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異世界転移編
ランツェルさんは……
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駐屯も3日目になると、さすがに俺は慣れてきた。いつもの様に朝ごはんを食べアドリと水魔法を使って遊ぶ。暇つぶし兼練習だ。
するとランツェルがどうやら俺を見ている事に気づいた。
「ランツェルさんどうしたんですか?」
「あ、いや修平さん水魔法練習してるなら、俺教えますよ?」
「あー、そう言えば水魔法のエキスパートだとか?」
「いやぁ……それほどでも……あります」
あるのかよ!
だが、ランツェルの自信満々な事はすぐに納得した。
「水の鎌……ですか?」
「はい、基本的に水での攻撃は突くより切る方が向いています。また、切れない場合捕らえたり、窒息させたりする事でより効果的につかえるのです」
「なるほど……もしかして鎌なのは水の量を稼ぐ為??」
「さすが、同じ水属性ですね! 鎌の部分の水をあらかじめ生成しておく事で捕獲時などの際追加での生成が必要無くなります」
「なるほど、確かに生成って意外と時間かかるからなー」
「はい、操作は魔力と繋げるだけでできますからね……と言っても修平さんは……」
「ああ、大丈夫! このスマホ防水だから!」
「そうでは無くて、魔力の操作を直接は出来ないんですよね?」
確かに、俺はスマホを操作するしか無い。
「まぁ、飛ばすか凍らすかする方がいいかもですね……」
「詠唱でいけるかな?」
「その方が使いやすいですよ!」
それからランツェルと水魔法の練習をする。水の玉を浮かして飛ばす位は大分と慣れてきた。
「また、駐屯している間は一緒に練習しましょうか?」
「是非お願いするよ!」
ランツェルとの練習はかなり為になる、俺のやりたい事をすぐに教えてくれ、扱うコツなんかもわかりやすく伝えてくれた。
ランツェルか……若いし優しいエリート騎士。
娘を嫁にやるならこういうのが来て欲しいというようなパーフェクトな青年だ。
きっとモテるんだろうな……。
「ねぇねぇ、修平兄ぃ……暇だよー」
俺が練習をすると自動的にアドリは暇になる。
ランツェルはアドリにも優しく接した。
「アドリちゃん、お兄ちゃんが水で何かつくってあげようか?」
「ほんと? 修平兄ぃ、こういう所は見習わないとね! べーっ!」
アドリは舌をだし、ランツェルの魔法にキラキラと目を輝かせた。
「修平、練習はどうだ?」
彼との練習を見ていたのか、エリカが声をかけてきた。
「うん、彼すごいな! わかりやすくて助かるよ」
「水はランツェルに聞くのがいいだろう。彼は元々私の部隊でな、かなり有能な騎士だ」
「だと思う、なんかエリートって感じだよな」
「ふふっ、昔の仲間が褒められるのは悪くないな」
それから、昼間はランツェルと練習や簡単か実践練習などを行う日々が始まる。
7日目を過ぎた辺りで、休憩中に俺はふとランツェルに聞いた。
「魔族はいつくるんだろう?」
「修平さんは来て欲しいんですか?」
「そういうわけじゃないけど……ランツェル達は任務になっちゃってる訳だろ?」
「まぁ、閣下が解散させない限りは続きますね」
「ずっと来ないかもしれないし……」
「まぁ閣下は1か月が目安とおっしゃっていたので、それくらいは駐屯する気ですのでまだ遅いとは思ってないですね」
任務ってそんな感じなのか。大変だなと俺は声に出さずに思う。するとランツェルはチラリと見て声にする。
「あ、あの修平さんは少佐と付き合っているんですか?」
「え? あ、いやまだ付き合って無いけど」
するとランツェルはホッとした様な表情をうかべる。
「そうなんですね! 自分、この任務が終わったら告白しようと思うんです」
