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第三章~毎週木曜日、将来の夢
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「あらあら、真っ暗じゃないの。目、悪くなるわよ」
布地のトートバッグを胸元に抱え、息を切らした真理恵が階段脇の調光スイッチを叩くと、釣り下げられた白熱球が黄色く灯り、黄昏の居間は再び生気を取り戻した。
午後五時、太陽は完全に落ち、窓の外は深夜と見まごうほどに暗い。
シンク横の小さな作業テーブルに晩餐の主役達を並べながら、真理恵はソファに座る、彼女に背を向けた孝彰と彌子を肩越しにちらりと窺う。
「ミコちゃん、ご飯食べてく?」
テレビモニターの放つちかちかする輝きの為、ゆっくりと振り替える彌子が8ミリフィルム映像のように見えた。
「お肉がね、特売だったのよ。今夜は焼き肉――」
云いかけた真理恵の口が半開きのまま止まった。
「……ミコ、ちゃん?」
真理恵を振り返った彌子の顔は、涙と鼻水とでぐじゃぐじゃだった。べそをかいたその表情がしゃっくりにより派手に上下している。
唖然とした真理恵は僅かに震える手をソファの彌子におずおずと翳す。舌が凍り付き声は出ない。と、狼狽する真理恵を焦点の定まらない目で見詰めていた彌子が口を開いた。
「ふぇ? やぎにぐ?」
途端に高笑いが響いた。
彌子の隣で俯いていた孝彰が腹をよじってソファに倒れ込み、足をばたつかせた。
「タク! 何なの? 何が……」
真理恵は床に転げ落ちた孝彰に半ば怒鳴り付けるように云い、傍らに滑り込んだ。
乱れた呼吸がどうにか落ち着いた頃、孝彰は目尻に彌子とは違う意味の涙を浮かべながら説明した。
「ミコったらさぁ、〝感激して〟泣き出すんだもん! 可笑しくて可笑しくて――」
語尾は又もや笑いに取って代わり、真理恵は目を丸くして彌子を眺めた。瞼を腫らし顎を鷲掴みにした彌子は、鳴咽を挟みながら、
「だってさ、あんなにも……熱いもんだから……」
真理恵は極度の眩暈により、とうとう突っ伏してしまった。
「今時の国内特撮がこんなに凝った作りになってるなんて! ちっくしょー! 感情移入バリバリで……うぐっ!」
真理恵の控えめな勧めと孝彰の粘りに応え、外せない野暮用を二時間ほどずらすことに成功した彌子は、木卓の三分の一を占める電熱プレートと、その上で徐々に御馳走へと姿を変える特売牛肉を、プレートにも負けないほどの熱い視線で見詰めている。
立ち昇る白い煙が、開け放たれた網戸へとゆるゆると流れる。
佐原邸の主である孝一は毎度毎度の出張の為、八人掛けの木卓は真理恵、孝彰、そして彌子、三人の貸し切りだった。
程良く焼けた肉を返しながら真理恵は、その挙動に食い入られている彌子に、
「孝一さんがね、よろしく云っといてくれって」
油のはぜる音越しに云った。
「え? ああ、うん……ねぇ……」
「まだよ」
行動を制された彌子は下唇をとがらせて「生でもいいんだけどな」と真理恵には聞こえない様に洩らす。彌子の隣に座る孝彰の表情は、先刻からずっと綻んでいた。
それは彌子の、目の前での言動に対するものであると同時に、彼の和んだ心情の表われでもあった。
ここ半年、佐原邸の食卓は、孝彰と真理恵の二人きりであることが多かった。
激務をこなす孝一はそれなりの埋め合わせを充分すぎるほどしていたので、孝彰が父親に対して不満を抱くことはなかったし、真理恵もまたそれを理解していた。
しかし、父親の努力やそれを補う母親の気遣いに幼いながら感謝していても、食卓が二人っきりであることは変わらず、孝彰の欠片ほどの寂しさは日々、僅かずつではあるが増していた。間近に控えた高校受験への漠然とした脅えがまた、それを助長していたのかもしれない。
