【R18】9番目の捨て駒姫

mokumoku

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「ああ…ち、治療…あくまでも治療だ。お前も望んでいることだし…」王様は顔を真っ赤にするとじりじりと私の陰部に顔を寄せている。
「そうでございますよね…私はもうこれ以上ない位その治療を望んでおりますゆえ…」私はそこを両手で臀部を抱えるように開く。小さな水音がした。

「……」王様は喉をゆっくりと上下させると舌を伸ばし私の陰部に近寄る。「腫れているところが特に…そこを入念に治療してくださいませ…」
「あ、ああ…やはりそうか。わかった。傷は舐めるのが一番だからな…」そうかしら…お薬を塗った方がいい気がするけれど…
「そうなんですね…私の傷が早く治りますようにお願い致します…」


王様はゆっくりと私の陰核に舌を這わせると細かいところまで丁寧に唾液を纏わせる…「は、ああ…」「大丈夫か?すまん…痛いよな…それなのに俺は…」王様は顔を上げて申し訳なさそうにしている。
「い、いいえ…治りそうな予感に思わず声が…あの…気にせず続けてくださいませ」私は快感に陰核をひくつかせながら言った。

「そ、そうか?すまん…あの、時折動くものだから痛いのかと…舐めるほどに腫れているが大丈夫なのか?痛くないか…赤くなっている…」
「そ、それは…治る予兆のようなものでございますのでご安心くださいませ。何事も治る直前は悪くなったりしませんか…?」私がそう言うと王様は安堵したような顔をして再び私の陰核に舌を這わせた。
ああ…気持ちいい…
この指では味わうことのできない心地よさ…「あっ…あっ…な、治りそう!治りそうでございます!!」
「そ、そうか!」
「あー!もう少しなので動きを早めていただけると…」
「こ、こうか?」
「あー!治ります!これは治りますぅ…!!」









私は深い絶頂の後呼吸を整えると上半身を起こした。「…ありがとうございます。王様のお陰で痛みがかなり楽になりました…」「そ、そうか?それはよかった。はははは」王様は口元を手で拭うと立ち上がり後ろを向いている。
気崩れたバスローブを直しているのだろうか…

私がベッドに行こうと動くと「…お、おい。すまんな。俺のせいで下半身が濡れているから…ほら、これで拭いてやるからちょっと待て。気分が悪いだろ」とタオルで私の陰部を拭ってくださった。

「ありがとうございます」

ああ…こんなに優しくされてしまって…騙した罪悪感が…

「まだ身体が辛いだろう、ほら、抱いてやるから」王様はそう言うと私を抱え上げてベッドにそっと下ろした。私はますます罪悪感が募ってきて心の中で何度も王様に謝罪したのでした…

「じゃ…じゃあ寝ような。おやすみ…王妃…」
「おやすみなさいませ…王様…」










「ぐぅ…くそ…下手を踏むとは」俺は脇腹に深く刺さった弓を握りながら木の陰で座る。折れないように気を付けなければ…「……くそ…ね、眠たくなってきた…」先の見えぬ戦争だ。しかし戦果を上げねば上には行けん…
俺が父上の下にたどり着くまでいかほどかかるのか。
それに…

「…殺し合いたいわけではない…」
瞼が下がっていく…
眠ってはならないと本能が俺に警告を出しているが…
抵抗できないほどの眠気に俺は目を閉じてしまった。

少し目を瞑るだけだ。
次に目を開けたら…
目を開けたら矢を抜こう。

傷口を焼いて止血しなければ…

俺は早く行かねばならんのだ。

早く行かねば…

この国はなくなってしまう。
俺がやらねば国民はどうなる。

俺が










俺が眠りと現実の狭間をウロウロしていると一匹の獣が現れた。それは美しく光り輝いており「まだお前に死なれては困るぞ」と呟くと鼻先で矢に触れた。
矢がなんの抵抗もなくズルリと抜けたのを感じて
血がたくさん出てしまう…と俺はぼんやり思う。


そして楽になるのだ。
このまま寝ていたい

獣の大きな舌で傷口を舐めるとそれは嘘のように痛みを失っていく。獣に舐められるたびに痛みがなくなっていく…


おい、お前は何を望む?

まだ聞いていなかったな。探したぞ。逃げられんぞ。どこにいても

お前は何と引き換えに何を望むのだ。

何を私にくれるのだ。

今すぐ契約しろ








「俺は」







俺はその時ぼんやりと思った。
そう言えば小さい頃も怪我をするたびこの獣は現れて俺を舐めてくれたものだと。

なんだかそう思い出したのだ。






























「に…逃げるつもりか!!それは許さんぞ!!王妃!!!」


俺は鍛錬場を後にした王妃を追いかけるために立ち上がる。
逃さんぞ!逃がすものか!!お前は俺のものだ!!






「ははははは!物凄く執着してらっしゃる!」いつの間にかそこにいた神殿長が腹を抱えて笑っているのに気付いた俺は胸ぐらを掴み上げ「貴様!!何がおかしい!!」と神殿長に詰め寄った。

「おーこわいこわい、そんな様子では王妃は一生部屋から出てこないでしょうね」神殿長は薄っすら笑みを浮かべるとそう言いながら俺を見た。「……なんだと?」
「あなたは確かにティシュア様を害そうとしたではありませんか、それを謝罪しましたか?あなたの気持ちは伝えましたか?」
「……まあ、それは…」謝ったような…謝ってないような。それに…気持ちなど!
しかし!「俺は男なんだぞ?ぐちゃぐちゃと言い訳をするより…態度で示すべきだろうが!」俺が顔を近寄せてそう言うと神殿長は俺の鼻先にキスをした。

「おい!貴様!!やめろ!!」俺は思わず神殿長を離し鼻先を服の袖でゴシゴシと拭った。「ははは!昔はよくキスをしていたではありませんか!」
「何十年前の話だ!それは!!」
俺が顔を真っ赤にして怒ると神殿長は笑うのをやめてじっと俺を見つめた。
「そう、私はずっとあなたを知っていて…この世界を見てきました。あなたたちに手を貸すことはできない。間違った道を行っていたら…助言することしかできません」
「……」
「あなたのお父様は全く耳を貸しませんでした。…あなたはどうですか?人間になりますか?ケモノに飲み込まれますか?」
……ど、どういうことだ…俺は彼女を大切に…
むちゃくちゃに抱き潰してしまいたいのだって我慢しているんだぞ?
そんな俺がケモノに?
………
……
「性の部分のお話ではございません。人間は…心を大切にしているのですよ?あなたは王妃様の心に本当に寄り添っていますか?」
「……」




神殿長はゆっくりとした動作でツヴァイの方を向く。
ツヴァイはキョトンとした顔をしながらセドリックに子を渡した。「なに?」と



「ツヴァイ様?あなたは自分が何かを手に入れるために…何をケモノに渡しましたか?それは人間にとって…意外と大事なものだったかもしれませんよ?」

「…………」

「浸かるのは楽で気分がいい。しかし…それに抗うのが人間ではありませんか?あなたはもう人の子の親になりました。……ツヴァイ様」





ケモノか
人間か
見た目以外ならばその違いは一体なんなのだ。

俺は…



「俺は…手放したくないだけなのだ…」
「ははは、ケモノにはない人間だけのコミュニケーションがありますよ。まあ、どうするのかはあなた次第ですが」

神殿長はそう言うとまた姿を消した。
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