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「あのー…私…ディオス様とは…」
ハルヴァは断ろうと思った。
別にこうしてフォローしなくても自分は逃げたりしませんよ…と。
ディオスはそっぽを向いたまま「いや、ち、違う」とボソボソ話す。
「え?」
「……し、仕事で必要なんだ。女性と出かけるのが!……ど、どんなものが好きだとか…べ、別に君に対して下心があるわけでは……何もしない…ただ、買い物に…だから…」
「あー!なるほど!わかりました!では仕事が終わったら現地に行きますね!どのお店ですか?」
(ぷぷ…仕事って!あなた上等兵でしょ?女性が好きな物の情報が必要な職場じゃないじゃない…!嘘が下手だなぁ)ハルヴァは思わず吹き出しそうにとなったけど堪えた。
本当は恋人に渡すプレゼントを買いに行きたいのではないか?とハルヴァは思った。(……サプライズなのかしら?)本人に聞けばいいのに…と若干思いはしたが、内緒にして驚かせたいのかもしれない。
「いや…む、迎えに来る。今日は何時に終わるんだ」
「え、いやいやいや!結構です。自分で行きます!先に始めておいてください…場所はどこですか?」
「飲み会じゃないんだぞ…くそ、17時頃からここで待ってる」
「…………」
ハルヴァはなんとなくディオスと一緒にいるところを見られるとまずい気がしたけれど…(女性同伴じゃないと入店できないのかも)と言葉を飲み込んだ。
「はー!?本当無神経な奴!ハルヴァいいの?」
「……うん、へ、平気!だって二人が上手く行けば私と婚約解消してくれるかもしれないもん!…あはは!そうしたら早く自由になれるし…もしかしたら今後、私のこと好きになってくれる人も現れるかもしれない!そうしたらその人とデートしてみるんだぁ…」
ハルヴァは目をキラキラさせた。
今のところハルヴァは誰か男性からは求められたことがない。
ディオスが求めてくれている…と思っていたけど、勘違いだったようなのでやはり未だ0人だ。
揶揄われたことはあるが本気で自分を好きだと言ってくれた男性などいない。
「サラって男性から『好き』と言われたことある?」
「ない。『困る』って言われたことはある!」
「えー?あはははは!」
二人は笑い合った。
ああ、憧れ…!私もいつか本当に「好き」って言ってもらえるかなぁ…
「ハァハァ!ご、ごめんなさいすみません申し訳ございません!ちょ、ちょっとアクシデントが…!」
18時を回った頃ハルヴァはようやくホールに行くことができた。
物凄く走って物凄く謝罪したけれど…そこにはもうディオスはいなくて(や、やばーい!怒って帰っちゃったみたい!)とハルヴァは青ざめた。
ハルヴァは慌てて家に帰ると謝罪の手紙を書いた。
『本日残業になってしまい…集合時間を守れず大変申し訳ございません。また機会がございましたらよろしくお願いいたします。ハルヴァ』
「え?あはは…帰っちゃったみたいで…私、出掛けられませんでした」ハルヴァは先輩の問いかけに後頭部を擦りながら答えた。
(なさけない…先輩に仕事を頼まれたとは言え1時間もかかっちゃった!)
「……あら、残念だったわね」
「いや、まあ…彼も他の女性の意見の方が為になると思うので…それに多分お腹が空いて帰ったんですよ…夕飯時ですもの」ハルヴァがそう言うと先輩は馬鹿を見るような目でハルヴァを見た後、無言で離れて行った。
ハルヴァはまた恥ずかしくて顔が赤くなってしまった。
(すごく引いてた…何か変なこと言っちゃった…?)