神和彌子の突然の来訪は孝彰にとって、そうした様々を木っ端微塵に砕くほどの力があったのだ。
彼女の掴み所の無い奇妙さ、ガラス細工のような行動原理、間の抜けた理屈。数年振りの今もそれらは変わらず、それどころか更に磨きが掛かっていた。
彌子と最後に会った日、「またな」と彌子が云いに来た日、孝彰は彼女が自分より年上なのだと改めて知って驚いたのだが、数年後の今、孝彰は彌子と自分の年齢差が縮んだような錯覚にとらわれた。
遊び以外での知人やさまざまな種類の教師との出会いは、孝彰を年月の分だけ成長させ、彼はそれを自覚していた。
それなのに彌子ときたら、あの時と全く変わっていない、まるで子供のままなのだ。
真理恵のお許しが出て、一心に牛肉を口に運ぶ彌子。
あともう数年もしたら、自分は彌子を追い越してしまうのではないだろうか、孝彰はそんなことをぼんやりと考えながら、細めた目でもぐもぐとやっている彌子を眺めていた。
「ミコが中学の時って」
食事と談笑を終え、真理恵が流しに立ってから、孝彰はそう切り出した。
「ふむ」
「何になりたかった?」
満腹の幸福感により目元の垂れ下がった彌子は首を僅かに傾げる。
「何って、つまり?」
孝彰は流しの真理恵をちらりと覗き、鼻の頭をいじった。
「将来とか、そういうの」
口元に笑みを、眉間に皺を寄せ彌子は、顎を引き「さあね、忘れたよ」と囁くように云い、それを聞いた孝彰は何度も小さく頷いた。
真理恵の鼻歌と水のはねる音がソファの二人の間に漂う沈黙を渡る。
孝彰の視線はウーファーに座る兎と音を消したテレビモニターを行ったり来たりしてから膝の上に戻り、暫くしてまた兎を追った。微かに届く真理恵の歌声はどうやら『どんぐりころころ』らしかった。
「勉強、好きだった?」
俯いたままだったので、その声は随分と弱々しく聞こえた。彌子は孝彰が顔を向けるまで待ってから、
「好きなのもあったし、嫌いなのもあったよ」
と云って目を細めて微笑んだ。
つられて表情を和らげた孝彰に彌子は「タクの必殺技はなんだ?」と軍人のような横暴さを真似て云い、首を傾げて言葉を促した。孝彰は一瞬たじろいだが、質問の主旨を掴んだので、
「地理。でも僕より上は沢山いるんだ」
と返し、ほんの少し間を置いてから「得意科目、何もないんだ」ともらし、力無く笑う。
不意に彌子は、両腕を上げ万歳をしてソファに荒々しく仰け反り、盛大に伸びをした。間延びした呻き声を上げ首や肩を揉み解すと、油の撥ねた胸元で腕を組み「そっか」と木卓に向けて囁く。
「んで? 何にするつもりなの? 賢いおねいさんに聞かせてみな」
垣間見た、白熱灯を映し出す見開かれた黒い瞳に、孝彰は思わず息を呑んだ。
その瞬間、彌子の両目がこの上なく神秘的に見えたのだった。だがそのまた一瞬後には、やはり元の、大きめで愛敬のある、それでもごく当たり前の瞳に戻っていた。
溜め息を無理矢理押し殺した孝彰は、垂らした前髪を無意識にかき上げ「何って?」と、僅かに裏返った声で云った。
一つ笑みを浮かべ彌子が云いかけた時、真理恵が、
「ミコちゃん、お時間はいいのかしら?」
と良く通る声で流しから呼びかけた。
虚を衝かれた彌子はビデオデッキのデジタル表示を素早く読み、ごくりとつばを飲み込んでから「いかぁん!」と怒鳴った。
風切る勢いですっくと立ち上がり、
「今日のところはこの辺で失礼するぜ!」
「あらあら、そおなの? また、いらっしゃいな」
顔だけ突き出した真理恵が心底残念そうに云った。
彌子は突き立てた親指を真理恵に翳し、ソファで呆けている孝彰に投げキッスを放ってから「アディオス!」と云い残して、狭い階段へと身を翻した。
どたどたと足音が響き、すぐさま静かになり、またどたどたと鳴り、今消えたばかりの彌子が再び階段室から顔をぴょこりと出した。
「御馳走様でした、またヨロシク!」