「ちょっ、ランツェルそれは死亡フラ……」
「アドリさんに!」
「へ? アドリに?」
「はい、あの美しい顔に綺麗な緑の髪。すぐ頼ってくれる女の子らしさに惚れました!」
「アドリはまだ10歳くらいだぞ?」
「恋に歳は関係ありません!」
なんだろう、さすがに好青年でも色々と厳しい。
「というか、今の話の流れ的には相手はエリカだろ!! なんで急にアドリなんだよっ」
「え? 自分が少佐? ないないないない! 自分Mじゃ無いっすよ」
ロリコンだけどな……。
「考えてみてください、結婚したら毎日家に少佐がいるんですよ? 晩ご飯毎日ササミとかだしそうだし、おかえりとか絶対言ってくれないっすよ?」
「それはわからないでも無いけど……」
「怪我とかしても、"回復は養成所で習った筈だ"とか言われそうだし、それが死ぬまで毎日っすよー無理無理無理!」
まぁ、確かにアドリならご飯も拘りそうだし、"大丈夫? 回復してあげるね? となるだろうな。
「あんなの美人の皮を被ったストイックゴリラですよ!」
ランツェルさんの後ろにエリカの姿がみえる。
「あー、あのランツェルさん? え、え……」
「なんですか? ストイックゴリラでもいたんですか?」
「ランツェル? 誰がストイックゴリラだ?」
「しょ、少佐!」
ランツェルは恨めしい目で俺を見る……。
「ランツェル最近弛んでいるのでは無いか?」
その後、エリカに連れ去られたランツェルの方から叫び声が聞こえてくる。
俺は暇そうなアドリの元に行くと聞いてみた。
「なぁ、ランツェルの事どう思う?」
「ランツェルさん? うーん水芸人?」
ランツェル……あきらめろ。
「そうか……アドリは好きな人いないのか?」
「んー? アドリと結婚したいの?」
「なんでそうなるんだよ?」
「アドリの可愛さに遂にきづいたのかと……」
「かわいいとは思うけど……」
アドリはムフフと笑うと、ポンポンと腕を叩いた。このまま平和な雰囲気で過ごせたらいいのにと思った。
だが、その翌日遂に魔族達が来る事になった。
するとランツェルがどうやら俺を見ている事に気づいた。
「ランツェルさんどうしたんですか?」
「あ、いや修平さん水魔法練習してるなら、俺教えますよ?」
「あー、そう言えば水魔法のエキスパートだとか?」
「いやぁ……それほどでも……あります」
あるのかよ!
だが、ランツェルの自信満々な事はすぐに納得した。
「水の鎌……ですか?」
「はい、基本的に水での攻撃は突くより切る方が向いています。また、切れない場合捕らえたり、窒息させたりする事でより効果的につかえるのです」
「なるほど……もしかして鎌なのは水の量を稼ぐ為??」
「さすが、同じ水属性ですね! 鎌の部分の水をあらかじめ生成しておく事で捕獲時などの際追加での生成が必要無くなります」
「なるほど、確かに生成って意外と時間かかるからなー」
「はい、操作は魔力と繋げるだけでできますからね……と言っても修平さんは……」
「ああ、大丈夫! このスマホ防水だから!」
「そうでは無くて、魔力の操作を直接は出来ないんですよね?」
確かに、俺はスマホを操作するしか無い。
「まぁ、飛ばすか凍らすかする方がいいかもですね……」
「詠唱でいけるかな?」
「その方が使いやすいですよ!」
それからランツェルと水魔法の練習をする。水の玉を浮かして飛ばす位は大分と慣れてきた。
「また、駐屯している間は一緒に練習しましょうか?」
「是非お願いするよ!」
ランツェルとの練習はかなり為になる、俺のやりたい事をすぐに教えてくれ、扱うコツなんかもわかりやすく伝えてくれた。
ランツェルか……若いし優しいエリート騎士。
娘を嫁にやるならこういうのが来て欲しいというようなパーフェクトな青年だ。
きっとモテるんだろうな……。