ハルヴァはジョンの包帯を外しながらポツリと愚痴を零した。
「私…なーんにも上手くできない。看護も失敗ばかりですよね…ごめんなさい」慎重に生理食塩水をかけながらゆっくりと包帯を外す。
「なぜ?」
「なぜ?……馬鹿だから。馬鹿だから…婚約者も私のこと好きじゃない…好きじゃないことに最近気付いたの…私、馬鹿ですよね。そんなはずないのに…なぜか私のこと好きだと思ってたんです」
「はるば」
「……はい…」
「はるばはバカじゃない」ジョンがゆっくりと言葉を紡ぐ。
「みんな」「しっぱいする」「でも」「はるばは」「あたたかい」
「ジョンさん…」
「にわにいきたいな」ジョンは珍しくそうハルヴァに言った。
ハルヴァはなんだか嬉しくなったので急いで準備をするとジョンの車椅子を押した。
「さいきん、あまりいたくない」
「そうでしょ?そうでしょ?すごく良くなったよ?傷口、見てないからわからないですよね、きっともっと良くなりますよ」
「きれいだなはるば」「きみもすてきだ」「だから」「きっとうまくいくよ」「おうえんしてる」「いっしょに」「がんばろう」
ジョンは一生懸命に言葉を紡ぐとハルヴァを励ますように声を掛けた。ハルヴァはなんだか涙が出そうな心地になったので「あ、ありがとう…」と小さな声で言った後誤魔化すように野花を摘んだ。
「はい、ジョンさんどうぞ」
ハルヴァは小さな花束を作るとジョンに手渡した。
「はるば、あたまを」
するとジョンがそう言ったので腰を屈める。
ジョンがゆっくりそこから花を一本とるとゆっくりとした動作でハルヴァの髪にゆっくり挿した。
かなり動くのが辛いのか、時折休みながらだったので時間は必要だったが…それでもジョンはハルヴァの頭に花を挿してくれたのだ。
「え?私に?……ありがとう!あの、は、初めて!初めて男の人に花を貰いました」ハルヴァは感動して何度もその花に手で触れた。
「はるば、むすめみたい」
「え?」
「しあわせに」「なっておくれ」
ハルヴァはジョンからもらったお花がとても嬉しかったので1日中挿していた。ジョンから貰った、と言えば先輩も看護長も文句はないようだった。
足取り軽くホールに向かうとディオスがテーブルで肘をついて座っているのが見えたのでハルヴァは見つからないようにコソコソと出口に向かう。絶対怒られると思ったからだ。
(き、気付かれませんように!)
ハルヴァは断ろうと思った。
別にこうしてフォローしなくても自分は逃げたりしませんよ…と。
ディオスはそっぽを向いたまま「いや、ち、違う」とボソボソ話す。
「え?」
「……し、仕事で必要なんだ。女性と出かけるのが!……ど、どんなものが好きだとか…べ、別に君に対して下心があるわけでは……何もしない…ただ、買い物に…だから…」
「あー!なるほど!わかりました!では仕事が終わったら現地に行きますね!どのお店ですか?」
(ぷぷ…仕事って!あなた上等兵でしょ?女性が好きな物の情報が必要な職場じゃないじゃない…!嘘が下手だなぁ)ハルヴァは思わず吹き出しそうにとなったけど堪えた。
本当は恋人に渡すプレゼントを買いに行きたいのではないか?とハルヴァは思った。(……サプライズなのかしら?)本人に聞けばいいのに…と若干思いはしたが、内緒にして驚かせたいのかもしれない。
「いや…む、迎えに来る。今日は何時に終わるんだ」
「え、いやいやいや!結構です。自分で行きます!先に始めておいてください…場所はどこですか?」
「飲み会じゃないんだぞ…くそ、17時頃からここで待ってる」
「…………」
ハルヴァはなんとなくディオスと一緒にいるところを見られるとまずい気がしたけれど…(女性同伴じゃないと入店できないのかも)と言葉を飲み込んだ。
「はー!?本当無神経な奴!ハルヴァいいの?」
「……うん、へ、平気!だって二人が上手く行けば私と婚約解消してくれるかもしれないもん!…あはは!そうしたら早く自由になれるし…もしかしたら今後、私のこと好きになってくれる人も現れるかもしれない!そうしたらその人とデートしてみるんだぁ…」
ハルヴァは目をキラキラさせた。
今のところハルヴァは誰か男性からは求められたことがない。
ディオスが求めてくれている…と思っていたけど、勘違いだったようなのでやはり未だ0人だ。
揶揄われたことはあるが本気で自分を好きだと言ってくれた男性などいない。
「サラって男性から『好き』と言われたことある?」
「ない。『困る』って言われたことはある!」
「えー?あはははは!」
二人は笑い合った。
ああ、憧れ…!私もいつか本当に「好き」って言ってもらえるかなぁ…
「ハァハァ!ご、ごめんなさいすみません申し訳ございません!ちょ、ちょっとアクシデントが…!」
18時を回った頃ハルヴァはようやくホールに行くことができた。
物凄く走って物凄く謝罪したけれど…そこにはもうディオスはいなくて(や、やばーい!怒って帰っちゃったみたい!)とハルヴァは青ざめた。
ハルヴァは慌てて家に帰ると謝罪の手紙を書いた。
『本日残業になってしまい…集合時間を守れず大変申し訳ございません。また機会がございましたらよろしくお願いいたします。ハルヴァ』
「え?あはは…帰っちゃったみたいで…私、出掛けられませんでした」ハルヴァは先輩の問いかけに後頭部を擦りながら答えた。
(なさけない…先輩に仕事を頼まれたとは言え1時間もかかっちゃった!)
