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しおりを挟むとは言ったものの……
クロードは執務室から窓の下を眺めるとリリーと庭を散歩するフォルテナを監視して視線に気付いたフォルテナの側で作業をしていた庭師を目で殺しておいた。
(妻に近寄るなよ?)
クロードはフォルテナを見ただけでもガチガチと硬くなる男性器を手で押さえると椅子に座る。
「申し訳ございません。旦那様……どうしても旦那様のご確認が必要なものがございまして……」メイソンが申し訳なさそうに書類を持ってきたのでクロードは慌てて手を振ると『メイソンは悪くない』『迷惑を掛けてすまない』と手帳に書いた。
『三日間は執務に集中しよう』
「クロード様」
今日の執務が終わりフォルテナの部屋に向かうと駆け寄ってくる妻をクロードは受け止めた。男性器が容易に膨らんでいく……
柔らかいフォルテナの触り心地をあまり堪能し過ぎないようにしているとフォルテナはキュッとクロードを抱きしめ返した。
クロードはフォルテナの首すじに唇を寄せるとソファに押し倒す。す、少しだけ……少しだけ……
「あ……クロード様ぁ……」
クロードはフォルテナに濃厚なキスをするとフォルテナの下着越しに男性器を押し付けた。
その時クチャ……と音がしたのでフォルテナを見ると彼女は顔を手で覆いながら「私も……我慢しておりますゆえ……」と小さな小さな声で言った。
クロードは苦しんでいた。
まだ禁欲初日……夜隣に眠る妻がかわいらしくてかわいらしくて眠ることができない……
彼女は既に寝ており、すぅすぅと小さく寝息を立てている。
ガッチガチに起ち上がる陰茎を思いっきり上下に扱きたい……
クロードは下着の中に手を入れると硬く勃ち上がる陰茎を握る。タラー……と裏スジを愛液が伝っていく……
これを塗り拡げて触ると心地が良いに違いないのだ。
「私も……我慢しておりますゆえ……」
クロードは歯を食いしばるとフォルテナが昼間に言ったことを思い出し(約束……約束……)と心の中で繰り返し唱えると手を胸の上に組んで眠りについた。
「ハァ……」
クロードはガチガチに勃ち上がり続ける男性器を見つめて執務室でため息をついた。
「ぼっちゃま?」メイソンがこちらを向いたのでなぜだろう……と顔を見た。
「あ」
クロードは思わず口を押さえる。
話せないのに……クロードがメモを書こうと手帳を広げると「ぼ、ぼっちゃま!ぼっちゃま!」とメイソンが取り乱し始めた。
いかん、これ以上近寄られると……勃起がバレる!
「メイソン待って」
クロードが思わず口を開けた時音が出た。
「……なんだ?」
「ぼっちゃま……」
メイソンの涙声でクロードが顔を上げると「こ、声が……お声が……ぼっちゃま……」とメイソンは机に突っ伏して泣き崩れた。
「……」
クロードは立ちあがると「あ……」と声を出した。
「あー、あー、あー」
耳を塞ぎ何度も声を出した。
「メイソン……声が」
クロードがそう言うとメイソンはハンカチで顔を拭きながら「はい……ぼっちゃま。声が戻って来られました」と笑いながら言った。
「フォルテナ殿!フォルテナ殿!!」
クロードは執務室を飛び出すとフォルテナの部屋まで走った。
「だ、旦那様?」
リリーが扉を開けて目を丸くしている。
「リリー?誰だった?男の人だわ……私、あまり旦那様以外とはお話をしないように……」
フォルテナの声がしたのでクロードはリリーに入室することを告げて中に入った。
「クロード様?……?」
フォルテナがキョトンと扉付近に立っていたのでクロードは「フォルテナ殿!俺は声が出るようになりました!」と元気よく告げた後フォルテナを抱きしめた。
「え?声が?今ですか?」フォルテナは言葉を失っているのか、そう言うとパクパク口を数回開けた。
「はい」
「……ええと……もっと何か……ドラマチックな展開の時に話せるようになったりするものではないのですか?」
「……?例えば?」
「……私が崖にぶら下がっていたり……」クロードはフォルテナの言葉に思わず大きな声で笑った。それを見てフォルテナは目を丸くしている。なんで笑うの?と
「あなたが崖にぶら下がるような状況に俺はしません」クロードはひとしきり笑った後、目尻を手のひらで拭うと呼吸を整えながら言った。
「そう?」
「はい、あなたの盾に……俺がなりますから」
俺が君を危険に晒すはずがないだろう。
フォルテナはなんだか頼もしい様子のクロードを見てニッコリ笑うとフォルテナは手を首に回し、クロードがそれに顔を寄せた。
「ふふ……クロード様はそんな声でらしたのね」
「イメージと違う?」
「いいえ……素敵な声……それに」
「それに?」
「私のこと『フォルテナ殿』と呼んでらしたのね」フォルテナはそう言うと柔らかく笑ってクロードにキスをした。
「……変だろうか……」
クロードが少し顔を染めて俯いた。
「いいえ……私のこと、名前で呼んでくださっていたのね……?ねえ?私もクロード様とお呼びしても?」フォルテナがクロードの鼻先に自身の鼻を寄せる。
クロードは少し顔を傾けながら「勿論。喜んで……」とフォルテナの薄く開けた口に自身の口を寄せると舌を差し込んだ。
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