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第2章 花精霊族解放編
第40話 密談
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バラック小屋には十名の花精霊族が集まっていた。
彼らは車座になって腰を下ろし、声を潜めて話し合っている。
その中にはアスターゼとシャルルの姿もあった。
ヤツマガ村では花精霊族が大人数で集まるのは禁止されている。
そう言う点から言えば、今のこの状況は支配者層である人間からすれば叛乱分子の密談とも取られかねないものである。
であるので、既に夜更けであるが、灯りは最低限しか用意されておらず、アスターゼが個々の表情を読み取るのは難しい。
もっとも夜目が利く花精霊族にはあまり支障がない問題ではある。
「それで、俺たちが人間と戦って本当に勝てるのか?」
「ヒュドラの脅威は無くなったが、人間相手に強い態度で臨めた長まで居なくなっちまったからな……」
「また人間から無理難題を吹っかけられるのは間違いないだろうな」
「クソッ! また女を差し出せと言われるのか」
花精霊族の中で人間に良い感情を抱いている者はいないようだ。
アスターゼからは、彼らの表情を窺い知ることはできなかったが、その言葉に並々ならぬ嫌悪感が込められているのを感じていた。
「前の長は人間の支配から独立すべきと考えていた。皆、その考えに変わりはないか?」
新しく長となったトラットスは皆の顔を見渡して確認するかのように言った。
「奪う側がヒュドラから人間に代わっただけだ。もう黙って従うのは我慢ならん」
最初に花精霊族から女を奪っていたのは人間なのだ。
それがヒュドラの出現で一時的に人間が手を出すことができなくなっていただけあるので、その障害が消えたからには再び人間たちが花精霊族の女を要求してくることは間違いないだろう。
「この村の人口はどれ程なんですか?」
「一○○○人以上はいるのではないかと思う」
「それは確かですか?」
「ああ、長老が言ってたよ。服従を迫ってきた時に、『我ら一○○○の精鋭と戦うか服従するか選べ』って言われたってな」
「そうだったなぁ。あれから疫病なんかも何度か流行ったし結構減ってるんじゃないか?」
「村の人間が全員戦えるって訳でもないしな」
アスターゼはこの村の規模から考えて、一○○○人もの村人がいるとは到底思えなかった。まだ短い期間でしかないが、この村の人間と接触し、花精霊族の話を聞いて彼らの人間性はそれなりに理解したつもりだ。
彼らは嘘をついて少しでも自分に利をもたらそうとする。
その話は大袈裟で、如何に自分が優れているかを誇張して虚言を吐く。
それが嘘であるにも関わらず、自分でも本当であったかの如く信じ込む妄想癖がある。プライドだけは一丁前で強者に媚び、弱者には高圧的なのだ。
アスターゼは、事前に社や練兵所に潜入して調べた結果を踏まえて考えると、専門の兵士は一○○程度に過ぎないと考えていた。
残りは言わば半農半士と言ったところで、全人口が六○○~八○○程と考えると、戦える者は三○○人程ではないだろうか。
「僕は、人間側の兵力などたかが知れていると思っています。彼らの職業を見ても戦闘職の者は少ない。奇襲でもして人間側の指導者を倒せば独立は勝ち取れると思います」
「そうは言うがなぁ……。こっちだって職業が農民の者は少なくないんだぞ? なぁ?」
「そうだな。昔は戦闘職の者もいたらしいが、人間との混血が進んで農民が増えた。言い伝えにある月光騎士なんかがいれば良かったのかも知れねぇが」
この世界では職業は遺伝しやすい性質であるらしい。
また、地域性も関係しているようで、特定の場所に特定の職業が多く誕生すると言った事例が多く見られるそうだ。
「その辺は大丈夫です。僕が皆さんを転職させて、戦闘向きな職業へ変更しますので」
「それだよ。その"てんしょく"っつーのが分かんねぇんだ」
「僕の職業なんですよ。好きな職業へ変更することができる能力があるんです」
「そんな職業聞いたこともない。悪いが俺は部外者にそそのかされて叛乱なんて起こすもんじゃないと思うぜ」
中には現状を受け入れている者もいるようだ。
確かに傲岸不遜でいかにも自分を強いかの如く見せてきた人間に叛逆するのには躊躇いもあるだろう。
しかも長年に渡って虐げられてきたのだ。
そう簡単に反抗できるはずがない。
「では証明しましょう。誰か転職して良いと言う方はいらっしゃいますか? ちなみに、このシャルルは月光騎士に転職済みです」
アスターゼの唐突な紹介に、今まで黙って話を聞いていたシャルルが自慢げに薄い胸を張っている。
薄暗い室内だが、恐らくキリリとドヤ顔を披露しているに違いない。
「月光騎士だとぉ!?」
「おいッ! 声が大きいッ!」
アスターゼは既にこの場にいる男たちの素質を探っていた。
やはり農民などではなく、白魔術士や黒魔術士などの魔力と関連の深い職業になれそうな者が何人かいる。だが、ここで転職させるのに一番効果的な人物は、新しく長となったトラットスであろう。
「トラットスさん、あなたは精霊術士と言う職業と相性が良いみたいです。転職をしてみますか?」
「わ、私が?」
突然、指名されたことに驚いたのか、彼の声が上ずっている。
しかし、自分が新しい長になったことを思い出したのか、覚悟を決めたようだ。
「分かった……。私をてんしょくしてもらおうか」
「では。いきます」
【ハローワールド】
アスターゼはトラットスの職業を労働者から精霊術士へと転職させた。
薄暗い部屋に強烈な光が突如出現したことで目が眩んでしまい、アスターゼだけではなく花精霊族たちも手で目を覆っている。
やがてその光が消え、再び辺りが闇に支配されるとトラットスは呟くように言った。
「何か感覚が違う……これはッ……? 職業が変わっているだと……?」
「これでトラットスさんは精霊術士です。キャリアポイントを溜めれば精霊術が使えるようになりますよ」
「おおお……【シルファイネ】と言う術を習得しているようだ」
「それは幸運ですね! 最初から能力を習得しているかは運と言われていますから」
「なるほど……【シルファイネ】」
「へ?」
トラットスの言葉と同時に闇の中から光り輝く精霊が数匹現れ、何か囁き始めた。精霊たちは背中に生えた羽虫のような羽を使って闇の中を飛び回り、お互いに戯れ合ったかと思うと、突如風の渦が生み出した。
そして凝縮された風が解放される。
ガタガタガタ!
