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終章:postlude
夢宴
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藤田五郎という男がいる。東京は本《ほん》郷《ごう》の真《ま》砂《さご》に住む、齢七十二の老《ろう》爺《や》である。
古希を過ぎてなお矍《かく》鑠《しゃく》とし、ほんの半月ほど前まで、日課である剣術の稽古を欠かさなかった。それが急に胃の腑を病んで、ここのところ寝付いている。大正四年(一九一五年)九月の終わりである。
藤田は数年前まで女学校の庶務兼会計の仕事に就いていた。老爺とはいえ腕が立つため、用心棒でもあった。仕事ぶりは勤勉で、視界の悪い雨の日は誰に命じられるでもなく門の前に立ち、人力車の交通整理をして女学生たちの安全を見守る。そんな男だった。
女学校に勤める前は、高等師範学校で撃剣師範を務めていた。さらにその前職は警官で、まじめな勤務態度と剣術の腕前を認められ、帯刀を許可されていた。明治十年(一八七七年)に世間を揺るがせた西南戦争でも、藤田は抜きん出た手柄を立てている。
藤田が東京で警官になったのは、明治七年(一八七四年)ごろのことである。何者かの口利きで、どうも正規ではない方法で職に就いたらしく、警官となった正確な経緯はわからない。任務のほうも隠密行動が多かったようだ。
それより前の藤田は、陸奥の未開の地、斗《と》南《なみ》藩で屯《とん》田《でん》に従事していた。斗南藩は、新政府軍に敗れて領地を没収された会津藩の末路である。賊軍と名指された会津藩士たちは、豊かな会津の地から不毛の斗南へと強制移住させられ、苦しい生活に喘《あえ》いだ。
斗南藩に住んでいたころ、藤田は、一《いちの》瀬《せ》伝《でん》八《ぱち》と名乗っていた。会津藩士たちとともに新政府軍に抵抗して戦ったころは、山口二郎と名乗っていた。ただし、その通名はあまり使われなかった。藤田は、斎藤一と呼ばれていた。
慶応四年あるいは明治元年(一八六八年)に展開された一連の内乱は、戊《ぼ》辰《しん》戦争と呼ばれる。斎藤は鳥羽伏見で戦い、江戸に移り、宇都宮で戦い、白河口で戦い、母《ぼ》成《なり》峠《とうげ》で戦い、会津若松で戦った。会津若松の鶴ヶ城は一箇月に渡る籠城戦の末、新政府軍に降伏した。
同じ新撰組の土方歳三や島田魁らは鶴ヶ城落城を待たずに北方へ転戦したが、斎藤は会津藩と命運をともにした。明治二年(一八六九年)五月に土方が箱《はこ》館《だて》で戦死したとの知らせは、越《えち》前《ぜん》高《たか》田《た》での謹慎中に聞いた。斎藤たち会津藩士は、その冬に極寒の斗南に移った。
斎藤は一度、篠田やそという武家の女と所帯を持った。やそは斗南の厳しい気候の中で命を落とた。やがて斎藤は藤田五郎と名を変え、東京で警視庁に採用された明治七年(一八七四年)、高木時尾と夫婦《めおと》になった。
時尾との祝《しゅう》言《げん》は、松平容保を筆頭に、佐川官兵衛や山川浩といった旧会津藩の重鎮が仲人を務めた。無口な斎藤がこの日ばかりは素直に笑って泣き、佐川たちにそそのかされ、顔を真っ赤にして、花嫁衣裳の時尾に「美しい」と告げた。
斎藤の寡黙は結局、その後も変わらない。己の素性を他人に語ることはなく、ただ妙に親切で丁寧なところがあって、近所に住む少年らに無償で剣術を教えたりなどした。少年らは、あの強いおじさんは何者だろうかと、首をかしげたものである。
祝言を挙げたとき、斎藤は三十一、時尾は二十九だった。若くはなかったが、三人の息子に恵まれた。
息子たちにとっても、父は不思議な男だった。寡黙で、昔語りを一切しない。彼らが父の過去を知ったのは、成人してしばらく経ってからである。永倉新八や島田魁といった、父よりいくらか年上の老人たちから、新撰組三番隊組長、斎藤一の話を聞いたのだ。
父は残虐な人殺しなのか、それとも、一時期でも英雄と呼ばれたのか。息子たちは父に問わなかった。父は今、誰よりも真《しん》摯《し》に生きている。それを知っているだけで十分だ。
息子たちの沈黙を、斎藤は心強く思った。同時に、少しだけ寂しかった。不《ぶ》躾《しつけ》にぶつかってきてくれてもよいのに、明治生まれの男児はおとなしいものだ。
