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双子の兄がいるのだ。
自分には、
二卵性であまり顔は似ていないが、髪の色が同じだ。
知らなければわからないだろう。
その兄よりも俺は優秀だった。
だから後継者は俺しかいないだろう、そう自他共に認められていたのだ。
自分は普通ではないと昔から気付いていた。
周りの態度も自分の立ち位置もわかる聡明な子どもだったのだ。俺は。
「殿下ぁ……お願い致します。どうかその気になっていただけませんかぁ?」
先日結婚した妻が顔を涙でぐちゃぐちゃにしながら床に額を付けている。
「……貴様に魅力を感じぬ」
もうかれこれ三度結婚を繰り返している。
王族は子を残さねばならん。
彼は内心冷や汗をかいていた。
(……なぜ勃たぬのだ!俺の陰茎は!もうどんな女性でも無理だというのか!?三人目だぞ!?)
「クライド様ぁ……お願い致します。私、このまま子種をいただかずに部屋へ戻るわけには……」
「……ふん、自分のことばかり……そんな女は妻として相ふさわしくない」
自分にこんな欠陥があったとは……
クライドは内心頭を抱えた。
勃起不全だけではない。
なぜか女性に触れようとするだけで、怖気が走り全身がムズムズと痒くなっていくのだ……
クライドは妻を部屋から追い出した後、全身をボリボリと掻きむしった。
そんなある日三人目の妻との離婚が成立してからクライドは父親である王から呼び出された。
(嫌な予感がする……)
「クライド……お前、聖騎士になれ」
「……はい。承知いたしました」
クライドは遂に事実上、王位継承権を剥奪された。
聖騎士は基本王族がなる。
今回は本来、双子の兄が就くのではないかと思われていた。周りも、俺も、本人でさえも……
聖騎士を任命された帰りに廊下で会った兄に「お前が不能だったとはな。人生とはわからん、なあ?弟よ」とニッコリ微笑まれたものだ。
「……はい」
これから自分は王族でも貴族でもない。
なんでもない存在になるのだ。
聖騎士?
あんなもの……使えない駒が暴れないように監禁しておく場所だ。
監視下に置いて、反逆しないために。
(俺の人生は終わりだ)
クライドは憎々しげに自分の股間に目を落とすと舌打ちをした。
だから驚いたのだ。
久しぶりに呼び出された王宮で「東の聖女と婚姻を結べ」と言われた時は。
神殿に戻ると祈りを終えたオリビアがもうすでにそこにいて「クライド、結婚するんですって?」とふわりと微笑んだ。
「……まあ、形だけでしょう」
クライドは過去三回の結婚を思い出しつまらなさそうに言った。
三人の妻は家柄等から決められた女性で皆、容姿端麗で頭もよかったそうだ。公爵家以上の身分で所作等の美しさも申し分なかったそう……
(そんなに素晴らしい女性でも興味が湧かなかったのだ。俺は)
特に一人目の女性は昔からの婚約者だった。
時折王宮でお茶も飲んだ。
(まあ、この女と結婚するのだろう)
相手もそう思っていたのだろうし、お互い悪い感情はなかった。
美しく優しい女性だった。
ような覚えがある。
名前は……なんだったか……
「セラフィナと申します」
初対面の妻がそう言った。
彼女は粗末な白いワンピースで教会に現れた。
クライドは自分の正装姿を見て彼女の方を向く。
マナーがなっていない。と伝えたかった。
「あ、結婚式?するんですよね?」
しかし、彼女はそんなことは気にならないようであっけらかんとしてそう言った。
クライドは顔を引きつらせた。
(なんだこの無礼な女は……)
「……ねえ?私は名乗ったけど、あなたは名乗らないの?無礼な男ね」セラフィナは可愛らしい唇を尖らせるとそんな顔に似合わない調子で忌々しそうに言った。
「く……っ……クライド・ホーリックだ……」
「……ふふ、クライド様?よろしくね」セラフィナはそう言うとニッコリ微笑んだ。
その時、クライドの胸は何かに掴まれたようにギューっと苦しくなった……
「……?」
しかし恋を知らなかった彼は詐欺師の東の聖女が何かしたのかと舌打ちをしたのだった。
勝手に胸をときめかせたくせに。
「これは契約結婚だ。国同士が決めた」
「……はい?……はい」
「理解できませんか?勘違いするな、ということです。この先、何があったとしても」
クライドは王から初夜の証拠を送るように命令されていた。
(どうせできないと思っているくせに……本当に嫌なことを命令するものだ)彼は歯ぎしりをした。
自分の血を垂らすか、なんならあの東の聖女に噛みついて血を垂らしてやろうか。
クライドはイライラと考えを巡らせた。
それと裏腹に口元が引き上がってしまいそうになるのを懸命に抑えた。(一体なんだと言うんだ!?笑う場面ではないぞ!)