ドガガガバキ!
ガッシャァァァァァン!
深夜の村内に激しい音が響き渡る。
こんな脆い造りの家など少しの刺激を受ければ倒壊してしまうのは必然であった。バラック小屋の壁は崩れ落ちてなお、ミシミシと音を立てており、更なる破壊が撒き散らされそうだ。
「ちょッ!? 長ッ!? アンタ、何いきなり使ってんだよッ!?」
「ああああ! 嬉しくてつい口走ってしまったんだ!」
夜中に突然響き渡った大音響。
焦るトラットス。
責める花精霊族。
「えーい。解散だ! 全員見つからないように!」
集まっていた者は皆慌てて闇の中へと消えていく。
結構派手な音であったので、それを聞きつけてやってくる者がいるだろう。
特にそれが新しく就任した長の家となれば、尚更だ。
「シャルル、俺たちも帰るぞ」
「は、はいッ!」
こうして花精霊族の新しい長トラットスたちの密談は有耶無耶の内に終了した。
幸いなことに人間たちには気付かれなかったらしく、ボロい家の壁が経年劣化で倒壊したと言うことで花精霊族の中では決着が着いたようだ。
彼らは車座になって腰を下ろし、声を潜めて話し合っている。
その中にはアスターゼとシャルルの姿もあった。
ヤツマガ村では花精霊族が大人数で集まるのは禁止されている。
そう言う点から言えば、今のこの状況は支配者層である人間からすれば叛乱分子の密談とも取られかねないものである。
であるので、既に夜更けであるが、灯りは最低限しか用意されておらず、アスターゼが個々の表情を読み取るのは難しい。
もっとも夜目が利く花精霊族にはあまり支障がない問題ではある。
「それで、俺たちが人間と戦って本当に勝てるのか?」
「ヒュドラの脅威は無くなったが、人間相手に強い態度で臨めた長まで居なくなっちまったからな……」
「また人間から無理難題を吹っかけられるのは間違いないだろうな」
「クソッ! また女を差し出せと言われるのか」
花精霊族の中で人間に良い感情を抱いている者はいないようだ。
アスターゼからは、彼らの表情を窺い知ることはできなかったが、その言葉に並々ならぬ嫌悪感が込められているのを感じていた。
「前の長は人間の支配から独立すべきと考えていた。皆、その考えに変わりはないか?」
新しく長となったトラットスは皆の顔を見渡して確認するかのように言った。
「奪う側がヒュドラから人間に代わっただけだ。もう黙って従うのは我慢ならん」
最初に花精霊族から女を奪っていたのは人間なのだ。
それがヒュドラの出現で一時的に人間が手を出すことができなくなっていただけあるので、その障害が消えたからには再び人間たちが花精霊族の女を要求してくることは間違いないだろう。
「この村の人口はどれ程なんですか?」
「一○○○人以上はいるのではないかと思う」
「それは確かですか?」
「ああ、長老が言ってたよ。服従を迫ってきた時に、『我ら一○○○の精鋭と戦うか服従するか選べ』って言われたってな」
「そうだったなぁ。あれから疫病なんかも何度か流行ったし結構減ってるんじゃないか?」
「村の人間が全員戦えるって訳でもないしな」
アスターゼはこの村の規模から考えて、一○○○人もの村人がいるとは到底思えなかった。まだ短い期間でしかないが、この村の人間と接触し、花精霊族の話を聞いて彼らの人間性はそれなりに理解したつもりだ。
彼らは嘘をついて少しでも自分に利をもたらそうとする。
その話は大袈裟で、如何に自分が優れているかを誇張して虚言を吐く。
それが嘘であるにも関わらず、自分でも本当であったかの如く信じ込む妄想癖がある。プライドだけは一丁前で強者に媚び、弱者には高圧的なのだ。
アスターゼは、事前に社や練兵所に潜入して調べた結果を踏まえて考えると、専門の兵士は一○○程度に過ぎないと考えていた。
残りは言わば半農半士と言ったところで、全人口が六○○~八○○程と考えると、戦える者は三○○人程ではないだろうか。
「僕は、人間側の兵力などたかが知れていると思っています。彼らの職業を見ても戦闘職の者は少ない。奇襲でもして人間側の指導者を倒せば独立は勝ち取れると思います」
「そうは言うがなぁ……。こっちだって職業が農民の者は少なくないんだぞ? なぁ?」
