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そういって毎日殿下のところに通った。いまはもう殿下の婚約者じゃないから
忙しい王太子妃教育も受けなくていいから暇なんだよね。
陛下が私を看守にとは言ってないけど、罪は私が決めたほうがいいとおっしゃられてらから、私が決めるのだ。
様子くらい見に来ていいだろう。

「殿下!」

「またか、もう三日間も来てるぞ。なんであきないんだ・・・。」

「私も暇ですから!」

「おい、本音が出てるぞ。」

「しまった!」

「ふふっ」

罠にはまった!

「何が面白いんですか!」

「だって、気づいて驚くのはわかるが、しまったって、ふふっ。口に出すのはお前くらいだぞ」

お前ぐらいって、、、誉め言葉?

「お褒めにあずかり光栄です?」

「いやほめてない。」

なんか心を読まれてるような・・・。

「そういえば今日はなんでそんな恰好なんだ?」

今私の格好は、白いワンピースに街に売ってる低いヒール。
アクセサリーなんかはつけてない。髪もおさげ。

「ふふっ。あのね、今日はお忍びで、街に行けるの!」

「そうか。」なんだか寂しそうにしている気がする?

「でも日帰りだから!」

「当たり前だろう。町宿にお忍びで泊ってくる令嬢がどこにいるんだ。
でも東町には近づいちゃだめだ。わかったか?絶対だぞ。」

「なんでー?」
私がこんなに猫をかぶらないのは久しぶりだな。
殿下と一緒にいると安心するし、なんだかリラックスできる。

「あの町はかなり、治安が悪い。入った瞬間だれかに連れ去られるだってことだってあるかもしれないぞ。」

「ええっ。治安が悪いとは聞いてましたがそんなに、、、
なぜでしょうか。」

「元が盗賊や犯罪ギルドの味とだったとか。あと、街が迷路みたいだから、犯罪に向いてるだとかで。」

「詳しいんですね」

「ああ、政治にかかわるからな。」

「そういえば、お前前とかなり、かわったな。猫をかぶってないというか柔らかいというか。」

ぎくっ

「王太子妃の教育がなくなったから楽なんですよ。毎日が楽しくてしょうがないんです。」

「そんなに王太子妃教育がつらかったのか、、それはすまなかった。」

「いえいえ、別に殿下をせめてるわけでは・・」

「あ、もう時間なので!また夜に来ますね!」
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