1001部隊 ~幻の最強部隊、異世界にて~

鮪鱚鰈

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ゲルマン皇帝ヨハイネバルグ

クモン王国の壊滅② 転生者ナガエ

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ヘキサ王の一行は街道を走る

上空にはグリフィン空中隊80
地上には精鋭で組まれた近従隊200程
なんといっても五剣聖のうち三人も配備している
それに五剣聖で一番力のあるライアルを時間稼ぎに王都に置いている

ダミーとして各方面に兵たちを逃がしている

それとなく流した噂で王都の外は避難する住民であふれている
それらも我らの逃亡を助ける要因になる。

その作戦を指示したのは近従長 ナガエ

ナガエ・ガズトシ
彼は転生者である
1980年代、神戸市で育ったナガエは何も取り柄のない男であった
大学にも行かず、仕事も長続きしない、親の金で生きていく、いわゆる引きこもりでもある、出かけるのは夜中24時間営業に変わった近くのコンビニぐらいだ、彼が昼に出掛けるのは、本屋に行く程度、コアなロリ系エロマンガを買いに行く、それが彼が太陽を見る時でもあった

ある日彼が、本屋に出掛けた帰り道、偶然近くのやくざが通りかかり、偶然そのヤクザが襲われた。
偶然その場に居合わせたナガエは、襲った犯人と勘違いされて撃たれた、

やくざ抗争の一環で彼はいわゆる『戦死』した事になり
そして彼は転生者に選ばれた

彼が求めた能力で『可愛いロリっこに好かれる力』でランダムで与えられた能力は『剣技の達人』
である

クモンに転生した彼は、転生前の低身長の太った男ではなかった
長い髪はそのままだったが髪を後ろに束ね、やたらとかっこいい剣を持っていた
身長も188cm位になり体つきも筋肉質に変わっていた
これは彼が望んだ姿というわけではなく、転生にあたる神の祝福で彼が秘めていた可能性である、幼少期より運動などをして成長していれば彼はこうなっていた可能性なのである。

彼は生まれ変わった、食うためにクモンの兵士に応募する。何せ剣技の達人である
同期では圧倒的力で昇進する
同期にも女性はいて、彼はモテていたが彼はロリコンである
彼の口癖は「10年遅いんだよ」だ

彼の剣技は若くして、すぐに認められクモン五剣聖決定戦で二位になった、決勝のライアル戦もかなりの見ごたえがある試合であった

その試合で皇女アミンに気に入られた、皇女は13歳
身分が高くて、美少女!そしてロリである
彼のど真ん中である

皇女アミンの許嫁として王家近従長に昇進した

彼がクモンにもたらした技術も多い
最初彼は銃の開発に乗り出したが 前世界では無縁の物、勉強もしていなかった彼がその構造を理解できなかった
代わりにボーガンを提案し開発した

これによりクモンはボーガンが普及され、熟練でない弓手も高威力の弓を打てるようになる
特に足場が安定しない中グリフィン隊はボーガンを愛用した

そして魔道通信である
彼が唯一前世界で仕組みを分かっていたアマチュア無線を応用している
電波の代わりに風の魔力の振動を利用する、風の属性を持つ魔石を使い、空気を振動させる音波を発生させる
受診した音波を風の魔法で音に変える

ただし前世界の電波と違い、範囲は狭い1km~2kmと言った所だ
だがこの世界では革新的な物であった

彼がクモンにもたらした技術はこんなものだ

いい事だけではない、彼は転生者の為、肉体が衰えない、一方で皇女アミンは現在30歳になっていた
14歳で初子を産み、15歳で第2子を生んで以降子供を産んでいない、余りに若い内の出産によりアミンは子を望めないから体になってしまった
ナガエは前世界通じて初めての女性でもあるアミンは大切にした。そして性行為もせずに愛でていたように見えた。
しかしその一方でナガエは次々と若い側室を持つことになる、別にこの国では珍しい事ではないが
10代前半の女ばかりを側室に迎えるのは異常ともいえる
子供を産めない体になったアミンは嫉妬をするが、深い嫉妬ではない
それにナガエは側室を長くは愛さない 側室が18歳くらいになると部下の嫁としていた
『ロリっこ』にはモテる能力なので、そのころの側室たちは彼の本性を見破り愛想を尽かしている
というのもある

