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番外編6〜もしも〜
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「マリお菓子食べる?」
「電車で?食べる食べる!」
ケイタはキオスクでマリに食べ物を買い与える為に立ち止まった。マリの体内に入るものは全部買ってあげたい…
「グミ?」
「うん!グミ大好き」
「種類あるよ。どれ?」ケイタは商品棚に掛けられたグミを指差しマリに聞いた。「わー!えーっと…」マリは2つのグミを手に取ると見比べている。
「……」
「…両方欲しいの?いいよ」
ケイタはマリからグミを受け取って自分はコーヒーを手に取るとマリが何か言う前に支払いを終わらせた。
「に…2個も?しかも買ってくれるの?」
「うん、マリの物全部俺が払いたい」ケイタはマリの手を握るとそう言って電車に乗り込んだ。「ケイタ?でも…」「……結婚するから」ケイタはマリの隣に座ると手をぎゅっと握って彼女を見つめた。「え?」
「結婚するから。俺達結婚するから。だからいつか俺が全部払うから。だから今からでも同じだから」マリはケイタの語尾が韻を踏んでいるのが気になって気になって堪らなかった。
「……結婚?」
「うん。俺…マリとずっと一緒にいたい」
「……私も!ケイタ!」マリはケイタにピッタリとくっつくと甘えるように寄りかかった。ケイタはバッキバキ。
でもマリはなんとなくそんなに上手くいかないんじゃないかな?とも思っていた。モナはもう何回か彼氏を変えているし、他の友だちも高校時代からの彼氏とはもう殆どの人が別れてしまっている。
今は仲良しだけど…
ケイタがいつか私を好きじゃなくなるときも来るのかな?
マリはぼんやりそんな事を考えて目から涙が出そうになったので頭を振った。
せっかく楽しい旅行なのに…暗いことを考えるのはやめよう。
しかしマリの悩みは全く意味のないことだ。
ケイタは例えマリと離れて暮らしていてもずっと彼女のことを考えていて嫌いになることなどはないだろう。
しかしケイタの内に秘める溺愛は彼の表情筋があまり動かないせいでマリにはあまり伝わってはいなかった。
多分彼はマリがケイタを嫌いになってもずっとずっとあなたを愛し続けると思いますよ…
「おいしいよ!はい、どうぞ」
マリはケイタの口にグミを押し込んだ。
「うん、甘い」
「甘くて美味しいね!ケイタ」
マリはにっこり笑うとそう言って自分の口にもグミをポイッと入れた。ケイタはそんなマリが物凄く可愛かったのでガン見した。
口内にあるグミはマリを想って舐め溶かすと決めていた。
「キスは後でね」
マリはケイタが口元を見つめているのに気付いたのでそう言って彼の唇をぷにぷにと押した。「……うん」ケイタはもうバッキバキだった。
「バス久しぶりに乗ったかも!」
電車からバスを乗り継いで目的地の側にやって来た。長い移動時間だったがケイタはあっという間に感じているほど幸せな時間だった。
マリはポケットから小さなタオルを取り出すとケイタの額に浮いた汗を拭う、ケイタは身を屈めてマリに顔を寄せた。
「もう少し歩くね。マリ大丈夫?」
「うん!ケイタは?荷物持ってくれてるから辛くない?私まだ元気だし持てるよ?」
「大丈夫」ケイタは飄々とした様子でマリにキスをすると「マリが疲れたら背負える。元気」と手を握った。
「ねえ見て見て?ケイタってアレルギーある?」道中マリはたくさん木の生えた森の中を指さしてケイタに言った。
「ない」
「めちゃくちゃたくさん色んな種類の木が生えてるよー!もしあの中の一本が身体に合わなかったらこの距離でも症状が出るのかなぁ?あ!それでねアレルギーで思い出したんだけどモナがね。ホコリアレルギーなの。私も最近知ったんだけど」