幸せだった。
京都でたくさんの罪を重ね、会津の男として賊軍の汚名を着せられ、自分が生きていてよいものかと悩み続ける日々があった。それでも生きた。
時尾を娶《めと》った。子宝に恵まれた。警官の若い部下に慕われ、高等学校や女学校の生徒たちに懐かれた。昔の仲間と再会し、酒を酌み交わした。戊辰戦争に散った仲間たちの墓に参り、オレは老けたよと報告した。
こんなに幸せに生きてしまって、よかったのだろうか。
先ほどから体が動かない。床の間に正坐をし、その瞬間を待っている。間もなく迎えが来る。あの裏切り者の斎藤一にふさわしくない、なんと穏やかな死に際だろう。
「本当だよ。いちばん危険な任務に就いていたくせに、試衛館の中じゃいちばん最後まで生きてるんだから。しかも、美人で優しい奥さんをもらって、さんざん惚《のろ》気《け》てくれるとはね」
懐かしい声がする。ぽんと肩を叩かれる。目を上げると、そこに鮮やかな浅《あさ》葱《ぎ》色の羽織をまとった若い男が立っている。
沖田さんが来てくれたのか。
「ゆっくり待ってた。全部見てたよ。来世への旅に出る前に、みんなで宴でもやろうと思ってさ。転生したら、環を持つ斎藤さんには、もう会えないんだし。そうそう、今年一月に永倉さんもこっちに来たよ。白髭の爺さんのくせに、映画好きのハイカラで通ってた」
ああ、永倉さんの映画好きは知っている。オレもハイカラ趣味に付き合わされたことがある。流行を追うとは、永倉さんは少し変わったな。
「斎藤さんは変わらなかったよね。いや、昔に比べれば優しい顔をするようにはなったけどさ、まじめすぎるところや不器用なところや口下手なところ、ちっとも成長しなかった。まあ、そこが斎藤さんの魅力でもあるのかな」
しわだらけの爺さんを前にして、変わらなかったなんて言うな。何もかも衰えたよ。
「そうだね。その体はもう限界だから、お別れしなよ。ちょっと寂しいだろうけど、悔いはないでしょ?」
うなずいて立ち上がる。体が軽い。手をかざす。蒼い環のある手の甲は、しわがなく精悍で若々しい形をしていた。手だけではない。姿見などないが、自分が沖田と同じく、新撰組として京都を駆けたあのころの格好をしていることを、斎藤は感じた。
「お疲れさま、斎藤さん」
「待たせたな」
「もっと待ってもよかったんだよ。ものすごく元気な爺さんだから、二百歳くらいまで生きてくれるんじゃないかなって期待してたのに」
「無茶だ。オレはそんな化け物じゃない」
沖田が声を上げて笑い、斎藤もつられて小さく笑う。行こうか、と沖田が手振りで示して歩き出し、斎藤は隣に並んだ。
女の声が背中に追いすがってきた。
「旦那さま? ねえ、旦那さま、何《な》如《じょ》したがよ? 旦那さま!」
時尾が、正坐したまま動かなくなった夫に、懸命に呼び掛けている。沖田が振り向いて眉を曇らせた。
「泣かせちまったね」
「仕方ないだろう」
「時尾さんの姿、最期に目に焼き付けておかなくていいの?」
「このまま行く。振り返ったら、名《な》残《ごり》惜しくなる。オレにはもったいないくらい、最高にいい女だった。時尾と暮らせて幸せだった。時尾と一緒になったから、オレは腐りもせず生きてこられたんだ。感謝しても、し切れない。礼をうまく言えなかったことだけが心残りだな」
「ちょっと、何だよそれ? いつになく饒《じょう》舌《ぜつ》になったと思えば、全力で惚《のろ》気《け》る? 斎藤さん、やっぱり変わった。ずるいよ。今の言葉、酒の肴《さかな》にするからね」
「構わん。オレは嘘なんかついていないしな」
まっすぐに歩いていく。時尾の声はもう聞こえない。
柔らかな光に満ちている。桜の花が咲いている。色付いた花の下で、男たちが気ままな酒宴を開いているのが見えた。男たちもこちらに気付いて、おおい、と手を振る。沖田と斎藤は手を振り返す。
沖田が駆け出し、斎藤も駆け出した。飛ぶように走る二人が、ほどなく男たちに迎えられる。常春の夢の宴は、ひときわ、にぎわいを増した。
物語はここに閉じる。かつて生まれ、生きて死んでいった者たちの、儚《はかな》くも鮮やかな光《こう》芒《ぼう》の物語である。
【了】
respect for;