「そうだな。昔は戦闘職の者もいたらしいが、人間との混血が進んで農民が増えた。言い伝えにある月光騎士なんかがいれば良かったのかも知れねぇが」
この世界では職業は遺伝しやすい性質であるらしい。
また、地域性も関係しているようで、特定の場所に特定の職業が多く誕生すると言った事例が多く見られるそうだ。
「その辺は大丈夫です。僕が皆さんを転職させて、戦闘向きな職業へ変更しますので」
「それだよ。その"てんしょく"っつーのが分かんねぇんだ」
「僕の職業なんですよ。好きな職業へ変更することができる能力があるんです」
「そんな職業聞いたこともない。悪いが俺は部外者にそそのかされて叛乱なんて起こすもんじゃないと思うぜ」
中には現状を受け入れている者もいるようだ。
確かに傲岸不遜でいかにも自分を強いかの如く見せてきた人間に叛逆するのには躊躇いもあるだろう。
しかも長年に渡って虐げられてきたのだ。
そう簡単に反抗できるはずがない。
「では証明しましょう。誰か転職して良いと言う方はいらっしゃいますか? ちなみに、このシャルルは月光騎士に転職済みです」
アスターゼの唐突な紹介に、今まで黙って話を聞いていたシャルルが自慢げに薄い胸を張っている。
薄暗い室内だが、恐らくキリリとドヤ顔を披露しているに違いない。
「月光騎士だとぉ!?」
「おいッ! 声が大きいッ!」
アスターゼは既にこの場にいる男たちの素質を探っていた。
やはり農民などではなく、白魔術士や黒魔術士などの魔力と関連の深い職業になれそうな者が何人かいる。だが、ここで転職させるのに一番効果的な人物は、新しく長となったトラットスであろう。
「トラットスさん、あなたは精霊術士と言う職業と相性が良いみたいです。転職をしてみますか?」
「わ、私が?」
突然、指名されたことに驚いたのか、彼の声が上ずっている。
しかし、自分が新しい長になったことを思い出したのか、覚悟を決めたようだ。
「分かった……。私をてんしょくしてもらおうか」
「では。いきます」
【ハローワールド】
アスターゼはトラットスの職業を労働者から精霊術士へと転職させた。
薄暗い部屋に強烈な光が突如出現したことで目が眩んでしまい、アスターゼだけではなく花精霊族たちも手で目を覆っている。
やがてその光が消え、再び辺りが闇に支配されるとトラットスは呟くように言った。
「何か感覚が違う……これはッ……? 職業が変わっているだと……?」
「これでトラットスさんは精霊術士です。キャリアポイントを溜めれば精霊術が使えるようになりますよ」
「おおお……【シルファイネ】と言う術を習得しているようだ」
「それは幸運ですね! 最初から能力を習得しているかは運と言われていますから」
「なるほど……【シルファイネ】」
「へ?」
トラットスの言葉と同時に闇の中から光り輝く精霊が数匹現れ、何か囁き始めた。精霊たちは背中に生えた羽虫のような羽を使って闇の中を飛び回り、お互いに戯れ合ったかと思うと、突如風の渦が生み出した。
そして凝縮された風が解放される。
ガタガタガタ!
ドガガガバキ!
ガッシャァァァァァン!
深夜の村内に激しい音が響き渡る。
こんな脆い造りの家など少しの刺激を受ければ倒壊してしまうのは必然であった。バラック小屋の壁は崩れ落ちてなお、ミシミシと音を立てており、更なる破壊が撒き散らされそうだ。
「ちょッ!? 長ッ!? アンタ、何いきなり使ってんだよッ!?」
「ああああ! 嬉しくてつい口走ってしまったんだ!」
夜中に突然響き渡った大音響。
焦るトラットス。
責める花精霊族。
「えーい。解散だ! 全員見つからないように!」
集まっていた者は皆慌てて闇の中へと消えていく。
結構派手な音であったので、それを聞きつけてやってくる者がいるだろう。
特にそれが新しく就任した長の家となれば、尚更だ。
「シャルル、俺たちも帰るぞ」
「は、はいッ!」
こうして花精霊族の新しい長トラットスたちの密談は有耶無耶の内に終了した。
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