「ねぇねぇ、修平兄ぃ……暇だよー」
俺が練習をすると自動的にアドリは暇になる。
ランツェルはアドリにも優しく接した。
「アドリちゃん、お兄ちゃんが水で何かつくってあげようか?」
「ほんと? 修平兄ぃ、こういう所は見習わないとね! べーっ!」
アドリは舌をだし、ランツェルの魔法にキラキラと目を輝かせた。
「修平、練習はどうだ?」
彼との練習を見ていたのか、エリカが声をかけてきた。
「うん、彼すごいな! わかりやすくて助かるよ」
「水はランツェルに聞くのがいいだろう。彼は元々私の部隊でな、かなり有能な騎士だ」
「だと思う、なんかエリートって感じだよな」
「ふふっ、昔の仲間が褒められるのは悪くないな」
それから、昼間はランツェルと練習や簡単か実践練習などを行う日々が始まる。
7日目を過ぎた辺りで、休憩中に俺はふとランツェルに聞いた。
「魔族はいつくるんだろう?」
「修平さんは来て欲しいんですか?」
「そういうわけじゃないけど……ランツェル達は任務になっちゃってる訳だろ?」
「まぁ、閣下が解散させない限りは続きますね」
「ずっと来ないかもしれないし……」
「まぁ閣下は1か月が目安とおっしゃっていたので、それくらいは駐屯する気ですのでまだ遅いとは思ってないですね」
任務ってそんな感じなのか。大変だなと俺は声に出さずに思う。するとランツェルはチラリと見て声にする。
「あ、あの修平さんは少佐と付き合っているんですか?」
「え? あ、いやまだ付き合って無いけど」
するとランツェルはホッとした様な表情をうかべる。
「そうなんですね! 自分、この任務が終わったら告白しようと思うんです」
「ちょっ、ランツェルそれは死亡フラ……」
「アドリさんに!」
「へ? アドリに?」
「はい、あの美しい顔に綺麗な緑の髪。すぐ頼ってくれる女の子らしさに惚れました!」
「アドリはまだ10歳くらいだぞ?」
「恋に歳は関係ありません!」
なんだろう、さすがに好青年でも色々と厳しい。
「というか、今の話の流れ的には相手はエリカだろ!! なんで急にアドリなんだよっ」
「え? 自分が少佐? ないないないない! 自分Mじゃ無いっすよ」
ロリコンだけどな……。
「考えてみてください、結婚したら毎日家に少佐がいるんですよ? 晩ご飯毎日ササミとかだしそうだし、おかえりとか絶対言ってくれないっすよ?」
「それはわからないでも無いけど……」
「怪我とかしても、"回復は養成所で習った筈だ"とか言われそうだし、それが死ぬまで毎日っすよー無理無理無理!」
まぁ、確かにアドリならご飯も拘りそうだし、"大丈夫? 回復してあげるね? となるだろうな。
「あんなの美人の皮を被ったストイックゴリラですよ!」
ランツェルさんの後ろにエリカの姿がみえる。
「あー、あのランツェルさん? え、え……」
「なんですか? ストイックゴリラでもいたんですか?」
「ランツェル? 誰がストイックゴリラだ?」
「しょ、少佐!」
ランツェルは恨めしい目で俺を見る……。
「ランツェル最近弛んでいるのでは無いか?」
その後、エリカに連れ去られたランツェルの方から叫び声が聞こえてくる。
俺は暇そうなアドリの元に行くと聞いてみた。
「なぁ、ランツェルの事どう思う?」
「ランツェルさん? うーん水芸人?」
ランツェル……あきらめろ。
「そうか……アドリは好きな人いないのか?」
「んー? アドリと結婚したいの?」
「なんでそうなるんだよ?」
「アドリの可愛さに遂にきづいたのかと……」
「かわいいとは思うけど……」
アドリはムフフと笑うと、ポンポンと腕を叩いた。このまま平和な雰囲気で過ごせたらいいのにと思った。
だが、その翌日遂に魔族達が来る事になった。
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