7 / 8
『続・大道探偵事務所 1』
しおりを挟む
近年、国内各地で警察、自衛隊力では太刀打ちできない不可解な怪事件が頻発し、社会を混乱させていた。
新興宗教による思想犯罪。続発する陰惨な猟奇殺人。政府組織へのサイバーテロ。闇取引される粗悪な薬物。蔓延するコンピューターウィルスとノロウィルス。自殺を推奨・幇助するアングラサイトやカルト本。悪質なマルチまがい商法と未だ続くオレオレ詐欺。変造硬貨による自販機荒らし。資源ゴミの未分別。絶えない煙草のポイ捨て。笑えない最近のコント。
それらは一見すると無関係であるが、政府はこれらの背後に「組織」が存在すること、組織の計画によって犯罪と混乱が発生していることを知らないでいる。
ただ一人、その事実を知り、組織の陰謀に立ちはだかる男がいた。
その名は……ダイドー少尉!
「でさ、もうすぐホワイトデーじゃん? 贈り物は三倍返しってのが通説だから、来週辺りのあたしってばゴージャスなブランドアクセとかに塗れて、ちょっとしたバブルなブルジョワジーかもなー」
そう云って鳩羽美咲{はとば・みさき}は狭いオフィスにある応接ソファで笑った。手にしたコーヒーカップも揺れる。
「愚かなる鳩羽よ。三十円のチョコをその名の通り鳩の餌のごとく編集部にバラ巻いておいて、三倍であっても九十円を数人からでブルジョワジーとは、まっこと安上がりな人生よのう」
返すオフィスの主、大道探偵ことサー・ダイドー少尉は、カプチーノをバニラスティックでくるりと回してから、ずず、とすすった。屈強なプロレスラーを連想させる体躯が黒いスリーピーススーツに収まる、カプチーノに続いてキューバ葉巻をくゆらせるこの男こそ、大道探偵事務所の所長、ダイドー少尉こと大道探偵である。
「三十円じゃねーよ、二十円だ。編集部とか取り引き先とかにいちいちチョコなんぞやってたら破産しちまうよ。んで、安上がりな人生で悪かったな。そこにノミネートさえされてないテメーの人生こそ、よっぽど安っぽいけどなー」
「鳩羽めからのチョコなぞ、薬殺か賄賂か、気色悪いわ」
ふん、と鼻を鳴らして、ダイドー少尉は葉巻をぷかり、カプチーノをすする。
「バレンタインチョコで薬殺とか、毒のほうが高くつくし、んなメンドーな真似しねーっす」
そこでダイドー少尉は、おや? と首をかしげた。普段に比べて鳩羽美咲からの返しが弱い、と。それが今時期は忙しいライターという仕事だからなのか、極寒でも暖房器具のないマイナス気温のオフィスだからなのか、鳩羽美咲が勝手にキッチンから拝借したコーヒーが量販店の安物で、ダイドー少尉が飲む高級銘柄は金庫の中だからなのかはともはく、口が達者で毎回言い負かされているダイドー少尉はニヤリと口元を上げた。
「ハレの行事でケの塊のような鳩羽めよ。惚れた腫れたに縁のない貴様は既に人生曲がり角でお肌の曲がり角だとそういうこと――」
ゴリッ、という異音は、まるで頭の内側からのようにダイドー少尉には聞こえた。鳩羽美咲の音速の膝がこめかみを捉えたその音は、ダイドー少尉の三半規管を揺らし、頭と意識も揺らした。
「誰が人生曲がり角だコラ。女性に対して肌がどうことか発言したら、ジーザス・クライストとの接見が可能だってことをそのスポンジみたいな脳みそに刻んどけ、この薄らトンカチが」
「くあっ! 頭蓋がズレたようなこの感覚はぁ! 競泳有段者である我輩をトンカチ呼ばわりはまあ良しとするが、よくよく見れば延々と我輩ブレンドの豆を無許可で挽く鳩羽よ、貴様には遠慮という単語が備わっておらぬようだな?」
「遠慮なんて品のいい単語、知らねーよ」