皇女アミンにとっては私だけは特別という事である。


ナガエは考えていた・・な・・なんなんだよ・・戦争って・・・
俺は平和の国で生まれた男だ・・・可愛いロリっこに囲まれた生活を壊されるのはやだ・・・

逃げなくては、幸い王も逃げる体制になっている、でも侵攻速度を考えるとただ逃げるだけでは間に合わない
そうだ、ライアルにやらせればいいじゃん、もともとベルドアの使者を殺したのもライアルの部下だし・・
生きてさえいれば俺の力ならどこの国でもやっていける・・・

アミン・・・皇女って立場が無くなればいらない・・・危険なら見捨てよう・・・とにかく俺は生き残る・・・
子供達?もうどうでもいい・・・

「お父様!怖い!」
一番上の娘アミラがナガエに抱き着く、ナガエのこは13人いるが女の子はアミラとミントだけだ
アミラはアミンに似て美少女だ今年で12歳になる

ナガエはアミラを抱っこする
「だ、大丈夫だ・・・お父さんが付いている・・・・」

アミラ・・・可愛くなってきたな・・グフ

何処までもクズである

************

逃げる一行の前に巨大な魔力が現れた

魔力の高くないヘキサ王もそれを感じ取る

そして一行の進行が止まった
「なんだ!なにがあった?」
馬車から顔を出すヘキサ王

前方に見える3人の人影
真ん中に立つのは間違いない近衛兵隊長のライアルだそしてその後ろに副長のシデン、もう一人は知らない女だ、恐ろしく妖艶である

「ライアル隊長!いったいどうして?王都防衛はどうなった?」

一団の先頭を馬で走っていた王都防衛隊のソルダムがライアムに近づく
彼も5剣聖の一人

騎士の聖職を持つ

ソルダムがライアルに近づいた途端、ライアルは一刀でソルダムを真っ二つに切り裂いた
脳天から股間に向けて真っ二つである

ライアルは返り血に染まる

「ふふふふ、ヘキサ王よ!このライアル、シラク様より王一族の皆殺しの許可を頂いた、皆我らの餌となるがいい」

「な!ライアル裏切ったのか!」


「裏切る?ふははは、民を裏切り逃亡している王の口からその言葉が出るか?残った王都民は守った、国を捨てた者など国民でもない、すべてはヨハイネ様が救ってくれる」

ナガエはライアルの様子を見て驚愕した、明らかに強くなっている、既に年を取っていたライアルが、まるで20年くらい若返ったようだ・・
発する魔力も半端ではない
絶対にやばい・・・

「お父様!怖い・・・ライアル様どうしちゃったの?」

アミラが不安そうにナガエを見る

く・・娘とはいえ、ロリ美少女の願いは無視できない
真正のクズのナガエだが、断れない頼み、ロリ美少女の頼みは断れない・・・

「大丈夫だ・・アミラお父さんが付いている」

ナガエは剣を抜く

王を守る役目だ数いる有力者の中で後方にいたのは言うまでもない

「お父様!なぜライアル様はあのような!」

王子の護衛役である長男のミナス、男の子には興味はないナガエだ、物心ついた頃からミナスは、ライアルの元に修行に出された、転生者の息子という事でその能力も高く15歳にしてクモン5新聖に数えられる

ナガエにとって息子を鍛錬する事なぞ面倒な仕事だった、だから甘えを許さないためと称してライアルに預けたのだ、そして息子は成長し、王の孫で王子の従弟という身分から王子相談役として王子の護衛についている

それ事態も息子を厳しく育てたナガエの功績になっている。
実の息子を甘やかさず、厳しい人物の元に修行に出させるなど、早々いないからである

息子ミナスも、自分と歳が変わらない側室を数多く持つ事には疑問を持っていたが、ライアルさんと互角に戦えた父を尊敬していた、ちなみに彼はおっぱいが大きい女が好きで性癖は父の真逆である
エリートでモテるが同年代の女性には見向きもしなかった、彼が好んだのは主に大人の女性
身分も高い彼が侍女に手を出したのは僅か10歳の時である、黒髪の美少年でもあるミナスは次々と侍女に手を出した、社交界でも手を出すのは大人の女性ばかり、マダムキラーとまで陰で呼ばれていた、15歳にしてマダムキラー
その辺にはライアルもあきれられていた

