【R18】聖なる☆契約結婚

mokumoku

文字の大きさ
上 下
21 / 47

21★

しおりを挟む
「こ、ここが!ここがいい感じかセラフィナ……?」
「気持ちいい……」
クライドがゆるゆるとそこを揺らすたびにセラフィナの子宮には快感の種が膨らんでいく……それはツン……と尿意を刺激するような心地だ。
(既婚の聖女が言っていた……性行為の時、気持ちがいいと我慢した尿意を一気に解き放つ感覚になるって……そして頭が真っ白になるって……あれって男性器が挿入されたらではなかったのかも…)

セラフィナはこれがその準備段階なのではないかと読んでいた。
「セラフィナ……」
クライドはいつもに増して勢いよくセラフィナの唇に吸い付いた。「んン……」セラフィナは陰核に触れる快感と舌を絡ませる快感に襲われて思わず声を漏らした。

フーフーとクライドは荒い息を吐く。

指先から伝わる陰核の様子が触れる度に固さを帯びていくことにもクライドは大層興奮していた。
むき出しの男性器は早く快感を得たいと先ほどからビクビクと震え、早く射精がしたいと先から先走り汁を垂らしている。

(し、静かにしろ……)

クライドはそんな自分自身を押さえつけるように男性器を握りしめた。上下に思いっきり扱きたい欲はギリギリで耐える。

(そんな格好悪いところを見られるわけにはいかん……)

先から溢れ出た先走り汁は握りしめたクライドの手に垂れてくる……その不快感にクライドは眉をしかめた。


「んっ…ん……」

セラフィナの身体がビクビクと跳ねて陰核がクライドの指の腹に押し付けられた。そのせいで陰核がヒクヒクと脈動しているのがクライドに伝わり、彼は鼻血と精を吹き出しそうになった。

(……これが絶頂……)

セラフィナは初めての絶頂にくったりとベッドに横たわった。
視線を感じて我に返るとクライドが泣きそうな顔で自分を見つめているのに気付いた。
その顔が以前興奮を指摘した時とそっくりだったのでセラフィナはクライドの頬に触れながら「……興奮してるの?」と聞いた。

「う、………うん……」

クライドは相変わらず泣きそうな顔でそう言うと男性器をセラフィナの陰部に当てた。ニュルリ……と初夜とは違う心地にクライドは背すじをゾクゾクさせて絶頂に耐えるのに夢中で、セラフィナが身を強張らせたことに気付くことができなかった。


(痛かったら蹴り飛ばせばいい、痛かったら蹴り飛ばせばいい……)
ぬぬ……とゆっくり中に侵入してくる男性器にセラフィナは手のひらの汗を握りしめた。
(痛かったら蹴り飛ばして噛みついて……もう二度としなければいいのよ……子を持つ夢は消えてしまうけど仕方がないわ)


一方クライドは別の気持ちと戦っていた。
(……今すぐ出してしまいたい……)
まだ先も入りきっていない段階で……クライドはセラフィナの中に翻弄されていた。生暖かいセラフィナの中はウネウネとクライドに吸い付いてくる。
「ぐ……ううぅ……」
別のことを考えて気をそらそうとすればするほど、セラフィナの体温を感じてクライドは陰囊から精が駆け上がってくる心地に苦しんだ。
セラフィナを極力見ないようにしていたクライドだったが、鼻を啜るような音がしたので慌てて顔を上げた。

セラフィナが嗚咽を漏らさないように涙をポロポロ溢しているのを見てクライドは彼女を抱き寄せた。
気を抜いた男性器の先からはドクドクと精が放たれていく。

「どうした……泣くな」
「……だって……怖いんだもの……」

セラフィナの涙を指で拭うと彼女はポツリとそう言った。
「そ、そうか……そうだよな。すまん……や、やめるか」
不謹慎にも再び固さを取り戻しつつある男性器をなだめながらクライドは絞り出すようにそう言った。
「……でも子どもは欲しいのよ……」
「ふぐっ……そ、そうか……じゃあ、ゆ、ゆっくり……ゆっくりしよう」クライドはすっかりバッキバキになった男性器を再び握るとセラフィナの陰部にあてがう。
「怖くないか」
クライドに優しく頭を撫でられてセラフィナは夫の顔を見た。
「……今のところ……」
クライドの自分を見る眼差しはとても柔らかく優しい。
セラフィナは勘違いしてしまいそうな自分を奮い立たせた。
(違うのよ。これは……違うのよ。愛だとか……恋だとかではないのよ。私たちは……そう、パートナー……パートナー……)

クライドはふわっと表情を緩ませると「怖くなったら言えよ……」と腰を進めた。

「……ん……」
「痛いか……?」
セラフィナが思わず声を上げると少し苦しそうな声でクライドがそう囁く。「……大丈夫……」
セラフィナは動揺していた。
演技なのかもしれないけれど……優しく労れながら行う性行為はセラフィナをなんとも言えない満たされた気分にさせた。

(……なんだろう……これは……)

少しずつ中が広げられていく……
「……う……」
クライドが出す声が心地よさを含んでいる気がしてセラフィナの子宮がキュウ……と縮まる。
初夜のころよりは痛みを伴わない性行に、セラフィナは身体の力を抜いた。
クライドがセラフィナの背に手を回すとピタリと二人の距離が縮まる。
「……大丈夫か……?」
「……うん……」
セラフィナがそう言いながらクライドを見上げると、夫は泣きそうな顔をして腰を振る。にちゃにちゃと二人の粘膜が絡まり合う音がして、セラフィナはなんだか妙に興奮してしまった。

先ほど触れられていた余韻のせいか、陰核が疼く……
少し苦しさを覚えて来た頃クライドは中に勢いよく精を出した。

「うっ……ご、す、すまん……大丈夫か?」
クライドは我を忘れて自分勝手に腰を振ったことを謝罪したが、それに対してセラフィナは「大丈夫……早く済ましてくれたんでしょ?……優しいね」と頬を染めたのでクライドはそれ以上何も言えなくなったのだった。

一方セラフィナはなんだか胸がキュンキュンしてしまって(……これじゃあ偽れなくなってしまうじゃない!)と一人動揺した。
しおりを挟む
感想 292

あなたにおすすめの小説

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結済】後悔していると言われても、ねぇ。私はもう……。

木嶋うめ香
恋愛
五歳で婚約したシオン殿下は、ある日先触れもなしに我が家にやってきました。 「君と婚約を解消したい、私はスィートピーを愛してるんだ」 シオン殿下は、私の妹スィートピーを隣に座らせ、馬鹿なことを言い始めたのです。 妹はとても愛らしいですから、殿下が思っても仕方がありません。 でも、それなら側妃でいいのではありませんか? どうしても私と婚約解消したいのですか、本当に後悔はございませんか?

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

忙しい男

菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。 「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」 「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」 すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。 ※ハッピーエンドです かなりやきもきさせてしまうと思います。 どうか温かい目でみてやってくださいね。 ※本編完結しました(2019/07/15) スピンオフ &番外編 【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19) 改稿 (2020/01/01) 本編のみカクヨムさんでも公開しました。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

処理中です...