吐き捨て、鳩羽美咲はソファに戻ってコーヒーを、実はダイドー少尉の取っておきの銘柄であるそれを飲んだ。オフィスの隅にある未だ鏡餅の乗った小ぶりの金庫には、ダイドー少尉本人が忘れないようにと、暗証番号がメモしてあるのだ。
「んで、話を戻すとさ、バレンタインのお返しがホワイトデーっしょ? 確かビスケットだかを返すんだよな? そもそもがバレンタインっていう行事の意味を知らないんだけど、何となくノリで世間に合わせてチョコを配ったのよ。でもさ、そういうノリとかじゃなくて割りと本気な人とかいるっぽくって、以前はそういうのはどおかねー、って思ってたんだけど、ま、当人ハッピーならそれもアリか、とかさ。何かさー、あたしってば悟ってきてるっぽくね?」
「惚れた腫れたに縁のない鳩羽美咲よ、貴様――」
パン、オフィスの空気を震わすビンタに、ダイドー少尉の魂も震えた。
「その前置きヤメレ。幸薄いとか異性への魅力に欠けるとか誤解されそうじゃん」
「ぷおっ! 神々の宴が聞こえる! それはつまり悟りではなく、妥協だ。貴様の安上がりな曲がり角の人生において、世間様は騒ぐイベントは縁遠いと気付き、しかしそれより先への努力をせぬ者の妥協だ」
「じゃあさ、テメーは? チョコなんて欠片も貰ってないんだろ? ビスケット返す相手いないんだろ? モテない男ってのは惨めだーね?」
「我輩こう見えても様々な作品に準主役で抜擢されるほどのマニアックな人気を誇る! アホの塊の鳩羽ごとき、比べるまでもないわ!」
「アホの塊は撤回しろ。っつーか、こないだからソレを連呼してるテメーの生き様を前世を含めて撤回しろ。マニアックな人気て、メジャーウケしないって意味だろうが、威張るなよ」
その後二人は、メジャーでウケる方法、マニアックから脱する方法を数時間に渡って議論したが、お互いにマニアックであるが故、大した結論は出なかった。
「ほぁっ! つまり! 我輩はブログ・ゴーストライトのライターとして愉快な記事を提供しておった折にはほどほどに人気であったが、こうして活動の場を変えてもうすぐ三年、どうにも存在感が薄いようである! これはGW編集部の画策か!」
「あたしさー、ゲーム系記事書いてたときのほうがウケは良かったような気がすんのよ。でもさ、やっぱゲームやんない読者様ってのを想定して、そっちのほうが多そうだからゲーム比率を低くしたんだけど、他のライターさんと差別化できてないっぽいなー。ってこれ、GW編集部の画策か!」
紆余曲折を経て同じ意見に到達した二人は、同じ銘柄を同じ境遇同士、顔を合わせてすすった。寒い冬が終わりに近付く、ある日の出来事であった。
近年、国内各地で警察、自衛隊力では太刀打ちできない不可解な怪事件が頻発し、社会を混乱させていた。
新興宗教による思想犯罪。続発する陰惨な猟奇殺人。政府組織へのサイバーテロ。闇取引される粗悪な薬物。蔓延するコンピューターウィルスとノロウィルス。自殺を推奨・幇助するアングラサイトやカルト本。悪質なマルチまがい商法と未だ続くオレオレ詐欺。変造硬貨による自販機荒らし。資源ゴミの未分別。絶えない煙草のポイ捨て。笑えない最近のコント。
それらは一見すると無関係であるが、政府はこれらの背後に「組織」が存在すること、組織の計画によって犯罪と混乱が発生していることを知らないでいる。
ただ一人、その事実を知り、組織の陰謀に立ちはだかる男がいた。
その名は……ダイドー少尉!
ライター仲間である鳩羽美咲と共に雇用主を疑う、派手な行事とは無縁な質素な探偵はしかし、その活躍もまた質素で地味なため、相変わらずこんな、ていたらくである。
二人とも、覇気がないぞ!