「三年は?そうだ!三年にしましょう!」
セラフィナがニッコリ微笑むとなんでもないような調子でそう言った。クライドはその顔を見て、なんだか妙な……
腹立たしいような心地になったので軽くセラフィナをベッドに向けて押した。
(生意気な東の詐欺師め。強がっているのか?他の女のように縋り付けばいいものを!だから東の女は嫌なんだ!三年で俺から離れるだと!?)クライドに妙な独占欲のような物が芽生えていく……この女を自分だけの物にしたい。
「……証拠を送れと言われてる」
ズキンズキンと股間が痛む……
クライドは股間が苦しくてベルトを外した。
(…………)
クライドは初めて見た自分のそそり立つ陰茎に言葉を失うとそれに香油を塗り付けた。
閨の授業は受けていた。
しかし、自分の股間が使い物にならなかったため実技は飛ばしたが……
(なんだこの心地は……)
クライドは目の前がチカチカするほどの興奮に襲われた。
粗末な生地のワンピースの裾から伸びた白い脚が艶めかしい。
握りしめた陰茎の先にはぷっくりと粘液の玉が膨らみ、陰囊が持ち上がっている。
クライドはセラフィナの下着を乱暴に脱がせると閨の授業で見た女性器に欲望のままに陰茎をぶち込んだ。
ぬぬ……と抵抗があり少し手こずるとクライドは生まれて初めて意識がある状態で射精した。
それは脳が蕩けるような心地よさだったのでクライドは混乱した。
自分には、
二卵性であまり顔は似ていないが、髪の色が同じだ。
知らなければわからないだろう。
その兄よりも俺は優秀だった。
だから後継者は俺しかいないだろう、そう自他共に認められていたのだ。
自分は普通ではないと昔から気付いていた。
周りの態度も自分の立ち位置もわかる聡明な子どもだったのだ。俺は。
「殿下ぁ……お願い致します。どうかその気になっていただけませんかぁ?」
先日結婚した妻が顔を涙でぐちゃぐちゃにしながら床に額を付けている。
「……貴様に魅力を感じぬ」
もうかれこれ三度結婚を繰り返している。
王族は子を残さねばならん。
彼は内心冷や汗をかいていた。
(……なぜ勃たぬのだ!俺の陰茎は!もうどんな女性でも無理だというのか!?三人目だぞ!?)
「クライド様ぁ……お願い致します。私、このまま子種をいただかずに部屋へ戻るわけには……」
「……ふん、自分のことばかり……そんな女は妻として相ふさわしくない」
自分にこんな欠陥があったとは……
クライドは内心頭を抱えた。
勃起不全だけではない。
なぜか女性に触れようとするだけで、怖気が走り全身がムズムズと痒くなっていくのだ……
クライドは妻を部屋から追い出した後、全身をボリボリと掻きむしった。
そんなある日三人目の妻との離婚が成立してからクライドは父親である王から呼び出された。
(嫌な予感がする……)
「クライド……お前、聖騎士になれ」
「……はい。承知いたしました」
クライドは遂に事実上、王位継承権を剥奪された。
聖騎士は基本王族がなる。
今回は本来、双子の兄が就くのではないかと思われていた。周りも、俺も、本人でさえも……
聖騎士を任命された帰りに廊下で会った兄に「お前が不能だったとはな。人生とはわからん、なあ?弟よ」とニッコリ微笑まれたものだ。
「……はい」
これから自分は王族でも貴族でもない。
なんでもない存在になるのだ。
聖騎士?