どたどた、がちゃり、ばたん。
余りの騒々しさに孝彰と真理恵は顔を見合わせ、そして吹き出したのだった。
布地のトートバッグを胸元に抱え、息を切らした真理恵が階段脇の調光スイッチを叩くと、釣り下げられた白熱球が黄色く灯り、黄昏の居間は再び生気を取り戻した。
午後五時、太陽は完全に落ち、窓の外は深夜と見まごうほどに暗い。
シンク横の小さな作業テーブルに晩餐の主役達を並べながら、真理恵はソファに座る、彼女に背を向けた孝彰と彌子を肩越しにちらりと窺う。
「ミコちゃん、ご飯食べてく?」
テレビモニターの放つちかちかする輝きの為、ゆっくりと振り替える彌子が8ミリフィルム映像のように見えた。
「お肉がね、特売だったのよ。今夜は焼き肉――」
云いかけた真理恵の口が半開きのまま止まった。
「……ミコ、ちゃん?」
真理恵を振り返った彌子の顔は、涙と鼻水とでぐじゃぐじゃだった。べそをかいたその表情がしゃっくりにより派手に上下している。
唖然とした真理恵は僅かに震える手をソファの彌子におずおずと翳す。舌が凍り付き声は出ない。と、狼狽する真理恵を焦点の定まらない目で見詰めていた彌子が口を開いた。
「ふぇ? やぎにぐ?」
途端に高笑いが響いた。
彌子の隣で俯いていた孝彰が腹をよじってソファに倒れ込み、足をばたつかせた。
「タク! 何なの? 何が……」
真理恵は床に転げ落ちた孝彰に半ば怒鳴り付けるように云い、傍らに滑り込んだ。
乱れた呼吸がどうにか落ち着いた頃、孝彰は目尻に彌子とは違う意味の涙を浮かべながら説明した。
「ミコったらさぁ、〝感激して〟泣き出すんだもん! 可笑しくて可笑しくて――」
語尾は又もや笑いに取って代わり、真理恵は目を丸くして彌子を眺めた。瞼を腫らし顎を鷲掴みにした彌子は、鳴咽を挟みながら、
「だってさ、あんなにも……熱いもんだから……」
真理恵は極度の眩暈により、とうとう突っ伏してしまった。
「今時の国内特撮がこんなに凝った作りになってるなんて! ちっくしょー! 感情移入バリバリで……うぐっ!」
真理恵の控えめな勧めと孝彰の粘りに応え、外せない野暮用を二時間ほどずらすことに成功した彌子は、木卓の三分の一を占める電熱プレートと、その上で徐々に御馳走へと姿を変える特売牛肉を、プレートにも負けないほどの熱い視線で見詰めている。
立ち昇る白い煙が、開け放たれた網戸へとゆるゆると流れる。
佐原邸の主である孝一は毎度毎度の出張の為、八人掛けの木卓は真理恵、孝彰、そして彌子、三人の貸し切りだった。
程良く焼けた肉を返しながら真理恵は、その挙動に食い入られている彌子に、
「孝一さんがね、よろしく云っといてくれって」
油のはぜる音越しに云った。
「え? ああ、うん……ねぇ……」
「まだよ」
行動を制された彌子は下唇をとがらせて「生でもいいんだけどな」と真理恵には聞こえない様に洩らす。彌子の隣に座る孝彰の表情は、先刻からずっと綻んでいた。
それは彌子の、目の前での言動に対するものであると同時に、彼の和んだ心情の表われでもあった。
ここ半年、佐原邸の食卓は、孝彰と真理恵の二人きりであることが多かった。
激務をこなす孝一はそれなりの埋め合わせを充分すぎるほどしていたので、孝彰が父親に対して不満を抱くことはなかったし、真理恵もまたそれを理解していた。
しかし、父親の努力やそれを補う母親の気遣いに幼いながら感謝していても、食卓が二人っきりであることは変わらず、孝彰の欠片ほどの寂しさは日々、僅かずつではあるが増していた。間近に控えた高校受験への漠然とした脅えがまた、それを助長していたのかもしれない。
神和彌子の突然の来訪は孝彰にとって、そうした様々を木っ端微塵に砕くほどの力があったのだ。
彼女の掴み所の無い奇妙さ、ガラス細工のような行動原理、間の抜けた理屈。数年振りの今もそれらは変わらず、それどころか更に磨きが掛かっていた。