沖田総司(1842? 1844? - 1868)
斎藤一(1844 - 1915)
and 新撰組
BGM:BUMP OF CHICKEN「ロストマン」
古希を過ぎてなお矍《かく》鑠《しゃく》とし、ほんの半月ほど前まで、日課である剣術の稽古を欠かさなかった。それが急に胃の腑を病んで、ここのところ寝付いている。大正四年(一九一五年)九月の終わりである。
藤田は数年前まで女学校の庶務兼会計の仕事に就いていた。老爺とはいえ腕が立つため、用心棒でもあった。仕事ぶりは勤勉で、視界の悪い雨の日は誰に命じられるでもなく門の前に立ち、人力車の交通整理をして女学生たちの安全を見守る。そんな男だった。
女学校に勤める前は、高等師範学校で撃剣師範を務めていた。さらにその前職は警官で、まじめな勤務態度と剣術の腕前を認められ、帯刀を許可されていた。明治十年(一八七七年)に世間を揺るがせた西南戦争でも、藤田は抜きん出た手柄を立てている。
藤田が東京で警官になったのは、明治七年(一八七四年)ごろのことである。何者かの口利きで、どうも正規ではない方法で職に就いたらしく、警官となった正確な経緯はわからない。任務のほうも隠密行動が多かったようだ。
それより前の藤田は、陸奥の未開の地、斗《と》南《なみ》藩で屯《とん》田《でん》に従事していた。斗南藩は、新政府軍に敗れて領地を没収された会津藩の末路である。賊軍と名指された会津藩士たちは、豊かな会津の地から不毛の斗南へと強制移住させられ、苦しい生活に喘《あえ》いだ。
斗南藩に住んでいたころ、藤田は、一《いちの》瀬《せ》伝《でん》八《ぱち》と名乗っていた。会津藩士たちとともに新政府軍に抵抗して戦ったころは、山口二郎と名乗っていた。ただし、その通名はあまり使われなかった。藤田は、斎藤一と呼ばれていた。
慶応四年あるいは明治元年(一八六八年)に展開された一連の内乱は、戊《ぼ》辰《しん》戦争と呼ばれる。斎藤は鳥羽伏見で戦い、江戸に移り、宇都宮で戦い、白河口で戦い、母《ぼ》成《なり》峠《とうげ》で戦い、会津若松で戦った。会津若松の鶴ヶ城は一箇月に渡る籠城戦の末、新政府軍に降伏した。
同じ新撰組の土方歳三や島田魁らは鶴ヶ城落城を待たずに北方へ転戦したが、斎藤は会津藩と命運をともにした。明治二年(一八六九年)五月に土方が箱《はこ》館《だて》で戦死したとの知らせは、越《えち》前《ぜん》高《たか》田《た》での謹慎中に聞いた。斎藤たち会津藩士は、その冬に極寒の斗南に移った。
斎藤は一度、篠田やそという武家の女と所帯を持った。やそは斗南の厳しい気候の中で命を落とた。やがて斎藤は藤田五郎と名を変え、東京で警視庁に採用された明治七年(一八七四年)、高木時尾と夫婦《めおと》になった。
時尾との祝《しゅう》言《げん》は、松平容保を筆頭に、佐川官兵衛や山川浩といった旧会津藩の重鎮が仲人を務めた。無口な斎藤がこの日ばかりは素直に笑って泣き、佐川たちにそそのかされ、顔を真っ赤にして、花嫁衣裳の時尾に「美しい」と告げた。
斎藤の寡黙は結局、その後も変わらない。己の素性を他人に語ることはなく、ただ妙に親切で丁寧なところがあって、近所に住む少年らに無償で剣術を教えたりなどした。少年らは、あの強いおじさんは何者だろうかと、首をかしげたものである。
祝言を挙げたとき、斎藤は三十一、時尾は二十九だった。若くはなかったが、三人の息子に恵まれた。
息子たちにとっても、父は不思議な男だった。寡黙で、昔語りを一切しない。彼らが父の過去を知ったのは、成人してしばらく経ってからである。永倉新八や島田魁といった、父よりいくらか年上の老人たちから、新撰組三番隊組長、斎藤一の話を聞いたのだ。
父は残虐な人殺しなのか、それとも、一時期でも英雄と呼ばれたのか。息子たちは父に問わなかった。父は今、誰よりも真《しん》摯《し》に生きている。それを知っているだけで十分だ。
息子たちの沈黙を、斎藤は心強く思った。同時に、少しだけ寂しかった。不《ぶ》躾《しつけ》にぶつかってきてくれてもよいのに、明治生まれの男児はおとなしいものだ。
幸せだった。
京都でたくさんの罪を重ね、会津の男として賊軍の汚名を着せられ、自分が生きていてよいものかと悩み続ける日々があった。それでも生きた。
