押し開けると、緑色が目に入る。もう一方の瞼も頑張って開けてみると、緑色のパーカーを着た少年であることを確認する。髪がツンツンに立っていて、少し険しい目をしている。
「ほら、よだれ。しっかりしてえな」
「あ」
自分が寝ていたと思しき場所に、湖みたいな巨大な涎が残っていた。
ああ、そうか、やっぱり自分は寝ていたんだ、と思い、ティッシュを取って涎を拭きながら思う。
「これ」
そう言って四角い物を差し出される。ヒーリング薬局。頭痛薬。即効性。スパッと快適。
「代金。丁度やから。はよ精算してんか」
「ああ、薬。そうか。薬局か、ここは」
「いつまで寝ぼけてんねん」
「あのさ、君……サトシくんだっけ?」
「なんや。ええからはよしてえな、サッカー始まってまう!」
サトシ君が地団駄を踏む。
そうか。もう七時前か。
うん……うん、顎に手を当てて、少しばかり考える。
代金をキャッシャーに入れてレシートを千切り、袋に商品を包む。
それを渡しながら、言った。
「なあ、サトシくん」
「なんや」
「私、妹がいるんかもしれん」
「阿呆なこと言うな。はい、ほなどうも」
そう言うとサトシ君……サトシ某少年は薬局から出ていった。個人経営の、小さな薬局。奥には何故か駄菓子コーナー。そして私は留守番店主。
「あーあ……」
結局あの廃墟は何だったのか、分からなかったな……
まあ、いいか……
スーっ……
また廃墟の前に立っていた。
今度は外観が見える位置だった。
うそおん。おお、来たか。二つの反応が内側で混沌を形成する。
そう思いながら、廃墟の中にまた、私は足を踏み入れるのでした。今度は記憶を引き継げるかな?
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