「うん」
「今治療でホコリをベロの下にいれてるんだって!」
「ホコリを?」
「そう!モナが言ってたの!そこら辺に落ちてるのをベロの下に入れるんだよ!って!大変だよね…もう半年も入れ続けてるんだって…ホコリ見つけたらすぐに入れなきゃいけないんだって…でもそれで治るなら…って辛そうにしてた…それから私…自分の部屋掃除するようになったんだ…モナが来たときホコリがないように…」
「……」ケイタは思った。
マリはきっとモナさんにからかわれていると…
恐らくはホコリの現物ではなく、アレルゲンを模した錠剤を舌下に入れる治療だと思う。でも一生懸命信じてモナさんを心配しているマリが可愛かったのでだまっていることにした。
「そうなんだ」
「そう!本当大変…モナかわいそう。今度会ったらチョコレート食べさせてあげよ…お口直しに」ケイタは眉を下げるマリを見てこれからも全力で守り続けてあげよう。そう誓った。
「ねえ?見てみて見てみて!」部屋に案内され仲居さんが出て行くやいなやマリは窓の障子を開けてケイタに手招きをした。
少し高い位置に建っている旅館から眺める景色は美しく、青々とした木々と美しい川が見える。
「…景色がキレイ?」
「違うそうじゃないの!ねえ!あそこになんだか商店街のような通りがあるよ!ケイタ後で行こう行こう!なんだか煙がもくもくしてるし、きっと美味しい物が売ってるよー!」
ケイタはもう限界だった。
バッキバキだった。
商店街に行く前にしたいことがあったのだ。
マリをぎゅっと抱き締めてキスをする。
「んー…」
ケイタはマリの舌をゆっくり丁寧に舐めるとサラサラしていた彼女の唾液がねっとりと粘度を帯びていくのを感じて益々興奮してしまった。
「…もうふるの?」マリはケイタに舌を吸われながら「もうするの?」と尋ねた。「し、したい…」ケイタはバッキバキを掴むとそこが自分の意志に反して跳ねるのを抑え込んだ。
「……お風呂に入ってから」
「じゃ、じゃあ今入ろう。ここの温泉は年中無休…1日中いつでも利用できるのが魅力…」
「…………うん」マリが顔を染めてコクリと頷いたのを確認してケイタは心の中は喜びに荒れ狂っていた。しかし彼は表情筋があまり動かないタイプだったのでそれは表には出ることはなかった。
「電車で?食べる食べる!」
ケイタはキオスクでマリに食べ物を買い与える為に立ち止まった。マリの体内に入るものは全部買ってあげたい…
「グミ?」
「うん!グミ大好き」
「種類あるよ。どれ?」ケイタは商品棚に掛けられたグミを指差しマリに聞いた。「わー!えーっと…」マリは2つのグミを手に取ると見比べている。
「……」
「…両方欲しいの?いいよ」
ケイタはマリからグミを受け取って自分はコーヒーを手に取るとマリが何か言う前に支払いを終わらせた。
「に…2個も?しかも買ってくれるの?」
「うん、マリの物全部俺が払いたい」ケイタはマリの手を握るとそう言って電車に乗り込んだ。「ケイタ?でも…」「……結婚するから」ケイタはマリの隣に座ると手をぎゅっと握って彼女を見つめた。「え?」
「結婚するから。俺達結婚するから。だからいつか俺が全部払うから。だから今からでも同じだから」マリはケイタの語尾が韻を踏んでいるのが気になって気になって堪らなかった。
「……結婚?」
「うん。俺…マリとずっと一緒にいたい」
「……私も!ケイタ!」マリはケイタにピッタリとくっつくと甘えるように寄りかかった。ケイタはバッキバキ。
でもマリはなんとなくそんなに上手くいかないんじゃないかな?とも思っていた。モナはもう何回か彼氏を変えているし、他の友だちも高校時代からの彼氏とはもう殆どの人が別れてしまっている。
今は仲良しだけど…
ケイタがいつか私を好きじゃなくなるときも来るのかな?