彌子と最後に会った日、「またな」と彌子が云いに来た日、孝彰は彼女が自分より年上なのだと改めて知って驚いたのだが、数年後の今、孝彰は彌子と自分の年齢差が縮んだような錯覚にとらわれた。
遊び以外での知人やさまざまな種類の教師との出会いは、孝彰を年月の分だけ成長させ、彼はそれを自覚していた。
それなのに彌子ときたら、あの時と全く変わっていない、まるで子供のままなのだ。
真理恵のお許しが出て、一心に牛肉を口に運ぶ彌子。
あともう数年もしたら、自分は彌子を追い越してしまうのではないだろうか、孝彰はそんなことをぼんやりと考えながら、細めた目でもぐもぐとやっている彌子を眺めていた。
「ミコが中学の時って」
食事と談笑を終え、真理恵が流しに立ってから、孝彰はそう切り出した。
「ふむ」
「何になりたかった?」
満腹の幸福感により目元の垂れ下がった彌子は首を僅かに傾げる。
「何って、つまり?」
孝彰は流しの真理恵をちらりと覗き、鼻の頭をいじった。
「将来とか、そういうの」
口元に笑みを、眉間に皺を寄せ彌子は、顎を引き「さあね、忘れたよ」と囁くように云い、それを聞いた孝彰は何度も小さく頷いた。
真理恵の鼻歌と水のはねる音がソファの二人の間に漂う沈黙を渡る。
孝彰の視線はウーファーに座る兎と音を消したテレビモニターを行ったり来たりしてから膝の上に戻り、暫くしてまた兎を追った。微かに届く真理恵の歌声はどうやら『どんぐりころころ』らしかった。
「勉強、好きだった?」
俯いたままだったので、その声は随分と弱々しく聞こえた。彌子は孝彰が顔を向けるまで待ってから、
「好きなのもあったし、嫌いなのもあったよ」
と云って目を細めて微笑んだ。
つられて表情を和らげた孝彰に彌子は「タクの必殺技はなんだ?」と軍人のような横暴さを真似て云い、首を傾げて言葉を促した。孝彰は一瞬たじろいだが、質問の主旨を掴んだので、
「地理。でも僕より上は沢山いるんだ」
と返し、ほんの少し間を置いてから「得意科目、何もないんだ」ともらし、力無く笑う。
不意に彌子は、両腕を上げ万歳をしてソファに荒々しく仰け反り、盛大に伸びをした。間延びした呻き声を上げ首や肩を揉み解すと、油の撥ねた胸元で腕を組み「そっか」と木卓に向けて囁く。
「んで? 何にするつもりなの? 賢いおねいさんに聞かせてみな」
垣間見た、白熱灯を映し出す見開かれた黒い瞳に、孝彰は思わず息を呑んだ。
その瞬間、彌子の両目がこの上なく神秘的に見えたのだった。だがそのまた一瞬後には、やはり元の、大きめで愛敬のある、それでもごく当たり前の瞳に戻っていた。
溜め息を無理矢理押し殺した孝彰は、垂らした前髪を無意識にかき上げ「何って?」と、僅かに裏返った声で云った。
一つ笑みを浮かべ彌子が云いかけた時、真理恵が、
「ミコちゃん、お時間はいいのかしら?」
と良く通る声で流しから呼びかけた。
虚を衝かれた彌子はビデオデッキのデジタル表示を素早く読み、ごくりとつばを飲み込んでから「いかぁん!」と怒鳴った。
風切る勢いですっくと立ち上がり、
「今日のところはこの辺で失礼するぜ!」
「あらあら、そおなの? また、いらっしゃいな」
顔だけ突き出した真理恵が心底残念そうに云った。
彌子は突き立てた親指を真理恵に翳し、ソファで呆けている孝彰に投げキッスを放ってから「アディオス!」と云い残して、狭い階段へと身を翻した。
どたどたと足音が響き、すぐさま静かになり、またどたどたと鳴り、今消えたばかりの彌子が再び階段室から顔をぴょこりと出した。
「御馳走様でした、またヨロシク!」
どたどた、がちゃり、ばたん。
余りの騒々しさに孝彰と真理恵は顔を見合わせ、そして吹き出したのだった。
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