時尾を娶《めと》った。子宝に恵まれた。警官の若い部下に慕われ、高等学校や女学校の生徒たちに懐かれた。昔の仲間と再会し、酒を酌み交わした。戊辰戦争に散った仲間たちの墓に参り、オレは老けたよと報告した。
こんなに幸せに生きてしまって、よかったのだろうか。
先ほどから体が動かない。床の間に正坐をし、その瞬間を待っている。間もなく迎えが来る。あの裏切り者の斎藤一にふさわしくない、なんと穏やかな死に際だろう。
「本当だよ。いちばん危険な任務に就いていたくせに、試衛館の中じゃいちばん最後まで生きてるんだから。しかも、美人で優しい奥さんをもらって、さんざん惚《のろ》気《け》てくれるとはね」
懐かしい声がする。ぽんと肩を叩かれる。目を上げると、そこに鮮やかな浅《あさ》葱《ぎ》色の羽織をまとった若い男が立っている。
沖田さんが来てくれたのか。
「ゆっくり待ってた。全部見てたよ。来世への旅に出る前に、みんなで宴でもやろうと思ってさ。転生したら、環を持つ斎藤さんには、もう会えないんだし。そうそう、今年一月に永倉さんもこっちに来たよ。白髭の爺さんのくせに、映画好きのハイカラで通ってた」
ああ、永倉さんの映画好きは知っている。オレもハイカラ趣味に付き合わされたことがある。流行を追うとは、永倉さんは少し変わったな。
「斎藤さんは変わらなかったよね。いや、昔に比べれば優しい顔をするようにはなったけどさ、まじめすぎるところや不器用なところや口下手なところ、ちっとも成長しなかった。まあ、そこが斎藤さんの魅力でもあるのかな」
しわだらけの爺さんを前にして、変わらなかったなんて言うな。何もかも衰えたよ。
「そうだね。その体はもう限界だから、お別れしなよ。ちょっと寂しいだろうけど、悔いはないでしょ?」
うなずいて立ち上がる。体が軽い。手をかざす。蒼い環のある手の甲は、しわがなく精悍で若々しい形をしていた。手だけではない。姿見などないが、自分が沖田と同じく、新撰組として京都を駆けたあのころの格好をしていることを、斎藤は感じた。
「お疲れさま、斎藤さん」
「待たせたな」
「もっと待ってもよかったんだよ。ものすごく元気な爺さんだから、二百歳くらいまで生きてくれるんじゃないかなって期待してたのに」
「無茶だ。オレはそんな化け物じゃない」
沖田が声を上げて笑い、斎藤もつられて小さく笑う。行こうか、と沖田が手振りで示して歩き出し、斎藤は隣に並んだ。
女の声が背中に追いすがってきた。
「旦那さま? ねえ、旦那さま、何《な》如《じょ》したがよ? 旦那さま!」
時尾が、正坐したまま動かなくなった夫に、懸命に呼び掛けている。沖田が振り向いて眉を曇らせた。
「泣かせちまったね」
「仕方ないだろう」
「時尾さんの姿、最期に目に焼き付けておかなくていいの?」
「このまま行く。振り返ったら、名《な》残《ごり》惜しくなる。オレにはもったいないくらい、最高にいい女だった。時尾と暮らせて幸せだった。時尾と一緒になったから、オレは腐りもせず生きてこられたんだ。感謝しても、し切れない。礼をうまく言えなかったことだけが心残りだな」
「ちょっと、何だよそれ? いつになく饒《じょう》舌《ぜつ》になったと思えば、全力で惚《のろ》気《け》る? 斎藤さん、やっぱり変わった。ずるいよ。今の言葉、酒の肴《さかな》にするからね」
「構わん。オレは嘘なんかついていないしな」
まっすぐに歩いていく。時尾の声はもう聞こえない。
柔らかな光に満ちている。桜の花が咲いている。色付いた花の下で、男たちが気ままな酒宴を開いているのが見えた。男たちもこちらに気付いて、おおい、と手を振る。沖田と斎藤は手を振り返す。
沖田が駆け出し、斎藤も駆け出した。飛ぶように走る二人が、ほどなく男たちに迎えられる。常春の夢の宴は、ひときわ、にぎわいを増した。
物語はここに閉じる。かつて生まれ、生きて死んでいった者たちの、儚《はかな》くも鮮やかな光《こう》芒《ぼう》の物語である。
【了】
respect for;
沖田総司(1842? 1844? - 1868)
斎藤一(1844 - 1915)
and 新撰組
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