マリはぼんやりそんな事を考えて目から涙が出そうになったので頭を振った。
せっかく楽しい旅行なのに…暗いことを考えるのはやめよう。
しかしマリの悩みは全く意味のないことだ。
ケイタは例えマリと離れて暮らしていてもずっと彼女のことを考えていて嫌いになることなどはないだろう。
しかしケイタの内に秘める溺愛は彼の表情筋があまり動かないせいでマリにはあまり伝わってはいなかった。
多分彼はマリがケイタを嫌いになってもずっとずっとあなたを愛し続けると思いますよ…
「おいしいよ!はい、どうぞ」
マリはケイタの口にグミを押し込んだ。
「うん、甘い」
「甘くて美味しいね!ケイタ」
マリはにっこり笑うとそう言って自分の口にもグミをポイッと入れた。ケイタはそんなマリが物凄く可愛かったのでガン見した。
口内にあるグミはマリを想って舐め溶かすと決めていた。
「キスは後でね」
マリはケイタが口元を見つめているのに気付いたのでそう言って彼の唇をぷにぷにと押した。「……うん」ケイタはもうバッキバキだった。
「バス久しぶりに乗ったかも!」
電車からバスを乗り継いで目的地の側にやって来た。長い移動時間だったがケイタはあっという間に感じているほど幸せな時間だった。
マリはポケットから小さなタオルを取り出すとケイタの額に浮いた汗を拭う、ケイタは身を屈めてマリに顔を寄せた。
「もう少し歩くね。マリ大丈夫?」
「うん!ケイタは?荷物持ってくれてるから辛くない?私まだ元気だし持てるよ?」
「大丈夫」ケイタは飄々とした様子でマリにキスをすると「マリが疲れたら背負える。元気」と手を握った。
「ねえ見て見て?ケイタってアレルギーある?」道中マリはたくさん木の生えた森の中を指さしてケイタに言った。
「ない」
「めちゃくちゃたくさん色んな種類の木が生えてるよー!もしあの中の一本が身体に合わなかったらこの距離でも症状が出るのかなぁ?あ!それでねアレルギーで思い出したんだけどモナがね。ホコリアレルギーなの。私も最近知ったんだけど」
「うん」
「今治療でホコリをベロの下にいれてるんだって!」
「ホコリを?」
「そう!モナが言ってたの!そこら辺に落ちてるのをベロの下に入れるんだよ!って!大変だよね…もう半年も入れ続けてるんだって…ホコリ見つけたらすぐに入れなきゃいけないんだって…でもそれで治るなら…って辛そうにしてた…それから私…自分の部屋掃除するようになったんだ…モナが来たときホコリがないように…」
「……」ケイタは思った。
マリはきっとモナさんにからかわれていると…
恐らくはホコリの現物ではなく、アレルゲンを模した錠剤を舌下に入れる治療だと思う。でも一生懸命信じてモナさんを心配しているマリが可愛かったのでだまっていることにした。
「そうなんだ」
「そう!本当大変…モナかわいそう。今度会ったらチョコレート食べさせてあげよ…お口直しに」ケイタは眉を下げるマリを見てこれからも全力で守り続けてあげよう。そう誓った。
「ねえ?見てみて見てみて!」部屋に案内され仲居さんが出て行くやいなやマリは窓の障子を開けてケイタに手招きをした。
少し高い位置に建っている旅館から眺める景色は美しく、青々とした木々と美しい川が見える。
「…景色がキレイ?」
「違うそうじゃないの!ねえ!あそこになんだか商店街のような通りがあるよ!ケイタ後で行こう行こう!なんだか煙がもくもくしてるし、きっと美味しい物が売ってるよー!」
ケイタはもう限界だった。
バッキバキだった。
商店街に行く前にしたいことがあったのだ。
マリをぎゅっと抱き締めてキスをする。
「んー…」
ケイタはマリの舌をゆっくり丁寧に舐めるとサラサラしていた彼女の唾液がねっとりと粘度を帯びていくのを感じて益々興奮してしまった。
「…もうふるの?」マリはケイタに舌を吸われながら「もうするの?」と尋ねた。「し、したい…」ケイタはバッキバキを掴むとそこが自分の意志に反して跳ねるのを抑え込んだ。
「……お風呂に入ってから」
「じゃ、じゃあ今入ろう。ここの温泉は年中無休…1日中いつでも利用できるのが魅力…」
「…………うん」マリが顔を染めてコクリと頷いたのを確認してケイタは心の中は喜びに荒れ狂っていた。しかし彼は表情筋があまり動かないタイプだったのでそれは表には出ることはなかった。
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