因みに女王アミスはヴァルハラ人である、ヴァルハラ人は500年の寿命を持ち、配偶者にもその寿命を共有できる
しかし人間との間には子ができにくい

皇女アミンを生んで15年目にして王子ギレンを生んだ
王子ギレンと同じ年齢であるミナスが重要なポジションにつくのもわかるが
今年王女は第3子を生む、その子供は黒髪であった、王女アミスの父は黒髪であったので隔世遺伝と位置付けられたが
ミナスは良く王女アミスに呼ばれることもある・・・そこは邪測と言えよう

三つ目族と人間の子は人間で生まれる可能性の方が高い、母方の異伝を引く場合は必ず三つ目になる
ギレンは三つ目が出たのでまあ大丈夫だろう・・・いろいろと

****

ナガエは剣を構える

5剣聖の一人ソルダムがいとも簡単にやられてしまったのだ、

だが近従兵も精鋭をそろえている、王都防衛隊も精鋭揃いだ、上空にはグリフィン隊と5剣聖のエモエスタもいる

相手は3人・・まだ戦える、誰もがそう思っていた

「グリフィン隊!裏切り者ライアルに向けて放て!」

エモエスタの号令の元上空から無数の矢が放たれる

「あら?あなた達は私が相手してあげる」

赤い目をしたグリフィンに立ち乗る女、エミーナが上空に上がってきた

すぐさまエミーナに向けて矢を放つグリフィン隊だがその矢はエミーナが作り出す黒い霧により落とされる

「おまえら!矢は効かぬようだ一斉にかかれ!」
エモエスタの号令の元グリフィン隊はエミーナに一斉攻撃を開始した

魔法を使う物、剣で突進するものさまざまである、しかしエミーナが放つ黒い霧に包まれた隊員は次々とミイラのようになり地上に落ち絶命する

「ば!化け物が!」
エモエスタも切りかかる、『炎のエモエスタ』、聖職は魔法剣士を持つ

炎に包まれた長剣はエミーナの霧を切り裂いた

「ふふふ!楽しめそうな子もいるのね」
エミーナは不敵に笑った

*****

「敵は3人だ!一斉にかかれ!」

地上でも同時に始まる

王都防衛隊の精鋭が襲い掛かる

上空からはグリフィン隊からの矢が降り注ぐ

「小賢しい!」

ライアルは剣を土にさして大きな土の塊を造りだしすべての矢を受ける

既にエミーナが上空に飛び立っていた

「シデン!相手してやれ!」

「はい」

ライアルの後ろからシデンが飛び出す

目にもとまらぬ速さでシデンは王都防衛隊の精鋭を切り殺していく

60人はいた防衛隊の精鋭はあっという間に数を減らす

ライアルはゆっくり王のいる馬車に近づく

そしてその前に立つのはナガエだ

「ナガエか・・・お前ほどの力があればもっと強くなっていただろうに・・・」

「な!なにをいう・・・俺は俺だ!」

「お父様!頑張って!」
アミラが叫ぶ、その声はナガエに勇気を与えた

「ライアルさん!娘だけは助けてくれないか?」

「ふははは・・お前が娘の命ごいをするとはな・・親子そろってクズだと思っていたが・・・少しは成長したという事か?だが断る!皆殺しが命令だ!ふっゴブリン達に種付けされるよりましだろう」

「なんだって・・・そんなマンガみたいな・・・」

「マンガ?なんだそれは?お前は転生者だったな、元の世界な物か・・ふふ、お前を仲間にすることは無い、だがお前の息子は違う、ミナス、いるなら出てこい」

「ラ!ライアルさんなぜこのような!」

「ふはははは!ミナス、お前にはチャンスをやる!お前には才能がある、この女にだらしない男の遺伝子を汲んではいるが、我と共にヨハイネ様につくか?」

「ふざけるな!私は王子を守る立場だ!」

{息子~そこは違う・・・家族も共にならだろ~}ナガエの心の中

「そうか・・・やはりこのクズとはミナスは、ナガイ、残念だがお前の痕跡は子供もろとも消し去ってやろう」

ライアルとナガイの戦いが始まろうとしていた

「お父様!」

「おっと!ミナス・・お前の相手は俺がやろう」

ミナスが振り返る

既に近従の精鋭も皆殺しにされていた、残されたのは王の馬車の中にいる
王と王女と王子、皇女である母上、そしてまだ幼い第3王子クリス王子
そして馬車の周りを囲む侍従、とても戦力とは言えない
妹が不安げに見ている

僕が負ければ後は無い

ミナスは真剣なまなざしでシデンを見て剣を構えた
























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