あんなもの……使えない駒が暴れないように監禁しておく場所だ。
監視下に置いて、反逆しないために。
(俺の人生は終わりだ)
クライドは憎々しげに自分の股間に目を落とすと舌打ちをした。
だから驚いたのだ。
久しぶりに呼び出された王宮で「東の聖女と婚姻を結べ」と言われた時は。
神殿に戻ると祈りを終えたオリビアがもうすでにそこにいて「クライド、結婚するんですって?」とふわりと微笑んだ。
「……まあ、形だけでしょう」
クライドは過去三回の結婚を思い出しつまらなさそうに言った。
三人の妻は家柄等から決められた女性で皆、容姿端麗で頭もよかったそうだ。公爵家以上の身分で所作等の美しさも申し分なかったそう……
(そんなに素晴らしい女性でも興味が湧かなかったのだ。俺は)
特に一人目の女性は昔からの婚約者だった。
時折王宮でお茶も飲んだ。
(まあ、この女と結婚するのだろう)
相手もそう思っていたのだろうし、お互い悪い感情はなかった。
美しく優しい女性だった。
ような覚えがある。
名前は……なんだったか……
「セラフィナと申します」
初対面の妻がそう言った。
彼女は粗末な白いワンピースで教会に現れた。
クライドは自分の正装姿を見て彼女の方を向く。
マナーがなっていない。と伝えたかった。
「あ、結婚式?するんですよね?」
しかし、彼女はそんなことは気にならないようであっけらかんとしてそう言った。
クライドは顔を引きつらせた。
(なんだこの無礼な女は……)
「……ねえ?私は名乗ったけど、あなたは名乗らないの?無礼な男ね」セラフィナは可愛らしい唇を尖らせるとそんな顔に似合わない調子で忌々しそうに言った。
「く……っ……クライド・ホーリックだ……」
「……ふふ、クライド様?よろしくね」セラフィナはそう言うとニッコリ微笑んだ。
その時、クライドの胸は何かに掴まれたようにギューっと苦しくなった……
「……?」
しかし恋を知らなかった彼は詐欺師の東の聖女が何かしたのかと舌打ちをしたのだった。
勝手に胸をときめかせたくせに。
「これは契約結婚だ。国同士が決めた」
「……はい?……はい」
「理解できませんか?勘違いするな、ということです。この先、何があったとしても」
クライドは王から初夜の証拠を送るように命令されていた。
(どうせできないと思っているくせに……本当に嫌なことを命令するものだ)彼は歯ぎしりをした。
自分の血を垂らすか、なんならあの東の聖女に噛みついて血を垂らしてやろうか。
クライドはイライラと考えを巡らせた。
それと裏腹に口元が引き上がってしまいそうになるのを懸命に抑えた。(一体なんだと言うんだ!?笑う場面ではないぞ!)
「三年は?そうだ!三年にしましょう!」
セラフィナがニッコリ微笑むとなんでもないような調子でそう言った。クライドはその顔を見て、なんだか妙な……
腹立たしいような心地になったので軽くセラフィナをベッドに向けて押した。
(生意気な東の詐欺師め。強がっているのか?他の女のように縋り付けばいいものを!だから東の女は嫌なんだ!三年で俺から離れるだと!?)クライドに妙な独占欲のような物が芽生えていく……この女を自分だけの物にしたい。
「……証拠を送れと言われてる」
ズキンズキンと股間が痛む……
クライドは股間が苦しくてベルトを外した。
(…………)
クライドは初めて見た自分のそそり立つ陰茎に言葉を失うとそれに香油を塗り付けた。
閨の授業は受けていた。
しかし、自分の股間が使い物にならなかったため実技は飛ばしたが……
(なんだこの心地は……)
クライドは目の前がチカチカするほどの興奮に襲われた。
粗末な生地のワンピースの裾から伸びた白い脚が艶めかしい。
握りしめた陰茎の先にはぷっくりと粘液の玉が膨らみ、陰囊が持ち上がっている。
クライドはセラフィナの下着を乱暴に脱がせると閨の授業で見た女性器に欲望のままに陰茎をぶち込んだ。
ぬぬ……と抵抗があり少し手こずるとクライドは生まれて初めて意識がある状態で射精した。
それは脳が蕩けるような心地よさだったのでクライドは混乱した。
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