――おわり
新興宗教による思想犯罪。続発する陰惨な猟奇殺人。政府組織へのサイバーテロ。闇取引される粗悪な薬物。蔓延するコンピューターウィルスとノロウィルス。自殺を推奨・幇助するアングラサイトやカルト本。悪質なマルチまがい商法と未だ続くオレオレ詐欺。変造硬貨による自販機荒らし。資源ゴミの未分別。絶えない煙草のポイ捨て。笑えない最近のコント。
それらは一見すると無関係であるが、政府はこれらの背後に「組織」が存在すること、組織の計画によって犯罪と混乱が発生していることを知らないでいる。
ただ一人、その事実を知り、組織の陰謀に立ちはだかる男がいた。
その名は……ダイドー少尉!
「でさ、もうすぐホワイトデーじゃん? 贈り物は三倍返しってのが通説だから、来週辺りのあたしってばゴージャスなブランドアクセとかに塗れて、ちょっとしたバブルなブルジョワジーかもなー」
そう云って鳩羽美咲{はとば・みさき}は狭いオフィスにある応接ソファで笑った。手にしたコーヒーカップも揺れる。
「愚かなる鳩羽よ。三十円のチョコをその名の通り鳩の餌のごとく編集部にバラ巻いておいて、三倍であっても九十円を数人からでブルジョワジーとは、まっこと安上がりな人生よのう」
返すオフィスの主、大道探偵ことサー・ダイドー少尉は、カプチーノをバニラスティックでくるりと回してから、ずず、とすすった。屈強なプロレスラーを連想させる体躯が黒いスリーピーススーツに収まる、カプチーノに続いてキューバ葉巻をくゆらせるこの男こそ、大道探偵事務所の所長、ダイドー少尉こと大道探偵である。
「三十円じゃねーよ、二十円だ。編集部とか取り引き先とかにいちいちチョコなんぞやってたら破産しちまうよ。んで、安上がりな人生で悪かったな。そこにノミネートさえされてないテメーの人生こそ、よっぽど安っぽいけどなー」
「鳩羽めからのチョコなぞ、薬殺か賄賂か、気色悪いわ」
ふん、と鼻を鳴らして、ダイドー少尉は葉巻をぷかり、カプチーノをすする。
「バレンタインチョコで薬殺とか、毒のほうが高くつくし、んなメンドーな真似しねーっす」
そこでダイドー少尉は、おや? と首をかしげた。普段に比べて鳩羽美咲からの返しが弱い、と。それが今時期は忙しいライターという仕事だからなのか、極寒でも暖房器具のないマイナス気温のオフィスだからなのか、鳩羽美咲が勝手にキッチンから拝借したコーヒーが量販店の安物で、ダイドー少尉が飲む高級銘柄は金庫の中だからなのかはともはく、口が達者で毎回言い負かされているダイドー少尉はニヤリと口元を上げた。
「ハレの行事でケの塊のような鳩羽めよ。惚れた腫れたに縁のない貴様は既に人生曲がり角でお肌の曲がり角だとそういうこと――」
ゴリッ、という異音は、まるで頭の内側からのようにダイドー少尉には聞こえた。鳩羽美咲の音速の膝がこめかみを捉えたその音は、ダイドー少尉の三半規管を揺らし、頭と意識も揺らした。
「誰が人生曲がり角だコラ。女性に対して肌がどうことか発言したら、ジーザス・クライストとの接見が可能だってことをそのスポンジみたいな脳みそに刻んどけ、この薄らトンカチが」
「くあっ! 頭蓋がズレたようなこの感覚はぁ! 競泳有段者である我輩をトンカチ呼ばわりはまあ良しとするが、よくよく見れば延々と我輩ブレンドの豆を無許可で挽く鳩羽よ、貴様には遠慮という単語が備わっておらぬようだな?」
「遠慮なんて品のいい単語、知らねーよ」
吐き捨て、鳩羽美咲はソファに戻ってコーヒーを、実はダイドー少尉の取っておきの銘柄であるそれを飲んだ。オフィスの隅にある未だ鏡餅の乗った小ぶりの金庫には、ダイドー少尉本人が忘れないようにと、暗証番号がメモしてあるのだ。
「んで、話を戻すとさ、バレンタインのお返しがホワイトデーっしょ? 確かビスケットだかを返すんだよな? そもそもがバレンタインっていう行事の意味を知らないんだけど、何となくノリで世間に合わせてチョコを配ったのよ。でもさ、そういうノリとかじゃなくて割りと本気な人とかいるっぽくって、以前はそういうのはどおかねー、って思ってたんだけど、ま、当人ハッピーならそれもアリか、とかさ。何かさー、あたしってば悟ってきてるっぽくね?」