「……あら、残念だったわね」
「いや、まあ…彼も他の女性の意見の方が為になると思うので…それに多分お腹が空いて帰ったんですよ…夕飯時ですもの」ハルヴァがそう言うと先輩は馬鹿を見るような目でハルヴァを見た後、無言で離れて行った。
ハルヴァはまた恥ずかしくて顔が赤くなってしまった。
(すごく引いてた…何か変なこと言っちゃった…?)
ハルヴァはジョンの包帯を外しながらポツリと愚痴を零した。
「私…なーんにも上手くできない。看護も失敗ばかりですよね…ごめんなさい」慎重に生理食塩水をかけながらゆっくりと包帯を外す。
「なぜ?」
「なぜ?……馬鹿だから。馬鹿だから…婚約者も私のこと好きじゃない…好きじゃないことに最近気付いたの…私、馬鹿ですよね。そんなはずないのに…なぜか私のこと好きだと思ってたんです」
「はるば」
「……はい…」
「はるばはバカじゃない」ジョンがゆっくりと言葉を紡ぐ。
「みんな」「しっぱいする」「でも」「はるばは」「あたたかい」
「ジョンさん…」
「にわにいきたいな」ジョンは珍しくそうハルヴァに言った。
ハルヴァはなんだか嬉しくなったので急いで準備をするとジョンの車椅子を押した。
「さいきん、あまりいたくない」
「そうでしょ?そうでしょ?すごく良くなったよ?傷口、見てないからわからないですよね、きっともっと良くなりますよ」
「きれいだなはるば」「きみもすてきだ」「だから」「きっとうまくいくよ」「おうえんしてる」「いっしょに」「がんばろう」
ジョンは一生懸命に言葉を紡ぐとハルヴァを励ますように声を掛けた。ハルヴァはなんだか涙が出そうな心地になったので「あ、ありがとう…」と小さな声で言った後誤魔化すように野花を摘んだ。
「はい、ジョンさんどうぞ」
ハルヴァは小さな花束を作るとジョンに手渡した。
「はるば、あたまを」
するとジョンがそう言ったので腰を屈める。
ジョンがゆっくりそこから花を一本とるとゆっくりとした動作でハルヴァの髪にゆっくり挿した。
かなり動くのが辛いのか、時折休みながらだったので時間は必要だったが…それでもジョンはハルヴァの頭に花を挿してくれたのだ。
「え?私に?……ありがとう!あの、は、初めて!初めて男の人に花を貰いました」ハルヴァは感動して何度もその花に手で触れた。
「はるば、むすめみたい」
「え?」
「しあわせに」「なっておくれ」
ハルヴァはジョンからもらったお花がとても嬉しかったので1日中挿していた。ジョンから貰った、と言えば先輩も看護長も文句はないようだった。
足取り軽くホールに向かうとディオスがテーブルで肘をついて座っているのが見えたのでハルヴァは見つからないようにコソコソと出口に向かう。絶対怒られると思ったからだ。
(き、気付かれませんように!)
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