「惚れた腫れたに縁のない鳩羽美咲よ、貴様――」
パン、オフィスの空気を震わすビンタに、ダイドー少尉の魂も震えた。
「その前置きヤメレ。幸薄いとか異性への魅力に欠けるとか誤解されそうじゃん」
「ぷおっ! 神々の宴が聞こえる! それはつまり悟りではなく、妥協だ。貴様の安上がりな曲がり角の人生において、世間様は騒ぐイベントは縁遠いと気付き、しかしそれより先への努力をせぬ者の妥協だ」
「じゃあさ、テメーは? チョコなんて欠片も貰ってないんだろ? ビスケット返す相手いないんだろ? モテない男ってのは惨めだーね?」
「我輩こう見えても様々な作品に準主役で抜擢されるほどのマニアックな人気を誇る! アホの塊の鳩羽ごとき、比べるまでもないわ!」
「アホの塊は撤回しろ。っつーか、こないだからソレを連呼してるテメーの生き様を前世を含めて撤回しろ。マニアックな人気て、メジャーウケしないって意味だろうが、威張るなよ」
その後二人は、メジャーでウケる方法、マニアックから脱する方法を数時間に渡って議論したが、お互いにマニアックであるが故、大した結論は出なかった。
「ほぁっ! つまり! 我輩はブログ・ゴーストライトのライターとして愉快な記事を提供しておった折にはほどほどに人気であったが、こうして活動の場を変えてもうすぐ三年、どうにも存在感が薄いようである! これはGW編集部の画策か!」
「あたしさー、ゲーム系記事書いてたときのほうがウケは良かったような気がすんのよ。でもさ、やっぱゲームやんない読者様ってのを想定して、そっちのほうが多そうだからゲーム比率を低くしたんだけど、他のライターさんと差別化できてないっぽいなー。ってこれ、GW編集部の画策か!」
紆余曲折を経て同じ意見に到達した二人は、同じ銘柄を同じ境遇同士、顔を合わせてすすった。寒い冬が終わりに近付く、ある日の出来事であった。
近年、国内各地で警察、自衛隊力では太刀打ちできない不可解な怪事件が頻発し、社会を混乱させていた。
新興宗教による思想犯罪。続発する陰惨な猟奇殺人。政府組織へのサイバーテロ。闇取引される粗悪な薬物。蔓延するコンピューターウィルスとノロウィルス。自殺を推奨・幇助するアングラサイトやカルト本。悪質なマルチまがい商法と未だ続くオレオレ詐欺。変造硬貨による自販機荒らし。資源ゴミの未分別。絶えない煙草のポイ捨て。笑えない最近のコント。
それらは一見すると無関係であるが、政府はこれらの背後に「組織」が存在すること、組織の計画によって犯罪と混乱が発生していることを知らないでいる。
ただ一人、その事実を知り、組織の陰謀に立ちはだかる男がいた。
その名は……ダイドー少尉!
ライター仲間である鳩羽美咲と共に雇用主を疑う、派手な行事とは無縁な質素な探偵はしかし、その活躍もまた質素で地味なため、相変わらずこんな、ていたらくである。
二人とも、覇気がないぞ!
――おわり
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
ああ、本気さ!19歳も年が離れている会社の女子社員と浮気する旦那はいつまでもロマンチストで嫌になる…
白崎アイド
大衆娯楽
19歳も年の差のある会社の女子社員と浮気をしている旦那。
娘ほど離れているその浮気相手への本気度を聞いてみると、かなり本気だと言う。
なら、私は消えてさしあげましょう…
人情居酒屋おやじ part1 常連の山ちゃん
双葉なおき
大衆娯楽
料金を作るのが趣味という親父が、早期退職をして居酒屋を始めた。
その親父の人柄に人が集まるお店を皆が「人情居酒屋」と呼ぶようになった。
そんな、「人情居酒屋おやじ」での人情あふれるお話である。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる